目 次 はじめに 2 1 所得税の税額控除制度の導入 (1) 認定 NPO 法人への寄附に係る税額控除の導入 4 (2) 認定 NPO 法人以外の法人への寄附に係る税額控除の導入 4 2 認定 NPO 法人制度の見直し (1) 平成 23 年度より税制上対応する措置 6 1 認定要件の見直し 6 イ

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早わかり認定NPO法人制度

1 認定 NPO 法人制度とは? NPO 法人への寄附を促す制度です その目的は NPO 法人への寄附を促すことにより NPO 法人の活動を支援すること です 以前は 租税特別措置法という法律に基づき国税庁が認定を行う制度でしたが 平成 24 年 4 月の特定非営利活動促進法の改正により 所轄庁が認

B 事例 1: 日本赤十字社と公益財団法人公益法人協会ともに 所得控除方式 を適用し ffff た場合に還付される税金について 前提 1 寄附先の名称等 ( 弊協会の他に 東日本大震災の義援金として日本赤十字社に寄附したものと仮定 ) 名称金額備考 日本赤十字社 ( 東日本大震災義援金 ) 30,0

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2012年2月発行 特定非営利活動法人制度のしくみ

税制について

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スライド 1

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1 給与所得控除額を算出する計算式は給与収入金額によって異なります 今回は給与収入金額 3,600,000 円以上 6,599,999 円以下の場合の式を用いています 2 調整控除額は合計課税所得金額 2,000,000 円超と 2,000,000 円以下で算出方法が異なります 今回は 2,000,

地方創生応援税制 ( 企業版ふるさと納税 ) の運用改善 ( 別紙 1) 平成 31 年度税制改正 企業版ふるさと納税の一層の活用促進を図るため 企業や地方公共団体からの意見等を踏まえ 徹底した運用改善を実施する 地方創生関係交付金と併用する地方公共団体へのインセンティブ付与 地方創生関係交付金の対

平成23年度税制改正大綱(閣議決定)における要望実現項目

平成20年2月

川崎市条例指定制度の手引き 川崎市 平成 24 年 7 月発行

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NPO 法活動状況等アンケート ( 案 ) 下記のアンケートにご協力をお願いいたします ( 右の に数字をご記入ください ) ご協力いただいた結果については 奈良市及び奈良県における指定制度の検討資料として使用させていただきます 1. (1) あなたの団体は 法の設立 ( 設立登記の日 ) から何年

税額控除限度額の計算この制度による税額控除限度額は 次の算式により計算します ( 措法 42 の 112) 税額控除限度額 = 特定機械装置等の取得価額 税額控除割合 ( 当期の法人税額の 20% 相当額を限度 ) 上記算式の税額控除割合は 次に掲げる区分に応じ それぞれ次の割合となります 特定機械

寄附文化の醸成に係る施策の実施状況 ( 平成 26 年度に講じた施策 ) 別紙 1 < 法律 制度改正 > 総務省 ふるさと納税の制度拡充 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 学校法人等への個人寄附に係る税額控除の要件の緩和 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 特例控除の上限の引上げ

いる 〇また 障害者の権利に関する条約 においては 障害に基づくあらゆる差別を禁止するものとされている 〇一方 成年被後見人等の権利に係る制限が設けられている制度 ( いわゆる欠格条項 ) については いわゆるノーマライゼーションやソーシャルインクルージョン ( 社会的包摂 ) を基本理念とする成年

Ⅱ. 主な内容 第 1 部公益法人の概況 1. 法人数 平成 29 年 12 月 1 日の公益法人は 9,493 法人 ( 前年比 +35) である 公益法人数の変動は 公益認定又は移行認定により増加し 法人の解散 公益認定の取消し及び合併に伴う減少がある ( 注 ) 公益認定 : 一般法人で公益認

1 繰越控除適用事業年度の申告書提出の時点で判定して 連続して 提出していることが要件である その時点で提出されていない事業年度があれば事後的に提出しても要件は満たさない 2 確定申告書を提出 とは白色申告でも可 4. 欠損金の繰越控除期間に誤りはないか青色欠損金の繰越期間は 最近でも図表 1 のよ

