南海本線連続立体工事説明会報告書 1. 南海本線連続立体交差事業の鉄道工事全般の進捗に関する地元説明会平成 28 年 2 月に 浜寺地域の住民に対する説明会が 地域内の小学校などで数回に分けて開催されました 2 月 10 日 ( 水 ) 19:00~21:00 昭和小学校体育館 2 月 11 日 ( 祝 木 ) 14:00~16:00 浜寺小学校体育館 2 月 12 日 ( 金 ) 19:00~21:00 浜寺石津公民館 2 月 14 日 ( 日 ) 19:00~21:00 昭和小学校体育館 2 月 17 日 ( 水 ) 19:00~21:00 パンセ羽衣 ( 高石市羽衣公民館 ) 2. 堺市連立担当課長のご挨拶南海本線連続立体交差事業のあらましと説明会開催の趣旨連続立体交差事業とは 鉄道を立体化させることにより都市交通の円滑化を図ると共に 分断された市街地を一体化することにより都市の活性化を図る 都市計画事業であります 本事業は都市計画事業として実施されます 事業主体は堺市で 側道工事 用地買収等は堺市が実施します 鉄道工事については南海電鉄が実施します 本事業は平成 17 年 8 月 23 日に都市計画が決定されました そして平成 18 年 11 月 7 日に事業認可を受けて 事業がスタートしました 事業の完了予定は 平成 40 年 3 月末となっています 工事始点は石津川付近 工事終点は羽衣駅付近となります 工事範囲の全長は約 2.7km です 本事業によって 諏訪ノ森駅と浜寺公園駅が高架駅となります それにともない 7 箇所の踏切が無くなります そして 高架完成後 15 箇所で 横断可能になります 高架の両側には側道が整備されます これまで 用地買収 それから各種設計などを進めまして 現在諏訪ノ森駅 それから浜寺公園駅の駅部の一部工事にも着手しております このたび この取り組みが進んできまして 事業区間全体に於いて鉄道工事に入れる準備が整って来たということで このたび 鉄道工事説明会を開催するものでございます 3. 南海電鉄からの工事の説明などの要約南海電鉄より工事の内容について 時系列にしたがい また 工事区分毎に詳細な説明がありました この報告書は 堺市区域の工事についての報告を主体に記載していますが 堺市区域の工事に関連して 先行して工事が行われている高石区域の高架路線との接続手順についても説明がありましたので この部分については付記として別の報告書にまとめました また 工事に関連して 機材の搬入などのアクセス道路についても説明がありましたが これは割愛しております
1 南海本線連立工事についての説明会報告書 平成 28 年 3 月 15 日 南海本線の連続立体交差事業の工事が 石津川から羽衣までの全区間で着工されるようになりましたので 堺市と南海電鉄から 詳しい工事の説明がありました 説明会は 2 月末に浜寺地域各地で開催されましたが その説明会の要旨を整理して主要な点を報告します 1. 連立工事の施工範囲と工事内容 南海本線連続立体交差事業の堺市区間は石津川付近から羽衣駅手前までの 2.7km で 南側は高石市区間と接続しています 現在 高石市区間の工事が先行していますが 最終的には境界部分の高架工事の完成により全区間の事業が完成します 高架工事は 鉄道の運行を行いながら その線路の上部に高架橋を建設する工事です そのために 工事区間により 仮線を施工して列車の運行を移行させて高架橋を施工する仮線工法と 現行の路線を避けて 別線として高架橋を施工する工法を使い分けています 次の図で A 区間と記載されている部分は仮線工法を採用する場所で B 区間は別線工法による工事区間で 諏訪ノ森駅の南側にある諏訪ノ森 1 号踏切付近から浜寺中央病院付近までの区間です 左が石津川 難波方向 右が羽衣 和歌山方向です 石津川駅方向 東側 羽衣駅方向 A 区間 B 区間 A 区間 石津川 諏訪ノ森駅 西側 浜寺公園駅 A 区間仮線工法の手順 堺市区間では西側路線が上り線です そこで まず その上り線の西側に仮上り線を施工して 列車が仮線を運行するようにします 次に 使わなくなった上り線を撤去して その付近に仮下り線を敷設し 線路を切り替えます 次に 下り線の線路を撤去して その付近に下りの高架橋を施工します 仮下り線の線路を下り高架線に切り替えると 仮下り線のところに上り高架橋を施工します これで 高架工事が完了します
