「組織マネジメントに関する調査」結果(概要)

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(2) 予定される行動計画導入方法 ( 問 21 で 2 策定に向けて検討中である と答えた方へ ) 付問 1 一般事業主行動計画は どのような方法で導入する予定ですか ( はいくつでも ) 次世代育成支援対策推進法に基づく 一般事業主行動計画 を策定に向け検討中の事業所で どのような方法で導入する

2 継続雇用 の状況 (1) 定年制 の採用状況 定年制を採用している と回答している企業は 95.9% である 主要事業内容別では 飲食店 宿泊業 (75.8%) で 正社員数別では 29 人以下 (86.0%) 高年齢者比率別では 71% 以上 ( 85.6%) で定年制の採用率がやや低い また

厚生労働省発表


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若年者雇用実態調査

第 1 章調査の実施概要 1. 調査の目的 子ども 子育て支援事業計画策定に向けて 仕事と家庭の両立支援 に関し 民間事業者に対する意識啓発を含め 具体的施策の検討に資することを目的に 市内の事業所を対象とするアンケート調査を実施しました 2. 調査の方法 千歳商工会議所の協力を得て 4 月 21

関東地方の者が約半数を占める (45.3%) 続いて近畿地方 (17.4%) 中部地方 (15.0%) となっている 図表 2-5 地域構成 北海道 東北関東中部近畿中国四国九州 沖縄総数 (%) 100.0% 8.9% 45.3%

2013年度新規開業実態調査

Ⅲ コース等で区分した雇用管理を行うに当たって留意すべき事項 ( 指針 3) コース別雇用管理 とは?? 雇用する労働者について 労働者の職種 資格等に基づき複数のコースを設定し コースごとに異なる配置 昇進 教育訓練等の雇用管理を行うシステムをいいます ( 例 ) 総合職や一般職等のコースを設定し

派遣社員の評価に関する 派遣先担当者調査結果

チェック式自己評価組織マネジメント分析シート カテゴリー 1 リーダーシップと意思決定 サブカテゴリー 1 事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている 事業所が目指していること ( 理念 ビジョン 基本方針など ) を明示している 事業所が目指していること ( 理念 基本方針

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イノベーション活動に対する山梨県内企業の意識調査

第 3 章 雇用管理の動向と勤労者生活 ては 50 歳台まで上昇する賃金カーブを描いており 他の国々に比して その上昇テンポも大きい また 第 3 (3) 2 図により勤続年数階級別に賃金カーブをみても 男女ともに 上昇カーブを描いており 男性において特に その傾きは大きくなっている なお 女性につ

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従業員に占める女性の割合 7 割弱の企業が 40% 未満 と回答 一方 60% 以上 と回答した企業も 1 割以上 ある 66.8% 19.1% 14.1% 40% 未満 40~60% 未満 60% 以上 女性管理職比率 7 割の企業が 5% 未満 と回答 一方 30% 以上 と回答した企業も 1

均衡待遇・正社員化推進奨励金 支給申請の手引き

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Ⅰ 調査目的 総合研究所では 新規開業企業の実態を把握するために 1991 年から毎年 新規開業実態調査 を実施し 開業時の年齢や開業費用など時系列で比較可能なデータを蓄積すると同時に 様々なテーマで分析を行ってきた 今年度は 高齢化が進展するなか開業の担い手として注目を集めているシニア起業家 (

平成22年1月26日

自動的に反映させないのは133 社 ( 支払原資を社内で準備している189 社の70.4%) で そのうち算定基礎は賃金改定とは連動しないのが123 社 (133 社の92.5%) となっている 製造業では 改定結果を算定基礎に自動的に反映させるのは26 社 ( 支払原資を社内で準備している103

調査要領 1. 調査の目的 : 人口減少による労働力不足が懸念されるなかで 昨年 4 月には女性活躍推進法 ( 正式名称 : 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律 ) が施行されるなど 女性の社会進出がさらに進むことが期待されている そこで 女性の活躍に向けた取り組み状況について調査を実施す

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図 12 HACCP の導入状況 ( 販売金額規模別 ) < 食品販売金額規模別 > 5,000 万円未満 ,000 万円 ~1 億円未満 億円 ~3 億円未満