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

資料8-2 平成29年度文部科学関係税制改正事項

平成27年度税制改正要望結果について

所得控除 基礎控除 配偶者控除などの下記の表に記載されたものをいいます それぞれ一定の要件を満たしている場合は 課税所得金額を計算する際に それぞれの控除が受けられます 個人の県民税 個人の市町村民税 12

資料9

1 奈良市 NPO 法人条例指定制度の概要 都道府県又は市区町村が条例において指定した特定非営利活動法人 ( 以下 指定 NPO 法人 という ) に市民が寄附した場合 個人住民税の税額控除が受けられる制度で 具体的には 寄附をすると寄附金額から 2,000 円を引いた額の10%( 市民税 6% 県

(0830時点)PR版

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

検査の背景 (1) 事業者免税点制度消費一般に幅広く負担を求めるという消費税の課税の趣旨等の観点からは 消費税の納税義務を免除される事業者 ( 以下 免税事業者 という ) は極力設けないことが望ましいとされている 一方 小規模事業者の事務処理能力等を勘案し 課税期間に係る基準期間 ( 個人事業者で

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新長を必要とする理由今回合理性の要望に設 拡充又は延⑴ 政策目的 資源に乏しい我が国にあって 近年 一層激しさを増す国際社会経済の変化に臨機応変に対応する上で 最も重要な資源は 人材 である 特に 私立学校は 建学の精神に基づき多様な人材育成や特色ある教育研究を展開し 公教育の大きな部分を担っている

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土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

所得控除 基礎控除 配偶者控除などの下記の表に記載されたものをいいます それぞれ一定の要件を満たしている場合は 課税所得金額を計算する際に それぞれの控除が受けられます 個人の県民税 個人の市町村民税 12

イ税務署へ確定申告書を提出し 所得税の住宅ローン控除の適用を受けている 退職所得 山林所得がある方 所得税の平均課税の適用を受けている方は 住宅ローン控除申告書を提出することにより控除額が大きくなる場合があります 申告書を提出される方は3 月 15 日 ( 月 ) までに申告してください 申告しなけ

2 税金から控除される額 市区町村や都道府県に対する寄附金は 特定寄附金 と呼ばれ 所得税や住民税を計算するときに 寄附金控除が適用され 税が軽減されます 所得税の控除 総所得金額等の 40% が限度 2,000 円 所得税率 住民税の控除基本控除 総所得金額等の 30% が限度 2

所得控除 雑損控除 医療費控除 社会保険料控除等 旧生命保険料控除 旧個人年金保険料控除 ( 実質損失額 - 総所得金額等の合計額 10%) 又は ( 災害関連支出の金額 -5 万円 ) のうち いずれか多い方の金額医療費の実質負担額 -(10 万円と総所得金額等の 5% のいずれか低い金額 ) 限

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< 用語の解説 > 税額控除制度従来 公益社団法人及び公益財団法人への個人からの寄附金については 所得控除制度が適用されていたが 平成 23 年 6 月より 公益社団法人及び公益財団法人への個人からの寄附金について 寄附文化の醸成を図るため 税額控除制度が導入された 税額控除は 寄附金額を基礎に算出

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1: とは 居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの ( 青色事業専従者等に該当する者を除く ) のうち 合計所得金額 ( 2) が 38 万円以下である者 2: 合計所得金額とは 総所得金額 ( 3) と分離短期譲渡所得 分離長期譲渡所得 申告分離課税の上場株式等に係る配当所得の金額 申告分

Ⅱ 義援金を募集する募金団体の確認手続 [Q7] 当団体は 関係する個人 法人から義援金を預かり これを取りまとめた上で 一括して地方公共団体に対して支払います 預かった義援金が 国等に対する寄附金 に該当することについて税務署の確認を受けた場合 当団体に寄附をした個人 法人に対して発行する預り証に

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事業承継税制の概要 事業承継税制は である受贈者 相続人等が 円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において その非上場株式等に係る贈与税 相続税について 一定の要件のもと その納税を猶予し の死亡等により 納税が猶予されている贈与税 相続税の納付が免除される

