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2003

Ⅰ. 改訂内容 ( 部変更 ) ペルサンチン 錠 12.5 改 訂 後 改 訂 前 (1) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本剤の作用が増強され, 副作用が発現するおそれがあるので, 併用しないこと ( 過量投与 の項参照) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本

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診療情報を利用した臨床研究について 虎の門病院肝臓内科では 以下の臨床研究を実施しております この研究は 通常の診療で得られた記録をまとめるものです この案内をお読みになり ご自身がこの研究の対象者にあたると思われる方の中で ご質問がある場合 またはこの研究に 自分の診療情報を使ってほしくない とお

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食欲不振 全身倦怠感 皮膚や白目が黄色くなる [ 肝機能障害 黄疸 ] 尿量減少 全身のむくみ 倦怠感 [ 急性腎不全 ] 激しい上腹部の痛み 腰背部の痛み 吐き気 [ 急性膵炎 ] 発熱 から咳 呼吸困難 [ 間質性肺炎 ] 排便の停止 腹痛 腹部膨満感 [ 腸閉塞 ] 手足の筋肉の痛み こわばり

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査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

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あった AUCtはで ± ng hr/ml で ± ng hr/ml であった 2. バイオアベイラビリティの比較およびの薬物動態パラメータにおける分散分析の結果を Table 4 に示した また 得られた AUCtおよび Cmaxについてとの対数値

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37 シロスタゾールOD 錠 50mg ケミファ 日本薬品工業 38 シロスタゾールOD 錠 50mg JG ダイト 39 シロスタゾールOD 錠 50mg マイラン マイラン製薬 40 シロスタゾールOD 錠 50mg トーワ 東和薬品 41 シロスタゾールOD 錠 50mg ツルハラ 鶴原製薬

第 4 章感染患者への対策マニュアル ウイルス性肝炎の定義と届け出基準 1) 定義ウイルス感染が原因と考えられる急性肝炎 (B 型肝炎,C 型肝炎, その他のウイルス性肝炎 ) である. 慢性肝疾患, 無症候性キャリア及びこれらの急性増悪例は含まない. したがって, 透析室では HBs

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B 型肝炎治療におけるバラクルード R 錠 0.5mg の製品情報 2011 年 3 月 11 日に発生しました東北地方太平洋沖地震により被災された方々に謹んでお見舞い申し上げます ブリストル マイヤーズ株式会社は 関係企業および団体の方々と協力し 弊社の医療用医薬品を安定的に必要とされる皆さまに供給できますよう全力で取り組んでまいります この B 型肝炎治療におけるバラクルード錠 0.5mg の製品情報 が 被災地で医療に携わって頂いている先生方へ少しでもお役に立てれば幸いです 社員一同 一日も早い被災地の復興を心よりお祈り申し上げます 2011 年 3 月 31 日 本資料に関する問い合わせ先ブリストル マイヤーズ株式会社東京都新宿区西新宿 6-5-1 メディカル情報部 TEL:0120-093-507

< 製品情報を作成するにあたって > 当 バラクルード R 錠 0.5mg の製品情報 は 被災地で医療に携わっておられ る先生方に必要と思われる最低限の情報を記載しています 薬剤の詳細な情報に関しましては 必ず添付文書等をご参照ください < 各項目の背景 > 1. 剤形 被災地ではカルテの保管さえも十分ではない事が予想されます 服用されていた薬剤名を覚えていない患者さまのために 剤形を掲載し服用していた薬剤の特定にお役立ていただけるように致しました 2. バラクルード錠の安定性 東北地方では現在も停電の状況下にある地域があり 連日厳しい寒さにみまわれていることが報道されています そのような状況下で 薬剤の安定性に関するご質問もいただいておりますので 情報として掲載させていただきました 3. 効能又は効果 / 4. 用法及び用量 患者さまが 普段受診されている医療機関を訪問できる状況下ではないことが予想されます よって普段 B 型肝炎治療に携わっていない先生方の元に患者さまが来られる事を想定し 一般的な情報として記載させていただきました 5. 服用中止後の肝炎の悪化に関して 震災前までバラクルード錠を服用されていた患者さまで 現在薬剤を服用できていない場合があることが想定されます バラクルード錠を含む B 型肝炎に対する治療を終了した患者さまで 肝炎の急性増悪が報告されています よってその注意喚起として記載させて頂きました

