税幅を 1% ずつ小刻みに引き上げるべきであるといった意見も浮上しており 予定通り引上げが実施されるかは 不透明な状況です Q 消費税増税で住宅取得時の税負担は どのくらい増加しますか A そもそも住宅購入にかかる消費税は 土地にはかからず新築物件なら建物部分のみです 仮に図表 1の モデル のよう

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図表 1 消費税率引上げに伴う住宅着工の影響 ( 平成 9 年 ) 1995( 平成 7) 年度 1996( 平成 8) 年度 1997( 平成 9) 年度 (4 月 1 日に消費税 (5%) 導入 ) 1998( 平成 10) 年度 住宅着工戸数 前年からの増減 1,485 万戸 - 1,630

各年の住宅ローン控除額の算出 所得税から控除しきれない額は住民税からも控除 当該年分の住宅ローン控除額から当該年分の所得税額 ( 住宅ローン控除の適用がないものとした場合の所得税額 ) を控除した際に 残額がある場合については 翌年度分の個人住民税において 当該残額に相当する額が 以下の控除限度額の

平成 31 年度住宅関連税制改正の概要 ( 一社 ) 住宅生産団体連合会 平成 31 年 3 月 (1) 住宅ローン減税の拡充 ( 所得税 個人住民税 ) 消費税率 10% が適用される住宅取得等をして 2019 年 10 月 1 日から 2020 年 12 月 31 日までの間にその者の居住の用に

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4 住宅購入 名称住宅購入に対する各種税金と給付金に関する支援 担当部課 概要新築または中古の住宅を取得するとかかる税金があります また 所得税控除や給付金が支払われる制度もあります 1. 不動産取得税 ( 県税 ) 土地や家屋などの不動産の取得時に 県が課税する税金です お問い合わせ先 神奈川県藤

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内に 耐火建築物以外の建物についてはその購入の日以前 20 年以内に建築されたものであること 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅 を 平成 17 年 4 月 1 日以降に取得した場合には 築年数に関係なく適用が受けられます (56ページ 一

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

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住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

2. 控除の適用時期 Q. 12 月に取得した自宅の所在地に 年末までに住民票を移しましたが 都合で引っ越しが翌年になってしまった場合 住宅ローン控除はいつから受けることになりますか A. 住宅ローン控除の適用を受けるためには 実際に居住を開始することが必要です したがって 住民票を移した年ではなく

契約をするとき 契約書に貼る印紙税不動産取引で取り交わす契約書は 印紙税の対象となります 具体的には 不動産の売買契約書や建物の建築請負契約書 土地賃貸借契約書 ローン借入時の金銭消費貸借契約書等がこれに当たります 印紙税の額は 契約書に記載された金額によって決定されます 原則として 収入印紙を課税

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3. 住宅税制 消費税率の引上げに伴う一時の税負担の増加による影響を平準化し 及び緩和する観 点から 住宅税利について以下のとおり所要の措置を講じます 住宅ローン減税を平成 26 年 1 月 1 日から平成 29 年末まで 4 年間延長し その期間のうち平成 26 年 4 月 1 日から平成 29

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所得税確定申告セミナー

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

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Microsoft Word - 第53号 相続税、贈与税に関する税制改正大綱の内容

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税金のいろいろ所得税の計算の税金サラリーマン20 生活の税金株式の税金事業の税金不動産の税金贈与の税金相続の税金(2) 適用を受けるための主な要件 取得又は増改築等をした日から6か月以内に居住すること 住宅の床面積が50m 2 以上で取得又は増改築後の家屋の床面積の1/2 以上が居住用であること 中

平成 29 年度税制改正 ( 租税特別措置 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 ) 制度名既存住宅のリフォームに係る特例措置の拡充 税目所得税 ( 国土交通省 ) 既存住宅流通 リフォーム市場の活性化に向けて 耐震性 省エネ性 耐久性に優れた良質な住宅ストックの形成を促進するため 既存住宅の耐震 省

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給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

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平成19年度分から

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平成18年度地方税制改正(案)について

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新しい住宅ローン減税・投資型減税のしくみ(上)

