京都府における生活保護世帯の推移 23,123 24,682 4,257 5,049 18,866 19,633 32,630 7,182 25,448 39,294 8,985 30,309 京都府に

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目 次 Ⅰ はじめに 1 計画策定の位置付け ( 趣旨 ) 2 計画の期間 3 計画の進捗管理 Ⅱ 計画の基本理念と基本的視点 1 基本理念 2 基本的視点 2 2 Ⅲ 子どもの貧困に係る現状と課題 3 Ⅳ 京都府の主な取組 9 Ⅴ 当面の重点施策 1 連携推進体制の構築 2 ライフステ

18 歳人口予測 ( 全体 : :217~228 年 ) 年 45,961 人 228 年 4,98 人 (5,863 人減少 ) は 12 年間で 5,863 人 12.8% 減少し 全国の減少率 9.6% を 3.2 ポイント上回る 223 年に 41,13 人まで減少した後 224

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PowerPoint プレゼンテーション

c46812 ぼしれん5月号/5月号タイトル差し替え済

沖縄県教育庁提出資料 1

母子1

初めて親となった年齢別に見た 就労状況 ( 問 33 問 8) 図 97. 初めて親となった年齢別に見た 就労状況 10 代で出産する人では 正規群 の割合が低く 非正規群 無業 の割合が高く それぞれ 22.7% 5.7% であった 初めて親となった年齢別に見た 体や気持ちで気になること ( 問

高等学校第 3 学年英検準 2 級以上の割合英語教育実施状況調査 30.0 % H26 H26 全国平均 31.9% 30.5 %( 27 ) 34.3 %( 27 ) 3 高等学校教育の質の向上 インターンシップ実施率 ( 高等学校 ) 高等学校中途退学率 児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に

資料1 世帯特性データのさらなる充実可能性の検討について

100

Microsoft PowerPoint - ひとり親家庭の支援について

調査結果概要 ( 旭川市の傾向 ) 健康状態等 子どもを病院に受診させなかった ( できなかった ) 経験のある人が 18.8% いる 参考 : 北海道 ( 注 ) 17.8% 経済状況 家計について, 生活のため貯金を取り崩している世帯は 13.3%, 借金をしている世帯は 7.8% となっており

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(4) 教員数 [ 表 3] 教員数 は 1,295 人で 前より 43 人減少しました そのうち 女性教員の占める比率は 95.9% となっています (5) 小学校第 1 学年児童数に対する幼稚園修了者数の比率 [ 表 4] 当該の奈良県内の小学校第 1 学年の児童数に対する その年の 3 月の県

 

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3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

第2節 茨木市の現況

II. 調査結果 1 調査世帯の状況 世帯の状況 1 家族形態 H28 平成 5 年の調査 ( 小学 2 年 小学 5 年 中学 2 年 ) との比較では 祖父母同居のは 13.3 ポイント減少しており 核家族化の傾向が見られる また は 3.5 ポイント増加している 小学 2 年生

学力向上のための取り組み

Microsoft Word - 【第2章】主な調査結果260624

子育てや教育にお金がかかりすぎるから自分の仕事(勤めや家業)に差し支えるから家が狭いから高年齢で生むのはいやだから欲しいけれどもできないから健康上の理由からこれ以上 育児の心理的 肉体的負担に耐えられないから夫の家事 育児への協力が得られない

資料3-3.文部科学省における子供の貧困対策の総合的な推進

平成19年度学校保健統計調査結果

「すべての子どものため」の子どもの貧困対策②

2.調査結果の概要

Microsoft Word - 28概況(所得・貯蓄)(170929)(全体版・正)

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Ⅱ ひとり親家庭の現状と課題 1 社会的な背景 (1) 子どもの貧困の社会問題化 平成 28 年国民生活基礎調査の結果では 子どもの貧困率は 13.9% と 3 年前の前回調査の 16.3% から低下し 数値的にはやや改善に向かっていますが ひとり親家庭の貧困率は 5 割を超え 依然 とひとり親のお

