消化器癌 Reference book 愛知県病院薬剤師会専門薬剤師教育委員会がん部会ツール作成チーム 2017.11.20 改
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目次 愛知県病院薬剤師会がん部会 消化器癌に用いる抗がん薬の略語一覧消化器癌の各種レジメンの催吐性リスク分類催吐性リスク別の制吐療法オランザピンの制吐薬としての使用 Reference bookの臨床試験の見方 3-5 6-10 11-13 14-15 16-17 2
愛知県病院薬剤師会がん部会 抗がん薬略語一覧 消化器癌に用いるもの
愛知県病院薬剤師会がん部会消化器癌に用いる抗がん薬の略語一覧 1 略語 正式名称 先発品の商品名 分類 Bmab Bevacizumab アバスチン 血管新生阻害薬 CAP Capecitabine ゼローダ 代謝拮抗薬 CDDP Cisplatin ランダ ブリプラチン 白金製剤 CDGP Nedaplatin アクプラ 白金製剤 Cmab Cetuximab アービタックス 抗 EGFR 抗体薬 CPT-11 Irinotecan カンプト トポテシン トポイソメラーゼ阻害薬 DTX Docetaxel タキソテール 微小管阻害薬 ETP Etoposide ラステット ベプシド トポイソメラーゼ阻害薬 FT Tegafur フトラフール 代謝拮抗薬 FU Fluorouracil 5-FU 代謝拮抗薬 GEM Gemcitabine ジェムザール 代謝拮抗薬 L-OHP Oxaliplatin エルプラット 白金製剤 LV Folinate ユーゼル 葉酸製剤 4
愛知県病院薬剤師会がん部会消化器癌に用いる抗がん薬の略語一覧 2 略語正式名称先発品の商品名分類 l-lv Leucovorin アイソボリン葉酸誘導体 nab-ptx Nanoparticle albumin-bound PTX アブラキサン 微小管阻害薬 PTX Paclitaxel タキソール微小管阻害薬 Pmab Panitumumab ベクティビックス抗 EGFR 抗体薬 Rmab RAM Ramucirumab サイラムザ血管新生阻害薬 S1 Tegafur/Gimeracil/ Oteracil ティーエスワン 代謝拮抗薬 STZ Streptozocin ザノサーアルキル化薬 TAS-102 Trifluridine/Tipiracil ロンサーフ代謝拮抗薬 Tmab Trastuzumab ハーセプチン分子標的薬 UFT Tegafur/Uracil ユーエフティ代謝拮抗薬 VP-16 Etoposide ラステット ベプシドトポイソメラーゼ阻害薬 5
愛知県病院薬剤師会がん部会 催吐性リスク分類 消化器癌の各種レジメン
愛知県病院薬剤師会がん部会消化器癌レジメンの催吐性リスク分類 1 高度催吐性リスク (HEC) レジメン名 構成抗がん剤 癌種 FP 5-FU+CDDP 食道癌 XP±Tmab CAP+CDDP 胃癌 SP±Tmab S1+CDDP 胃癌 STZ STZ NET FOLFOXIRI l-lv+5-fu+l-ohp+cpt-11 大腸癌 FOLFIRINOX l-lv+5-fu+l-ohp+cpt-11 膵癌 [ 制吐薬適正使用ガイドライン 2015 年 10 月第 2 版, 金原出版, 2015.10.29, 28, 95-96.] 7
愛知県病院薬剤師会がん部会消化器癌レジメンの催吐性リスク分類 2 中等度催吐性リスク (MEC) レジメン名 構成抗がん剤 癌種 FOLFIRI l-lv+5-fu+cpt-11 大腸癌 GC GEM+CDDP 胆道癌 mfolfox6 5-FU+L-OHP 大腸癌 IRIS S1+CPT-11 大腸癌 TAS-102 TAS-102 大腸癌 XELOX CapeOX CAP+L-OHP 胃癌 大腸癌 SOX S1+L-OHP 胃癌 大腸癌 GS GEM+S1 膵癌 GEM+nab-PTX GEM+nab-PTX 膵癌 CPT-11 CPT-11 胃癌 大腸癌 Imatinib Imatinib GIST [ 制吐薬適正使用ガイドライン 2015 年 10 月第 2 版, 金原出版, 2015.10.29, 95.] 8
愛知県病院薬剤師会がん部会消化器癌レジメンの催吐性リスク分類 3 軽度催吐性リスク レジメン名構成抗がん剤癌種 GEM GEM 膵癌 l-lv/5-fu l-lv+5-fu 大腸癌 胃癌 MTX/5-FU MTX+l-LV+5-FU 胃癌 PTX PTX 胃癌 nab-ptx nab-ptx 胃癌 DTX DTX 胃癌 食道癌 経口フッ化ピリミジン系薬 (S1 UFT CAP など ) S1 UFT CAP 胃癌 大腸癌膵癌 胆道癌 Sunitinib Sunitinib GIST pnet [ 制吐薬適正使用ガイドライン 2015 年 10 月第 2 版, 金原出版, 2015.10.29, 95-96.] 9
愛知県病院薬剤師会がん部会消化器癌レジメンの催吐性リスク分類 4 最小度催吐性リスク レジメン名 構成抗がん剤 癌種 Cmab Cmab 大腸癌 EVE Everolimus pnet Sorafenib Sorafenib 肝臓癌 Regorafenib Regorafenib 大腸癌 肝細胞癌 GIST Tmab Tmab 胃癌 Cmab Cmab 大腸癌 Pmab Pmab 大腸癌 Bmab Bmab 大腸癌 [ 制吐薬適正使用ガイドライン 2015 年 10 月第 2 版, 金原出版, 2015.10.29, 96.] 10