平成 28 年 12 月 国土交通省住宅局

相続税計算 例 不動産等の評価財産の課税評価額が 4 億 8 千万円 生命保険金の受取額が 2 千万円 現金 預金等が 4 千万円 ローン等の債務及び葬式費用等が 3 千万円である場合の相続税を計算します 相続人は妻と 2 人の子供の 3 人です ( 評価額を計算するには専門知識を要します 必ず概算

相続税の節税対策としての生前贈与 相続税 贈与税はともに相手に渡る財産の金額に対して累進的な税率により税金がかかりま す そこで 相続税の税率よりも低い税率で贈与をすれば 相続税の節税になります 下の 図で相続税と贈与税税率を確認して下さい 贈与税は 相続税に比べ 基礎控除額が低く さらに税率が高く

住宅借入金等特別控除の入力編

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税


第一住宅関係税制 1. 住宅税制の抜本的な検討 次期消費税引上げまでの期間を活用し 消費税を含めた住宅に係る多重な課税について 抜本的な検討が必要である 良質な住宅ストックの形成に向けて 住宅の取得 保有に係る既存税制と消費税のあり方について 国民にわかりやすい恒久的かつ抜本的な見直しが必要である

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約 6 倍になると予測されており これら高経年マンションが増えていく中 経年による建物 設備の劣化等に対応するための大規模修繕や改修等の資金不足の問題が深刻化している 今後 良質なマンションを維持していくためにも 特にマンション共用部のリフォームについての支援が急務である (4) 賃貸住宅のリフォー

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2. 改正の趣旨 背景税制面では 配偶者のパート収入が103 万円を超えても世帯の手取りが逆転しないよう控除額を段階的に減少させる 配偶者特別控除 の導入により 103 万円の壁 は解消されている 他方 企業の配偶者手当の支給基準の援用や心理的な壁として 103 万円の壁 が作用し パート収入を10

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相続対策としての土地有効活用

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[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

(3) 居住用財産の買換えに伴う長期譲渡所得の課税の特例の適用期限 ( 平成 29 年 12 月 31 日 ) を延長する Ⅱ. 時代を先取りするまちづくりの推進税制 1. 国家戦略特区に係る特例の延長 拡充 (1) 我が国の大都市に世界中からヒト モノ カネ 情報を呼び込む魅力的なまちづくりを推進

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参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

国土交通大臣 太田昭宏殿 平成 27 年 7 月 27 日 一般社団法人プレハブ建築協会 会長樋口武男 平成 28 年度住宅関連税制及び制度改正要望 昨年 政府は経済再生と財政健全化を両立するため 平成 27 年 10 月に予定していた消費税率 10% の引き上げを平成 29 年 4 月に 1 年半

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みずほインサイト 日本経済 2013 年 8 月 27 日 消費増税時の住宅購入補助の効果年収別にみた負担変化の試算 経済調査部エコノミスト 大和香織 住宅ローン減税拡充と すまい給付金 の効果により 消費税率 8%

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2. 改正の趣旨 背景の等控除は 給与所得控除とは異なり収入が増加しても控除額に上限はなく 年金以外の所得がいくら高くても年金のみで暮らす者と同じ額の控除が受けられるなど 高所得の年金所得者にとって手厚い仕組みとなっている また に係る税制について諸外国は 基本的に 拠出段階 給付段階のいずれかで課

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事務連絡 平成 31 年 2 月 28 日 ( 一社 ) 住宅リフォーム推進協議会ご担当者様 国土交通省住宅局住宅政策課 住宅企画官付 住宅生産課 建築指導課 税制特例に係る証明書における建築士等の個人の住所欄の削除について 平素より住宅行政の推進にご協力をいただき 誠に有難うございます 先般 パブ

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以下本人の給与収入速報 平成 29 年度税制改正解説所得課税 ~ 配偶者控除及び配偶者特別控除の見直し 2 配偶者の給与収入が 万円超 15 万円以下の場合の改正案の控除額及び改正前後の影響について 配偶者特別控除 配偶者の給与収入 万円超 15 万円 15 万円以上 11 万円 11 万円以上 1

