大型建設機械の輸送に係る規制について

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通行禁止道路 について 道路標識又は道路標示によるもの 対象にするもの 車両通行止め道路 根拠規定道路標識 道路標示 ( 例 ) 道路交通法第 8 条第 1 項 自転車及び歩行者用道路 標識 302 同法第 8 条第 1 項 標識 325 の 3 歩行者用道路 同法第 8 条第 1 項 標識 325

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別紙 割引停止措置等の実施方法について 高速道路 6 会社では 平成 29 年 4 月 1 日から車両制限令違反者に対する大口 多頻度割引の割引停止措置等を見直すにあたり NEXCO3 社ではETCコーポレートカード利用約款を改正し 首都高速道路 阪神高速道路 及び本州四国連絡高速道路 では 各社の

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1 趣旨このガイドラインは 日本国内の公道 ( 道路交通法 ( 昭和 35 年法律第 105 号 ) 第 2 条第 1 項第 1 号に規定する 道路 をいう 以下同じ ) において 自動走行システム ( 加速 操舵 制動のうち複数の操作を一度に行い 又はその全てを行うシステムをいう 以下同じ ) を

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2 累積期間等の見直し 1) 違反点数の累積期間を3か月 ( 現行 ) から2 年間 ( 平成 29 年 4 月 1 日 ~) に拡大 現行 平成 29 年 4 月 1 日 ~ 累積期間 適用要件 累積期間 適用要件 高速道路 6 会社が指定 適用 3か月する四半期において違 ( 四半期 ) 反を繰

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自動車NOx・PM法適合車ステッカーについて

車両制限令に定める車両の最高限度 道路は 一般交通の用に供する道 であり 一定のルールに従って 通行する必要があります 道路法に基づく車両の最高限度 ( 道路法第 47 条第 1 項 車両制限令第 3 条 ) 高さ 3.8m 指定道路 4.1m 幅 2.5m 長さ 12m ( 隣り合う車軸の軸距によ


1. 道路法 ( 車両制限令 ) の概要 3 2. 高速道路における道路法 ( 車両制限令 ) 違反への取組 7 3. 道路法 ( 車両制限令 ) 違反防止のポイント 9 ( 参考資料 ) 高速道路における一般的制限値について 12 高速道路における一般的制限値の特例について 13 高速道路の特殊車

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(2) 自動車騒音及び道路交通振動対策に係る法体系自動車騒音及び道路交通振動対策に係る法律としては 昭和 42 年に制定された公害対策基本法 ( 平成 5 年より環境基本法 ) に基づく施策を実施するため 昭和 4 3 年に騒音規制法 昭和 51 年に振動規制法が制定された 自動車騒音に係る環境基準

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軽井沢スキーバス事故対策検討委員会について

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2t3 転ダンプ 2t3 転ダンプサイドテール 輌ダンプカートラック規制車 その他22tダンプ ダFンゲプー ト2t3転ダンプサイドテールRENTAL t 3 転12 車 2t3 転ダンプ 排土性の高い リヤサイド 50 度のダンプ角度 ( 最大積載量 2t 積車 ) 操作力を軽減した吊り下げ式方向

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21m 車両の検証項目 ダブル連結トラック実験 高速道路 3 交通流への影響 4 道路構造への影響 合流部 : 本線 合流部 : ランプ 追越時 車線変更部 検証項目 分析視点 データ等 1 省人化 同一量輸送時のドライバー数 乗務記録表 環境負荷 同一量輸送時のCO2 排出量 2 走行 カーブ (

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エコカー減税グリーン化特例(自動車税 軽自動車税)(自動車税 軽自動車税)環境性能割車体課税の見直し ( 自動車重量税 自動車取得税 自動車税 軽自動車税 ) トラック バス タクシーについては 営自格差 を堅持するとともに 一部見直しを行った上で エコカー減税 グリーン化特例を 2 年間延長 また

一般乗合旅客自動車運送事業者 ( 以下 乗合事業者 という ) が一般乗合旅客自動車運送事業 ( 以下 乗合事業 という ) の用に供する事業用自動車 ( 以下 乗合車両 という ) を用いて一般貨物自動車運送事業を行う場合において 350 キログラム以上の貨物を運送する場合における一般貨物自動車運

はじめに 都市再生緊急整備地域及び特定都市再生緊急整備地域は 都市再生特別措置法 ( 平成 14 年 4 月 5 日公布 平成 14 年 6 月 1 日施行 以下 法 という ) に基づき 国が政令で指定するものです 1 都市再生緊急整備地域 趣旨 都市機能の高度化及び都市の居住環境の向上を図るため

