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なごみわかはら
5 years ago
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1 おおこうち内科クリニック糖尿病教室最新の糖尿病治療薬について

2 経口糖尿病薬の歴史年号 SU 薬インスリン分泌促進薬インスリン抵抗性改善薬糖吸収阻害薬トルブタミド 1959 クロルプロパミド 1971 グリベンクラミドビグアナイド薬 1961 メトホルミングリクラジド 2000 グリメピリドグリニド薬 1999 ナテグリニド 2004 ミチグリニド DPP-4 阻害薬チアゾリジン薬 1997 トログリタゾン (2000 年発売中止 ) 1999 ビオグリタゾン α-gi 1993 アカルボース 1994 ボグリボース 2006 ミグリトール 2011 レパグリニド 2009 シタグリブチン 2010 ビルダグリブチンアログリブチン 2011 リナグリブチン 2012 テネリグリブチンアナググリブチン糖尿病治療薬のサイエンス ( 南山堂 )P2 より

3 2 型糖尿病の病態に合わせた経口血糖降下薬の選択 2 型糖尿病の病態経口血糖降下薬インスリン抵抗性増大抵イ抗ン性ス改リ善ン系種類ビグアナイド薬チアゾリジン薬主な作用肝臓での糖新生の抑制骨格筋肝臓でのインスリン感受性の改善糖毒性インスリン分泌能低下インスリン作用不足高血糖食後高血糖空腹時高血糖分イ泌ン促ス進リ系ン改食善後系高血糖 DPP-4 阻害薬スルホニル尿素薬速効型インスリン分泌促進薬 α- グルコシダーゼ阻害薬血糖依存性のインスリン分泌促進とグルカゴン分泌抑制インスリン分泌の促進より速やかなインスリン分泌の促進食後高血糖の改善炭水化物の吸収遅延食後高血糖の改善 JAN11SS 日本糖尿病学会編糖尿病治療ガイド 2010( 文光堂,2010) より

2 型糖尿病の自然歴 (mg/dl) 血糖 350 300 250 200 150 100 50 前糖尿病 (IFG, 耐糖能異常 ) この期間中に糖尿病と診断食後血糖空腹時血糖相対量 250 200 150 100 50 インクレチン効果膵 β 細胞機能

4 2 型糖尿病の自然歴 (mg/dl) 血糖前糖尿病 (IFG, 耐糖能異常 ) この期間中に糖尿病と診断食後血糖空腹時血糖相対量インクレチン効果膵 β 細胞機能インスリン抵抗性インスリンレベル ( 年 ) 糖尿病の始まり IFG (impaired fasting glucose); 空腹時血糖異常 4 Kendall DM, et al: Am J Med 122, S37-S50, 2009

5 インクレチン糖尿病では GLP-1 分泌が障害されている体内の GLP-1 は DPP-4 によって短時間で分解される DPP-4 阻害薬シタグリプチン ( ジャヌビア ) ビルダグリプチン ( エクア ) アログリプチン ( ネシーナ ) 内服薬 GLP-1 受容体作動薬リラグルチド ( ビクトーザ ) エクセナチド注射剤

7 2 型糖尿病患者でみられる膵 β 細胞量の減少 (%) 4 p<0.01 p<0.05 β 細胞容積 3 2 p< 健常人 (n=31 ) IFG (n=19) 肥満 2 型糖尿病 (n=41) 健常人 (n=17) 非肥満 2 型糖尿病 (n=16) IFG(impaired fasting glucose); 空腹時血糖異常 Butler AE, et al:diabetes 52, , 2003

8 膵 b 細胞機能 (%) 2 型糖尿病歴と膵 β 細胞機能低下 100 糖尿病患者の膵 b 細胞機能自然歴 IGT 膵 β 細胞機能 = 正常の 50% 25 0 食後高血糖糖尿病第 1 期糖尿病第 2 期糖尿病第 3 期 ( 年数 ) 糖尿病の診断 Lebovitz H.E.:Diabetes Reviews,7,139,1999. より改変

DPP-4 阻害剤の膵 β 細胞量増加作用 ( ラット ) インスリン陽性細胞コントロールビルダグリプチン 60mg/kg 生後 21 日目 (μm2 10 5 ) 120 100 BrdU 陽 80 性細

0 β 細胞アポトーシスコントロール p<0.05 ビルダグリプチン生後 7 日目 (mg) 0.14 0.12 0.10 細 0.08 胞量 0.06 0.04 β 0.02 0.00 β 細胞量 p<0.