新設 拡充又は延長を必要とする理由(1) 政策目的 消費者のニーズに応じた住宅を選択できる環境を整備する観点や低炭素化 循環型の持続可能な社会の実現の観点から 中古住宅取得や増改築等工事の適用要件の合理化や増改築等工事の対象を拡充することにより 中古住宅の流通促進 住宅ストックの循環利用に資する (

左記に該当しない方 ボタンを選択した場合 ( 特定増改築等 ) 住宅借入金等特別控除 というリンクになった文字をクリックすると 住宅借入金等特別控除の入力画面が表示されます 所得 所得控除等入力 画面で ( 特定増改築等 ) 住宅借入金等特別控除 というリンクになった文字をクリックすると 3 ページ

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

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2. 改正の趣旨 背景給与所得控除 公的年金等控除から基礎控除へ 10 万円シフトすることにより 配偶者控除等の所得控除について 控除対象となる配偶者や扶養親族の適用範囲に影響を及ぼさないようにするため 各種所得控除の基準となる配偶者や扶養親族の合計所得金額が調整される 具体的には 配偶者控除 配偶

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今月の話題 消費増税 8% 時の住宅ロー ン減税 すまい給付金 Q&A 消費増税を巡っては 今秋に最終判断するという条件付きながらも 14 年 4 月には 8% に引き上げることになっている 住宅は消費税が上がる前に買うべきか 上がった後に買うべきか迷っているお客さまも少なくない中 消費増税による負担増や住宅ローン減税の拡充 現金給付の購入支援策などについて 相談があった場合には 的確な回答ができるようにしておきたい 一般社団法人金融検定協会試験部藤井耕一 1 消費税の引上げ Q 消費税増税のスケジュールはどうなっていますか また 来年 4 月の消費税 8% 引 上げは決まったことですか? A 昨年 8 月に成立した消費増税法では 14 年 4 月に 8% 15 年 10 月に 10% に引き上げることになっています スケジュールは上記のとおりですが 消費増税法には 経済状況を総合的に勘案した上で その執行停止を含め所要の措置を講ずる とした 景気条項 が盛り込まれています つまり 消費増税を判断する時点で 景気が目標の成長水準に達していない場合などは 増税凍結も含めた見直しを行うということになっています 14 年の 8% への消費増税を判断する時期は今秋ですが 安倍政権は 予定通り消費増税するかどうかを判断する際の参考にするため 有識者からの意見聴取を今月 26 日から 9 月 2 日まで実施し その後安倍首相が自ら判断するとしています 現状 自民党の中でも 8% 引上げを予定通り実施すべきであるという意見に対して デフレ脱却を狙うアベノミクスに悪影響があるとして 実施を先送りすべきとする意見 増 1

税幅を 1% ずつ小刻みに引き上げるべきであるといった意見も浮上しており 予定通り引上げが実施されるかは 不透明な状況です Q 消費税増税で住宅取得時の税負担は どのくらい増加しますか A そもそも住宅購入にかかる消費税は 土地にはかからず新築物件なら建物部分のみです 仮に図表 1の モデル のように 建物が 2,500 万円の住宅を購入した場合 消費税が 8% になる段階での税負担の増加は 125 万円から 200 万円へと単純計算では 75 万円 消費税が 10% となると 200 万円から 250 万円へとさらに 50 万円のアップとなります 図表 1 住宅取得時の税負担 モデル 建物価格:2,500 万円 土地価格:2,000 万円 ローン借入額:2,500 万円 ( うち建物分 :1,500 万円 ) 消費税率 5% の時 8% の時 10% の時消費税 125 万円 200 万円 250 万円取得時税負担合計 152 万円 227 万円 277 万円 保有税 ( 固定資産税等 ) 他の流通税( 不動産取得税 印紙税 登録免許税 ) を加えた負担額 ( 出所 ) 平成 25 年度国土交通省税制改正要望について ( 国土交通省 ; 平成 24 年 10 月 23 日 ) より なお 中古住宅の売買については 事業者が行った資産の譲渡等には ( 中略 ) 消費税を課する とされており 事業者が住宅を買い取って個人に売る 買取再販 は課税対象となりますが 売主が事業者ではない個人間の売買は非課税です Q 予定通り増税となった場合 14 年 4 月以降に引き渡される住宅は すべて税率引き 上げ後の 8% の税率が適用されるのですか A 消費税の額は 引渡し時点の税率により決定します 住宅は契約から引渡しまで長期間を要する場合が多く 例えば注文住宅であれば数カ月かかるのが通常です 一方で 引渡し時期により消費税率が変わるとなると 安心して契約を締結することができません このため 住宅については 半年前の指定日の前日 (8% 引上げ時は 13 年 9 月 30 日 ) までに契約したものについては 仮に引渡しが税率引上げの基準日以降になっても 引上げ前の税率を適用することとされています また 請負契約だけでなく マンション等の売買契約でも 注文者が壁の色またはドアの形状等について特別の注文を付すことができることとなっている場合には 同様の経過措置が適用されます 2

