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第三内科(糖尿病・内分泌内科、腎臓内科) 後期研修プログラム

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東邦大学学術リポジトリ タイトル別タイトル作成者 ( 著者 ) 公開者 Epstein Barr virus infection and var 1 in synovial tissues of rheumatoid 関節リウマチ滑膜組織における Epstein Barr ウイルス感染症と Epst

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1. はじめに近畿ブロック ( 福井県 滋賀県 京都府 奈良県 和歌山県 ) で指定を受けた小児がん拠点病院 ( 以下 拠点病院 ) は 京都府立医科大学附属病院 京都大学医学部附属病院 立こども病院 大阪市立総合医療センター 立母子保健総合医療センターの 5 施設 ( 順不同 ) であり 全国 7

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イルスが存在しており このウイルスの存在を確認することが診断につながります ウ イルス性発疹症 についての詳細は他稿を参照していただき 今回は 局所感染疾患 と 腫瘍性疾患 のウイルス感染検査と読み方について解説します 皮膚病変におけるウイルス感染検査 ( 図 2, 表 ) 表 皮膚病変におけるウイ

B型肝炎ウイルスのキャリアで免疫抑制・化学療法を受ける患者さんへ

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大学院博士課程共通科目ベーシックプログラム

検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 P EDTA-2Na( 薄紫 ) 血液 7 ml RNA 検体ラベル ( 単項目オーダー時 ) ホンハ ンテスト 注 外 N60 氷 MINテイリョウ. 採取容器について 0

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がん登録実務について

白血病治療の最前線

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様式S−1−11 応募内容ファイル

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中医協総 再生医療等製品の医療保険上の取扱いについて 再生医療等製品の保険適用に係る取扱いについては 平成 26 年 11 月 5 日の中医協総会において 以下のとおり了承されたところ < 平成 26 年 11 月 5 日中医協総 -2-1( 抜粋 )> 1. 保険適

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情報提供の例

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るが AML 細胞における Notch シグナルの正確な役割はまだわかっていない mtor シグナル伝達系も白血病細胞の増殖に関与しており Palomero らのグループが Notch と mtor のクロストークについて報告している その報告によると 活性型 Notch が HES1 の発現を誘導

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するものであり 分子標的治療薬の 標的 とする分子です 表 : 日本で承認されている分子標的治療薬 薬剤名 ( 商品の名称 ) 一般名 ( 国際的に用いられる名称 ) 分類 主な標的分子 対象となるがん イレッサ ゲフィニチブ 低分子 EGFR 非小細胞肺がん タルセバ エルロチニブ 低分子 EGF

脂質異常症を診断できる 高尿酸血症を診断できる C. 症状 病態の経験 1. 頻度の高い症状 a 全身倦怠感 b 体重減少 体重増加 c 尿量異常 2. 緊急を要する病態 a 低血糖 b 糖尿性ケトアシドーシス 高浸透圧高血糖症候群 c 甲状腺クリーゼ d 副腎クリーゼ 副腎不全 e 粘液水腫性昏睡

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検査項目情報 トータルHCG-β ( インタクトHCG+ フリー HCG-βサブユニット ) ( 緊急検査室 ) chorionic gonadotropin 連絡先 : 基本情報 ( 標準コード (JLAC10) ) 基本情報 ( 診療報酬 ) 標準コード (JLAC10)

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10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1

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汎発性膿庖性乾癬の解明

資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号

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はじめに 全身性エリテマトーデス (SLE) は患者数が少なく 治療法の確立が難しいことから 難病 に指定されています かつては命にかかわることも少なくない病気でしたが 現在では治療法が進歩して 長く付き合うことになる病気に変わってきています この冊子では SLE の病態とその治療法をまとめました

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虎ノ門医学セミナー

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Transcription:

