第 126 回北海道整形外科外傷研究会 一般演題 (1) 大腿骨頚部骨折に対する仰臥位前方進入法の有用性市立札幌病院後山恒範 (2) 大腿骨転子下骨折への CITS 固定後角度可変機構破綻を生じた一例森山病院仲俊之 (3) 大腿骨近位部 近位骨幹部骨折に対する大腿骨遠位部用ロッキングプレートによる骨

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第 126 回北海道整形外科外傷研究会 抄 録 平成 24 年 8 月 25 日 ( 土 ) 14:50~ 於 : 札幌教育文化会館 会長 : 札幌徳洲会病院倉田佳明先生 共催 : 北海道整形外科外傷研究会 大日本住友製薬株式会社

第 126 回北海道整形外科外傷研究会 一般演題 (1) 大腿骨頚部骨折に対する仰臥位前方進入法の有用性市立札幌病院後山恒範 (2) 大腿骨転子下骨折への CITS 固定後角度可変機構破綻を生じた一例森山病院仲俊之 (3) 大腿骨近位部 近位骨幹部骨折に対する大腿骨遠位部用ロッキングプレートによる骨接合の問題点 札幌徳洲会病院松井健太郎 (4) 下腿髄内釘術後に脛骨結節剥離骨折を生じた 1 例市立函館病院中島菊雄 主題主題 (1) 当科における脛骨高原骨折の治療経験小樽済生会病院目良紳介 (2) 脛骨プラトー骨折における治療成績手稲渓仁会病院高橋敬介 (3) 手術に難渋した ACL 剥離骨折を伴う脛骨プラトー骨折の一例市立室蘭総合病院柏隆史 (4) 膝関節周囲軟部組織への理学療法アプローチが有効であった下腿近位部開放骨折の 1 例 札幌徳洲会病院理学療法士菅原亮太 教育研修講演 脛骨プラトー骨折治療における pearls & pitfalls 福山市民病院整形外科小川健一先生

一般演題 (1) 大腿骨頚部骨折に対するする仰臥位前方進入法仰臥位前方進入法の有用性 市立札幌病院整形外科 後山恒範平山光久中山央平地一彦奥村潤一郎佐久間隆 はじめに 当科では 2009 年 4 月より大腿骨頚部骨折に対する人工骨頭置換術において 仰臥位前方進入法 を用いて手術を行っている 今回 本進入法の有用性を検討し報告する 対象と方法 対象は 2009 年 4 月より 2012 年 7 月まで 当科において大腿骨頚部骨折に対して仰臥位前方進入法を用いて人工骨頭置換術を施行した 41 例である 性別は男性 9 例 女性 32 例 平均年齢は 76.2 歳 (34~95 歳 ) 右 19 例 左 21 例 骨折型は Garden 分類 stage3 が 7 例 stage4 が 34 例であった これらの症例における進入方法 手術時間 術中出血量 受傷前と最終診察時の ADL の推移 術中 術後合併症について検討した 結果 進入法は Direct Anterior Approach( 以下 DAA)19 例 Anterolateral approach( 以下 ALA)22 例であり 手術時間は平均 68 分 (30~130 分 ) 術中出血量は平均 169ml(20~800ml) であった 受傷前と最終診察時の ADL の推移は改善が 1 例 同等が 28 例 低下が 12 例であった 術中合併症は 抗凝固剤使用の 5 例に 300ml 以上の術中出血を認めたが 輸血は必要としなかった その他は特に合併症の発生は認めなかった 術後合併症は 感染 1 例 誤嚥性肺炎 1 例 術前合併症の悪化を 3 例に認めた 術後脱臼を生じた症例はなかった 考察 今回の結果から受傷前と最終診察時の ADL の推移は安定しており 術中 術後の合併症発生も少なかった よって大腿骨頚部骨折に対する仰臥位前方進入法は有用な手術手技となりうると考えられた