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第 7 章新規検査 予備検査 継続検査又は構造等変更検査 の後端との水平距離が であること の後端との水平距離が であること モノコック構造の車体を有する自動車の例 第 7 章及び第 8 章において共通 セミトレーラの例 その他の車体後面の構造部を有する例 ( 道路維持作業用自動車であって追突の衝撃

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- 1 - 国土交通省告示第三百十九号高齢者 障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律(平成三十年法律第三十二号)の一部の施行に伴い 移動等円滑化の促進に関する基本方針において移動等円滑化の目標が定められているノンステップバスの基準等を定める告示の一部を改正する告示を次のように

[2] 道路幅員による容積率制限 ( 基準容積率 ) 敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合を 容積率 といい 用途地域ごとに容積率の上限 ( 指定容積率 ) が定められています しかし 前面道路の幅員が 12m 未満の場合 道路幅員に応じて計算される容積率 ( 基準容積率 ) が指定容積率を下回る

額をいう 以下この項において同じ )が 当該徴収期間の満了の日までに必要となる当該公社管理道路に係る第四項各号に掲げる費用の額の合計額から当該徴収期間の満了の日までに得ることとなる当該公社管理道路に係る第三項に規定する収入の額の合計額に相当する額を控除した額を超えない額とすること 二公社管理道路のう

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平成 30 年 1 月現在禁無断転載 複製 7 平成 29 年度の税制改正の概要について エコカー減税 ( 自動車重量税 自動車取得税 ) の概要 適用期間 自動車取得税( 取得税 ): 平成 29 年 4 月 1 日 ~ 平成 31 年 3 月 31 日 自動車重量税( 重量税 ): 平成 29

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メールマガジン 事業用自動車安全通信 第 477 号 (H ) =はじめに= このメールマガジンは 国土交通省において収集した事業用自動車に関する事故情報等のうち重大なものについて 皆様に情報提供することにより その内容を他山の石として各運送事業者における事故防止の取り組みに活用していた

目次はじめにお読み下さい... 1 使用条件... 1 動作環境... 1 第 1 章電子申請書作成システムの起動とデータ更新と終了 電子申請書作成システムの起動 電子申請書作成システムのデータ更新 電子申請書作成システムの終了... 5 第 2

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Microsoft Word - 05技適項目( 最終版)

Transcription:

出展 : 社団法人日本機械土工協会 大型建設機械輸送要領 ( 第 2 版 ) より抜粋 大型建設機械の輸送に関する法令 規制について 大型建設機械を輸送するにあたって 1 道路法 2 道路交通法 3 道路運送車両法のそれぞれに規定される制限を受けることになる 通称 道路 3 法 ( 表 -1) とよばれるこれらの法律による規制について 以下に説明する (1) 各法律の比較表 -1 法律 1 道路法 ( 道路構造 ) (1) 所轄官庁国土交通省 ( 道路局 ) (2) 法律の目的 道路網の整備を図る 交通の発達に寄与し 公共の福祉を増進する (3) 法律の概要 ( 規定内容 ) 道路の管理に関する制限 2 道路交通法 ( 道路交通 ) 警察庁 道路における危険防止 交通の安全と円滑化 道路の交通に起因する障害の防止 運転免許や交通ルールに関すること 3 道路運送車両法 ( 車両構造 ) 国土交通省 ( 自動車交通局 ) 道路運送車両に関する 安全の確保 公害の防止 整備についての技術向上 車両の大きさ 重量の制限 登録に関すること 保安基準など (4) 政省令 車両制限令 道路交通法施行令 道路運送車両の 保安基準 (5) 政省令の内容 (6) 制限値比較 道路を通行できる車両の幅 / 重量 / 高さ / 最小回転半径の最高制限を定めている 交通安全上の観点から積載物の重量 / 長さ / 幅 / 高さの最高限度を定めている 幅 積載状態で 2.5m 以下 貨物は車両の幅を 超えないこと 長さ 積載状態で 12m 以下 (*) 車両の長さの 10% を 超えたはみ出し禁止 高さ 総重量 積載状態で 3.8m 以下 ( 指定道路は 4.1m 以下 ) 道路 車軸 車長に応じて 20~25t(*) 積載状態で 3.8m 以下 規定なし ( 車検証の記載値 ) 車両 ( 空車状態 ) の長さ / 幅 / 高さ / 車両総重量 / 最大安定傾斜角等の構造の基準を定めている 貨物に関係なく車両の幅は 2.5m 以下 車両の全長 12m 以下 車両の高さ 3.8m 以下 車軸 車長に応じて 20~25t 軸重 10t 以下 規定なし 10t 以下 輪荷重 5t 以下 規定なし 5t 以下 最小 回転 12m 以下 規定なし 12m 以下 半径 (7) 制限値超 道路を通行出来ない 車両を運転しては 運行の用に供しては 基準不適合車両 ならない ならない (*): 一部の連結車 ( トレーラ ) については特例が適用される ( 図 -1 参照 )