結  果  の  概  要

42

( 様式第 1 号 ( 共通 )) 共通事項 1 キャリアアップ管理者 情報 ( 氏名 ): 役職 ( 配置日 ): 年月日 2 キャリアアップ管理者 の業務内容 ( 事業所情報欄 ) 3 事業主名 印 4 事業所住所 ( - ) 5 電話番号 ( ) - 6 担当者 7 企業全体で常時雇用する労働

平成22年度産業経済研究委託事業,多様な雇用形態と産業界への影響に関する実態調査報告書

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中小企業の雇用・賃金に関する調査結果(全国中小企業動向調査(中小企業編)2015年10-12月期特別調査)

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Ⅰ 調査目的 中小企業で外国人労働者を雇用する例が広くみられるようになっている 背景には生産年齢人口の減少だけではなく 海外展開や訪日観光客の受け入れといった中小企業経営の国際化もある 人手不足への対応として導入が進んだ外国人労働者であるが しだいに企業の成長や事業展開に欠かせなくなってきていると考

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2 業務請負 1980 年代 ~

第1回「若手社員の仕事・会社に対する満足度」調査   


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スライド 1

特例子会社を設立しようとお考えの企業の皆様 特例子会社を運営している企業の皆様

調査概要 1) 調査期間 2013 年 2 月 4 日 ~3 月 20 日 2) 調査方法 1 施設調査 2 個人調査とも 自記式調査票を郵送配布 回収 3) 調査対象 1 全国の 8,633 病院の看護管理代表者回収数 2,651 件 ( 回収率 30.7%) 2 本会会員 1 万人を無作為抽出有

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共通事項 1 キャリアアップ 管理者情報 ( 氏名 ): 役職 ( 配置日 ): 年月日 2 キャリアアップ管理者 の業務内容 ( 事業所情報欄 ) 3 事業主名 印 4 事業所住所 ( - ) 5 電話番号 ( ) - 6 担当者 7 奨励金対象労働者数 ( 全労働者数 ) 9 企業規模 ( 該当

2. 中途採用をしたことがあるか 中途採用をしたことがある企業は 全体の 95% で あった 調査対象を 右表の 7 つの業種グループに 分類してそれぞれの傾向を分析すると 建設業 運 輸業 サービス業ではすべての企業が中途採用をし たことがあると回答した その他の業種グループで も 9 割前後の企

報告書の要点 人事管理の進むべき方向 (3 頁参照 ) グローバル化の進展 社員の働くニーズと働き方の多様化等 経営環境の変化や多様性への対応が企業の競争力を左右 企業の進むべき方向は 社員の多様化をいかして 経営の高付加価値化 グローバル化に対応できる人材を確保し活用する 人事管理を構築すること

( 様式第 1 号 ( 共通 )) 共通事項 1 キャリアアップ管理者 情報 ( 氏名 ): 役職 ( 配置日 ): 年月日 2 キャリアアップ管理者 の業務内容 ( 事業所情報欄 ) 3 事業主名 4 事業所住所 ( - ) 5 電話番号 ( ) - 6 担当者 7 企業全体で常時雇用する労働 者

[ 指針 ] 1. 組織体および組織体集団におけるガバナンス プロセスの改善に向けた評価組織体の機関設計については 株式会社にあっては株主総会の専決事項であり 業務運営組織の決定は 取締役会等の専決事項である また 組織体集団をどのように形成するかも親会社の取締役会等の専決事項である したがって こ

表 6.1 横浜市民の横浜ベイスターズに対する関心 (2011 年 ) % 特に何もしていない スポーツニュースで見る テレビで観戦する 新聞で結果を確認する 野球場に観戦に行く インターネットで結果を確認する 4.