血液 リウマチ膠原病科 科長のメッセージ金沢医科大学は学生教育だけではなく 医師の育成にも力を入れており 大切に育ててもらえます リウマチ膠原病は原因が分からず専門医も少なく 多くの患者が困っています しかし 新たな治療法の出現で 不治の病ではなくなっており ホットな領域であるといえます 患者さんに親身になって難病に立ち向うドクターが求められており 厳しいがやりがいのある分野だと思います 概要 血液疾患と自己免疫疾患 膠原病を担当 血液疾患としては白血病 悪性リンパ腫 骨髄腫などの血液悪性疾患が多くを占めている これらの疾患の診断 治療法の進歩は著しく 寛解率や治癒率が高まり 難治例においても病気と共存を図る治療が可能となっている 当科では従来の化学療法に加え 造血幹細胞移植 分子標的療法等を駆使して成績を向上させている 今後はさらに遺伝子治療 細胞療法 再生医療等新しい治療法にも関わる予定である 一方 自己免疫疾患 膠原病としては全身性エリテマトーデス 関節リウマチ シェーグレン症候群 血管炎症候群などが中心となり これらの疾患は多臓器の病変を伴うため患者をトータルに診る必要性がある また 膠原病友の会 も積極的にサポートしている 特徴 特色 リンパ増殖性疾患研究会 北陸臨床免疫研究会を主催し北陸三県の医師と活発な討論を行っている 国際シェーグレン協力連盟 (SICCA ) の日本代表である 院内では リンパ腫コントロールチーム (LCT) を創設し運営している 北陸 3 県の 膠原病患者支援ネットワーク の事務局である 金沢からの研究の発信をモットーに 全国から最先端の研究者を招き 血液免疫ネットワークin 金沢 を開催している 82

指導担当医 梅原久範 ( うめはらひさのり ) 教授 専門分野臨床免疫学 血液内科学 学会活動日本内科学会 ( 認定医 評議員 ) 日本リウマチ学会 ( 評議員 指導医 ) 中部リウマチ学会 ( 理事 ) 日本シェーグレン学会 ( 理事 ) 日本臨床免疫学会 ( 監事 ) 日本免疫学会 ( 評議員 ) 日本炎症 再生医学会 ( 評議員 ) 日本癌学会 日本臨床血液学会 The American Association of Immunologists( アメリカ免疫学会 ) 得意な分野シェーグレン症候群の診断と治療 リウマチ膠原病の最新治療 岡崎俊朗 ( おかざきとしろう ) 特任教授 専門分野血液疾患 血液腫瘍学 学会活動日本内科学会 ( 認定内科医 ) 日本血液学会 ( 代議員 血液専門医 血液指導医 ) 日本生化学会 ( 評議員 ) 日本臨床腫瘍学会 ( 評議員 ) 日本癌治療学会 ( 編集委員 ) 日本脂質生化学会 ( 幹事 ) 日本分子生物学会 日本リウマチ学会 得意な分野白血病 悪性リンパ腫 多発性骨髄腫 福島俊洋 ( ふくしまとしひろ ) 専門分野血液学 臨床薬理学 学会活動日本内科学会 ( 認定内科医 内科指導医 ) 日本血液学会 ( 代議員 血液専門医 血液指導医 ) 日本臨床薬理学会 ( 評議員 専門医 指導医 ) 臨床腫瘍学会 日本化学療法学会 ( 抗菌化学療法認定医 ) 日本臨床免疫学会 日本リウマチ学会 日本癌学会 日本癌治療学会 得意な分野白血病 多発性骨髄腫 貧血 感染症 正木康史 ( まさきやすふみ ) 学会活動日本内科学会 ( 認定内科医 総合内科専門医 ) 日本輸血細胞治療学会 ( 認定医 ) 日本血液学会 ( 専門医 代議員 ) 臨床腫瘍学会 日本リウマチ学会 造血細胞移植学会 中部リウマチ学会 日本シェーグレン症候群学会理事 得意な分野血液疾患 特に悪性リンパ腫 シェーグレン症候群 IgG4 関連疾患 田中真生 ( たなかまさお ) 専門分野免疫学 リウマチ膠原病 学会活動日本内科学会 ( 認定内科医 内科指導医 ) 日本リウマチ学会 ( 評議員 専門医 指導医 ) 日本臨床免疫学会 日本免疫学会 中部リウマチ学会 アメリカリウマチ学会 得意な分野免疫膠原病一般 藤田義正 ( ふじたよしまさ ) 講師 専門分野免疫学 リウマチ膠原病 学会活動日本内科学会 ( 認定内科医 総合内科専門医 ) 日本リウマチ学会 ( 専門医 指導医 ) 日本免疫学会 日本臨床免疫学会 得意な分野免疫膠原病一般 坂井知之 ( さかいともゆき ) 学会活動日本内科学会 ( 認定内科医 ) 日本血液学会 ( 専門医 ) 日本臨床免疫学会 日本免疫学会 日本リウマチ学会 三木美由貴 ( みきみゆき ) 学会活動日本内科学会 日本血液学会 日本リウマチ学会 岩男悠 ( いわおはるか ) 学会活動日本内科学会 ( 認定内科医 ) 日本血液学会 日本リウマチ学会 83

