第 3 回検討会でご意見を頂いた内容に対する対応方針 ( 案 ) 中長期保全計画の策定において 更新 修繕 といった言葉の使い分けは明確にすべき その際 部位による使い分けや ライフサイクルコストの視点を踏まえた 更新 修繕 のレベル設定にも留意すること 建物を 使える 状態に維持するという観点から

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構造 用途 鉄筋コンクリート造鉄骨 鉄筋コンクリート造 高品質の場合 普通の品質の場合 高品質の場合 重量鉄骨 鉄骨造 普通の品質の場合 軽量鉄骨 ブロック造れんが造 木造 学校庁舎 Y 100 以上 Y 60 以上 Y 100 以上 Y 60 以上 Y 40 以上 Y 60 以上 Y 60 以上

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3-1 2 修繕工事の実態 ( ヒアリング ) 計画修繕は 定期点検等で明らかになった建物の劣化の補修のため 調査 診断 修繕計画の作成 工事の実施へと 区分所有者の合意を形成しつつ 進められる 当勉強会で実施したヒアリングより 管理会社による点検 定期点検は 1 回 / 年の頻度で行っている 目視

(3) 中規模改修工事費 建設年代別にm2単価を設定する 大規模改修後及び改築後は 水準別にm2単価を設定し 冷房設備ありの場合は別途m2単価を設定して加算する 表 中規模改修工事費 大規模改修前 大規模改修後 改築後 中規模改修建設年代改築後改築後大規模改修後円 / m2従来改築一般施

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Microsoft Word 印刷ver 本編最終no1(黒字化) .doc

福岡県立ももち文化センター 個別施設計画 平成 30 年 5 月 施設類型 県民向け施設 整理番号 20 施設所管課 文化振興課


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官庁施設の保全 とは 官庁施設が完成してから解体されるまでの間 その性能を良好な状態に保つほか 社会 経済的に必要とされる性能水準を確保し 保持し続けるための取組です さまざまな保全の取組 運転 監視 警 備 清 掃 点検 ( 外壁 ) 保 守 改修 ( 建具 ) 保全 は施設保全責任者の役割です

官庁施設の保全 とは 官庁施設が完成してから解体されるまでの間 その性能を良好な状態に保つほか 社会 経済的に必要とされる性能水準を確保し 保持し続けるための取組です さまざまな保全の取組 運転 監視 警 備 清 掃 点 検 保 守 改 修 保全 は施設保全責任者の役割です 保全の不備は 例示のよう

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AM部会用資料(土木・建築構造物)

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3.記載事例・参考事例(6)(7)

資料1-2 「学校施設の長寿命化計画策定に係る手引」(案)」(事例・参考資料等)(4/5)

イ使用年数基準で更新する施設 ( ア ) 使用年数基準の設定使用年数基準で更新する施設については 将来の更新需要を把握するためにも 更新するまでの使用年数を定める必要がありますが 現時点では 施設の寿命に関する技術的な知見がないことから 独自に設定する必要があります このため あらかじめ施設を 耐久

( 第二面 ) 建築設備の状況等 1. 建築物の概要 イ. 階 数 地上 階 地下 階 ロ. 建築面積 m2 ハ. 延べ面積 m2 ニ. 検査対象建築設備 換気設備 排煙設備 非常用の照明装置 給水設備及び排水設備 2. 確認済証交付年月日等 イ. 確認済証交付年月日 昭和 平成 年 月 日 第 号

第1回まちづくり評価委員会 市民部会 開催記録概要



【別添1】保全管理台帳更新データ報告書【別紙】作成時の留意事項

青文字は、長谷川が修正したものです

各取組は PDCA サイクルを回し効果を評価し 目標が達成できない見通しとなったときは さらなる総量の縮減や取組 体制の強化等 基本方針等を見直します [ 図表 40] [ 図表 40:PDCA サイクル ] 計画修正 Action 計画修正 Action Plan Check 計画等修正 Acti

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第 1 公共施設の保全 1. 公共施設の現状と課題 1 2. 公共施設の実態把握 1 (1) 対象施設 (2) 調査項目 (3) 評価基準 (4) 施設調査カルテ 第 2 公共施設の長寿命化 3 1. 目標耐用年数の設定 3 (1) 更新時期 (2) 耐用年数 (3) 目標耐用年数 2. 維持管理

