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わが国における糖尿病と合併症発症の病態と実態糖尿病では 高血糖状態が慢性的に継続するため 細小血管が障害され 腎臓 網膜 神経などの臓器に障害が起こります 糖尿病性の腎症 網膜症 神経障害の3つを 糖尿病の三大合併症といいます 糖尿病腎症は進行すると腎不全に至り 透析を余儀なくされますが 糖尿病腎症

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日本の糖尿病患者数は増え続けています (%) 糖 尿 25 病 倍 890 万人 患者数増加率 万人 690 万人 1620 万人 880 万人 2050 万人 1100 万人 糖尿病の 可能性が 否定できない人 680 万人 740 万人

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

ただ太っているだけではメタボリックシンドロームとは呼びません 脂肪細胞はアディポネクチンなどの善玉因子と TNF-αや IL-6 などという悪玉因子を分泌します 内臓肥満になる と 内臓の脂肪細胞から悪玉因子がたくさんでてきてしまい インスリン抵抗性につながり高血糖をもたらします さらに脂質異常症

デベルザ錠20mg 適正使用のお願い

3 スライディングスケール法とアルゴリズム法 ( 皮下注射 ) 3-1. はじめに 入院患者の血糖コントロール手順 ( 図 3 1) 入院患者の血糖コントロール手順 DST ラウンドへの依頼 : 各病棟にある AsamaDST ラウンドマニュアルを参照 入院時に高血糖を示す患者に対して 従来はスライ

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糖尿病がどんな病気なのか 病気を予防するためにどんな生活が望ましいかについて解説します また 検診が受けられるお近くの医療機関を検索できます 健康診断の結果などをご用意ください 検査結果をご入力いただくことで 指摘された異常をチェックしたり 理解を深めたりすることができます 病気と診断され これから

婦人科63巻6号/FUJ07‐01(報告)       M

脂質異常症を診断できる 高尿酸血症を診断できる C. 症状 病態の経験 1. 頻度の高い症状 a 全身倦怠感 b 体重減少 体重増加 c 尿量異常 2. 緊急を要する病態 a 低血糖 b 糖尿性ケトアシドーシス 高浸透圧高血糖症候群 c 甲状腺クリーゼ d 副腎クリーゼ 副腎不全 e 粘液水腫性昏睡

インスリンが十分に働かない ってどういうこと 糖尿病になると インスリンが十分に働かなくなり 血糖をうまく細胞に取り込めなくなります それには 2つの仕組みがあります ( 図2 インスリンが十分に働かない ) ①インスリン分泌不足 ②インスリン抵抗性 インスリン 鍵 が不足していて 糖が細胞の イン

News Release 報道関係各位 2015 年 6 月 22 日 アストラゼネカ株式会社 40 代 ~70 代の経口薬のみで治療中の 2 型糖尿病患者さんと 2 型糖尿病治療に従事する医師の意識調査結果 経口薬のみで治療中の 2 型糖尿病患者さんは目標血糖値が達成できていなくても 6 割が治療

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(2) レパーサ皮下注 140mgシリンジ及び同 140mgペン 1 本製剤については 最適使用推進ガイドラインに従い 有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間 本製剤の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに 副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件

< 糖尿病療養指導体制の整備状況 > 療養指導士のいる医療機関の割合は増加しつつある 図 1 療養指導士のいる医療機関の割合の変化 平成 20 年度 8.9% 平成 28 年度 11.1% 本糖尿病療養指導士を配置しているところは 33 医療機関 (11.1%) で 平成 20 年に実施した同調査

小松市医師会糖尿病連携推進協議会の取り組み 受診につなげる取り組み 1) 特定健診後 小松市からの受診勧奨 2) 地区別健康懇談会 等 3) 一般社団法人小松能美薬剤師会が主導した 薬局での血糖測定のモデル事業 合併症発症予防の取り組み 4) 診療所における栄養指導 運動指導の強化ー小松市の試みー

られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規


CQ1: 急性痛風性関節炎の発作 ( 痛風発作 ) に対して第一番目に使用されるお薬 ( 第一選択薬と言います ) としてコルヒチン ステロイド NSAIDs( 消炎鎮痛剤 ) があります しかし どれが最適かについては明らかではないので 検討することが必要と考えられます そこで 急性痛風性関節炎の