中島章夫 ( なかじまあきお ) 学会活動日本内科学会 ( 認定内科医 ) 日本血液学会 ( 専門医 ) 日本リウマチ学会 中村拓路 ( なかむらたくじ ) 学会活動日本内科学会 日本血液学会 日本リウマチ学会 プログラムの目的 金沢医科大学病院血液 リウマチ膠原病科後期臨床研修プログラムは 初期研修を終え 内科医としての基本的知識および技術を習得した医師を対象として さらに内科専門医 血液専門医 リウマチ専門医の養成を目的としたものである 血液疾患はその治療過程において全身化学療法や造血幹細胞移植など強力な治療が行われる事が多く 原疾患のみならず治療の副作用として全身的に様々な合併症を併発する また リウマチ膠原病では 全身性の各種症状を呈する 従って 血液疾患 / リウマチ膠原病を診療するためには 専門分野の知識のみならず 全身を診れる内科医としての力量が要求される 血液学およびリウマチ学はそれぞれ独立した学問と認識されており 内科学のなかでも高度の専門性を要求される分野である プログラム終了時点においてより内科専門医のみな らず 血液専門医およびリウマチ専門医取得が可能となるよう策定されており この両方の専門分野を習得できる事が 最大の特長である 研究面においても 血液学あるいはリウマチ学のいずれも選択することが可能であり また両方の分野の境界領域について研究を進めることもできる 期間割 ( 後期臨床研修開始後 ) 第 1 年次金沢医科大学病院血液 リウマチ膠原病科にて 内科学一般および臨床血液学およびリウマチ学の研修を行う 第 2 年次金沢医科大学病院血液 リウマチ膠原病科にて 内科学一般および臨床血液学およびリウマチ学の研修を行う 第 3 年次金沢医科大学病院血液 リウマチ膠原病科にて 内科学一般および臨床血液学およびリウマチ学の研修を行う 研修内容と到達目標 骨髄移植のための骨髄採取術 第 1 年次 1 血液科およびリウマチ科指導医による基礎知識の講義 血液および免疫臓器 主要症候 検査 X 線診断学 治療総論 輸血療法 移植治療 血液浄化療法 2 血液科およびリウマチ科主要疾患の理解とその診断 治療手技 貧血 白血病 悪性リンパ腫 骨髄増殖性疾患 蛋白異常症 出血血栓性疾患 感染症膠原病 ( 関節リウマチ SLEなど ) 84