2.調査結果の概要

相対的貧困率等に関する調査分析結果について

参考資料1 高等教育の将来構想に関する参考資料2/3

平成19年度学校保健統計調査結果

3 世帯属性ごとのサンプルの分布 ( 両調査の比較 参考 3) 全国消費実態調査は 相対的に 40 歳未満の世帯や単身世帯が多いなどの特徴がある 国民生活基礎調査は 高齢者世帯や郡部 町村居住者が多いなどの特徴がある 4 相対的貧困世帯の特徴 ( 全世帯との比較 参考 4) 相対的貧困世帯の特徴とし

Microsoft Word - 児扶法改正(Q&A)

初めて親となった年齢別に見た 母親の最終学歴 ( 問 33 問 8- 母 ) 図 95. 初めて親となった年齢別に見た 母親の最終学歴 ( 母親 ) 初めて親となった年齢 を基準に 10 代で初めて親となった 10 代群 平均出産年齢以下の年齢で初めて親となった平均以下群 (20~30 歳 ) 平均


02世帯

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

( 様式第 1 号 ) 国公立高校用 大阪府教育委員会教育長様 奨学のための給付金受給申請書 記入日令和年月日 受給対象となる生徒に関する事項 生徒が在学する学校の名称等 フリガナ 生徒の氏名 生徒の住所 高等学校 年組番 全日制 昭和平成 学校の種類 課程 学科 定時制 通信制 生徒の生年月日 大

平成25年 国民生活基礎調査【所得票】 結果表一覧(案)

Ⅰ 改正について 児童扶養手当法の改正 Q&A ( 公的年金等と合わせて受給する場合 ) Q1 今回の改正の内容を教えてください A: 今回の改正により 公的年金等 * を受給していても その額が児童扶養手当の額 より低い場合には 差額分の手当が受給できるようになります 児童扶養手当 は 離婚などに

Microsoft Word 結果の概要(1世帯)

平成 24 年度職場体験 インターンシップ実施状況等調査 ( 平成 25 年 3 月現在 ) 国立教育政策研究所生徒指導 進路指導研究センター Ⅰ 公立中学校における職場体験の実施状況等調査 ( 集計結果 ) ( ) は 23 年度の数値 1 職場体験の実施状況について ( 平成 24 年度調査時点

2 幼保連携型認定こども園 [ 表 3] 主要指標の推移 教育 保育職員数 1 学級当たり教育 保育職員 ( 本務者 ) 園数学級数在園者数 ( 本務者 ) の在園者数 1 当たりの在園者数対前対前対前対前 (3~5 対前 (0~5 対前増減数増減率増減率増減率歳児 ) 増減数歳児 ) 増減数 園

資料 7 1 人口動態と子どもの世帯 流山市人口統計資料 (1) 総人口と年少人口の推移流山市の人口は 平成 24 年 4 月 1 日現在 166,924 人で平成 19 年から増加傾向で推移しています 人口増加に伴い 年尐人口 (15 歳未満 ) 及び年尐人口割合も上昇傾向となっています ( 人

Microsoft PowerPoint - 子供をめぐる格差とその是正(前半) HP用 [互換モード]

(1) 庁内外の関係機関と密に連携を図りつつ必要に応じてひとり親家庭を訪問 1 背景ひとり親家庭からの相談窓口に寄せられる相談件数は増加傾向にある また養育に問題を抱える父母からの相談 父母や子どもが精神的に不安定であるケースに関する相談等 相談内容やその背景も複雑化してきていることから 碧南市では

Ⅲ 卒業後の状況調査 1 中学校 (1) 卒業者数平成 29 年 3 月の中学校卒業者数は 7 万 8659 人で 前年度より 655 人 (0.8%) 減少している [ 表 57 図 25 統計表 ] 専修学校 ( 一般課程 ) 等入学者 58 人 (0.1%) 専修学校 (

