第 1 章総 則 第 1 節方 針 1 目的この計画は 災害対策基本法 ( 昭和 36 年法律第 223 号 以下 災対法 という ) 第 42 条の規定により 池田町防災会議が策定する計画であって 町及び防災関係機関がその有する全機能を有効に発揮して 町の地域における震災にかかる災害予防 災害応急対策及び災害復旧を実施することにより 町の地域並びに地域住民の生命 身体及び財産を地震災害から保護することを目的とするとともに 町民一人一人の自覚及び努力を促すことによって被害を最小限に軽減し もって社会秩序の維持と公共の福祉を図ることを目的とする 2 性格 構成この計画は 災対法第 42 条の規定に基づき作成されている 池田町地域防災計画 の 地震対策編 として 東海地震 東日本大震災を始めとする海溝型地震や 阪神 淡路大震災 平成 16 年 (2004 年 ) 新潟県中越地震 平成 19 年 (2007 年 ) 新潟県中越沖地震の原因ともなった内陸型地震をも対象とし その防災計画を定めるものである この計画は 町及び防災関係機関の防災業務の実施責任を明確にし かつ これら関係機関相互の緊密な連絡調整を図るために必要な 基本的大綱を示すものであり 災害発生時に講ずべき対策等を体系的に整理した実施細目 ( マニュアル ) 等については 更に関係機関において別途具体的に定めることを予定している なお この計画中 第 5 章は大規模地震対策特別措置法 ( 昭和 53 年法律第 73 号 ) 第 6 条の規定に基づく地震防災強化計画とし 第 6 章は東南海 南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 ) 第 6 条の規定に基づく推進計画とする また この計画に定められていない事項については 一般対策編 の例によるものとする 401 地震 1-1 方針
第 2 節用 語 この計画において 次の各号に掲げる用語の意義は 当該各号の定めるところによる 町本部とは 池田町災害対策本部をいう 県本部とは 岐阜県災害対策本部をいう 県支部とは 岐阜県災害対策本部西濃支部をいう 町計画とは 池田町地域防災計画をいう 県計画とは 岐阜県地域防災計画をいう 町本部長とは 池田町災害対策本部長をいう 県本部長とは 岐阜県災害対策本部長をいう 県支部長とは 岐阜県災害対策本部西濃支部長をいう なお 本計画中次の組織名称は 災害対策本部設置の如何により それぞれ次のとおり読みかえる ものとする 災 害 対 策 本 部 設 置 時 災害対策本部不設置時 ( 平常組織時 ) 町 本 部 池 田 町 ( 総務部総務課 ) 町 本 部 長 池 田 町 長 本 部 連 絡 員 本 部 連 絡 員 の 担 当 職 に あ る 者 県 本 部 岐 阜 県 ( 防 災 課 ) 県 本 部 長 岐 阜 県 知 事 県 本 部 部 班 岐 阜 県 部 課 県 西 濃 支 部 西濃振興局 ( 振興課 ) 県 西 濃 支 部 長 西 濃 振 興 局 長 県 西 濃 支 部 揖 斐 地 区 支 部 西濃振興局揖斐事務所 ( 振興課 ) 県 西 濃 支 部 揖 斐 地 区 支 部 長 揖 斐 事 務 所 長 県 支 部 班 事 務 所 等 第 3 節防災に関する組織 一般対策編第 1 章第 3 節 防災に関する組織 を準用する 第 4 節町及び防災機関の業務の大綱 一般対策編第 1 章第 4 節 町及び防災機関の業務の大綱 を準用する 402 地震 1-2 3 4
第 5 節町の断層等の概要 1 池田町の地形 地質町内には 多くの断層線が存在する 池田山東側に北北東 南南西方向の断層があり 侵食状態は壮年期で三角切面が明瞭に認められ 断層崖下に山麓扇状地が発達している 濃尾平野の地下には深さ2 千メートルに達する新生代の地層が横たわり その最深部は平野の真中でなく 養老 池田山地近くであり 他方養老 池田山地は古世代の地層から成り 新世代層はほとんど載せていない また 本町の平野部を構成する種々の地形面は 旧期扇状地面 新期山麓扇状地面 粕川 揖斐川の形成した新期緩扇状地面などからなり新 旧いずれも堆積作用の結果形成されたものである 旧期扇状地面は開析されて断片的にしか残存していない 平野部の大部分は緩扇状地によって占められており 扇状地面は 多くの河道群からできている 2 活断層の概要断層は従来地震の原因ではなく 