介護における尊厳の保持 自立支援 9 時間 介護職が 利用者の尊厳のある暮らしを支える専門職であることを自覚し 自立支援 介 護予防という介護 福祉サービスを提供するにあたっての基本的視点及びやってはいけ ない行動例を理解している 1 人権と尊厳を支える介護 人権と尊厳の保持 ICF QOL ノーマ

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佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

<4D F736F F F696E74202D208E9197BF315F817582C782B182C582E0826C C B4C985E82C98AD682B782E98DEC8BC EF92868AD495F18D902E B8CDD8AB B83685D>

第1回肝炎診療ガイドライン作成委員会議事要旨(案)

10038 W36-1 ワークショップ 36 関節リウマチの病因 病態 2 4 月 27 日 ( 金 ) 15:10-16:10 1 第 5 会場ホール棟 5 階 ホール B5(2) P2-203 ポスタービューイング 2 多発性筋炎 皮膚筋炎 2 4 月 27 日 ( 金 ) 12:4

このプログラムでは高血糖管理の個別化のアプローチについて 禁忌など様々な高血糖治療薬の限界や用量調整の必要性および低血糖リスクについて そして高齢患者や腎機能障害の患者を含む固有の特徴を有した糖尿病 (T2DM) 患者の高血糖管理に最適な治療戦略についての理論的解釈および内容についてディスカッション

《印刷用》ためしてガッテン:糖尿病が完治する!? すい臓を復活させる薬


山梨県生活習慣病実態調査の状況 1 調査目的平成 20 年 4 月に施行される医療制度改革において生活習慣病対策が一つの大きな柱となっている このため 糖尿病等生活習慣病の有病者 予備群の減少を図るために健康増進計画を見直し メタボリックシンドロームの概念を導入した 糖尿病等生活習慣病の有病者や予備

練馬区国保における糖尿病重症化 予防事業について 平成 29 年 3 月 6 日練馬区区民部国保年金課 1 東京都糖尿病医療連携協議会配布資料

= 専門医 + エキスパートに聞くよりよい服薬指導のための基礎知識 = vol.42 図 1 2 型糖尿病の病態からみた DPP-4 阻害薬の位置づけ 2 型糖尿病の病態 経 血糖降下薬 浦部晶夫ら 今日の治療薬 2011 解説と便覧, 南江堂,2011. より一部改編 られてきた これら 5 種類

糖尿病の新しい診断基準 (2010 年 7 月施行 ) と HbA1c の国際標準化

激増する日本人糖尿病 ( 万人 ) 2,500 糖尿病の可能性が否定できない人 (HbA1c 6.0~6.4) 糖尿病が強く疑われる人 (HbA1c 6.5% 以上 ) 2,210 万人 2,000 1,500 1,000 1,620 万人 1,370 万人 万人 880 万人 +

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帯広厚生病院広報誌 とかち野 2016年7月 vol.52

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より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

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ン (LVFX) 耐性で シタフロキサシン (STFX) 耐性は1% 以下です また セフカペン (CFPN) およびセフジニル (CFDN) 耐性は 約 6% と耐性率は低い結果でした K. pneumoniae については 全ての薬剤に耐性はほとんどありませんが 腸球菌に対して 第 3 世代セフ

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 花房俊昭 宮村昌利 副査副査 教授教授 朝 日 通 雄 勝 間 田 敬 弘 副査 教授 森田大 主論文題名 Effects of Acarbose on the Acceleration of Postprandial

糖尿病診療における早期からの厳格な血糖コントロールの重要性

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70 頭頸部放射線療法 放射線化学療法


資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号

Ⅰ. 改訂内容 ( 部変更 ) ペルサンチン 錠 12.5 改 訂 後 改 訂 前 (1) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本剤の作用が増強され, 副作用が発現するおそれがあるので, 併用しないこと ( 過量投与 の項参照) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本