物価指数研究会(第2回) 2015年基準 モデル式の検討「授業料」・「保育料」

(2) 幼保連携型認定こども園 1 園数 20 園 ( 公立 9 園 私立 11 園 : 前年度比 3 園増 ) 表 1 2 園児数 2,189 人 ( 前年度比 416 人増 ) 図 1 表 2 3 教員数 ( 本務者 ) 307 人 ( 前年度比 83 人増 ) 表 3 4 就園率 ( 本年度小

図表 1 両親年収別の高校卒業後の進路 1( 所得階級 5 区分 ) 高校生の進路追跡調査第 1 次報告書 69 頁 図 3-2 再掲

(3) その他 全日制高校進学率の向上を図るため 更に公私で全体として進学率が向上するよう工夫する そのための基本的な考え方として 定員協議における公私の役割 を次のとおり確認する 公立 の役割: 生徒一人ひとりの希望と適性に応じて 多様な選択ができるよう 幅広い進路先としての役割を担い 県民ニーズ

(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

調査結果概要

01 表紙(進路調査編)

相対的貧困率の動向: 2006, 2009, 2012年

目次 第 1 章総則 子どもの貧困対策に関する国の動き... 1 (1) 子どもの貧困対策の推進に関する法律 の制定... 1 (2) 子供の貧困対策に関する大綱 策定 子どもの貧困と子どもの貧困対策... 4 (1) 子どもの貧困... 4 (2) 子どもの貧困率...

☆☆H26以降入学生 減免制度紹介パンフ(H29 給付金改定)

Taro-平成27年度の取り組み(資料:1)

困窮度別に見た はじめて親となった年齢 ( 問 33) 図 94. 困窮度別に見た はじめて親となった年齢 中央値以上群と比べて 困窮度 Ⅰ 群 困窮度 Ⅱ 群 困窮度 Ⅲ 群では 10 代 20~23 歳で親となった割 合が増える傾向にあった 困窮度 Ⅰ 群で 10 代で親となった割合は 0% 2

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事例検証 事例 1 37 歳の会社員の夫が死亡し 専業主婦の妻と子ども (2 歳 ) が遺される場合ガイドブック P10 計算例 1 P3 事例 2 42 歳の会社員の夫が死亡し 専業主婦の妻と子ども (7 歳 4 歳 ) が遺される場合 P4 事例 3 事例 3A 事例 3B 53 歳の会社員の夫

Microsoft PowerPoint - 【2013年度】保護者

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府立高校 <P138> 支援学校 <P138> 保健センター <P139> 支援の必要な家庭の発見 子ども 保護者 親族からの相談 登校状況などを通して支援の必要な家庭を発見 (P50 表 2-3-4) 4 割程度が保護者の相談支援を実施 (P4 図 2-1-2) ケースに対応する中での課題として

1 国の動向 平成 17 年 1 月に中央教育審議会答申 子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について が出されました この答申では 幼稚園 保育所 ( 園 ) の別なく 子どもの健やかな成長のための今後の幼児教育の在り方についての考え方がまとめられています この答申を踏まえ

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孫のために教育資金を支援するならどの制度?


就学支援策の現状

Taro-① 平成30年度全国学力・学習状況調査の結果の概要について

Microsoft PowerPoint - 九州大学IRデータ集(5.入学状況)_

イノベーションの担い手の活動状況07

現課程の高校生の実態

() 非行少年等の概況 刑法犯少年は 平成 22 年以降減少傾向にあり 平成 27 年に微増に転じ 202 人となったが 平成 29 年中は 35 人に減少し 統計の残る昭和 25 年以降で最少となった 触法少年については 平成 29 年中は前年比で 7 人増加し 98 人となった 依然として低年齢

18歳人口の分布図(推計)

年中児スクリーニングの事後支援 年中児スクリーニングの事後支援として 22 市町村が園巡回を実施しているが SST は 5 市町村の実施 ペアレントトレーニングは 7 市町村の実施に止まっており 事後支援を実施する市町村の拡大が課題 園巡回 : 専門職が保育所 幼稚園を巡回し 保育士等に指導 助言