2 B 区間別線工法の手順 別線方式では既存の路線から離れたところに高架橋を施工します 堺市区域の事業では まず下り高架橋を施工し それが完成すると 下り線を高架下り線に切り替えます そうすると 下り線の路線があった場所が空きますので そこに上り線の高架橋を施工し 上り線を切り替えます 図に示すように 新しい高架路線の位置は元の路線よりも東にずれた位置になります 2. 工事の工程 堺市区域 高石市区域連続立体交差事業工事工程表 年度 H27 H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37 H38 H39 堺市域仮線工事 堺市域高架工事 高石市域高架工事 全区域仮線撤去側道工事等 本仮線上切り替 本仮線下切り替 本仮線上切り替本仮線下切り替 本高線架切下替り 本高線架切上替り ここでは 全工程の現状と今後の工事の進行予定は上の工程表の通りです 1 平成 28 年 1 月の現状 :- 用地買収がほぼ完了 一部の工事が着手された状態 諏訪ノ森駅と浜寺公園駅の仮駅舎の建設が進行中で 浜寺公園駅は駅舎の切り替えが 1 月 28 日に完了しています 2 平成 31 年度当初に仮線工事が完成 ( 平成 29 年度末仮上り線完成 ) 3 平成 36 年度末に高架工事完了 ( 平成 33 年度末高架下り線完成 ) 4 平成 39 年度に全工程が完了 ( 仮線撤去 側道や駅前広場の整備 ) 3. 工事の進行予定 現在の路線と駅の配置 仮上り線の施工と
3 仮上り線の施工と切り替え平成 29 年度末 現在の上り線の西側に仮上り線を施工します 石津川付近 :- (A 区間 ) 1 石津川の鉄橋の西側に仮橋が架橋して 仮上り線を施工します 2 仮橋から諏訪ノ森駅までの区間は西側に仮上り線を施工します 3 この区間は仮線の西側に仮側道を施工します 諏訪ノ森駅付近 :- (A 区間 ) 1 諏訪ノ森駅の現在の上りプラットフォームの西側に仮上り線と仮上りフォームを施工します 2 仮上りフォームの西側に仮駅を施工し 現駅舎は駅前広場の西端に移設します 最初に仮線と仮フォームの南側と仮駅を施工し そこから現フォームに出られるようにします その後 現駅舎とトイレ部分を撤去し 仮線と仮フォームの北半分を施工します 下図は 仮駅舎から仮上りホームの一部を通って現上りプラットに向かう時期の概観図です このあと 現駅舎を移動させて その跡に仮上りプラットフォームを延長し 仮上り線を施工します 諏訪ノ森と浜寺公園間 :- (B 区間 ) この部分は仮線を施工しない区間で 現路線を継続して使用します 浜寺公園駅付近 :- (A 区間 ) 1 浜寺公園駅は 現駅舎の西北側に仮駅舎が建設されて 1 月 28 日に切り替えが完了しました 2 現駅舎を駅前広場の中で南西に約 30 メートル曳家して移動させます 3 現駅舎の跡地地に 仮上りプラットフォームと上り仮線が二線を施工します
4 浜寺公園駅と羽衣駅の間 :- 1 4 月に 高石市区域の高架下り本線が堺市区域の現下り線に接続されます 2 堺市区域の仮上り線が高石市区域の高架上り線に接続されます 仮下り線の施工と路線の切り替え平成 31 年度当初 石津川付近 :- 石津川付近では 鉄橋上で下り路線を現在の上り路線に切り替えます 諏訪ノ森駅付近 :- 1 諏訪ノ森駅下りフォーム付近から浜寺公園駅の手前までは現下り線路上を運行します 2 諏訪ノ森駅の上り駅のところでは 現在の上り線プラットフォームを下り線の方に拡幅して 下り線の列車に西側から乗降できるようにします 改札は仮駅を通ります 3 仮上りプラットフォームから現上りプラットフォームに 仮上り線の上を越えて移動できるような跨線橋が施工されます この跨線橋にはエレベーターが設置されます 4 現在の下り駅改札とプラットフォームは撤去されます 下の図は 仮下り本線が完成して高架下り線を施工中の図です 仮駅の中の通路は 赤い線が上り線で青い線が下り線への通路です