9 DPP-4 阻害剤の膵 β 細胞量増加作用 ( ラット ) インスリン陽性細胞コントロールビルダグリプチン 60mg/kg 生後 21 日目 (μm ) BrdU 陽 80 性細 60 胞 β 細胞複製 p=0.001 コントロールビルダグリプチン生後 7 日目 (μm ) 2.5 アポトーシス細胞 β 細胞アポトーシスコントロール p<0.05 ビルダグリプチン生後 7 日目 (mg) 細 0.08 胞量 β β 細胞量 p<0.05 コントロールビルダグリプチン生後 21 日目 mean±s.e. 各群 n=6 2 標本 t 検定方法 : 生後 2 日目のラットにビルダグリプチン60mg/kgまたは蒸留水 ( コントロール ) を1 日 1 回 19 日間反復経口投与し膵臓の組織切片の免疫組織化学的検討および形態計測を行った β 細胞の複製はBrdU 抗体アポトーシスはTUNEL 法で検出し定量した β 細胞量は膵臓全体における膵島のインスリン陽性細胞の面積比に膵臓の重量を乗じて推定した Duttaroy A, et al: Diabetes 54(Suppl1), A141 Abstract 572-P and poster presented at ADA, 2005

10 食事の量を体が自然に感知して小腸からのインクレチン (GLP-1) の分泌量は変わるインクレチンは賢い! 10

11 インクレチン作用の特徴膵作用インクレチン療法で期待されるメリット β α インスリン分泌促進グルカゴン分泌抑制 (GLP-1 のみ ) 血糖依存的低血糖のリスクが少ない β β 細胞量増加 * 膵保護 * 膵外作用食欲抑制 (GLP-1 のみ ) 胃排出遅延 (GLP-1 のみ ) 体重減少 (GLP-1 注射剤のみ ) Schemitz O: J Clin Endocrinol Metab 93, , 2008 Drucker DJ, et al: Gastroenterology 132, , 2007 より作成

12 インスリン分泌を増加させグルカゴンの過剰分泌を抑制するインクレチンによる膵島機能の改善グルコース 2 型糖尿病インクレチン反応の低下インスリン膵島機能悪化高血糖グルカゴングルコース DPP-4 阻害薬インクレチン活性の維持インスリン膵島機能改善血糖コントロール改善 DPP-4=dipeptidyl peptidase-4 グルカゴン

13 膵 β 細胞のインスリン分泌機構 SU 剤と GLP-1 のインスリン分泌機構は異なるので SU 剤の 2 次無効症例にも有効 SUR1 ( 膵タイプ SU 受容体 ) SU 剤 ATP 感受性 K チャネル細胞膜脱分極 Ca 2+ 電位依存性 Caチャネルブドウ糖糖輸送担体 (GLUT2) [ATP] [ADP] TCA サイクルグルコース K + 細胞内 Ca 2+ の増加インスリン分泌顆粒 camp GLP-1 GLP-1 受容体インスリン分泌佐倉宏 ( 東京女子医科大学 ): ホルモンと臨床

14 GLP-1 受容体作動薬について ( ビクトーザバイエッタ )

体重の変化体重変化量の平均値 (95% CI) エクセナチド (1 日 2 回 ) -2.03 [-2.46 to -1.60] エクセナチド ( 週 1 回 ) -2.41 [-2.83 to -1.99] リラグルチド -2.29 [-2.99 to -1.59] アログリプチン -0.30 [-0.90 to +0.30] サクサグリプチン -0.64 [-1.11 to -0.