第 4 章公共施設の老朽化状況の把握 建築物の老朽化状況については 1 躯体の健全性把握調査と 2 躯体以外の劣化状況把握 調査の 2 つの調査を実施し 実態を把握の上 評価しました 1 公共施設の保有状況公共施設の保有状況 築年別用途別規模別築年別用途別規模別 躯体の健全性の把握 3

1. 実現を目指すサービスのイメージ 高齢者や障害者 ベビーカー利用者など 誰もがストレス無く自由に活動できるユニバーサル社会の構築のため あらゆる人々が自由にかつ自立的に移動できる環境の整備が必要 ICT を活用した歩行者移動支援サービスでは 個人の身体状況やニーズに応じて移動を支援する様々な情報

長期保全計画書

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資料 1 3 小規模附属物点検要領 ( 案 ) の制定について Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

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1. 財政目標の設定 国立市の過去 5 年間の普通建設事業費は 平均で 18.5 億円となっています そのうち公共施設分は 8.1 億円です 実効性の高い保全計画とするためには財政的な裏付けが欠かせません 各年度に実施する修繕 改修は予算編成の中で決定することとなりますが 保全計画における財政目標と

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プレゼンテーションタイトル

定量的な成果目標の設定が困難な場合 定量的な目標が設定できない理由及び定性的な成果目標 事業の妥当性を検証するための代替的な達成目標及び実績 活動指標及び活動実績 ( アウトプット ) 単位当たりコスト 代替目標 各国賓客の招待外交の表舞台に相応しい施設としての機能を維持するため また 安定して一般

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第3章 長寿命化改修と併せて検討したいこと

第 4 章保全に係る基準の設定 保全に係る基準の設定フロー 前章の老朽化状況の把握からの保全に係る基準の設定フローを以下に示します 老朽化状況の把握 1 躯体の健全性調査 2 躯体以外の劣化状況調査 残存耐用年数 躯体の健全性調査による残存耐用年数 構造別の目標耐用年数の設定 ( 長寿命化 ) 長寿

改訂履歴施行年月日 改訂理由 内容 平成 25 年 10 月 22 日 制定 平成 27 年 5 月 29 日 一部改正 第 1 項 2 項 3 項及び4 項に空調施設の整備に関 する内容を追加

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橋 梁 長 寿 命 化 修 繕 計 画

見直し後11 基準相当1.64GJ/ m2年hh11 基準相当見直しH11 基準と見直し後の省エネ基準の比較について 住宅 建築物判断基準小委員会及び省エネルギー判断基準等小委員会平成 24 年 8 月 31 日第 2 回合同会議資料 1-1 より抜粋 設備機器の性能向上により 15~25% 程度省

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記入上の注意 1 施設点検表 ( 統括表 ) 施設点検入力シート 写真帳 のシートの 黄色のセル のみ記入してください 2 施設点検表 ( 統括表 ) シートの主な不具合点には 特に無し や 無し 等の入力は行わないでください シート名の変更は行わないでください 非表示になっているシートがあります

定量的な成果目標の設定が困難な場合 定量的な目標が設定できない理由及び定性的な成果目標 事業の妥当性を検証するための代替的な達成目標及び実績 定量的な目標が設定できない理由 迎賓施設としての機能を維持するため また 安定して一般公開等を行うために必要となる経年劣化等の不具合による改修工事等であるため

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ESG 投資の普及促進に向けた認証制度のあり方について (1) 概要 働く人の健康性 快適性等に関するオフィスビルの認証制度 評価の対象 : オフィスビル ( 自社ビル 賃貸ビル )( 新築 既存 ) 申請者 : ビルオーナーによる申請を基本とする ( 区分所有者等又はビルオーナーとテナントの両者等

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鉄道建築ニュース用原稿 「シャッター」 070928   (社)日本シヤッター・ドア協会

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インフラ老朽化対策 10

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公共建築改善プロジェクト(仮)

スライド 1

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資料 5-1 防耐火に係る基準 資料の素案 第 1 章総則 ( 設計基準 ) 1.2 用語の定義 主要構造部 : 建築基準法第 2 条第 5 号による 耐火構造 : 建築基準法第 2 条第 7 号による 準耐火構造 : 建築基準法第 2 条第 7 の 2 号による 防火構造 不燃材料 : 建築基準法

住宅瑕疵担保履行制度のあり方に関する検討委員会報告書抜粋 1. 住宅紛争処理の仕組みと相談体制 今後の対応 前述のとおり 非評価 供託新築住宅 評価住宅でない既存住宅については 住まいるダイヤル ( 電話相談 ) は利用できるものの 専門家相談や住宅品質確保法 住宅瑕疵担保履行法に基づく住宅紛争処理