私立幼稚園の新制度への円滑移行について

2. 改正の趣旨 背景 (1) 問題となっていたケース < 親族図 > 前提条件 1. 父 母 ( 死亡 ) 父の財産 :50 億円 ( すべて現金 ) 財産は 父 子 孫の順に相続する ( 各相続時の法定相続人は 1 名 ) 2. 子 子の妻 ( 死亡 ) 父及び子の相続における相次相続控除は考慮

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介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

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地方税法等の一部を改正する法律案の概要 総務省 1 地方法人課税における新たな偏在是正措置 平成 31 年 10 月 1 日施行 都市 地方の持続可能な発展のための地方税体系の構築の観点から 特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律案 において特別法人事業税 ( 国税 ) を創設することに併

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はしがき 配偶者控除 と 配偶者特別控除 は 昭和 36 年と昭和 62 年の税制改正で導入された歴史ある制度です ここ数年 配偶者控除の改正について様々な議論が行われてきましたが 平成 29 年度税制改正において 就業調整を意識しなくて済む仕組みを構築する観点から配偶者控除と配偶者特別控除の見直し

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

2. 改正の趣旨 背景給与所得控除 公的年金等控除から基礎控除へ 10 万円シフトすることにより 配偶者控除等の所得控除について 控除対象となる配偶者や扶養親族の適用範囲に影響を及ぼさないようにするため 各種所得控除の基準となる配偶者や扶養親族の合計所得金額が調整される 具体的には 配偶者控除 配偶

新設 拡充又は延長を必要とする理地方公共団体の実施する一定の地方創生事業に対して企業が寄附を行うことを促すことにより 地方創生に取り組む地方を応援することを目的とする ⑴ 政策目的 ⑵ 施策の必要性 少子高齢化に歯止めをかけ 地域の人口減少と地域経済の縮小を克服するため 国及び地方公共団体は まち

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

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福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律 について <1. 特定復興再生拠点区域の復興及び再生を推進するための計画制度の創設 > 従来 帰還困難区域は 将来にわたって居住を制限することを原則とした区域 として設定 平成 29 年 5 月復興庁 地元からの要望や与党からの提言を踏まえ 1 帰還困難区

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3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

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3. 同意要件との関係宿泊税について 不同意要件に該当する事由があるかどうか検討する (1) 国税又は他の地方税と課税標準を同じくし かつ 住民の負担が著しく過重となること 1 課税標準宿泊行為に関連して課税される既存の税目としては 消費税及び地方消費税がある 宿泊税は宿泊者の担税力に着目して宿泊数

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地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(第7次地方分権一括法)の概要

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市民公益税制 PT 報告書 平成 22 年 12 月 1 日 ( 水 ) 市民公益税制 PT

目 次 はじめに 2 1 所得税の税額控除制度の導入 (1) 認定 NPO 法人への寄附に係る税額控除の導入 4 (2) 認定 NPO 法人以外の法人への寄附に係る税額控除の導入 4 2 認定 NPO 法人制度の見直し (1) 平成 23 年度より税制上対応する措置 6 1 認定要件の見直し 6 イ PST 要件における絶対値基準の導入 6 ロ地方団体が条例指定した法人に対するPST 要件等の免除 6 ハその他 7 2 認定取消しがあった場合の取戻し課税 7 (2) 新たな認定制度の創設と税制上の対応 8 1 新たな認定機関等 8 2 いわゆる 仮認定 制度の導入等の支援 9 3 監督規定の整備等 10 4 新たな認定制度の下での税制措置 10 3 地域において活動するNPO 法人等の支援 ( 個人住民税 ) (1) 寄附対象団体の拡大 11 (2) 地方団体によるNPO 法人支援 ( ふるさと寄附金の活用 ) 12 (3) 控除対象寄附金の適用下限額の引下げ 12 1