15 体重の変化体重変化量の平均値 (95% CI) エクセナチド (1 日 2 回 ) [-2.46 to -1.60] エクセナチド ( 週 1 回 ) [-2.83 to -1.99] リラグルチド [-2.99 to -1.59] アログリプチン [-0.90 to +0.30] サクサグリプチン [-1.11 to -0.16] シタグリプチン [-0.61 to +0.03] エクア [-0.92 to +0.60] 体重の変化 (kg) 解析対象は 2 型糖尿病患者にGLP-1 受容体作動薬とDPP-4 阻害薬を最大用量で12 週間以上投与した無作為化比較試験 (DPP-4 阻害薬 ; エクア6 試験 :50mg 1 日 1 回又は2 回 ;n=2,497 アログリプチン5 試験 :12.5mg 又は25mg 1 日 1 回 ;n=1,976 リナグリプチン9 試験 :5mg 1 日 1 回 ;n=3,221 シタグリプチン23 試験 :100mg 1 日 1 回 ;n>5,274) Aroda VR, et al: Clinical Ther Jun;34(6):

16 HbA1c (%) Case 3 62 歳女性 ( インスリンからビクトーザに変更で著効例 ) 2 型糖尿病 ( 罹病歴 7 年 )+ 腎症 2 期, S-CPR2.6, CPI 0.96 Lis6-4-4 単位ビクトーザ 0.3mg 0.6mg アマリール 1mg H23. 3 月 5 月 7 月 9 月 11 月 H24.1 月 3 月

17 HbA1c (%) Case 4 64 歳男性 ( 内服薬からビクトーザに変更で著効例 ) 2 型糖尿病 ( 罹病歴 5 年 ), S-CPR4.1, CPI 2.9 ジャヌビア 50mg + アマリール 1mg ビクトーザ 0.3mg 0.6mg H23. 1 月 3 月 5 月 7 月 9 月 11 月 H24.1 月 3 月

18 1 日 8 回の針刺しの恐怖から解放されたケース ( メディカルトリビューン 2012 年インクレチン関連薬の臨床より抜粋 ) 50 代女性前医で 1 日 4 回のインスリン注射と 4 回の自己血糖測定つまり毎日 8 回の針刺し注射を 10 年以上続けてきた医師の指導を疑わずとても真面目に血糖値の記録を付け日々の変動を医師に報告していたしかし医師は治療法を変更せず HbA1c は 8% 前後のまま 10 年以上の歳月が過ぎていたたまたま本屋でインクレチンの事を知り効果に疑心暗鬼であったが他病院を訪れ糖尿病専門医を受診した内因性インスリン分泌が保たれていたためインスリン治療からバイエッタ治療への切り替えが行われたその結果 HbA1c は 2 か月で 1.5% 低下し低血糖の心配はないため血糖自己測定は不要になったつまり今まで 10 年間継続していた 1 日 8 回の針刺し行為がなくなり 1 日 2 回だけの注射だけすればよいことになった初診から 2 か月後外来診察で HbA1c が 6% まで下がった結果を聞いた患者さんは会計前にあるソファからなかなか立ち上がれなかった理由を聞いてみるとこれまで 10 年間の頻回の針刺しの苦痛を返してほしいと心の中で繰り返し思っていたそうである

19 GLP-1 受容体作動薬の利点インクレチン関連薬は内因性インスリン分泌が保たれた 2 型糖尿病患者においてインスリン治療の代わりに用いることが出来るインスリン治療で 1 日 2~4 回行っていた注射を 1 日 1~2 回に減らすことが出来る将来頻回のインスリン療法はインスリン分泌が完全に枯渇した患者さんのみが適応になるだろう