1.B 型肝炎治療における核酸アナログ製剤の剤形一覧 1) 販売名 バラクルード R 錠 0.5mg ゼフィックス R 錠 100 ヘプセラ R 錠 10 ( 一般名 ) ( エンテカビル水和物 ) ( ラミブジン ) ( アデホビルピボキシル ) 剤形 2) 白色 ~ 微黄白色の 三角形のフィルムコート錠 製剤写真 うすいだいだい褐色の フィルムコート錠 白色の素錠 販売会社ブリストル マイヤーズ グラクソ スミスクライン グラクソ スミスクライン 1): 各薬剤添付文書より抜粋,2): 実際の大きさとは異なります 2. バラクルード錠 0.5mg の安定性 バラクルード錠は 室温 (1~30 ) で保管をお願いしております 患者さまがお持ちになった薬剤が 震災により外観に濡れ 破損等が認められた場合または保管状況の悪化により品質への影響が懸念される場合は その薬剤の使用を避けていただきますようお願いいたします バラクルード錠は 苛酷試験において光及び熱の影響を受けませんでした PVC/PVDC 包装したものは 40 /75%RH の 26 週で含量の低下及び類縁物質の増加がわずかにみられ また 25 /60%RH 及び 30 /70%RH の 104 週では含量及び溶出速度の低下並びに類縁物質及び水分の増加がわずかにみられたことから 湿度の軽微な影響を受けることが推察されました ( 次ページ安定性試験成績の概略参照 )

試験項目長期保存試験 バラクルード錠 0.5mg の安定性試験成績の概略 保存条件保存期間保存形態結果 * 温度湿度光 25 60%RH 暗所 30 70%RH 暗所 13,26,39,52,65, 78,95,104 週 2,4,9,13,26,39, 冷蔵保存試験 5 - 暗所 52,65,78,104 ブリスター 週包装加速試験 40 75%RH 暗所 4,9,13,26 週 苛酷試験光 温度 50 - 暗所 4,9,13 週 温湿度 40 75%RH 暗所 湿度 25 60%RH 暗所 4) 凍結 / 温湿度繰り返し (48 時間サイクル ) 25 - 蛍光灯 / 紫外線 -20 24 時間 / 40 時 40 75%RH 暗所 24 時間 3) 4,9,13,26, 39,52 週シャーレ開放 4,8 日 2 週 ブリスター 包装 * 性状 水分 硬度 溶出性 純度試験 ( 類縁物質 ) 含量 3)PVC/PVDC( 片面二層フィルム片面アルミニウム箔 ) 及び AL/AL( 両面アルミニウム箔 ) 4) 保存条件 : 蛍光ランプ + 紫外線ランプ 4 日 =1.2 10 6 Lx hr +200W h/m 2 8 日 =2.4 10 6 Lx hr+400w h/m 2 (ICH ガイドライン Q1B に定められた基準値の 2 倍量 通常散光下の照度を 600Lx とすると曝光量 4 日は 2000 時間 8 日は 4000 時間にそれぞれ相当 ) - 規定せず 3) 104 週で 含量及び溶出速度の低下 類縁物質及び水分の増加がわずかにみられた 104 週まで安定であった 26 週で 含量の低下 類縁物質の増加がわずかにみられた 13 週まで安定であった 水分の増加 溶出率及び硬度の低下がみられた 8 日で類縁物質の総量にわずかな増加がみられたのみで 安定であった 2 週まで安定であった