資料 1-6 認知症高齢者グループホーム等に係る消防法令等の概要 1 消防法令の概要 主な消防用設備等の設置基準消防用設備等の種別消火器屋内消火栓設備スプリンクラー設備自動火災報知設備消防機関へ通報する設備誘導灯 設置基準規模 構造にかかわらずすべて延べ面積 700 m2以上延べ面積 275 m2以


官庁施設の総合耐震 対津波計画基準 第 1 編総 則 第 1 章目的及び適用範囲 目的この基準は 国家機関の建築物及びその附帯施設の位置 規模及び構造に関する基準 ( 平成 6 年 12 月 15 日建設省告示第 2379 号 )( 以下 位置 規模 構造の基準 という ) 及び 国家機

松山市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例施行規則平成 26 年 10 月 27 日規則第 65 号 ( 趣旨 ) 第 1 条この規則は, 松山市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例 ( 平成 26 年条例第 52 号 以下 条例 という ) の施行に関し必要な事


高浜町 橋梁長寿命化修繕計画 ( 第 2 期 ) 高浜町建設整備課

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[ 図表 35: 見直しのイメージ ] 質の高い施設 安心安全で コストの最適化 施設を安心安全に利用するため 点検 診断を実施し その結果に基づき 必要な対策を適切な時期に着実かつ効率的 効果的に実施します また これらの取組を通じて得られた施設の状態や対策履歴等の情報を記録し 次の点検 診断等に

第 7 章鹿児島県と連携した耐震改修促進法による指導及び助言等 国の基本方針では 所管行政庁はすべての特定建築物の所有者に対して法に基づく指導 助言を実施するよう努めるとともに 指導に従わない者に対しては必要な指示を行い その指示に従わなかったときは 公表すべきであるとしている なお 指示 公表や建

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保全インフォメーションきんき134号

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病院等における耐震診断 耐震整備の補助事業 (1) 医療施設運営費等 ( 医療施設耐震化促進事業平成 30 年度予算 13,067 千円 ) 医療施設耐震化促進事業 ( 平成 18 年度 ~) 医療施設の耐震化を促進するため 救命救急センター 病院群輪番制病院 小児救急医療拠点病院等の救急医療等を担

保育所の設備及び運営に関する基準 保育室等 屋外 遊戯場 設備 ( 必置 ) 面積設備 ( 必置 ) 面積 調理室 便所 0 1 歳児 乳児室及びほふく室 医務室 2 歳以上児 保育室又は遊戯室 乳児室 ほふく室 3.3m2 / 人 保育室 遊戯室 1.98m2 / 人屋外遊戯場 近隣の都市公園を代

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公共建築工事積算に資する調査・検討(08)業務


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建築コスト研究 第13号 平成26年度

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H28秋_24地方税財源

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また 建築工事市場単価フォローアップ要領 の3. 検討のための要件及び対応の内 3-4 本施行されている工種の急激な価格変動が認められた場合 の調査方法について フォローアップにおける定点調査の所要な変更を行った 内容は次回の定点調査は代表細目から全細目に変更することし 解りやすい表現とした 3.2

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Transcription:

資料 1 中長期保全計画策定の考え方 ( 案 ) Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

第 3 回検討会でご意見を頂いた内容に対する対応方針 ( 案 ) 中長期保全計画の策定において 更新 修繕 といった言葉の使い分けは明確にすべき その際 部位による使い分けや ライフサイクルコストの視点を踏まえた 更新 修繕 のレベル設定にも留意すること 建物を 使える 状態に維持するという観点からすると 躯体等の建築関連部位よりも 設備機器の重要度が高いように思われる システムの入力者 ( 施設管理者 ) には極力判断を求めず 事実関係だけを入力すれば結果が出るようにすべき 中長期保全計画に組み入れる部位 機器の選定方法について整理した 中長期保全計画についても まずは標準的なモデルをつくり その施設にない機能を外せば自動的に修繕計画と費用が出てくる仕組みがあると良い 建物の特性を入力し 部位を抽出するシステムを構築するにあたっては 将来掛かる費用がストレートに表示される仕組みの方が 施設管理者 ( 入力者 ) にとってわかりやすいのではないか システムを構築していくにあたっては はじめから完璧なものを組むのではなく ある程度運用しながら改善していきやすいものとしておくことが大切 部位 機器の選定に基づき 参考として中長期保全計画表 ( イメージ ) を作成した 2