一般演題 (2) 大腿骨転子下骨折への CHS 固定後角度可変機構破綻を生じたじた一例 森山病院整形外科仲俊之岡本巡有山弘之 はじめに 大腿骨転子下骨折を CHS にて治療し 角度可変機構破綻を生じた一例を経験したので報告する 症例 83 歳 女性路上で転倒し受傷 即日入院 受傷 4 日後 観血的骨接合術施行 AS ヒップスクリュー (120mm lagscrew つば付き 6 穴プレー卜 ) 使用 ( 仰臥位,traction table 使用 ) 術後 6 日後 患肢免荷車椅子開始 術後 7 週 イメージ下 XP にて骨折部の異常可動性を確認 術後 9 週 観血的骨接合術施行 ( 側臥位 ) 術中 AS ヒップスクリューの角度可変部での異常可動性を認めた スクリューとプレー卜をすべて抜去 骨頭の lagscrew 刺入孔は初回術時のものをそのまま使用し 80mm lagscrew つば付き 6 穴プレー卜接続しスクリュー刺入固定 ここで再び AS ヒップスクリューの角度可変部での異常可動性を認めた スクリュー プレー卜をすべて抜去 80mm lagscrew つばなし 6 穴プレー卜を接続しスクリュー刺入固定 ここで再度 AS ヒップスクリューの角度可変部での異常可動性を認めた 他のインプラントを用意していなかったため 100mm つば付き lagscrew と 6 穴プレー卜接続しスクリュー刺入固定 内外反ストレスにて不安定性のないことを確認し手術終了 術後患肢免荷車椅子継続 再手術後 15 週 イメージ下 XP にて骨折部の異常可動性を確認 再手術後 16 週 観血的骨接合術施行 ( 仰臥位,traction table 使用 ) AS ヒップスクリューの角度可変部での異常可動性を認めた スクリュー プレー卜をすべて抜去 ACE の Captured Hip Screw 145 度 100mm lagscrew 8 穴プレー卜による骨接合と腸骨移植を行った 術中確認されたインプラント破綻は 4 つとも角度可変部カムスライド内側支持部の折れ曲がりであった このため 145 を超える異常外反可動性を生じた 考察 AS ヒップスクリュー 2S は独自のカムスライド機構により 130 145 まで連続的に変えられる構造を有する 本機構は内反に比べ外反ストレスが加わった際の強度が弱い このため側臥位での手術操作時 ならびに術後の lagscrew プレー卜接合部への外反ストレスにより 破綻を生じた

一般演題 (3) 大腿骨近位部 近位骨幹部骨折近位骨幹部骨折に対する大腿骨遠位部用ロッキングプレートロッキングプレートによるによる骨接合骨接合の問題点 帝京大学整形外科札幌徳洲会病院整形外科外傷センター松井健太郎土田芳彦田邉康磯貝哲村上裕子辻英樹斎藤丈太倉田佳明二村謙太郎畑下智工藤雅響松井裕帝佐藤和生乾貴博士反唯衣 背景 大腿骨転子下骨折をプレートで骨接合をする場合 対側用の大腿骨遠位部用ロッキングプ レート ( 以下 DF) を逆さにして応用する事が一般的である 目的 対側用 DF を大腿骨近位部 近位骨幹部の骨接合に使用した症例を検討し その問題点を 明らかにする 対象 2009 年から 2011 年の間に 札幌徳洲会病院整形外科外傷センターで 対側用 DF を使用して大腿骨骨固定をした症例 ( インプラント周囲骨折は除外 ) 結果 対側用 DF を使用して骨接合を行ったものは 9 例 そのうち 4 例はインプラント周囲骨折であり除外した 残りの 5 例を検討対象とした 5 例のうち 新鮮骨折骨接合 3 例 偽関節手術 2 例であった 使用したインプラントは NCB-DF(Zimmer)3 例 LCP-DF(Synthes) 2 例 術後合併症が 3 例に生じた いずれも内反変形 及びその結果のカットアウトであった 考察 大腿骨転子下骨折に代表される 大腿骨近位部から近位骨幹部骨折をプレートで骨接合する場合 近位骨片の固定性向上を期待して DF を応用する しかしながら 今回 5 例中 3 例に内反変形が生じ いずれも近位骨片での固定破綻が理由であった DF を用いたとしても 近位骨片への固定性が十分得られない場合がある DF を用いた骨接合法の治療成績は良好とは言えず その適応は限定的である