3. 効能又は効果 B 型肝炎ウイルスの増殖を伴い肝機能の異常が確認された B 型慢性肝疾患 * における B 型肝炎ウイルスの増殖抑制 *B 型慢性肝疾患 :B 型慢性肝炎 B 型肝硬変 本剤を投与するにあたり 必ず添付文書で 効能 効果に関連する使用上の注意 警告 禁忌 使用上の注意 などの安全性情報をご確認ください 4. 用法及び用量 本剤は 空腹時( 食後 2 時間以降かつ次の食事の 2 時間以上前 ) に経口投与する 通常 成人にはエンテカビルとして 0.5mg を 1 日 1 回経口投与する なお ラミブジン不応 ( ラミブジン投与中に B 型肝炎ウイルス血症が認められる又はラミブジン耐性変異ウイルスを有するなど ) 患者には エンテカビルとして 1mg を 1 日 1 回経口投与することが推奨される < 用法 用量に関連する使用上の注意 > 1. 本剤は 投与中止により肝機能の悪化もしくは肝炎の重症化を起こすことがある 本内容を患者に説明し 患者が自己の判断で投与を中止しないように十分指導すること 2. 本剤は食事の影響により吸収率が低下するので 空腹時 ( 食後 2 時間以降かつ次の食事の 2 時間以上前 ) に投与すること 3. 腎機能障害患者では 高い血中濃度が持続するおそれがあるので 下表を参考にして クレアチニンクリアランスが 50mL/min 未満の患者並びに血液透析又は持続携行式腹膜透析を施行されている患者では 投与間隔の調節が必要である 腎機能障害患者における用法 用量の目安 クレアチニンクリアランス (ml/min) 通常用量ラミブジン不応患者 30 以上 50 未満 0.5mg を 2 日に 1 回 1mg を 2 日に 1 回 10 以上 30 未満 0.5mg を 3 日に 1 回 1mg を 3 日に 1 回 10 未満 0.5mg を 7 日に 1 回 1mg を 7 日に 1 回 注 ) 血液透析又は持続携行式 腹膜透析 (CAPD) 患者 注 ) 血液透析日は透析後に投与する 0.5mg を 7 日に 1 回 1mg を 7 日に 1 回 本剤を投与するにあたり 必ず添付文書で 効能 効果に関連する使用上の注意 警告 禁忌 使用上の注意 などの安全性情報をご確認ください

5. 服用中止後の肝炎の悪化に関して 本剤の添付文書の 警告 欄には以下の記載があります 警告 本剤を含む B 型肝炎に対する治療を終了した患者で 肝炎の急性増悪が報告されている そのため B 型肝炎に対する治療を終了する場合には 投与終了後少なくとも数ヵ月間は患者の臨床症状と臨床検査値の観察を十分に行うこと 経過に応じて B 型肝炎に対する再治療が必要となることもある B 型慢性肝炎に対する抗 HBV 薬の治療を終了した場合 増殖を抑制されていたウイルスが再増殖し肝炎が再燃する可能性がありますので 患者さまの状態 検査値等の観察を十分行い 必要に応じ本剤の再投与又は既存の治療法により適切に対処することをご検討ください 海外臨床試験において 本剤投与 48 週目の評価で CR 5) NR 6) と評価された症例は 52 週目に投与中止し 24 週間経過観察されました その観察期間中に肝炎の悪化が認められています ( 下表 ) 本剤投与終了後の肝炎の悪化の大半は可逆的でありますが 他の抗 HBV 薬において 投与終了後の肝炎の重度の増悪とそれによる死亡例の報告があることから B 型肝炎に対する治療を中止している場合は 十分に注意を払い肝炎の再燃に対処頂ければと思います 5) CR(Composite Response): HBV DNA 量が検出限界 (0.7MEq/mL = 7 10 5 copies/ml, bdna 法 ) 未満かつ HBe 抗原陰性化 (HBe 抗原陽性例 ) もしくは ALT が基準値の 1.25 倍未満 (HBe 抗原陰性例 ) 6) NR(Non-Response): bdna 法による HBV DNA 量が 0.7MEq/mL 以上 投与終了後の観察期間における肝炎の悪化 ( 海外臨床試験 ) ALT(GPT) 上昇 (>10 ULN( 基準値上限 ) かつ>2 参照値エンテカビルヌクレオシド類縁体未治療患者 28/476(6%) HBe 抗原陽性患者 4/174(2%) HBe 抗原陰性患者 24/302(8%) ラミブジン不応患者 6/52(12%) a 参照値は 投与前値または投与終了時の値のうち いずれか低い方の値を指す 投与終了後から悪化までの中央値は本剤投与例で 23 週であった 重大な副作用として 投与終了後の肝炎の悪化 アナフィラキシー様症状 乳酸アシドーシスが また 類薬の重大な副作用として脂肪沈着による重度の肝腫大 ( 脂肪肝 ) が報告されています 必ず添付文書で 警告 禁忌 使用上の注意 などの安全性情報をご確認ください a )