第二次箕面市ひとり親家庭等自立促進計画

結果のポイント ひとり親家庭になった理由 離婚 が母子家庭 88.8% 父子家庭 85.2% と最も多い 居住形態 父子家庭は自分所有の 持ち家 が 39.4% 家族所有の 持ち家 が 33.9% と 持ち家 が 70% 以上を占めているが 母子家庭は家族所有の 持ち家 が 37.1% 次いで 公営

資料3-1 教職員定数に関する考え方

1 調査目的 今年度策定する 津山市総合戦略 で 子どもを産み 育てやすい環境づくりに 向けた取組みを進めるにあたり 出産 子育ての現状を把握するために実施した 2 調査内容の背景と設問設定理由国では 出生率を 2.07 まで高めることで 2060 年に現状の社会構造を維持できる人口 1 億人程度を

Microsoft Word - 02_2‘Í_‹É’¨„´†j.doc

平成 23 年 12 月 27 日 国立の教員養成大学 学部 ( 教員養成課程 ) 等の平成 23 年 3 月卒業者の就職状況について 小 中 高等学校等の教員養成を目的とする国立の教員養成大学 学部卒業者 (44 大学 学部 ) の教員養成課程の就職状況については 毎年 文部科学省において取りまと

資料1 団体ヒアリング資料(ベネッセ教育総合研究所)

医療的ケア児について

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1 大学等を卒業して小学校教諭普通免許状を取得する ( 免許法別表第 1) 基礎資格 種類 基礎資格 専修 修士の学位 ( 大学 ( 短期大学を除く ) の専攻科又は大学院に1 年以上在学し,30 単位以上修得した場合を含む ) 一種 学士の学位 ( 学校教育法第 102 条第 2 項により大学院へ

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Microsoft Word - 【計画:最終見込】〔全文〕子どもの貧困対策推進計画

市町単独福祉医療費助成制度実施状況 全て ( 平成 30 年 10 月 1 日 ) 受給券の 彦根市 ( 続きあり ) 乳幼児 ( 子ども医療 ) うぐ 小学 1 年生から小学 3 年生 (9 歳到達後最初の3 月いす 31 日 ) までの者 小学 4 年生から中学

発育状態調査 身長 身長 ( 平均値 ) を前年度と比較すると 男子は 5~8,10,11,16 歳で 女子は 7~12,15,17 歳で前年度を上回っている (13 年齢区分中 男子は増加 7 減少 4 女子は増加 8 減少 3) 全国平均と比較すると 男子は全ての年齢で 女子は 9~11 歳を除

Microsoft PowerPoint - 【資料2】有子扶助・加算に関する検証結果(案)

スライド 1

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領域別正答率 Zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz んんんんんんんんんんんんん 小学校 中学校ともに 国語 A B 算数( 数学 )A B のほとんどの領域において 奈良県 全国を上回っています 小学校国語 書く B において 奈良県 全国を大きく上回っています しかし 質問紙調査では 自分

第 3 章 保護者との関わり 子育て支援 に来園する親子の平均組数は 国公立で 14.1 組 私立で 19.2 組だった ( 図 表 3-3-1) では どのようなことを親子は体験しているのだろうか 実施内容について複数回答で聞いたところ 私立幼稚園と国公立幼稚園で違いがみられた (

平成 29 年 北海道アイヌ生活実態調査 の実施結果について ( 概要 ) 1 調査の目的この調査は 北海道におけるアイヌの人たちの生活実態を把握し 今後の総合的施策のあり方を検討するため 必要な基礎資料を得ることを目的として実施した 2 調査の対象この調査における アイヌ とは 地域社会でアイヌの