警備員指導教育責任者の選任の基準 ( 警備員規模別 ) 0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0% 9 人以下 (n=65) 26.2% 9.2% 6.2% 6.2% 49.2% 3.1% 2.6% 10~29 人 (n=116) 30.2% 13.8% 5.2% 8.6

平成22年7月30日

原材料・原油高の影響と企業の対応

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ニュースリリース 平成 3 1 年 3 月 2 8 日 消費者動向調査 : 軽減税率 株式会社日本政策金融公庫 消費税の 軽減税率制度 消費者の受け止め方を調査 ~ 約 7 割の消費者が制度を認知認知 制度運用には わかりやすさ を求める ~ < 平成 31 年 1 月消費者動向調査 > 日本政策金

2013(平成25年度) 確定拠出年金実態調査 調査結果について.PDF

1. 調査の目的 物価モニター調査の概要 原油価格や為替レートなどの動向が生活関連物資等の価格に及ぼす影響 物価動向についての意識等を正確 迅速に把握し 消費者等へタイムリーな情報提供を行う ( 参考 )URL:

「多様な正社員」と非正規雇用

結果概要 Ⅰ 人手不足への対応について 1. 人員の過不足状況について ( 前年調査比較 ) 社 % 不足している 1,336(1,319) 55.6(50.3) 内円 : 平成 27 年調査 外円 : 平成 28 年調査 n =2,405 過不足はない過剰である無回答合計 955(1,195) 3

目次. 独立行政法人労働政策研究 研修機構による調査 速報値 ページ : 企業調査 ページ : 労働者調査 ページ. 総務省行政評価局による調査 ページ

目次 調査結果の概要 1 小企業編 中小企業編 概況 3 概況 15 調査の実施要領 4 調査の実施要領 16 業況判断 5 業況判断 17 売上 1 売上 2 採算 11 利益 21 資金繰り 借入 12 価格 金融関連 22 経営上の問題点 13 雇用 設備 23 設備投資 価格動向 14 経営

日本企業による国外での環境への取り組みに係る

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調査要領 1. 調査の目的 : 4 月からの電力の小売り全面自由化に対する会員事業所の意識及びその影響を把握し 今後の参考資料とする 2. 調査実施機関 : 甲府商工会議所 3. 調査実施時期 : 平成 28 年 3 月 24 日 ( 木 )~31 日 ( 木 ) 4. 調査対象 : 当所会員 30

健康保険・船員保険          被保険者実態調査報告

の差については確認できないが 一般的に定温で流通している弁当の管理方法等についてアンケートにより調査した その結果 大部分の事業者が管理温度の設定理由として JAS 規格と同様に食味等の品質の低下及び微生物の繁殖を抑えることを挙げ 許容差は JAS 規格と同様に ±2 としていた また 温度の測定方

佐藤委員提出資料

第1章事例の紹介 建設業事例番号 35 株式会社土屋ホームトピア 建設業 取込み内容 評価 処遇 評価 処遇制度 業務 組織 人間 業務 組織 人間関係管理 人材育成 人材育成に関する取組 その他 その他 事業所の基礎データ 常用労働者の 平成 24(2012) 年度 平成 23(2011) 年度

平成18年度標準調査票


[ 調査の実施要領 ] 調査時点 製 造 業 鉱 業 建 設 業 運送業 ( 除水運 ) 水 運 業 倉 庫 業 情 報 通 信 業 ガ ス 供 給 業 不 動 産 業 宿泊 飲食サービス業 卸 売 業 小 売 業 サ ー ビ ス 業 2015 年 3 月中旬 調査対象当公庫 ( 中小企業事業 )

地域包括支援センターにおける運営形態による労働職場ストレス度等の調査 2015年6月

図 -33 退職金制度の有無 第 33 表退職金制度の有無とその根拠 ( 事業所数の割合 ) (%) 退職金退職金制度の根拠退職金区分合計制度有労働協約就業規則社内規定その他無回答制度無調査計 (100.0) (3.0) (

アンケートの概要 平成 23 年度 平成 24 年度及び平成 25 年度グループ補助金の東北地域の交付先 7,927 に対しアンケートを実施し 5,809(73.3%) から回答があった ( アンケート調査は第 1 次 ( 平成 23 年 8 月 )~ 第 10 次 ( 平成 26 年 3 月 )