一般演題 (4) 下腿髄内釘術後に脛骨結節剥離骨折脛骨結節剥離骨折を生じた 1 例 市立函館病院整形外科 中島菊雄 佐藤隆弘 平賀康晴 工藤整 奈良岡琢哉 はじめに われわれは下腿骨幹部骨折に対して髄内釘手術を行った後に脛骨結節剥離骨折を生 じた症例を経験したので報告する 症例 49 歳 男性 自営業 階段から転落し右脛骨骨幹部 Gustilo type I 開放骨折を受傷 同日 救急外来にて洗浄処置 シーネ固定を行い 翌日髄内釘による骨接合術を行った 仕事を長期間休みたくないとの希望があり 術後 18 日で免荷松葉杖にて退院となった 1 週後より PTB 装具を使用して歩行を開始したが 1ヵ月後に短距離の移動時に横着をして 杖なし PTB 装具なしで片脚で hopping していてバランスを崩し 患肢を強く接地してしまった 右膝に強い痛みが生じ 膝の屈曲困難 歩行困難となり翌日受診し 脛骨結節剥離骨折の診断にて再入院 手術となった wiring の後 cylinder cast にて部分荷重歩行訓練開始 初回手術後約 3ヶ月で全荷重とした 骨癒合 歩行に問題なく 受傷後約 1 年で抜釘を行った まとめ 比較的稀な下腿髄内釘術後に脛骨結節剥離骨折を生じた症例を経験した 免荷や部分荷重の状態で着脱可能な装具にて自宅退院となった場合 ADL の指導に注意を要す る

主題 (1) 当科におけるにおける脛骨高原骨折脛骨高原骨折の治療経験 済生会小樽病院整形外科 目良紳介三名木泰彦近藤真章 はじめに 脛骨高原骨折は膝関節内の骨折であり その機能を再獲得するためには関節面の解 剖学的な整復 軸方向のアライメントと安定性の獲得が重要であるとされている 今回我々は観血 的治療を行った脛骨高原骨折の治療成績を検討したので報告する 対象および方法 2009 年 9 月から 2011 年 11 月に当科にて手術治療を行った脛骨高原骨折 9 例である 男性 3 例 女性 6 例 平均年齢は 58.1 歳 平均経過観察期間は 15 か月であった 骨折型は AO 分類で B1:1 例 B2:3 例 B3:2 例 C1:1 例 C2:1 例 C3:1 例であった 使用したインプラントは locking plate が 8 例 screw が 1 例であった 自家骨あるいは人工骨による骨移植を用いた例は 6 例であった これらの症例について X 線学的評価 ( 関節面の陥凹 関節面の Widening FTA) 関節可動域 Hohl &Lack の治療成績評価基準を調査した 結果 最終評価時の X 線学的評価は関節面の陥凹が 0~5mm( 平均 1.8mm) 関節面の Widening が 0~4mm( 平均 1.0mm)FTA は 173~180 ( 平均 176.1 ) であった 平均可動域は伸展 1.1 屈曲 136.1 Hohl &Luck の評価基準で解剖学的評価は優 :6 例 良 :3 例 機能評価は優 :5 例 良 :4 例であった まとめ 脛骨高原骨折に対して手術治療を行った 9 例について報告した 8 例に locking plate を 使用し比較的良好な結果が得られたが X 線学的評価で関節面の陥凹や Widening の残存した症 例を経験した

主題 (2) 脛骨プラトープラトー骨折骨折に対するする治療成績 手稲渓仁会病院整形外科 高橋敬介大野和則辻野淳宮田康史佐々木勲 蔡栄浩西田欽也小原由史遠藤健前田明子 目的 2011 年 4 月から現在まで当院で加療した脛骨プラトー骨折の受傷原因 骨折型 画像診断 方法 術式 後療法 治療成績 合併症などについて検討したので報告する 対象と方法 2011 年 4 月から現在までに観血的治療を行った脛骨プラトー骨折 18 例を対象とした 男性 12 例 女性 6 例 受傷時平均年齢は 52.1 歳 (24 歳 ~87 歳 ) 平均観察期間は 8.3 ヵ月 (1 ヵ 月 ~16 ヵ月 ) であった 結果 受傷原因は交通事故 6 例 転倒 転落 6 例 スキー 5 例 その他 1 例であった 骨折型は AO 分類 41-B1:0 例 B2:3 例 B3:6 例 C1:2 例 C2:2 例 C3:5 例であった Schatzker 分類 Ⅰ:0 例 Ⅱ:5 例 Ⅲ:2 例 Ⅳ:0 例 Ⅴ:6 例 Ⅵ:5 例であった 術前に創外固定を施行した症例は 2 例であった 手術での内固定方法は screw 固定のみ 4 例 NCB plate 9 例 PLT plate 3 例 PTP 2 例であった 整復は直視下 透視下 鏡視下 (5 例 ) に行った 8 例 ( 腸骨 1 例 人工骨 7 例 ) に骨欠損部への骨移植を行った 手術までの待機期間は平均 7.4 日 (3 日 ~16 日 ) 平均手術時間は 124 分 (42 分 ~230 分 ) 平均出血量は 80ml(5ml~570ml) であった 術後 3 カ月以上経過した 13 例を治療成績の調査の対象とした 最終経過観察時の Hohl&Luck の機能的評価では excellent 12 例 good 0 例 fair 0 例 poor 1 例であった 合併症として感染が 2 例 (11%) 偽関節 1 例 (6%) 深部静脈血栓を 2 例 (11%) で生じた