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第1章 初診時とフォローアップのための アプローチ 本書は 毎日の診療ですぐに役立つ実践的な糖尿病診療ハンドブックを目 指したため 糖尿病の診断 分類 問診など通常の教科書に記載されている 総論的な内容はあえて省略した これらについては ぜひ 糖尿病治療ガイド 2016-2017 日本糖尿病学 会 編 文光堂 をご参照していただきたい また 糖尿病診療におけるエビデンスとその根拠となる論文については 糖尿病診療ガイドライン 2016 日本糖尿病学会 編 南江堂 をご参照 していただきたい この 2 冊は 本書と共に診療時やその前後にいつもご覧 いただくとよいと思う 1 外来診療で特に重要なポイント 本稿では 外来で糖尿病の患者さんを診療するにあたって特に重要なポイ ントを列挙したい 詳しくは本書の各項目を参照していただきたい 1 まず インスリン依存状態か非依存状態かを判断する 2 急激な血糖コントロールの改善が必要なのは 高血糖クライシ ス 糖尿病ケトアシドーシス 高浸透圧性高血糖症候群 感染 症を併発している場合 緊急手術が必要な場合 である 3 上記以外の場合は 数カ月かけて徐々に血糖コントロールを改善し ていけば大丈夫である 1

2 4 5 6 7 HbA1c 8 9 10 250mg/dL 11 2 高齢者の血糖コントロール目標値 2016 2017 2013 HbA1c 7.0 8.0 1 1 2016 5 HbA1c 2 2

コントロール目標値 注 1 注 4 注 2 注 3 目標 血糖正常化を 目指す際の目標 合併症予防 のための目標 治療強化が 困難な際の目標 HbA1c 6.0 未満 7.0 未満 8.0 未満 治療目標は年齢 罹病期間 臓器障害 低血糖の危険性 サポート体制などを考慮して個別 に設定する 注 1 適切な食事療法や運動療法だけで達成可能な場合 または薬物療法中でも低血糖などの副 作用なく達成可能な場合の目標とする 注 2 合併症予防の観点から HbA1c の目標値を 7 未満とする 対応する血糖値としては 空 腹時血糖値 130mg/dL 未満 食後 2 時間血糖値 180mg/dL 未満をおおよその目安とする 注 3 低血糖などの副作用 その他の理由で治療の強化が難しい場合の目標とする 注 4 いずれも成人に対しての目標値であり また妊娠例は除くものとする 図 1 血糖コントロール目標 日本糖尿病学会 編 糖尿病治療ガイド 2016-2017 文光堂 2016 p.27 インの特徴は 高齢者を認知機能と ADL から 3 つのカテゴリーに分類し かつ 重症低血糖が危惧される薬剤 インスリン製剤 SU 薬 グリニド 薬 を使用している場合には 目標 HbA1c に下限が設定 されたことで ある 高齢者の血糖コントロール目標値については 本書では 2012 年の第 1 版時から強調してきたことであるが 日本もようやく ADA 米国糖尿病 協会 や IDF 国際糖尿病連合 の基準とほぼ同様になったと言えよう このガイドラインの基本的な考え方は 以下の通りと記載されている ①血糖コントロール目標は患者の特徴や健康状態 年齢 認知機能 身体 機能 基本的 ADL や手段的 ADL 併発疾患 重症低血糖のリスク 余命などを考慮して個別に設定すること ②重症低血糖が危惧される場合は 目標下限値を設定し より安全な治療 を行うこと ③高齢者ではこれらの目標値や目標下限値を参考にしながらも 患者中心 の個別性を重視した治療を行う観点から 表に示す目標値を下回る設定 や上回る設定を柔軟に行うことを可能としたこと したがって高齢者では 低血糖をきたす危険性がある SU 薬 グリニド薬 の使用はできるだけ避けるべきであり メトホルミン メトグルコ DPP-4 3