2 経口移行加算の充実 経口移行加算については 経管栄養により食事を摂取している入所者の摂食 嚥 下機能を踏まえた経口移行支援を充実させる 経口移行加算 (1 日につき ) 28 単位 (1 日につき ) 28 単位 算定要件等 ( 変更点のみ ) 経口移行計画に従い 医師の指示を受けた管理栄養士又

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害者 万人 精神障害者 万人となっている 複数の障害を併せ持つ者もいるため 単純な合計にはならないものの 国民のおよそ7.4% が何らかの障害を有している 障害福祉サービスの利用者数は 国民健康保険団体連合会へ支払いを委託する自立支援給付の支払いに関するデータによれば 平成

新規文書1

2. 有期契約労働者を雇用しているか 設問 1 パート アルバイト 契約社員 嘱託 派遣社員などの有期契約労働者を雇用していますか 選択肢 1 雇用している 2 雇用していないが 今後雇用する予定 3 雇用していないが 以前雇用していた 4 雇用しておらず 今後も雇用しない予定 全体

1 教育研修費用総額と従業員 1 人当たりの教育研修費用 (1)1 社当たりの教育研修費用総額 1 社当たりの教育研修費用総額は 2014 年度は予算額 5,458 万円 ( 前回調査 5,410 万円 ) 同実績額 4,533 万円 ( 同 4,566 万円 ) であり 2015 年度は予算額 5

新規文書1

第 2 章 産業社会の変化と勤労者生活

23 歳までの育児のための短時間勤務制度の制度普及率について 2012 年度実績の 58.4% に対し 2013 年度は 57.7% と普及率は 0.7 ポイント低下し 目標の 65% を達成することができなかった 事業所規模別では 30 人以上規模では8 割を超える措置率となっているものの 5~2

~この方法で政策形成能力のレベルアップが図れます~

あおもり働き方改革推進企業認証制度 Q&A 平成 29 年 12 月 14 日 Vol.1 目次 1 あおもり働き方改革推進企業認証制度全般関係 Q1 県外に本社がある場合はどのように申請できるのか P1 2 あおもり働き方改革宣言企業関係 Q2 次世代法に基づく一般事業主行動計画とはどういうものか

1 調査の概要 1-1 本調査の趣旨 目的急速な高齢化の中で 働く意欲と能力のある高年齢者がその能力を発揮して 希望すればいくつになっても働くことができるような環境整備が課題となっている このような中 平成 25 年 4 月より 65 歳までの継続雇用が義務化されたところであるが 離転職を行う中高年

第 3 部食生活の状況 1 食塩食塩摂取量については 成人男性では平均 11.6g 成人女性では平均 10.1gとなっており 全国と比較すると大きな差は見られない状況にあります 図 15 食塩摂取量 ( 成人 1 日当たり ) g 男性

Transcription:

組織マネジメントに関する調査 結果 ( 概要 ) 平成 29 年 6 月 30 日 経済社会総合研究所 調査対象全国の従業員 30 人以上の 製造業 サービス業 ( 飲食料品小売業 情報サービス業 ) の事業所 ( 全体 :43,128 事業所 ( 製造業 :36,052 事業所 サービス業 7,076 事業所 )) 調査期間平成 29 年 1 月 6 日 ~ 平成 29 年 2 月 3 日 調査項目製造業 ( 事業所 生産管理 権限の所在 不確実性 ) サービス業 ( 事業所 業務管理 権限の所在 情報と意思決定 ) 回答率全体 : 31.6%(13,614 事業所 )( 製造業 :31.6% サービス業 :31.2%) 1. 調査の枠組み事業所の生産性に影響を与えると考えられる組織のマネジメントについて その実態を把握するため 以下の項目について調査を行った 1 目標を達成するためのKPI( 重要業績評価指標 ) の活用 生産 業務管理の在り方 2 生産 売上目標の難易度 従業員への浸透度 3 従業員の実績の評価の基準 4 採用や賃上げなどの意思決定が分権的か集権的か 5 意思決定におけるデータ利用の度合いや情報源 活用分野 6 専門的人材の活用 2. 概要調査結果の概要は以下のとおり 各問の詳細な回答についてはP3 以降に記載している 1 生産 業務管理の観点から KPIをどのように活用しているのかを調査した <P3> 約 5 割強の事業所がKPIを利用し 2010 年から 2015 年にかけてその割合は増加した 製造業では 2015 年当時 約 5 割の事業所が複数箇所にKPIを知らせる掲示板を設置していた 2 目標の設定や認知の程度を知るため 生産 売上目標の難易度 従業員への浸透度について調査した <P4> 目標を達成するため 約 6 割 ~7 割の事業所では 通常以上またはかなりの努力を要していた 1