5 諏訪ノ森駅付近の路線の断面図です 右が西側です 黄色の車両限界線が現在の上下線を示しています 上りプラットフォームの裏側を取り払い そこに仮下り線が施工されます その西に 仮上りプラットフォームが施工されます 高架橋は東寄りで 高架上下線は現在のレールの間隔一線よりもう少し離れて施工されています 下り線の位置が現在の側道条になっています 仮下り線は現在の下り線をそのまま利用します そのために 現在の上りプラットフォームが東に拡幅されています 浜寺公園駅付近 :- 1 浜寺公園駅付近では 上り線が仮線に移行した後 現上り線と上りプラットフォームを撤去して その跡に仮下り線を二線施工し その間に仮の下りプラットフォームを施工します 下図がその時点の概観図です 1 西側仮駅の改札からは 上り線はそのままフォームに出られます 下り線は地下道を通ります 2 東側には地下に仮改札口を設けます 3 仮改札口から上りフォームへは 地下道を通り 一旦西の仮駅構内に出て そこからフォームに進みます 下りフォームには 地下道から進みます
6 4 東西通路は西仮駅内と東地下改札脇をつなぐ地下通路を利用します 西の仮駅 東の地下改札口と 仮下りプラットフォームへはエレベーターが利用できます 同じ時点で 東側から見る図では 地下の仮改札の場所を示しています 浜寺公園駅の南側では 仮下り線が高石市区域の下り高架路線の土盛り部分に接続されます 下図は平成 31 年当初の仮下り本線切り替え完了時の路線図です 高架下り線の施工と路線の切り替え平成 33 年度末 下り線の仮線切り替えが完了すると 高架下り線が施工されます 1 石津川から阪堺線との交差部までは 東側の側道のところに高架橋が施工されます 現側道の東側に仮の側道が先行して施工されます 2 阪堺線から南の部分は船津水路寄りに高架橋が施工されます 橋脚の一部は水路の中に施工されますが 側道には影響しません 3 阪堺線との交差部は 他の区間の工事の進捗に合わせて 阪堺線を休止して線路と路床を除去し その跡に高架下り本線を施工します 阪堺線の休止期間の代替交通については 別途方針が出されることになっています 4 この高架下り本線に合わせて 諏訪ノ森と浜寺公園の高架駅が施工されます 高架駅では地上の改札口から二階のプラットフォームに昇り 列車に乗降します 各高架駅にはエレベーターとエスカレーターが設置されます 浜寺公園駅で 西側から下り駅へ 東側から上り駅へに行くには 地下自由通路を経由します
7 高架上り線の施工と路線の切り替え平成 36 年度末 高架下り線が完成すると 仮下り線を撤去してその跡に高架上り線を施工して 路線を切り替えます 路線の施工に合わせて昇り高架駅の施工が行われます 羽衣駅付近は 堺市区域の高架上り本線を高石市区域の高架上り本線に接続して 高架上り線を完成させます 仮線の撤去 側道と駅前広場の整備など平成 39 年度 列車の運行は高架本線と高架駅で行われますが その後 平成 37 年年度から平成 39 年年度までかけて 仮線の撤去や側道とか駅前広場の整備が行われます 諏訪ノ森駅と浜寺公園駅の完成後の姿は 下図のようになります 高石市区域の高架線路の施工は 平成 31 年度に一旦完成します その後 堺市区域の高架線路の施工に会わせて高石市区域との最終的な接続工事が施工されます この部分は別途説明を用意します