(2) 特殊車両 とは表 -1 に示す 道路法 に定められる (6) 制限値 をひとつでも超える車両を 特殊車両 という 上記道路法の制限値の要約を表 -2 に示す 表 -2 道路法 に定められる 制限値 の要約 幅 総重量 ( * 1) 軸重 ( * 2) 輪荷重 ( * 3) 高さ 長さ 最小回転 半径 2.5m 以下 20t 以下 (*A) 10t 以下 5t 以下 3.8m 以下 (*B) 12m 以下 注記 )(*1) 総重量 : 車両重量 最大積載量 乗車員 (@55kg) の総和 (*2) 軸重 :1 つの車軸にかかる重量 (*3) 輪荷重 : ひとつの車輪 ( タイヤ ) にかかる重量 12m 以下 (*A) について : 指定道路を通行する場合のみ 25t 以下 の制限値が適用される (1993 年より ) (*B) について : 指定道路を通行する場合のみ 4.1m 以下 の制限値が適用される (2004 年 3 月 22 日より ) 表 -3 重量指定道路及び高さ指定道路延長距離 < 参考 > 道路種別重量 20t 超指定道路高さ 3.8m 超指定道路日本の道路実延長 高速自動車国道 約 7,300km 91% 約 7,400km 93% 約 8,000km 一般国道 ( 指定区間内 ) 約 21,590km 98% 約 13,800km 63% 約 22,000km 一般国道 ( 指定区間外 ) 約 12,300km 38% 約 3,800km 12% 約 32,000km 地方道 約 10,500km 1% 約 6,300km 1% 約 1,117,000km 合 計 約 51,690km 4% 約 31,300km 3% 約 1,179,000km データ参照年度 2004 年 4 年 1 日 2004 年 3 月 22 日 2004 年 4 月 1 日 指定道路を示す標識の一例 背高車両であることを示すステッカーを車両後方に貼付する

(3) 特例 8 車種 と呼ばれる一部の連結車 ( トレーラ ) の総重量特例図 -1 に示す連結車 ( トレーラ ) については道路及びトレーラのタイプにより 特例が適用される ただし 建設機械運搬用のトレーラは 特例 8 車種 の適用範囲外であるため 建設機械運搬用のトラック / トレーラについては道路法の 制限値 が適用される また 建設機械輸送の場合において 道路法の 制限値 に適合するセルフトラック輸送は許可なしで全国の道路 ( 表 -2 の (*A) (*B) ニついては指定道路のみ ) を通行することができるが 一方で 制限値 に適合しないトラック / トレーラ輸送は全て 次項の 特殊車両通行許可申請 が必要となる 重量物運搬用セミトレーラ 特例 5 車種 図 -1 特例 8 車種 バン型 タンク型 幌枠型 コンテナ用 自動車運搬用 追加 3 車種 あおり型 船底型 ( タイプ Ⅰ) スタンション型 船底型 ( タイプ Ⅱ) 出典 : 国交省 HP 積載物を含む全長は連結車の特例として 高速道路を通行する場合のみ 全ての連結車 ( セミトレーラ ) において 16.5m 以下である ( 参考 : フルトレーラは 18m 以下 )