はじめに 平成 21 年 10 月の第 173 回国会における所信表明演説において 鳩山前総理は 私が目指したいのは 人と人が支え合い 役に立ち合う 新しい公共 の概念です と宣言した これを踏まえ 平成 22 年度税制改正大綱では 市民公益税制プロジェクト チームを設置し 寄附税制や公益活動を担う法人に係る税制等についてさらに検討し 4 月末を目途に成果を得ることとされた これを受けて平成 22 年 1 月 28 日に設置された市民公益税制プロジェクト チームは 新しい公共 円卓会議とも連携しつつ 主として 寄附優遇税制の拡充や認定特定非営利活動法人の認定基準の見直し等の 新しい公共 に係る税制面の課題について計 10 回にわたり議論を行い 中間報告書をとりまとめ 平成 22 年 4 月 8 日の税制調査会において報告した その後 同プロジェクト チームでは 中間報告書に示された改革の方向性を踏まえ 平成 22 年 10 月 29 日から具体的な制度設計に関する議論を再開した 具体的な制度設計の検討に当たっては 新しい公共 推進会議や民主党の 新しい公共 調査会からの提案 提言もできる限り踏まえつつ 計 4 回の議論を行った この報告は 本年 1 月以来の議論の最終的な成果をとりまとめたものである 新しい公共 が作り出す社会は 支え合いと活気がある社会 である 特定非営利活動法人をはじめとする 市民が参画する様々な 新しい公共 の担い手を支える環境を税制面から支援するこの報告書は 後世から見て あの時 こそ 日本が 支え合いと活気がある社会 へと変貌を遂げる転換点だったといわれうる内容を含むものである 2

もとより税制は社会に変化をもたらす政策手段の一つに過ぎない この報告書を契機として すべての人に居場所と出番があり みなが人に役に立つ歓びを大切にする 新しい公共 によって支え合う社会の実現に向けて 政府の努力はもとより 特定非営利活動法人自身も含め幅広い関係者のなお一層の活躍を強く期待する 市民公益税制プロジェクト チーム 3

1 所得税の税額控除制度の導入 (1) 認定 NPO 法人への寄附に係る税額控除の導入 認定 NPO 法人 ( 認定特定非営利活動法人 以下同じ ) への寄附について 草の根の寄附を促進するため 所得税において新たに税額控除 ( 所得控除との選択制 ) を導入し 平成 23 年分から適用する その際 寄附がチャリティの精神に基づくものであるという点にも留意しつつ 寄附に対して政府もマッチングをするとの考えの下 所得税と個人住民税で併せて 50% までの税額控除を可能とするため所得税において寄附金額の 40% を控除 ( 所得税額の 25% を限度 ) できることとする ( 注 1) 所得税の控除の対象となる寄附金額は 現行と同様 他の寄附と合わせ 総所得金額の 40% を限度とする ( 注 2) 控除限度額 ( 所得税額の 25%) については 現行の政党等への寄附に係る所得税の税額控除とは別枠とする ( 注 3) 地方税は現行どおりの税額控除 ( 個人住民税の控除の対象となる寄附金額 : 他の寄附と合わせ 総所得金額の 30% を限度 控除率 : 都道府県 (4%) と市区町村 (6%) がともに条例で認定 N PO 法人に対する寄附金を指定した場合に寄附金額の 10% ) (2) 認定 NPO 法人以外の法人への寄附に係る税額控除の導入 認定 NPO 法人以外の法人で税額控除の対象となる法人については 新しい公共 を推進する観点から 草の根の寄附を必要とする 新しい公共 の担い手であって 市民との関わり合いが強く かつ 運営の透明性が確保されている法人とする 4

具体的には 公益社団法人又は公益財団法人 学校法人 社会福祉法人及び更生保護法人のうち 認定 NPO 法人の認定要件であるパブリック サポート テスト ( 新たに導入される絶対値基準も含む ) と同様の要件と情報公開の要件を満たすものに対する寄附金について 上記 (1) と同様の税額控除を導入し 平成 23 年分から適用する なお 認定 NPO 法人以外の法人への寄附に係る税額控除については 制度導入後 どの程度の数の法人が税額控除の対象となっているかの実績を検証し 必要に応じて 各法人の特性を踏まえた要件等の見直しを検討することとする 2 認定 NPO 法人制度の見直し NPO 法人に係る認定制度については 内閣府において 新しい公共 の枢要な担い手となるNPO 法人の健全な発展のための必要な環境整備を行うことを目的とした新たな法律 ( 又はNPO 法の改正 )( 以下 新認定法 という ) により 新たな認定制度として整備されることを目指す ただし 新しい公共 推進会議や 新しい公共 調査会の提言等を踏まえ 新たな認定制度が施行されるまでの間の対応として 現行の認定 NPO 法人制度の認定基準の見直し等の一部について平成 23 年度から税制上の措置を講ずることとする 5