1 南海本線連立工事についての説明会報告書付記 堺市区域と高石市区域の接続要領説明書 高石市区域の高架下り本線の切り替え 高石市区域と堺市区域が接する境界付近では それぞれの区域の高架工事と両区域の高架橋の接続工事が行われます 現在の高石市区域では 高架下り線が施工済みです 高架駅も下り線は工事が完了しています 堺市区域との境界部分は羽衣駅から北に 100 メートルほどの区間の高架橋が施工されて そこから浜寺公園駅に向かって 土盛りの路面が整備されて下り線は境界付近まで施工されています 高石市域の現状路線図 この両区域の境界にある土盛り区間の様子を写真で紹介します 写真 1:- 鳳街道から南に向かって遠望した線路が写っています 左側に羽衣駅に向かう土盛りの上り坂が施工されています ここは二車線分の坂路ですが 左側の下り線には線路が敷設されています 右側は 坂の最後の部分が現在の仮下り線と干渉するので土盛りも未完成です 浜寺公園駅からの堺市区域の線路から右に曲がって仮線につながっている様子がわかります 写真 2:- 写真 1 で遠望した土盛り部分を近くで見ると この写真のように 最後の部分を残して線路も 架線も施工済みになっています 3 月いっぱいかけて 電気系統や信号設備などの最後の点検をして 4 月には線路 の切り替えが行われる予定です 写真 3:- 土盛り部分から先の 羽衣駅までの高架橋は 既に完成しています この写真で見るように 北の端部は上り線の土盛りが未完成であること が判ります 遙か彼方に羽衣高架駅の屋根が見えています 写真 4:- 羽衣駅側から見た高架橋の写真です 駅から北に高架橋が施工されて この部分で土盛り部につながっています 土盛り部は鋼板製の枠の中に
2 土を入れたもので 後で取り払われます 高架橋の端部には鉄筋がむき出しになっていますが これは この部分から仮線を下ろす計画になっているので 下を通って居る現在の仮線が使われなくなると その仮の坂路がここで西側に分岐します この仮の高架本線は 4 月になると堺市区域の下り本線に接続されて 列車の運行は仮下り本線から高架仮下り本線に切り替えられます また これに続いて仮下り本線が撤去されます 高石市域高架仮下り本線切り替えの図 高石区域の高架上り線の切り替え 高石市区域の羽衣北部では 仮下り線を撤去した後に 上り高架本線の土盛りを完成させて路線を準備します 高石区域全域の高架上り本線が完成すると 堺市区域の接する北端部では 下り線と同様に 土盛りの傾斜面を降りる路線を施工して 地上の堺市区域の仮上り線に接続します 堺市区域の下り仮線の完成と高石区域の仮高架本線への接続 堺市区域の仮下り本線が完成する時期に合わせて 高石市区域の仮高架下り本線への切り替えが行われます この時点で 堺市区内は上下線ともに仮本線での運行になり 高石市区域では上下線が高架本線での運行になります 高石区域の接続部仮線の施工 堺市区域が仮線を運行するようになると 高石市区域では 羽衣駅付近北側の高架橋部から地上に降りる仮線を施工します まず 上り線を仮線に切り替えます 続いて下り線を仮線に切り替えます これらの仮線も土盛りにより高架路線から地上路線に降りる坂道を施工して完成させます
3 上り本線切り替え後の状態 :- 下り本線切り替え後の状態 このように 一旦高架本線に切り替えてから 再び別の仮線を施工して上下線を地上に降ろす手順になっています 二度手間ですが この手順を踏まないと上下線の営業運転を継続しながらの高石市区域の高架本線への切替と 堺市内区域の高架本線との接続を実現することが出来ません その後 東側にあった最初の土盛りを撤去し その跡に羽衣駅から北の高架橋を延長します 高石区域の高架下り線の接続 堺市区域の高架下り本線が完成すると 高石市区域の高架下り本線と接続して路線を切り替えます 高石区域の高架上り線の接続 堺市市域の高架上り線が完成すると 高石区域の高架上り線と接続して路線を切り替えます このようにして 堺市区域の工事の進行に合わせて 高石市区域の接続部の工事を施工し 全区域の高架工事を完成させます