目標の認識については 2010 年から 2015 年にかけて一般の従業員への範囲の拡大が見られた 3 従業員の評価について 昇進の基準及び勤務不良等への是正措置を調査した <P5> 昇進の基準については 個人の実績と能力だけに基づくものが最も多く 約 5 割 ~6 割を占めた 勤務不良に対しては 配置転換や解雇などの能動的な是正措置をとった事業所は多くなかった 4 正社員の採用や賃上げなど 事業所における意思決定の主体について調査した <P6 P7> 製造業では 事業所と本社の合議で意思決定する傾向が強く ある程度分権的である一方 サービ ス業では 本社のみで決定されると回答した事業所が多く 集権的である傾向が見られた 5 サービス業について データの情報源と活用方法を調査した <P8 P9> 情報源としては 管理職や一般従業員からのフィードバックが多い一方で KPIやビッグデータなどは 相対的に利用頻度が低い傾向が見られた データの分析結果の活用先については 需要予測や価格設定に用いたという回答が多かった 6 事業所の人材について 大卒以上の割合を調査した <P10 P11> 管理職 一般従業員 ともに 製造業よりもサービス業で大卒以上の割合が高かった 2

3.KPI( 重要業績評価指標 ) の利用について ( 問 2 5) 事業所の経営を円滑に進め 生産 / 売上目標を達成し 生産性の高い事業活動を行うためには K PIの利用と周知等が効果的であると考えられる 製造業 サービス業ともに 約 5 割強の事業所でKPIを少なくとも1つ以上利用しており 2010 年から 2015 年にかけてKPIを利用する事業所の割合は増加していた KPIを浸透させるために KPIを知らせる掲示板を設置しているか聞いたところ 製造業では約 5 割の事業所 (2015 年当時 ) が複数箇所に設置していた 2010 年から 2015 年にかけて 製造業では複数箇所に設置した事業所が増えている一方 サービス業では小幅な増加にとどまっていた 問 2 いくつの KPI を利用していましたか 1~2 つの指標 3~9 つの指標 10 以上の指標特に KPI を採用していなかった無回答 2010 年 11405 10.6 30.0 10.6 44.5 4.2 2015 年 11405 5.1 35.3 15.1 42.3 2.1 2010 年 15.3 26.5 11.4 40.3 6.5 2015 年 10 33.2 16.4 37.8 2.7 問 5 KPI を知らせる掲示板はどのくらい設置されていましたか 一箇所に設置されていた ( 例 : 生産ラインの最終工程 など ) 複数箇所に設置されていた ( 例 : 生産ラインの各種工程ごと など ) 設置されていなかった無回答 2010 年 5848 28.4 39.6 31.2 0.8 2015 年 6331 26.5 51.8 20.9 0.8 2010 年 1175 一箇所に設置されていた ( 例 : 売場 バックヤード 事務所 など ) 複数箇所に設置されていた設置されていなかった無回答 39.9 15.8 41.0 3.2 2015 年 1316 45.5 21.8 29.9 2.8 3