(1) 平成 23 年度より税制上対応する措置 1 認定要件の見直し イ PST 要件における絶対値基準の導入 現在のパブリック サポート テスト ( 以下 PST という ) の要件については 事業収入の多いNPO 法人にはクリアしにくいとの指摘がある こうした指摘を踏まえ 事業収入の多いNPO 法人でも 幅広く市民の支持を得ているのであれば認定を受けられるよう PST 要件に一定金額以上の寄附者の絶対数で判定する方式を導入し 現行の判定方式との選択制とする 絶対数の具体的水準については 内閣府のアンケート調査等を踏まえ 既存の認定 NPO 法人の標準的な寄附者数の実態と概ね遜色ない水準に設定するとの基本的考え方の下 寄附金額が年 3,000 円以上の寄附者の数が年平均 100 人以上 とする ( 注 ) 寄附者数の水増しを防止するため 寄附者本人と生計を一にする者も含めて一人として数えることとする また そのNPO 法人の役員又は社員である寄附者は 寄附者数から除くこととする ロ地方団体が条例指定した法人に対する PST 要件等の免除 身近な課題に取り組むNPO 法人を支援するため NPO 法人と身近に接している地方団体が その域内に事務所を有する NPO 法人のうち 条例において個人住民税の寄附金税額控除の対象として個別に指定したものは PST 要件を満たすものとする ( その他の要件については 充足を求める ) 6

この場合には 実績判定期間における共益的活動割合が 50% 未満であること の要件について その対象となる共益的活動から 便益の及ぶ者が地縁に基づく地域に居住する者等である活動 を除いて判定することとする ハその他 上記の見直しは 平成 23 年 4 月 1 日以後の認定の申請から適用する また 次の措置を講ずる PST 要件の基準を5 分の1 以上 ( 原則 :3 分の1 以上 ) とする特例を恒久化する PST 要件に係る小規模法人の特例 ( 簡易な計算式で判定を行うことができる措置 ) を存置する 初回の認定申請におけるPST 等の実績判定期間を2 年 ( 原則 :5 年 ) とする扱いを存置する 2 認定取消しがあった場合の取戻し課税 適切な税制上の事後的是正を確保する観点から 認定 NPO 法人のみなし寄附金について 認定取消しがあった場合には 取消しの原因となった事実のあった日の事業年度まで遡った取戻し課税を行うこととする ( 注 ) 平成 23 年 4 月 1 日以後に開始する事業年度から適用する 7

(2) 新たな認定制度の創設と税制上の対応 新認定法に基づく新たな認定制度においては 認定の間口は広く 事後チェックをしっかりやる との考え方の下 国税庁に代わる新たな認定機関による認定に移行するとともに いわゆる 仮認定 制度の導入などの施策と合わせて 必要な調査や認定の取消しに至る前の段階的な是正措置等を行う監督制度を 次のとおり一体的に整備すべきである この整備がなされた場合には 所要の税制措置を行う なお 内閣府は 関係省庁の協力を得て 新たな認定機関のあり方等 下記の内容について 地方団体と協議を行い その協議を整えた上で 平成 24 年 4 月から新たな認定制度が開始されるよう 次期通常国会において所要の法整備が行われることを目指す 1 新たな認定機関等 地域のことは地域に住む住民が自ら決めるとの理念の下 認定事務を国税庁からNPO 法人を認証した地方団体に移管することとする これと併せ 2 以上の都道府県に事務所を設置する法人の認証事務を内閣府から主たる事務所の所在する都道府県に移管する 内閣府は 新たな認定に係る事務を円滑に実施するため 都道府県に対し情報の提供その他必要な支援を行うこととする 新たな認定制度における認定要件については 現行の認定 N PO 法人制度における認定要件を基本とする 8