2 住宅ローン減税などの税制拡充 Q 消費税増税により 住宅ローン減税制度はどのように変わりますか A 高額消費である住宅については 増税の影響が大きいために 減税措置と給付金で増 税の負担を軽減することが決まっています 減税措置の中心となるのが 住宅ローン減税 制度の拡充です 住宅ローン減税制度は 住宅ローンを借りて住宅を購入する場合に 購入者の金利負担 の軽減を図るための制度です 毎年末の住宅ローン残高の 1% が 10 年間にわたり所得税の額 から控除されます ( ただし 年間に控除できる限度額があります ) また 所得税からは控 除しきれない場合には 住民税からも一部控除されます この住宅ローン減税制度は 14 年 4 月からの消費税率の引上げにあわせて 大幅に拡充されることになっています すなわち 住宅ローン減税は 13 年末までの入居が減税の対象でしたが これを 17 年末 まで 4 年間延長します また 現行の制度では 13 年に入居する人で 住宅ローン残高が 2,000 万円以上の人は 年間 20 万円ずつ (10 年間で最大 200 万円 ) 減税される仕組みでし たが これを拡大し ローン残高が 4,000 万円以上の人は 年間 40 万円ずつ (10 年間で最 大 400 万円 ) 減税されるようになります ( 図表 2 3 参照 ) 図表 2 住宅ローン減税制度の拡充 現行制度 ( 消費税率 5%) の場合 消費税率 8% または 10% の場合 借入限度額 控除率控除期間 最大控除額 ( 通算 ) 借入限度額 控除率控除期間 最大控除額 ( 通算 ) 2,000 万円 (3,000 万円 ) 1.0% 10 年間 200 万円 (300 万円 ) 4,000 万円 (5,000 万円 ) 1.0% 10 年間 400 万円 (500 万円 ) ( ) 内は長期優良住宅 低炭素住宅の場合 図表 3 現行の住宅ローン控除制度 ( 一般の住宅の場合 ) 居住年 借入金の年末残高の限 控除期間 控除率 最高 合計最高控除額 度額 2009 年 5,000 万円 10 年 1.0% 50 万円 500 万円 2010 年 5,000 万円 10 年 1.0% 50 万円 500 万円 2011 年 4,000 万円 10 年 1.0% 40 万円 400 万円 2012 年 3,000 万円 10 年 1.0% 30 万円 300 万円 2013 年 2,000 万円 10 年 1.0% 20 万円 200 万円 2014 年 1~3 月 2,000 万円 10 年 1.0% 20 万円 200 万円 2 2014 年 4 月 ~2017 年 12 月 ( 1) 4,000 万円 10 年 1.0% 40 万円 400 万円 2 3