4 第1章 初診時とフォローアップのためのアプローチ カテゴリーⅠ 患者の特徴 健康状態注 1 ①認知機能正常 かつ ②ADL 自立 重症低血糖 なし 7.0% 未満 が危惧され 注 2 る薬剤 イン スリン製剤 65 歳以上 75 歳以上 SU 薬 グリ 75 歳未満 あり ニド薬など 注 3 7.5% 未満 8.0% 未満 の使用 下限 6.5% 下限 7.0% カテゴリーⅡ カテゴリーⅢ ①中等度以上の認知症 ①軽度認知障害 または 軽度認知症 ②手段的 ADL 低下 ②基本的 ADL 低下 または 基本的 ADL 自立 ③多くの併存疾患や 機能障害 7.0% 未満 8.0% 未満 8.0% 未満 下限 7.0% 8.5% 未満 下限 7.5% 治療目標は 年齢 罹病期間 低血糖の危険性 サポート体制などに加え 高齢者では認知機 能や基本的 ADL 手段的 ADL 併存疾患なども考慮して個別に設定する ただし 加齢に伴って 重症低血糖の危険性が高くなることに十分注意する 注 1 認知機能や基本的 ADL 着衣 移動 入浴 トイレの使用など 手段的 ADL IADL 買い 物 食事の準備 服薬管理 金銭管理など の評価に関しては 日本老年医学会のホーム ページ http: // www.jpn-geriat-soc.or.jp / を参照する エンドオブライフの状態では 著 しい高血糖を防止し それに伴う脱水や急性合併症を予防する治療を優先する 注 2 高齢者糖尿病においても 合併症予防のための目標は 7.0 未満である ただし 適切な食 事療法や運動療法だけで達成可能な場合 または薬物療法の副作用なく達成可能な場合の目 標を 6.0 未満 治療の強化が難しい場合の目標を 8.0 未満とする 下限を設けない カテ ゴリーIII に該当する状態で 多剤併用による有害作用が懸念される場合や 重篤な併存疾患 を有し 社会的サポートが乏しい場合などには 8.5 未満を目標とすることも許容される 注 3 糖尿病罹病期間も考慮し 合併症発症 進展阻止が優先される場合には 重症低血糖を予防 する対策を講じつつ 個々の高齢者ごとに個別の目標や下限を設定してもよい 65 歳未満 からこれらの薬剤を用いて治療中であり かつ血糖コントロール状態が図の目標や下限を下 回る場合には 基本的に現状を維持するが 重症低血糖に十分注意する グリニド薬は 種 類 使用量 血糖値等を勘案し 重症低血糖が危惧されない薬剤に分類される場合もある 重要な注意事項 糖尿病治療薬の使用にあたっては 日本老年医学会 編 高齢者の安全な薬物療法ガイドライン を参照すること 薬剤使用時には多剤併用を避け 副作用の出現に十分に注意する 図 2 高齢者糖尿病の血糖コントロール目標 HbA1c 値 高齢者糖尿病の治療向上のための日本糖尿病学会と日本老年医学会の合同委員会 高齢者 糖尿病の血糖コントロール目標 第 59 回日本糖尿病学会年次学術集会 2016 阻害薬 αグルコシダーゼ阻害薬 αgi を優先して使用する 仮に SU 薬を使用する場合も第 4 選択肢以降として グリクラジド グリミクロン またはグリメピリド アマリール を最少量から使用すべきであろう 高齢者では 厳格な血糖コントロールを目指すよりも 血圧コントロー

ル 脂質コントロール 禁煙指導など 集学的な治療をより重視すべきであ る 3 2 型糖尿病における第 1 選択薬 2 型糖尿病では経口血糖降下薬はどの薬剤が第 1 選択となるのか につ いて 糖尿病治療ガイド 2016-2017 糖尿病診療ガイドライン 2016 には 未だに具体的な記載はない 血糖降下薬は 合併症抑制のエビデンス 病態に応じた作用機序 禁忌 でないことなどを考慮して選択し 患者への説明と同意のもとに開始すべき である という従来からのスタンスのままである3 一方 ADA と EASD 欧州糖尿病協会 による 2015 年の共同声明では 禁忌でない限り第 1 選択薬はメトホルミンである と明記されている4 p.24 図 1 参照 また 国立国際医療研究センター病院による 糖尿病 標準診療マニュアル では 血管合併症のエビデンスの面から 第 1 選択薬 はメトホルミン 第 2 選択薬は SU 薬 グリクラジド グリメピリド αグルコシダーゼ阻害薬 DPP-4 阻害薬のいずれか と記載している5 日本人でも 禁忌でない場合は第 1 選択薬はメトホルミンである 詳細は 経口血糖降下薬選択のアプローチ p.48 を参照していただきたい 本書では 具体的な薬剤の選択順位 その使用法と注意点について 症例 も呈示しながらわかりやすく解説した 日常臨床で役立つ患者への説明用語呂合わせ Q A1c の目標値は A 平熱と同じです 37.0 未満 7.0 未満と覚えましょう Q 空腹時血糖の正常値は A コンビニ名と同じです セブン-イレブン 70 110mg / dl と覚えましょう 5