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Ⅲ 子どもの貧困に係る現状と課題 1 子どもの貧困率の推移 6 人に 1 人の子どもが貧困世帯で暮らす子どもがいる貧困世帯の半数以上はひとり親世帯 国民生活基礎調査 によると 相対的貧困率は 平成 21 年調査では16.0% であったものが平成 24 年は16.1% と増加し これらの世帯で暮らす18 歳未満の子どもの貧困率も15.7% から 16.3% と 過去最悪を示している また 子どもがいる貧困世帯のうち ひとり親世帯の相対的貧困率は54.6% と大人が2 人以上いる世帯に比べて非常に高い水準となっており 貧困率が過去最悪を更新したのは 長引くデフレ経済下で子育て世帯の所得が減少したことや 母子世帯が増加する中で働く母親の多くが給与水準の低い非正規雇用であることも影響した と分析されている 貧困率の年次推移 ( 平成 25 年国民生活基礎調査 ) 2 生活保護世帯 ひとり親家庭の状況 生活保護世帯 ひとり親家庭は 10 年で 1.6~1.7 倍に増加母子家庭の就労収入は 200 万円未満が 7 割 府の生活保護受給者は 平成 26 年 12 月時点で 6 万 2,111 人 世帯数は 4 万 3,255 世帯 保護率は 2.38% と 低所得者層の増加が著しくなっている また 京都府におけるひとり親家庭は年々増加し この 15 年間で 2 倍に増加 相対的貧困率 : 可処分所得 ( 直接税 社会保険料 資産 現物給付を除いた収入 ) を低い順に並べた場合の中央値 ( 真ん中の順位の人の所得 ) を算出する その中央値の 50% を貧困線とし これを下回る所得しか得ていない世帯の割合 - 3 -

40000 35000 30000 25000 20000 15000 10000 5000 0 京都府における生活保護世帯の推移 23,123 24,682 4,257 5,049 18,866 19,633 32,630 7,182 25,448 39,294 8,985 30,309 京都府におけるひとり親家庭の推移 25000 20000 15000 10000 5000 12,522 1,679 ( 国勢調査 ) 14,714 1,623 10,843 13,091 18,176 1,711 16,465 25,661 3,461 22,200 0 平成 7 年平成 12 年平成 17 年平成 22 年平成 7 年平成 12 年平成 17 年平成 22 年京都市京都市以外母子家庭父子家庭 ( 京都府福祉 援護課調べ ) ( 京都府家庭支援課調べ ) 平成 23 年度に実施した 母子 父子家庭実態調査では 母子家庭の収入状況は 200 万円未満の世帯が 68.1% と全体として高い中 母子家庭の親の最終学歴が中学校 ( 対象 311 世帯 ) の場合 無収入だけで 34.1% 200 万円未満が全体の 92.9% を占めており 母子家庭全体からみても非常に厳しい収入状況であることがうかがえる 母子家庭の最終学歴と平均収入の状況 母子家庭全体専修学校等大学短大高等専門学校高校中学校 3 貧困が及ぼす子どもへの影響 (1) 就学前 ( 京都府家庭支援課調べ ) 乳幼児がいる母子家庭の 2 人に 1 人が 100 万円未満の就労収入質の高い幼児教育 保育は 貧困による子どもの発達較差を緩和 平成 23 年度実施した 母子 父子家庭実態調査によると 乳幼児のいる母子家庭のうち年間の就労収入が100 万円に満たない家庭の割合は52.2% 就労形態はアルバイト パートが多い状況になっている また 子どもを保育所に入所させ就労したくても数 % のひとり親家庭の子どもが保育所に入所できない状況であり 自立の阻害要因となっている - 4 -