長寿命化のための中長期保全計画の策定の考え方 ( 案 ) 長寿命化のための中長期保全計画策定の手順 ( 案 ) 1 事務庁舎の標準的な部位 機器の中から 建物にある部位 機器を抽出する 2 抽出した部位 機器について 施設特性や経済性を踏まえて設定された保全方法を確認する 3 予算等の実情を勘案し 中長期保全計画に組み入れる部位 機器を選択する 4 選択した部位 機器とその保全方法を反映した中長期保全計画が作成される 5 点検結果や修繕 更新履歴等を踏まえ 中長期保全計画を更新する 管理対象施設における部位 機器の把握 施設特性や経済性を踏まえた保全方法の確認 p.4 部位 機器の抽出の流れ 中長期保全計画に組み入れる部位 機器の選択 中長期保全計画の作成 p.8 ( 参考 ) 中長期保全計画表 ( イメージ ) 点検の実施 修繕 更新の実施 中長期保全計画の更新 3

中長期保全計画に組み入れる部位 機器の抽出の流れ 施設管理者選択自動出力施設管理者選択自動出力施設管理者選択自動出力 1 部位 機器の抽出 2 保全方法の設定 3 施設特性の反映 4 損害等の考慮 5 計画に組み入れる部位 機器の選択 ( 参考 ) 更新時期延伸効果の考慮 一般庁舎の場合 施設特性 ( 用途 )( 特殊 ) 地域特性 経済性 例 1 防災拠点 例 2 不特定多数利用 経済性 修繕 更新周期 部位 仕様 更新 修繕 防災拠点危険物不特定多数火災発生周囲への影響密集地 海岸 損害等リスク 更新 修繕 更新 修繕 更新延期効果 更新 修繕 敷地 地盤 舗装 30 10 擁壁 塀 * 躯体 2~4 までの結果の重ね合わせ * 屋上 屋根押えコン 30 40 10 露出 が自動で出力される 20 30 5 外壁タイル 40 80 10 仕上塗材 3-1 該当する施設特性を選択する 20 10 シーリング - - - 15 手すり鋼製亜鉛メッキ 30 40 5 外部建具 2 予め設定された保全方法がアルミ建具 40 60 5 鋼製建具 30 40 5 屋外緊結物自動で出力される * 屋外階段 * 内部天井 : 時間計画保全 30 10 内部壁 30 10 内部床 : 状態監視保全 30 10 内部建具 30 5 内部懸垂物空欄 : 事後保全 5 出力されたものから 予算等の実情 * 家具等 ( 防災 ) * 防火区画 を勘案し 計画に組み入れる部位 機器 * 機器 *: 適宜対応受変電屋内受電 30 15 その他 3-2 選択した施設特性に応じてを選択する ( や 黄色塗りつぶし は 25 10(15) 電源自家発電 30 8 直流電源 追加する保全方法が自動で特に優先すべきもの ) 20 25 8(13) 盤類制御盤 25 30 5,12 分電盤 出力される 25 15 照明 20 10 非常照明 20 10 電話交換 20 25 5 拡声設備 非常放送 20 25 5 TV 共同受信 - - 20 弱電その他 時計 表示 20 5 中央監視 15 20 5 防犯 - - 火災報知 20 25 5 冷温水機 20 25 4,5,8 冷却塔 FRP 15 20 4,5,8 空調機 ユニット 20 2,4,7 ハ ッケーシ 15 3,5,7 空気清浄機 4 損害額が大きい部位 機器が 20 2,3,5,6 全熱交換器静止型 20 3,5 自動制御 自動で表示される ( 黄色部分 ) 15 20 8 空調ポンプ 20 4,7 空調配管 - - - 30 ( 参考 ) 更新時期延伸効果がある排煙設備排煙機 - - - 25 換気設備軸流送風機 部位 機器 ( ) とその期間が自動で 20 4 給水設備ポンプ 20 4,7 配管 - - 出力される ( 標準は 建築物のライフ 30 受水槽 FRPタンク 30 10 排水設備ポンプ 15 4,7 1 各部位 機器の有無を確認し サイクルコスト を参照 ) 配管 - - 30 衛生器具建物に無いものは削除する 30 5,10 消火設備屋内消火栓 - - - 30 35 ポンプ 20 25 6 搬送機 30 35 3,10,15 4