4. 生産目標 / 売上目標の管理 認識について ( 問 7 8) 事業所の経営目標のうち 生産目標 / 売上目標を適切に管理し 管理職を含む従業員が認識することは 事業所のパフォーマンスを高めるために有用であると考えられる 目標を達成するためにどの程度の努力を要したか調査したところ 通常以上の努力 かなりの努力 と回答した事業所が 製造業 サービス業でともに約 7 割 (2015 年当時 ) を占めた また 通常以上の努力 かなりの努力 と回答した割合は 2010 年から 2015 年にかけて高まっていた 目標の認識範囲については 製造業で約 3 割 サービス業で約 4 割の事業所が 管理職と全ての従業員という最も範囲の広い回答をしていた 2010 年から 2015 年にかけて 目標を認識する範囲は一般の従業員へと拡大していた 問 7 生産目標 / 売上目標を達成するためにどのくらいの努力を要しましたか あまり努力をしなくても達成が可能 通常の努力で達成が可能 かなりの努力をしなければ達成が困難 多少の努力で達成が可能 通常以上の努力で達成が可能 無回答 N = 2010 年 9327 2.9 9.5 31.7 37.8 17.6 0.5 2015 年 9735 0.8 5.5 25.4 44.6 23.4 0.3 2010 年 1963 2 6.2 20.7 42.3 27.8 1 2015 年 2069 0.63.5 18 42.2 34.9 0.7 問 8 誰が生産目標 / 売目標を認識していましたか 上位管理職 ( 例 : 部長 所長など ) のみ 管理職の多くと一般生産職の多く 管理職の多くと一般生産職のある程度 管理職のすべてと一般生産職の多く 無回答 2010 年 9327 28.4 35.9 10.4 24.6 0.7 2015 年 9735 15.4 35.0 15.6 33.3 0.7 上位管理職 ( 例 : 部長 店長など ) のみ 管理職の多くと一般従業員の多く 無回答 管理職の多くと一般従業員のある程度 管理職のすべてと一般従業員の多く 2010 年 1963 27.1 33.4 6 33 0.6 2015 年 2069 15.3 35.1 9.7 39.3 0.5 4

5. 従業員の昇進 解雇などの雇用管理について ( 問 13 15) 事業所に勤務する従業員の成果を向上させる一つの方法として 良いパフォーマンスを評価し 勤務不良を是正することが考えられる 一般の従業員について 昇進の基準を調査したところ 個人の実績と能力だけに基づくものが最も多く 製造業で約 4 割 サービス業で約 6 割を占めていた また 2010 年から 2015 年にかけて その割合は増加していた 勤務不良に対しては 配置転換や解雇などの能動的な是正措置をとった事業所は約 3 割であり 是正措置はあまり実施されていないという結果が得られた 問 13 管理職以外の一般従業員 の昇進を決める際に 主として 何に基づいていましたか 個人の実績と能力だけに基づいていた実績と能力に基づく要素だけでなく それ以外の要素 ( 例 : 勤続年数や縁故など ) にも基づいていた大部分が実績と能力以外の要素 ( 例 : 勤続年数や縁故など ) に基づいていた管理職以外の一般従業員は 通常 昇進しなかった 無回答 2010 年 11405 41.8 43.6 4.2 6.5 3.9 2015 年 11405 46.4 43.6 2.8 5.1 2.2 2010 年 54.9 31.3 2.8 5.1 5.9 2015 年 59.4 31.5 2.4 4.1 2.5 問 15 勤務不良である 管理職以外の一般従業員 が 配置転換や解雇となるタイミングはいつでしたか 勤務不良と評価されてから6か月未満勤務不良と評価されてから6か月以降配置転換や解雇されることは めったにない または全くなかった 無回答 2010 年 11405 16.3 14.0 66.4 3.3 2015 年 11405 18.0 15.1 65.3 1.5 2010 年 18.6 14.5 59.1 7.8 2015 年 21.1 16 58.5 4.3 5