膠原病類縁疾患 ( シェーグレン症候群 ベーチェット病など ) 第 2 年次血液疾患およびリウマチ性疾患の病態を理解し 専門医の指導の下に一般的な診断 治療ができる 末梢血血液像および骨髄像の読み方 自己抗体の測定法 意義の習得 抗腫瘍剤 ステロイド剤 免疫抑制剤の使い方 輸血療法の習得 第 3 年次血液疾患およびリウマチ性疾患の病態を理解し 専門医の指導の下に高度な診断 治療ができる ステロイドパルス療法 生物学的製剤の使い方 血液浄化療法 ( 血漿交換療法 白血球除去療法 ) および造血幹細胞移植療法の習得 血液腫瘍以外の臨床腫瘍学への入門 プログラム修了後のコース 大学にて研究 教育 診療を行う 海外留学する 一般病院勤務医となる 開業するなど個々のライフプランにより決定できる 取得できる認定医 専門医 ( 必要な期間 ) 資格と その取得にかかわる概要 金沢医科大学は 日本血液学会および日本リウマチ学会ともに認定研修施設となっており 両学会の専門医を取得することが可能である 血液専門医日本内科学会認定医であり 認定研修施設にて臨床血液学の研修を3 年以上行うこと 申請時に継続して3 年以上日本血液学会の会員であること 臨床血液学に関連した学会発表または論文 ( 筆頭者 ) が2つ以上あること 入院患者 10 例の診療実績記録を提出すること 研修記録の提出のいずれも満たすことが専門医試験の受験資格となる リウマチ専門医申請時において引き続き5 年以上日本リウマチ学会の会員であること 認定教育施設において通算 5 年以上のリウマチ学の研修を行ったこと 日本リウマチ学会専門医資格維持施行細則による単位 30 単位以上を取得していることが専門医資格認定試験の受験資格となる 取得可能な認定医 専門医および指導医 日本内科学会認定医 日本内科学会総合内科専門医 日本血液学会専門医 日本リウマチ学会専門医 3 年以上 6 年以上 6 年以上 5 年以上 大学院進学と研究内容 概要 学位取得後の道すじ 当科では初期臨床研修終了直後に大学院に入学することが可能である 研究テーマは指導医の専門分野から選択することになるが 現在のテーマとしては以下があげられる 炎症過程および血管傷害におけるフラクタルカイン( 接着性ケモカイン ) の機能解析 リピッドラフト( 細胞膜脂質ドメイン ) を介したT 細胞活性化メカニズムの解析 a Fas 誘導アポトーシスにおける細胞膜スフィンゴミエリンの機能解析 ナチュラルキラー(NK) 細胞の抗腫瘍殺傷メカニズムの解析 全身性エリテマトーデス(SLE) における免疫異常とリピッドラフト発現との関連 リンパ増殖性疾患におけるEBVの関与 リンパ増殖性疾患と癌遺伝子 造血器腫瘍細胞における細胞骨格阻害剤のアポトーシスに及ぼす影響 造血器腫瘍細胞の超微形態 シェーグレン症候群の唾液腺組織障害の分子機構の解析 シェーグレン症候群国際研究ネットワーク( SICCA) 造血器悪性腫瘍の化学療法 抗腫瘍剤 特にanthracycline 系抗腫瘍剤の作用機序の研究 抗腫瘍剤に対する耐性獲得機序の研究 IgG4 関連疾患 /Mikulicz 病の新疾患単位の確立 ( 多施設共同研究 ) リンパ増殖疾患におけるB/Tクロナリティ解析 新規 c-myc 関連 B 細胞株における各種癌遺伝子の発現解析 ヒト口唇小唾液腺由来の組織幹細胞の同定作成 学位取得後は当科において引き続き研究の発展を目指す あるいは臨床能力の向上をはかる 市中病院にて臨床を発展させる 研究のため国内あるいは海外留学に赴くなどの選択肢がある 85

他科研修 他教室での研究 留学の可能性 大学院生は必要に応じて学内の他の教室での研究遂行が可能である 最近では ゲノム医科学 生態情報薬理学などとの共同研究の実績がある 海外留学は博士号取得後が望ましいが 取得前でも可能である 留学先は研究テーマに応じて選択が可能であり 最近では米国 NIH Albert Einstein College UCLA Scripps 研究所などの実績がある 活躍する先輩達 佐藤智美 ( さとうともみ ) 血液免疫内科学大学院生 代表所属学会日本血液学会 日本リウマチ学会 得意な分野血液疾患 膠原病 コメント血免内科では多彩な疾患を扱っており 急性期からターミナルまで幅広く学ぶことができます 当科全体で若手を育てる気風が確立しており充実した初期研修には最適の環境と思います 清水啓智 ( しみずひろのり ) 血液免疫内科学大学院生 代表所属学会日本血液学会 日本内科学会 得意な分野血液疾患 コメント血液免疫内科は全身を診る必要があり 医師として総合的に学ぶ事が出来ます 手技も非常に多く 上級医の先生方も丁寧に教えて下さいますので ローテートして下さる研修医の先生方は多くの事が学べると思います 週間スケジュール 午前午後 月 症例検討会 火 病棟研修 研修医カンファレンス ( 月 1 回 : 血液腫瘍カンファレンス ) 水病棟研修外来研修 木症例検討会 抄読会 医局会総回診 レクチャー研究カンファレンス 金 研修医カンファレンス 土 病棟研修 86