高度催吐性リスクに対する制吐療法 愛知県病院薬剤師会がん部会 1 2 3 4 5 ( 抗がん薬投与前 ) ( 日 ) アプレピタント (mg) もしくはホスアプレピタント (mg) 125 80 80 150 5-HT 3 受容体拮抗薬 デキサメタゾン (mg) 9.9 8 8 8 8 ± その他の補助薬 ロラゼパム H 2 受容体拮抗薬もしくはプロトンポンプ阻害薬 注 ) アプレピタントを使用しない場合は 1 日目のデキサメタゾン注射薬は 13.2~16.5mg とする 高度催吐性リスクの中で アントラサイクリン系抗がん薬とシクロホスファミドを含むレジメンは根拠となる臨床試験が他の高度リスク抗がん薬とは異なる AC 療法のエビデンスから 2 日目以降のデキサメタゾンの上乗せ効果は証明されていない また ホスアプレピタントの有効性や安全性も アントラサイクリン系抗がん薬とシクロホスファミドを含むレジメンを用いる乳がん症例ではデータが少ないため 合併症に注意して慎重に投与する必要がある [ 制吐薬適正使用ガイドライン 2015 年 10 月第 2 版, 金原出版, 2015.10.29, 19, 21] 11
愛知県病院薬剤師会がん部会中等度催吐性リスクに対する制吐療法 1 2 3 4 5 ( 抗がん薬投与前 ) ( 日 ) 5-HT 3 受容体拮抗薬 デキサメタゾン (mg) 9.9 (6.6) 8 8 8 注 ) デキサメタゾンを積極的に利用できない場合は デキサメタゾン 2~4 日間の代わりに 5-HT 3 受容体拮抗薬 2~4 日間を追加する カルボプラチン イホスファミド イリノテカン メトトレキサートなど使用時 アプレピタント (mg) 125 80 80 オプション もしくはホスアプレピタント (mg) 5-HT 3 受容体拮抗薬 150 ± その他の補助薬 ロラゼパム H 2 受容体拮抗薬もしくはプロトンポンプ阻害薬 デキサメタゾン (mg) 4.95 (3.3) 4 4 4 [ 制吐薬適正使用ガイドライン 2015 年 10 月第 2 版, 金原出版, 2015.10.29, 19, 22] 12
軽度催吐性リスクに対する制吐療法 愛知県病院薬剤師会がん部会 1 2 3 4 5 ( 抗がん薬投与前 ) ( 日 ) デキサメタゾン (mg) 6.6 (3.3) 注 ) 状況に応じてプロクロルペラジンまたはメトクロプラミドを使用 制吐薬治療の注釈 最小度催吐性リスクに対しては 通常予防的な制吐療法は推奨されていない 各薬剤の推奨用量 ( 代替用量 ) を記載した は注射薬 は経口薬とする デキサメタゾンは経口投与が困難な場合 注射薬での投与を検討する は状況に応じて投与の可否を選択できるものとする [ 制吐薬適正使用ガイドライン 2015 年 10 月第 2 版, 金原出版, 2015.10.29, 19, 23] 13
オランザピン ( ジプレキサ ) 愛知県病院薬剤師会がん部会 <2017/6/9 公知申請により適応追加 > 効能 効果 抗悪性腫瘍剤投与に伴う消化器症状 用法 用量 成人に対して他の制吐剤と併用し 5mg もしくは 10mg を投与する 原則としてコルチコステロイド +5-HT 3 受容体拮抗薬 +NK 1 受容体拮抗薬と併用 オランザピン 5 mg vs 10 mg : 国内無作為試験にて有効率に差はなし 1) 眠気の副作用発現率は 10 mg で高い 1) 国内では 5mg から使用し適宜増量し 10mg まで オランザピン投与期間 : 原則として抗悪性腫瘍剤の投与前に投与 各クールにおける投与期間は 6 日間までを目安とする 2) 1) Jpn J Clin Oncol, 2015; 45, 229-231. 2) J Pain Symptom Manage, 2014, 47, 542-550. 14
オランザピン ( ジプレキサ ) 愛知県病院薬剤師会がん部会 有効性 海外無作為化二重盲検第 Ⅲ 相試験 1) デキサメタゾン + パロノセトロン + ホスアプレピタントで無効の患者に対してメトクロプラミド 10 mg とオランザピン 10 mg(day1-3) の上乗せ効果を比較 悪心 嘔吐ともにオランザピンによる抑制が強い 国内無作為化二重盲検試験 2) デキサメタゾン +5-HT 3 拮抗薬 + アプレピタント併用時におけるオランザピン 5 mg(day0-5) とプラセボを比較 急性期 遅発期ともにオランザピンで悪心軽減 G3,4 の副作用はなし 1) Support Care Cancer, 2013, 21, 1655-1663. 2) J Pain Symptom Manage, 2014, 47, 542-550. 15
愛知県病院薬剤師会がん部会 消化器癌 Reference book の見方 臨床試験についての記載
Reference book の臨床試験の見方 愛知県病院薬剤師会がん部会 臨床試験の有効性の評価のうち 下線が主要評価項目 副作用は全 Grade の発現頻度が高い順に記載 臨床試験から得られた結果 ( 結論 ) を簡潔に記載 17