6. 権限の所在について ( 採用 賃上げなど )( 問 18 19 20 21) 事業所の組織マネジメントに当たっては 採用や賃金の引上げなどの意思決定を 集権的に行うか 分権的に行うかが重要なファクターである どの意思決定においても 製造業では事業所と本社の合議で決定する事業所が多かったが サービス業では本社ですべて決定される傾向が強かった 正社員の採用については 本社のみまたは事業所と本社の合議の上 決定するという回答が多かった 特に サービス業では本社のみで決定する事業所の割合が約 7 割であった 従業員の賃金の引き上げでは 製造業で約 4 割 サービス業で約 6 割の事業所が 本社ですべて決定されていたとの回答であった 製品 サービスの投入や価格の決定については 製造業では事業所と本社の合議との回答が最も多かったが サービス業では本社ですべて決定されていたとする事業所が約 5 割を占めていた 問 18 正社員を採用する場合 主にどこで決定されることになっていましたか 貴事業所ですべて決定されることになっていた貴社の本社ですべて決定されることになっていた貴事業所と貴社の本社で合議のうえ決定されることになっていたその他無回答 2010 年 4708 14.8 19.9 53.2 5.7 6.4 2015 年 4820 13.8 19.0 55.4 5.7 6.1 2010 年 1152 3.8 70.4 16.6 1.6 7.6 2015 年 1188 6.1 69.3 16.2 1.3 7.1 問 19 従業員の基本給を10% 以上上げる場合 主にどこで決定されることになっていましたか 貴事業所ですべて決定されることになっていた貴社の本社ですべて決定されることになっていた貴事業所と貴社の本社で合議のうえ決定されることになっていたその他無回答 2010 年 4708 5.0 42.9 39.1 6.0 6.9 2015 年 4820 4.6 42.1 40.7 5.9 6.6 2010 年 1152 2.6 65.6 20.2 4.1 7.5 2015 年 1188 2.5 64.6 21.7 4.1 7.1 6

問 20 新製品 / 新商品 サービスを投入する場合 主にどこで決定されることになっていましたか 貴事業所ですべて決定されることになっていた貴社の本社ですべて決定されることになっていた貴事業所と貴社の本社で合議のうえ決定されることになっていたその他無回答 2010 年 4708 10.2 22.1 54.0 6.5 7.2 2015 年 4820 9.6 21.4 55.5 6.6 6.9 2010 年 1152 4.6 54.2 30.9 2.4 7.9 2015 年 1188 4.2 51 34.8 2.6 7.4 問 21 製品 / 商品 サービスの価格を決める場合 主にどこで決定されることになっていましたか 貴事業所ですべて決定されることになっていた貴社の本社ですべて決定されることになっていた貴事業所と貴社の本社で合議のうえ決定されることになっていたその他無回答 2010 年 4708 15.3 35.4 34.9 7.1 7.2 2015 年 4820 14.7 34.4 36.7 7.4 6.9 2010 年 1152 7 48.8 33 3.1 8.1 2015 年 1188 6.4 46.7 35.9 3.5 7.6 7

7. 情報と意思決定 / イノベーションについて ( サービス業 )( 問 24 25 31) 事業所の経営活動の中で様々な意思決定に際して どのような情報源を利用しているか そうした情報源を基にしたデータ分析などをどのような事業活動に活用しているかという点は 事業所の効率的 持続的なパフォーマンスに大きく影響すると考えられる 2015 年当時の様々な情報源の利用頻度について聞いたところ 管理職や一般従業員からのフィードバックが多い一方で KPIやビッグデータなどは 相対的に利用頻度が低い傾向が見られた また この傾向は 2010 年当時も同様であった 各事業活動にデータの分析結果を 全面的 おおむね 活用したと回答した事業所が約 4 割 (2015 年当時 ) を占めていた 2010 年当時と比べてもこの割合は同様であり また活用先の事業活動については 需要予測や価格設定に用いたと回答した事業所が多かった 過去 5 年のイノベーションの実施についてみると 約 6 割以上の事業所で年 1 回以上行っていた 項目別では 既存商品 サービスの改良や新たな組み合わせと回答した事業所が多い傾向にあった 問 24-a( サ ) 2015 年当時 各情報源が事業所の意思決定にどの程度の頻度で利用されましたか ほぼ毎日毎週 1 回程度毎月 1 回程度年 1 回程度利用されたことはなかった無回答 KPI( 重要業績評価指標 ) 8.9 8.8 29.7 11.3 36.1 5.3 顧客の購買動向に関するビッグデータ 10.6 7.2 23.3 13.4 40.7 4.8 公式 非公式問わず 管理職からのフィードバック 14.2 29.0 32.9 12.2 7.4 4.3 公式 非公式問わず 管理職を除く一般従業員からのフィードバック 14.5 20.7 31.2 16.2 12.9 4.6 企業の外部からのフィードバック 5.4 9.8 34.0 25.4 20.5 4.9 問 25-a( サ ) 2015 年当時 各事業活動に データ分析の結果をどの程度 役立てましたか まったくデータを利用しなかった少しはデータに基づいたそこそこデータに基づいた おおむねデータに基づいた全面的にデータに基づいた無回答 新商品や新サービスの設計立案 15.0 15.8 25.2 31.3 6.9 5.8 需要予測 11.3 16.2 23.1 32.5 12.0 4.9 サプライチェーンマネジメント 26.2 13.2 20.1 25.1 7.6 7.9 価格設定 12.7 13.8 26.3 31.5 10.0 5.8 広告 宣伝 20.7 15.4 23.4 26.9 7.0 6.7 8