20 週 1 回投与 GLP-1 受容体作動薬 ( ビデュリオン皮下注用 2mg) 週 1 回投与 GLP-1 ビデュリオン皮下注用 2mg がこの 2 月 22 日に薬価収載されました薬価は 3486 円です販売会社がイーライリリーからアストラゼネカに変わり発売が待たれていました週 1 回で良いのでインスリン自己注射が習得できない方にも使えそうです在宅診療で使ったり週 1 回外来受診して頂いて打つなど幅広い使い方ができそうですビデュリオン皮下注用 2mg( エキセナチドアストラゼネカ ) 効能効果 : 2 型糖尿病薬価 (2mg1 キット ):3486 円 (1 日薬価換算 498 円 ) 市場予測 ( ピーク時 4 年後 ): 投与患者数 7 万人販売金額 110 億円加算なし日本イーライリリーが販売する GLP-1 受容体作動薬バイエッタ皮下注 (1 日 2 回 ) と同成分の徐放製剤 ( 週 1 回 ) この製剤はアストラゼネカに承継された

21 インクレチン以降の新規糖尿病治療薬

22 SGLT2 阻害剤について SGLT2 : Sodium Glucose Co-Transporter 2

23 Targeting the Kidney Chao EC, et al. Nat Rev Drug Discovery. 2010;9:

24 Action of SGLT2 inhibitor

25 Canagliflozin Metformin + Canagliflozin Dose-Ranging Study Mean Baseline A1C (%) * * * * Rosenstock J, et al. Abstract 77-OR. ADA * * *P.001 vs. placebo calculated using LS means

Canagliflozin Mean Baseline Weight (kg) SGLT2 Inhibition for Type 2 Diabetes: Metformin + Canagliflozin Dose-Ranging Study 85.5 87.

26 Canagliflozin Mean Baseline Weight (kg) SGLT2 Inhibition for Type 2 Diabetes: Metformin + Canagliflozin Dose-Ranging Study * * * * * * * Rosenstock J, et al. Abstract 77-OR. ADA *P.001 vs. placebo calculated using LS means

27 Changes from Baseline in A1C in Phase 3 Dapagliflozin Studies Placebo Dapa 2.5mg Dapa 5mg Dapa 10mg Wilding JPH, et al. Abstract 78-OR. ADA 2010; Strojek K, et al. Abstract 870. EASD 2010; Ferrannini E, et al. Diabetes Care. 2010;33(10): ; Bailey CJ, et al. Lancet. 2010;375(9733):

28 Changes from Baseline in Body Weight in Phase 3 Dapagliflozin Studies Placebo Dapa 2.5mg Dapa 5mg Dapa 10mg Wilding JPH, et al. Abstract 78-OR. ADA 2010; Strojek K, et al. Abstract 870. EASD 2010; Ferrannini E, et al. Diabetes Care. 2010;33(10): ; Bailey CJ, et al. Lancet. 2010;375(9733):

29 GPR40 作動薬 (TAK-875) について

31 GPR40 作動薬 (TAK-875) は SU 薬との併用で相加的な HbA1c 低下効果を示す武田薬品伊藤亮 2012ADA

32 SU 薬 2 次無効状態でも GPR40 作動薬 (TAK-875) は HbA1c 低下効果を示す武田薬品伊藤亮 2012ADA

33 受容体を介しインスリンを分泌させる薬体外に排出させる作用を持つ薬 ( 吸収を阻害する薬 ) SU GLP-1 DPP-4 阻害薬 TAK-875 SGLT2 阻害薬膵リパーゼ阻害薬 α- グルコシダーゼ阻害薬 SU 受容体 GLP-1 受容体 GPR40 受容体血糖に応じて作用する腎臓脂肪の吸収を抑制する糖質の吸収をゆっくりにする血糖に無関係でインスリン分泌低血糖を起こしやすい血糖に応じてインスリン分泌血糖に応じて尿糖排泄エネルギーも排出脂肪分のエネルギー排出やせられる ( 減量 ) 食後高血糖抑制低血糖を起こしにくい

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PowerPoint プレゼンテーション新しい糖尿病治療薬インクレチン療法についてインクレチンとは? インクレチンは消化管 ( 小腸 ) から分泌されインスリン分泌を促進するホルモンであるインクレチンとして GLP-1 と GIP が知られている 2 型糖尿病患者では GLP-1 の方が GIP よりインスリン分泌効果が高い GLP-1 が特に注目されているインクレチンによるインスリン分泌のメカニズム GLP-1 GIP 受容体