( 1)14 年 4 月以降でも経過措置により 5% の消費税率が適用される場合や消費税が非課税とされている中古住宅の個人間売買などは 14 年 3 月までの措置を適用 ( 2) 長期優良住宅 低炭素住宅の場合はそれぞれ 300 万円 (~14 年 3 月 ) 500 万円 (14 年 4 月 ~17 年 ) 消費税率の引上げは 前述のとおり 14 年 4 月に 8% 15 年 10 月に 10% と 2 段階に分けて行われる予定ですが 住宅ローン減税は 14 年 4 月から 17 年末まで同じ拡充内容となっています ただし 所得税の納税額が限度となりますので 所得税から控除しきれない場合は 翌年の住民税からも控除できることになっています こちらも 消費税が8% または 10% が適用された場合は 控除枠が最高で年間 9.75 万円から 13.65 万円に拡大されることになっています < 投資型減税 > なお ローンを利用せずに 自己資金のみで取得する場合 住宅ローン減税は利用できません そこで 耐久性や省エネルギー性に優れた住宅の場合には 自己資金のみで取得する場合にも所得税が控除される制度として 投資型減税制度があります この制度についても 消費税率の引上げを踏まえて拡充されています 具体的には 所管行政庁の認定を受けた長期優良住宅に加えて 新たに所管行政庁の認定を受けた低炭素住宅が対象になります 所得税からの控除は これらの住宅の性能強化に必要な 標準的な掛かり増し費用が対象となります この掛かり増し費用についても見直し 拡充が行われます 掛かり増し費用 ( m2当たり ) 床面積 ( m2 ) 10%= 控除額 ( 但し 限度額あり ) 3 すまい給付金 Q 住宅ローン控除以外にも 現金給付の制度もあると聞きましたが A 収入が少ないなどで所得税や住民税の納税額が少ない人は 所得税と住民税から控除しても控除可能額を使い切れない場合が考えられます これらを考慮して 別途現金給付を設けることになっていましたが このたび すまい給付金 という名称で詳細が明らかになりました すなわち すまい給付金制度は 消費税率引上げによる住宅取得者の負担をかなりの程度緩和するために導入を予定している制度です 住宅ローン減税は 支払っている所得税等から控除する仕組みであるため 収入が低いほどその効果が小さくなります すまい給付金制度は 住宅ローン減税の拡充による負担軽減効果が十分に及ばない収入層に対して 4

住宅ローン減税とあわせて消費税率引上げによる負担の軽減をはかるものです このため 収入によって給付額が変わる仕組みとなっています Q すまい給付金の給付額は いくらですか A すまい給付金は 収入によって住宅ローン減税の負担軽減効果が及びにくい人を対象とするものですので 対象者の収入に上限があるとともに 住宅ローンを利用せず現金で購入した場合も 一定の要件を満たせば 給付を受けることができます 給付額は 消費税率及び収入に応じ以下のとおりです (1) 消費税率 8% の時収入額の目安 給付額年収 425 万円以下 30 万円年収 425 万円超 ~475 万円以下 20 万円年収 475 万円超 ~510 万円以下 10 万円 (2) 消費税率 10% の時収入額の目安 年収 450 万円以下年収 450 万円超 ~525 万円以下年収 525 万円超 ~600 万円以下年収 600 万円超 ~675 万円以下年収 675 万円超 ~775 万円以下 給付額 50 万円 40 万円 30 万円 20 万円 10 万円 収入額の目安は 扶養対象となる家族が 1 人 ( 専業主婦 16 歳以上の子供など ) の場合をモデルに試算した結果です Q 住まい給付金の対象となる住宅は A 前述したように 住宅ローンを利用せず 現金で購入した場合にも 一定の条件を満たせば給付が受けられるようになっており また 給付が受けられる条件としては 住宅ローンを利用するか現金で購入したか 新築住宅か中古住宅かによって 条件が異なります すなわち 給付対象は 自己の居住の用に供するために住宅を新築もしくは新築住宅を取得又は中古住宅を取得する者で 住宅の種類及び取得方法に応じ以下のとおりとします (1) 住宅を新築又は新築住宅を取得する者 1 住宅ローン利用者の要件 5

以下に該当する住宅 床面積 50 m2以上の住宅 工事中の検査により一定の品質が確認された住宅 2 現金購入者の追加要件上記 1に加え以下に該当する住宅とし 50 歳以上で 650 万円以下の収入額 ( 目安 ) の者が取得する場合に限ります 省エネルギー性に優れた住宅など一定の性能を満たす住宅 (2) 中古住宅を取得する者 1 住宅ローン者の要件以下に該当する住宅 床面積 50 m2以上の住宅 住宅売買時等に検査により品質が確認された住宅 2 現金購入の場合上記 1に加え 50 歳以上で 650 万円以下の収入額 ( 目安 ) の者が取得する場合に限ります 以上 6