主題 (3) 治療に難渋難渋した ACL 付着部剥離骨折を伴う脛骨脛骨プラトープラトー骨折骨折の一例 市立室蘭総合病院整形外科 柏隆史 阿部恭久 黒田未来 大西史師 小路弘晃 石川一郎 はじめに 我々は治療に難渋した ACL 付着部剥離骨折を伴う脛骨プラトー骨折の一例を経験した 症例を提示し 治療法について意見を伺いたいと考えている 症例 69 歳男性 主訴 左膝の疼痛 腫脹 現病歴 階段から転落し 左膝を強打 翌日 当科初診 既往 特記事項なし 画像所見 単純 X 線 CT にて AO 分類 41-A1.3(1) の ACL 付着部剥離骨折と 41-B3.3(1) の split depression type の外側プラトー骨折を認めた 初診後経過 同日 当科入院 初診後 3 日目で手術施行 術後は 2 週間 膝屈曲約 20 度で固定し その後より可動域訓練を開始した 術後 6 週から 1/4PWB を許可 1 週ごとに 1/4 ずつ荷重量を増やし術後 9 週で全荷重とした 整復位の損失は認めなかった 膝伸展 -15 度と伸展制限があり跛行を軽度認めるものの 独歩可能となり自宅退院となる見込みである

主題 (4) 膝関節周囲軟部組織へのへの理学療法理学療法アプローチアプローチが有効有効であった左下腿近位部開放骨折の 1 例 札幌徳洲会病院理学療法士菅原亮太整形外科外傷センター村上裕子 はじめに 骨関節疾患において理学療法アプローチの対象となる組織の多くは軟部組織である 膝関節周囲骨折後は膝関節周囲軟部組織の癒着による可動域制限や筋力低下が問題となる 今回 左下腿近位部開放骨折を受傷した症例に対し術後早期から膝関節周囲軟部組織の癒着予防を行い良好な結果が得られた 症例 48 歳男性 バイク乗車中に車と接触し左下腿がバイクと車の間に挟まれ左下腿近位部開放骨折 (Gustilo-ⅢA AO41-C3.3) を受傷 ( 直達外力 ) 即日緊急手術( デブリドマン 創外固定術 ) 施行し 受傷後 10 日目に観血的骨接合術を施行した ( 外側 :Zimmer NCB 内側:Synthes LCP Recon. Plate) 理学療法は手術翌日から患部外運動と patella mobilization patella setting を中心とした膝関節周囲軟部組織の癒着予防と浮腫管理を開始 術後 2 日目より膝関節 ROM 運動を開始した また 腓腹筋外側頭に筋損傷の臨床所見があり足関節背屈制限を認めたため足関節へのアプローチも行った 術後は非荷重で 歩行指導や膝関節周囲の筋力トレーニングを行えなかったため ROM 改善に力を入れた 術後 9 週で足関節 ROM 左右差なし 16 週で膝関節 ROM 左右差なしとなった 術後約 17 週で骨癒合遷延により骨移植術を行った 術後 26 週で独歩可能となり 37 週で機能回復得られたと判断し理学療法終了とした 最終成績は 膝関節伸展筋力健側比 85% 正常歩行獲得 階段昇降 1 足 1 段可能 正座可能で 美装業への仕事復帰を果たした 膝関節 JOA スコアは 95 点 本人の満足度は VAS 90/100 mm であった 考察 膝関節周囲軟部組織に強固な癒着が生じると徒手での剥離は困難といわれており 術後早期の予防的アプローチが非常に重要である 本症例では術後早期からの癒着予防アプローチにより良好な ROM を獲得できたと考える また 本症例は受傷時に下腿軟部組織損傷があったと判断し足関節へのアプローチも行っている 膝関節周囲骨折では足関節への悪影響が危惧されるため注意する必要がある

教育研修講演 脛骨プラトー骨折治療における pearls & pitfalls 福山市民病院整形外科小川健一先生