(4) 特殊車両 の道路通行に必要な許可 認定 特殊車両 が道路を通行するには 表 -4 に示す許可 認定が必要となる 表 -4 特殊車両 の通行に関連のある許可 認定 法律 1 道路法 ( 道路構造 ) 2 道路交通法 ( 道路交通 ) 3 道路運送車両法 ( 車両構造 ) 1 政省令 車両制限令 道路交通法施行令 道路運送車両の保安基準 2 特殊車両通行に必要な 特殊車両通行許可 申請 制限外積載許可 申請 基準緩和自動車の認定 申請 許可 申請者 輸送業者 運転手 ( 輸送業者 ) トレーラ / トラック ( 荷台 ) の製作者 申請 申請先 道路管理者 (*4) 国道 国土交通大臣 都道府県公安委員会警察署長 ( 出発地管轄 ) 国土交通大臣 ( 地方運輸局長 ) 都道府県道 都道府県知事 市町村道 市町村長 申請 道路管理者に許可申請書を提出 道路管理者は基準に従って必要な審査を 出発地管轄の警察署長に許可申請提出 署長は基準に従い審査を行う 保安基準緩和を受けなければ運行できない自動車を使用するときに申請 行い 必要な条件 (*5) 許可時には許可証が但し 自動車の登録を付して特殊車両の交付される 車両に時に必要な申請であ通行許可を与える 備え付ける り 輸送にあたっては 許可時には許可証が 原則 許可は 1 回の保安基準緩和を受け交付される 運搬毎に行う たセミトレーラが使用 許可証は運行車両に但し 要件 (*6) を満たすされるため 輸送ごと備え付ける 場合は包括して 1 回のの道路運送車両法上運搬と見なして処理がの許可は必要ない 可能 申請 ~ 新規 変更処理 5 日 荷台からはみ出しが 許可の処理時間 3 週間以内更新申請 2 週間以内新規 ( 個別審査 ) 1~2ヶ月 ( 行政庁の休日は含まれない ) ある場合のみ許可申請の必要がある 許可有効 殆どのケースで1 年間 ( 許可を継続する場合 原則 1 回の運搬行為の開始 ~ 終了までの期間 期間 は更新申請が必要 ) 但し 要件 (*6) を満たす 個別審査となる場合は 場合については許可期間 6ヶ月となる を3ヶ月以内とする 注 )*4: 申請経路が国道と都道府県道の2つ以上にまたがる場合は どちらかの道路管理者に申請で良い *5: 表 -6 に示す通行条件 (A 条件 ~D 条件 ) が付される *6: 要件 (1) 車両が同一であること (2) 同一品目の貨物を同一の積載方法で運搬すること (3) 運転経路が同一であること

(5) 車両制限令の通行条件 特殊車両 の道路通行に必要な許可 認定に際して 道路管理者は基準に従って必要な審査を行い 必要な条件 (*5) を付して特殊車両の通行許可を与える その際には 表 -5 に示す区分に従って通行条件が設定されている 表 -5 車両制限令の通行条件 区 重量に関する条件 寸法に関する条件 分 A 徐行等の特別な条件を付さない 徐行等の特別な条件を付さない B 徐行及び連行禁止を条件とする 徐行を条件とする C 徐行 連行禁止及び当該車両の前後に誘導車を配置することを条件とする 徐行及び当該車両の前後に誘導車を配置することを条件とする D 徐行 連行禁止及び当該車両の前後に誘導車を配置し かつ 2 車線内に他車が通行しないことを条件とする 道路管理者が別途指示する場合はその条件も付加する 徐行及び当該車両の前後に誘導車を配置することのほか 道路管理者が別途指示する措置を講ずることを条件とする C D 条件は夜間走行 (21 時 ~6 時 ) 誘導車随伴となる (6) 通常の許可申請手順下記に通常の許可申請の手順を示す 1 基準緩和自動車の認定申請 トレーラ等車両製作時に 基準緩和車両として自動車検査証を受ける 2 特殊車両通行許可申請 貨物および運行ルート決定後に道路管理者に申請する 3 制限外積載許可申請 車両の荷台から積載物のはみ出し ( 幅 高さ ) がある 場合は出発地の警察署長に申請する 参考 特殊車両通行許可申請 により許可される最大値は概ね下記の通りであるが 最終的には個別審査によって許可される 幅 : 3.0m ~ 3.5m 以内高さ : 4.0m ~ 4.3m 以内総重量 : 経路となる道路によるが経験的に40ton ~ 44ton

(7) 特殊車両 許可通行についての注意点 特殊車両 許可通行についての注意点は下記の通りである 建設機械の輸送においては表 -2 に示す 道路法 に定められる 制限値 を超える 機械の輸送については その運搬車両は全て 特殊車両 であり 輸送時には 特殊車両通行許可申請 が必要である 特殊車両通行許可申請 では 通行経路毎 の 1 品 1 申請が原則であるが 非効率的であるため包括的な処理を実施しているのが現状である 一方で 制限外積載許可申請 許可については 基本的には運搬の都度申請が必要 となる ( 運転者が申請するため 運転者も固定となる ) これらの申請には表 -4 に示す処理時間が必要となるため 場合によってはユーザ ー希望の納期を満足できない可能性がある 建機運搬用のセミトレーラは複数貨物をバラ積みしてはならない ( あおり スタンション等の貨物の落下防止に十分な強度の固縛装置を有する 規制緩和車両を除く ) 建設機械の組み立て及び分解に使用する ラフテレーンクレーン 並びに オールテレーンクレーン 等の大型移動式クレーンの輸送についても 上記の各種規制に適合するよう分解し 許可申請を行うこと ( 例として ラフテレーンクレーンやオールテレーンクレーンの上部旋回体と下部トラックの分離等 ) ラフテレーンクレーン オ - ルテレーンクレーン