乳幼児のいる家庭と全母子家庭との就労収入の比較 母子家庭全体 乳幼児のいる家庭 ( 京都府家庭支援課調べ ) 幼稚園 保育所利用状況 母子家庭 父子家庭 平成 23 年 平成 17 年 平成 23 年 平成 17 年 幼 稚 園 8.5 10.2 16.0 16.3 保 育 所 78.8 80.5 80.0 86.3 無認可保育所 2.0 4.1 0.0 6.3 保育所に入所できない 4.7 4.2 4.0 5.0 空きがない 3.2 1.2 0.0 0.0 求職活動中 1.4 1.6 4.0 0.0 費用が高い 0.1 1.0 0.0 3.8 上記以外の理由 - 0.4 0.0 1.2 通園していない 6.1 8.0 0.0 2.5 ( 京都府家庭支援課調べ ) 保育の有無と質により異なる収入と就学準備度の関係 12 アメリカの国立小児保健人間発達研究所の報 告では 年収が高い世帯では保育の質による 子どもの発達にはあまり変化はないが 経済的 に苦しい世帯では 保育の質が子どもの発達に 大きく影響する との調査結果がある ベネッセ教育総合研究所ホームページ第 2 回 識者インタビュー 国際的視点から見た幼保小接続 - 海外の幼児教育 保育の最新動向から日本の幼保小接続を考える (2012 年 12 月 19 日掲載 ) より抜粋 就学準備度 ( 予測値 ) 10 8 6 4 0.00 1.00 2.00 3.00 保育の質質が高い質が低い保育なし 4.00 5.00 収入 - 5 -

(2) 小 中学生 家庭の経済状況が学力に影響生活習慣の確立と学習習慣の定着を図るきめ細やかな支援が必要 府内の公立小中学校における経済的に困難な家庭の子どもの状況を見てみると 平成 25 年度 全国学力 学習状況調査 において 小学校 6 年生 中学校 3 年生ともすべての調査項目の平均正答数が府全体よりも下回るとともに 平成 26 年 3 月の進学状況においても 全日制高校への進学率は低い状況にある なお 個別に見ると 経済的に困難な家庭の子どもの中にも 生活習慣 学習習慣が身についている場合は正答数が平均を上回るとともに 希望する進路が実現できている傾向が見られる ( 注 ) 1 府内の公立小中学校には 京都市立学校は含まない 2 経済的に困難な家庭とは 要保護家庭 ( 生活保護世帯 ) と準要保護家庭 ( 市町村 ( 組合 ) 教育委員会が要保護家庭に準じる程度に経済的理由で就学困難と認めた家庭 ) 小学校 6 年生 平成 25 年度 全国学力 学習状況調査 における平均正答数 ( 単位 : 問 ) 国語 A 国語 B 算数 A 算数 B 要保護家庭の子ども 8.8 2.9 12.7 5.2 準要保護家庭の子ども 10.3 4.3 13.9 6.8 府全体 11.9 5.2 15.1 7.9 問題数 18 10 19 13 中学校 3 年生 ( 単位 : 問 ) 国語 A 国語 B 数学 A 数学 B 要保護家庭の子ども 19.9 4.8 15.9 3.7 準要保護家庭の子ども 22.4 5.5 20.0 5.3 府全体 24.4 6.1 23.1 6.9 問題数 32 9 36 16 ( 注 ) 府内の小中学校から各 20 校抽出し集計 A 問題とは 主として知識に関する問題 B 問題は 主として活用に関する問題 ( 京都府教育委員会調べ ) 平成 26 年 3 月中学校卒業生徒の主な進路状況 京都府 要保護家庭の子ども 準要保護家庭の子ども 全 日 制 93.8 77.1 90.1 高校 定 時 制 1.4 10.2 3.4 通 信 制 1.9 7.9 2.4 中等教育学校後期課程 0 0 0 特別支援学校高等部 1.1 1.3 2.1 高 等 専 門 学 校 0.7 0 0.3 ( 京都府教育委員会調べ ) - 6 -