問 31( サ ) 過去 5 年 (2010 年 ~2015 年 ) の間 各イノベーションを実施しましたか 実施してない数年に 1 回実施年 1 回実施年 2 回以上実施無回答 新商品 サービスの開発 投入 19.6 23.9 13.2 37.8 5.6 既存の商品 サービスの改良 15.9 17.2 17.3 43.7 6.0 既存の商品 サービスの新たな組み合わせ 20.7 19.1 19.1 33.9 7.2 新規プロセスの導入 22.7 26.5 23.4 21.2 6.1 プロセスの改善 18.0 21.5 26.5 27.9 6.0 9

8. 事業所の人材について ( 製造業 : 問 28 29 サービス業: 問 27 28 29) 事業所の経営や意思決定 さらには業績においては 人的資本の水準や人材育成の方針などが重要な要因の一つであると考えられる 管理職 の大卒以上の学歴の割合を調査したところ 製造業では 20% 未満の事業所が約 4 割 80% 以上が約 1 割であった一方で サービス業では 20% 未満の事業所が約 2 割 80% 以上の事業所が約 3 割を占めていた また 2010 年から 2015 年にかけて 大卒以上の学歴を持つ管理職の割合は増加していた 管理職以外の一般従業員 の大卒以上の学歴の割合について 同様にみてみると 製造業では 10% 未満の事業所が約 4 割 20% 以上の事業所が約 2 割であったのに対して サービス業では 10% 未満の事業所が約 2 割 20% 以上の事業所が約 6 割を占めていた 2010 年から 2015 年の経年変化をみると 大卒以上の学歴を持つ従業員の割合は増えていた サービス業の事業所に対して 専門的な人材の育成 活用について調査したところ 分野ごとに専門的な人材を育成し 一つのチームを形成するとの回答が最も多かった また 2010 年から 2015 年にかけて 専門間の相互の意思疎通を担う人材の育成 活用と回答する事業所が増加していた 問 28( 製 )/ 問 27( サ ) 管理職 について 大卒以上の学歴をもつ割合はどの程度でしたか 20% 未満 20% 以上 40% 未満 40% 以上 60% 未満 60% 以上 80% 未満 80% 以上無回答 2010 年 11405 43.1 14.1 12.7 11.5 14.2 4.4 2015 年 11405 39.5 15.4 14.4 12.4 15.6 2.7 2010 年 25.9 9.6 12.4 10.8 33.9 7.5 2015 年 23.2 10.4 12.4 13.2 36.8 4.1 問 29( 製 )/ 問 28( サ ) 管理職を除く一般従業員 について 大卒以上の学歴をもつ割合はどの程度でしたか 全くいなかった 10% 未満 10% 以上 20% 未満 20% 以上無回答 2010 年 11405 12.2 41.9 20.5 21.0 4.4 2015 年 11405 9.0 39.1 24.2 25.1 2.6 2010 年 7.1 16.9 13.8 53.3 8.9 2015 年 6.4 16.3 12.7 59.1 5.6 10

問 29( サ ) 複数の専門的業務にまたがる課題 を解決するために どのように専門的な人材を育成 活用していましたか 分野ごとに専門的な人材を育成し 一つのチームを形成し活用複数分野に対応可能な人材を育成 活用分野ごとに専門的な人材を育成し これに加えて 相互の意思疎通を担う専門的な人材を育成 活用無回答 2010 年 39.7 31.1 17.9 11.2 2015 年 33.4 34.0 24.4 8.2 以上 11