地震動の結果として地層がずれたのであるという考えであったが 近年 地震断層が発見されて 最近の地質時代に活動した証拠があり 今後も繰り返し大地震を発生させる可能性があると判断される断層 つまり活断層が 地震発生と密接なかかわりをもっていることが明らかになった 今日では 地震予知の点から活断層の存在が特に重要視されている 岐阜県を中心とする中央日本の地域には 多数の活断層が分布していることが最近のプレートテクトニクスの研究によって明らかにされている 町地域には 町を縦走する池田山断層があり この断層は地震調査研究推進本部の調査によると 平成 17 年 1 月 1 日から30 年以内の地震発生確率が0.59% と予測されている また 西にはA 級の関ヶ原断層があり 南西には養老断層が伊勢湾へ向かってのびており さらに北には濃尾地震をおこし国際的に知られた根尾谷断層がのびており 注意を要するところである 403 地震 1-5
第 6 節被害想定 1 被害想定調査の目的岐阜県は 岐阜県東海地震等被害想定調査 ( 平成 15 年 7 月 ) 及び 岐阜県地震被害想定調査 ( 平成 10 年 3 月 ) を踏まえ 地震防災対策の効果的な推進を図ることを目的として 岐阜県東海地震等被害対応シナリオ作成業務報告書 を作成した また 平成 23 年 8 月の震災対策検証委員会の提言を受け 県内に影響を及ぼす最大級の地震について独自に調査 ( 委託先 : 国立大学法人岐阜大学 ) が進められた 町は この調査の結果を踏まえ 町地域防災計画に反映させ 一層の防災対策の推進に努める 想定要件ア想定する地震 ( ア ) 南海トラフ巨大地震 (M9.0) ( イ ) 養老 - 桑名 - 四日市断層帯地震 (M7.7) ( ウ ) 阿寺断層系地震 (M7.9) ( エ ) 跡津川断層地震 (M7.8) ( オ ) 高山 大原断層系地震 (M7.6) イ地震発生時刻 ( ア ) 午前 5 時 ( 在宅率が最も高い時刻 ) ( イ ) 午前 12 時 ( 在宅率が最も低い時刻 ) ( ウ ) 午後 6 時 ( 火気使用率が最も高い時刻 ) 各想定地震で震度 5 強以上の強い揺れに見舞われる人口の割合ア南海トラフ巨大地震 100% イ養老 - 桑名 - 四日市断層帯地震 100% ウ阿寺断層系地震 100% エ跡津川断層地震 91% オ高山 大原断層系地震 98% 404
各想定地震別被害想定 ア池田町被害想定 想定項目地震規模建物被害 ( 棟 ) 火災 養老高 - 桑阿寺跡津山 南海名 - 断層川断大原トラフ四日系層断層市断帯層帯 震度 最小 5.31 5.91 4.50 4.63 4.45 最大 5.81 6.37 5.05 5.15 5.02 4 0 0 0 0 0 5 弱 0 0 74 71 94 震度に対する人口比 (%) 5 強 0 0 26 29 6 6 弱 100 0 0 0 0 6 強 0 100 0 0 0 7 0 0 0 0 0 PL 値 ( 液状化指数 ) 最小 2.26 0.37 0.00 0.00 0.00 最大 30.40 32.31 0.00 0.00 0.00 対象外 38 38 100 100 100 PL 値に対応する面積比 (%) 0-5 39 39 0 0 0 5-15 0 0 0 0 0 15-23 23 0 0 0 揺れ 全壊 47 1,638 0 0 0 半壊 471 2,652 21 61 15 液状化 全壊 257 236 0 0 0 半壊 385 352 0 0 0 急傾斜地 全壊 0 1 0 0 0 合計 全壊 304 1,874 0 0 0 半壊 856 3,004 21 61 15 炎上出火件数 0 2 0 0 0 午前 5 時 残火災件数 0 2 0 0 0 焼失棟数 0 9 0 0 0 午後 12 時 炎上出火件数 0 2 0 0 0 405
人的被害 ( 人 ) 残火災件数 0 2 0 0 0 焼失棟数 0 10 0 0 0 炎上出火件数 1 6 0 0 0 午後 6 時 残火災件数 1 6 0 0 0 焼失棟数 2 28 0 0 0 死者数 3 101 0 0 0 午前 5 時 負傷者数 121 976 5 14 0 重症者数 6 216 0 0 3 要救出者数 10 380 0 0 0 死者数 1 38 0 0 0 午後 12 時 負傷者数 96 1,001 6 15 0 重症者数 8 172 0 0 5 要救出者数 5 169 0 0 0 死者数 2 59 0 0 0 午後 6 時 負傷者数 82 754 4 11 0 重症者数 5 145 0 0 3 要救出者数 7 235 0 0 0 避難者数 ( 建物被害及び焼失 ) 1,141 5,306 17 48 12 帰宅困難者 53 406