2 いわゆる 仮認定 制度の導入等の支援 新しい公共 の枢要な担い手となるNPO 法人の設立初期の活動を支援するため 次のような 仮認定 の制度を導入する イ設立初期の活動支援として 設立後 5 年以内のNPO 法人は 1 回に限り PST 要件以外の認定要件を満たす場合に 仮認定 を受けることができることとする ロ現行の本認定の有効期間が5 年であることを踏まえ 本認定への移行を促す観点から 仮認定 の有効期間は3 年とする ハ制度の濫用防止の観点から 認定 ( 仮認定 を含む ) の取消しを受けたNPO 法人の役員 社員であった者が関与している別のNPO 法人については その取消しのあった日から5 年間は 仮認定 を認めないこととする ( 注 ) 本認定においても 同様に認定要件における役員等の欠格事由とする ニなお 所要の経過措置について検討する また その施策の効果や措置の適正性を検証し 施行から3 年後までに必要な見直しを行うこととする 新しい公共 を担う認定 NPO 法人を育成する観点から 新たな認定制度において本認定を受けた法人 ( 以下 新認定法人 という ) について 名称の独占その他必要な支援措置を整備する 9

3 監督規定の整備等 新認定法人 ( 仮認定 を受けた法人を含む ) の適正な運営を確保する観点から 次の措置を講ずる イ適正を欠く運営が認められた場合に 現行のように直ちに認定取消しをするのでなく 事案に応じた段階的な監督の枠組みを設ける ロ過大役員報酬の支給や役員等が支配する法人への資産の低廉譲渡等が認定取消事由に該当することを明確化するなど 客観的な取消事由を整備する ハ地方団体が認定事務を行う際に必要な立入検査をできることとする また 国税庁から地方団体等への通知制度を整備する ニ 仮認定 も含め 認定取消しを受けたNPO 法人は 5 年間認定の申請をできないこととする 4 新たな認定制度の下での税制措置 新認定法人についても 現行と同様の認定基準等が設けられることを前提として 現行の認定 NPO 法人と同様に 寄附金控除やみなし寄附金制度の適用を認めることとする 10

なお みなし寄附金の損金算入限度額については 社会福祉法人等とのバランスを踏まえ 新認定法において その他の事業 の停止命令など 社会福祉法人等と同等の監督規定等が整備される場合には 社会福祉法人等と同等の限度額 ( 所得金額の 50% 又は 200 万円のいずれか大きい金額 ) に引き上げる措置を講ずる その際 みなし寄附金の対象範囲は収益事業以外の事業のうち特定非営利活動に係る事業に充てるものに限ることとする 仮認定 を受けたNPO 法人については 本認定に向けた設立初期の寄附金の募集活動を支援する観点から 寄附金控除の対象とする 3 地域において活動する NPO 法人等の支援 ( 個人住民税 ) (1) 寄附対象団体の拡大 個人住民税の寄附金税額控除について 地域において活動するNP O 法人を支援するため 認定 NPO 法人以外のNPO 法人への寄附金であっても 都道府県又は市区町村が条例において個別に指定することにより 個人住民税の寄附金税額控除の対象とすることができることとし 平成 24 年度分の個人住民税から適用する ( 平成 23 年中の寄附金から対象 ) あわせて 上記条例指定を受けたNPO 法人に対する寄附金に係る税額控除の適用を受けるための手続き等の規定の整備を行うこととする 11

(2) 地方団体による NPO 法人支援 ( ふるさと寄附金の活用 ) 個人住民税における ふるさと寄附金 を活用してNPO 法人等への支援を促進するため 控除対象寄附金の取扱いを明らかにすることを通じて寄附しやすい環境を整備する 具体的には 個人が特定のNPO 法人等へ助成することを希望した地方団体に対する寄附金については 原則としてふるさと寄附金に該当することとする ただし 個人が特定のNPO 法人等へ助成することを条件とし 当該条件が履行されない場合には返還義務の生じるもの ( 負担付き寄附 ) を除く ( この場合 所得税も同様の取扱いとする ) (3) 控除対象寄附金の適用下限額の引下げ 寄附文化の裾野を広げるため 個人住民税における控除対象寄附金の適用下限額を2 千円 ( 現行 5 千円 ) に引き下げることとし 平成 24 年度分の個人住民税から適用する ( 平成 23 年中の寄附金から対象 ) 12