(3) 高校生 家庭の経済状況が高校での中退率と大学進学率に影響きめ細かな学習支援が 高校中退を防止し 希望進路の実現と社会的自立につながる 高校における経済的に困難な家庭の子どもの状況を見てみると 府全体と比べて中退率が高く 大学等進学率にも大きな差が見られる この要因の一つとして 中学校卒業時において 学力や基本的生活習慣の定着に課題があることなどが考えられる ( 注 ) 経済的に困難な家庭とは 生活保護世帯を示す 平成 25 年度高等学校生徒状況一覧 京都府 生活保護世帯 大学等進学率 ( 四年制大学 短期大学 ) ( 1) 高等学校中退率 1.6 2.9 ( 2) 65.6 21.7 文部科学省及び京都府福祉 援護課調べ 1 平成 25 年度 児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査 ( 文部科学省 ) 国公私立高等学校 ( 通信制課程含む ) 2 学校基本調査 ( 文部科学省 ) より 国公私立高等学校 ( 全日制 定時制 ) 卒業者 (4) 支援を必要とする若者 ( 非行 ひきこもりなど社会的自立に向けて支援が必要な者 ) 1 非行と貧困 非行の大きな要因は 家庭の養育力低下と学校不適応 子どもを非行に向かわせる大きな要因は 基本的生活習慣の乱れを引き起こす家庭の養育力の低下や学力不振を背景とする学校不適応がある 少年院に入っている子どものうち 中学在校者を除き 最終学歴が中学校卒業の者 ( 高校中退を含む ) が男女とも8 割以上を占めることから 将来貧困になる可能性が高いと考えられ また 少年院に入る子どもの家庭は 離婚等によるひとり親家庭に加え 虐待 DV 問題行動( アルコール依存 薬物乱用 ) など 家庭の養育力に問題があるものが多く その2 割近くが貧困の家庭と 言われている ( 内閣府ユースアドバイザー養成プログラムより引用 ) 女子 14.9 少年院在院者の学歴 ( 平成 20 年 ) 29.6 15.7 37.1 2.6 4.4 男子 11.9 36.0 14.1 33.7 0% 20% 40% 60% 80% 100% 中学在学中学卒業高校在学高校中退高校卒業 その他 出典 : 法務総合研究所,2009, 平成 21 年度版犯罪白書 - 7 -

ACE( 逆境的小児期体験 ) 調査の結果 少年院 A 少年院 B 少年院 C 高校生 身 体 虐 待 25.0 19.5 19.8 1.0 心 理 虐 待 9.1 11.9 8.6 1.0 性 的 虐 待 0.00 0.5 0.00 0.00 酒 薬 物 20.5 22.2 21.6 2.0 母 親 暴 力 20.5 14.1 19.8 2.0 精 神 疾 患 4.5 8.1 13.8 3.0 ひとり親家庭等 50.0 56.8 44.0 7.1 服 役 9.1 9.7 9.5 0.0 ネグレクト 3.8 4.9 4.3 1.0 松浦直己,2006, 少年院生における, 非行化の危険因子に関する累積的相互作用の検討 - 発達的, 小児期逆境的, 家族特性の調査 -, 第 1 回日本矯正教育 発達医学研究大会発表より ( 一部改変 ) 2 ひきこもりと貧困 社会的自立のための就労支援が必要 内閣府が平成 22 年に実施した ひきこもりに関する実態調査 によると ふだんは家にいるが 近所のコンビニなどには出かける 自室からは出るが 家からは出ない 自室からほとんど出ない に該当した者 ( 狭義のひきこもり ) が23.6 万人 ふだんは家にいるが 自分の趣味に関する用事の時だけ外出する ( 準ひきこもり ) が46.0 万人 狭義のひきこもり と 準ひきこもり を合わせた広義のひきこもりは69.6 万人と推計され ひきこもりになったきっかけは不登校や就職に関するものが多く 将来貧困となる可能性が高いと考えられる ひきこもりになったきっかけ 職場になじめなかった 23.7 無回 3.4 その25.4 妊娠 0.0 受験 1.7 大学 6.8 人間 11.9 人間関係がうまくいかなかった不登 11.9 就職 20.3 大学になじめなかった 病気 23.7 職場 23.7 病気 就職活動がうまくいかなかった 不登校 ( 小学校 中学校 高校 ) 受験に失敗した ( 高校 大学 ) 妊娠した 0.0 1.7 6.8 11.9 11.9 20.3 23.7 その他 25.4 無回答 3.4 0.0 10.0 20.0 30.0 出典 : 内閣府 (2010) 若者の意識に関する調査 ( ひきこもりに関する実態調査 ) - 8 -