イ西濃圏域被害想定 想定項目地震規模建物被害 ( 棟 ) 火災 高養老 - 阿寺跡津山 南海ト桑名 - 断層川断大原ラフ四日市系層断層断層帯帯 震度 最小 5.16 5.11 4.21 4.44 4.12 最大 5.94 6.96 5.16 5.39 5.16 4 0 0 1 0 1 5 弱 0 0 79 44 72 震度に対する人口比 (%) 5 強 4 0 20 56 27 6 弱 96 3 0 0 0 6 強 0 72 0 0 0 7 0 25 0 0 0 PL 値 ( 液状化指数 ) 最小 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 最大 56.35 59.10 5.76 11.27 10.30 対象外 65 65 87 81 83 PL 値に対応する面積比 (%) 0-5 9 8 13 9 9 5-15 3 4 0 10 8 15-23 23 0 0 0 揺れ 全壊 1,683 34,160 0 1 0 半壊 11,607 36,749 399 1,025 412 液状化 全壊 7,006 6,975 460 1,286 913 半壊 10,475 10,430 686 1,922 1,363 急傾斜地 全壊 0 29 0 0 0 合計 全壊 8,689 41,164 460 1,287 913 半壊 22,082 47,179 1,085 2,946 1,776 炎上出火件数 5 53 1 1 1 午前 5 時 残火災件数 1 47 0 0 0 焼失棟数 6 243 0 0 0 炎上出火件数 5 62 1 1 1 午後 12 時 残火災件数 1 56 0 0 0 焼失棟数 8 289 0 0 0 407
人的被害 ( 人 ) 炎上出火件数 14 149 2 3 3 午後 6 時 残火災件数 8 143 0 0 0 焼失棟数 44 728 0 0 0 死者数 101 2,089 0 0 0 午前 5 時 負傷者数 2,784 14,492 80 211 0 重症者数 193 4,004 0 0 82 要救出者数 391 7,778 0 0 0 死者数 39 795 0 0 0 午後 12 時 負傷者数 1,869 14,986 88 197 0 重症者数 172 3,093 0 0 88 要救出者数 201 3,786 0 0 0 死者数 60 1,226 0 0 0 午後 6 時 負傷者数 1,762 11,735 68 160 0 重症者数 145 2,740 0 1 68 要救出者数 258 5,011 0 0 0 避難者数 ( 建物被害及び焼失 ) 34,926 113,180 1,844 4,874 3,242 帰宅困難者 2,684 2 想定結果からの課題ア震度予想想定 5 地震の中で最も大きな揺れが予想されるのは 関ヶ原 養老断層系地震 で 全町域で6 強が予想される そのほかの直下型地震は いずれも町域から離れていることから 5 前後が想定されている 想定 5 地震の中で 関ヶ原 養老断層系地震 の次に大きな揺れが予想されるのは 南海トラフ巨大地震 で 6 弱が想定されている イ避難者数建物被害による予想避難者数も 関ヶ原 養老断層系地震 が5,306 人と最も多く 次が 南海トラフ巨大地震 で 1,141 人が想定されている 帰宅困難者は 南海トラフ巨大地震 だけが想定対象になっているが 53 人が想定されている ウ建物被害と火災最も被害の大きな 関ヶ原 養老断層系地震 を例にとると 午後 6 時に地震が発生した場合の死者数 59 人 重症者 754 人 建物全壊 1,874 棟 焼失棟数 28 棟という結果が出されている 人的被害に比し 全壊建物が多い この結果から見て 死者や重症者は 建物の倒壊によるものが主であることが分かる したがって 建物の耐震化が急務であるとはいえ さらに 不燃化 消防力の更なる整備 ライフラ 408
インの早期復旧体制の整備 自主防災体制の充実 そして何よりも住民一人ひとりの意識の高揚が重要 といえる 409