中長期保全計画に組み入れる部位 機器の抽出方法 (1) 各項目の詳細 1 部位 機器の抽出 施設管理者選択 施設管理者は 各部位 機器の有無を確認し 建物に無い部位 機器は削除する 部位 機器のレベルは国における予算要求単位とし 以下の文献調査を参考に標準的な部位 機器を設定している 建築物のライフサイクルコスト ( 建築保全センター ) のモデル庁舎 (3,000 m2 ) において コスト構成比率が全体割合の 1.0% 以上を占めるもの 地方公共団体や民間における中長期修繕計画に盛り込まれている部位 機器 2 保全方法の設定 自動出力 事後保全 ( 故障 機能停止後に修繕 更新を行う ) でよいものは空欄としている 例えば受変電設備 自家発電設備など 劣化兆候の判断が困難であり 機能停止までの時間が想定できないものは時間計画保全としている ( 図中 ) 上記以外の部位 機器は 以下を参考に状態監視保全としている ( 図中 ) 公共建築の部位 設備の特性等を踏まえた中長期修繕計画策定及び運用のためのマニュアル (H17.6 国土技術政策総合研究所 ) ( 定義 ) 時間計画保全 : 耐用年数を考慮して 機能停止に至る前に計画的に修繕 更新を行う 状態監視保全 : 劣化や不具合の兆候に応じて 機能停止に至る前に修繕 更新を行う 5

中長期保全計画に組み入れる部位 機器の抽出方法 (2) 3 施設特性の反映 施設管理者選択 施設管理者は 災害時における施設の役割や 立地条件などの施設特性を選択する 選択した施設特性に応じて 状態監視保全とすべき部位 機器を追加する ( 図中 ) ( 例 ) 不特定多数の来庁者が来る施設や密集地に位置している施設における外周部など 劣化により人命に影響を及ぼす可能性が高い部位 機器については 中長期保全計画に組み入れるべき部位としている 海岸地域に立地する施設における機器など特に劣化しやすい部位 機器については 長寿命化の観点から長期保全計画に組み入れるべき部位としている 施設特性により追加する状態監視保全とする部位 機器は 以下の文献調査を参考に設定している 業務継続のための官庁施設の機能確保に関する指針 (H22 国土交通省 ) 建築基準法第 12 条第 1 項に基づく特殊建築物等の定期調査報告 ( 東京都 ) 4 損害等の考慮 自動出力 故障による損害額が大きいと思われる部位 機器については 中長期保全計画に組み入れるべき部位としている ( 図中 黄色塗りつぶし ) 損害額等のシミュレーションは 建築物のライフサイクルコスト の精算用データベースを用いて行っている 6

中長期保全計画に組み入れる部位 機器の抽出方法 (3) 5 計画に組み入れる部位 機器の選択 施設管理者選択 施設管理者は 出力結果から 中長期保全計画に組み入れる部位 機器を選択する 出力結果は 施設特性や経済性の観点から重要な部位 機器の選択が容易なものとしている ( 図中 や 黄色塗りつぶし が優先度の高いもの ) ( 参考 ) 更新時期延伸効果の考慮 自動出力 建築物のライフサイクルコスト の精算用データベースを用いたシミュレーションにより 更新時期延伸効果があるものについては 標準の更新周期を延伸可能としている 延伸する更新周期は 以下の文献調査を参考に設定している 合同庁舎における劣化状況調査結果 過年度の調査報告書 官庁施設の予防保全のための基礎調査 (H22 国土交通省 ) 官庁施設の予防保全のための調査 (H23 国土交通省 ) 7

( 参考 ) 中長期保全計画表のイメージ ( 案 ) 保全周期 費用 [ 百万円 ] 経年 部位 仕様 方法修繕更新修繕 更新 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 敷地 地盤 舗装 10 30 擁壁 塀 80 躯体 2 80 屋上 屋根押えコン 2 10 40 0.5 10 4 修繕 更新にかかる費用を表示 露出 5 30 外壁タイル 2 10 80 0.5 16 施設管理者で変更も可能 仕上塗材 10 20 標準は 建築物のライフサイクルコスト 5 各年度の実施内容を表示 シーリング 2 15 0 11 手すりアルミ 40 を参照 : 修繕 ( 時間計画保全 ) 外部建具アルミ建具 2 5 60 0.2 7 鋼製建具 2 5 40 0.1 3 : 更新 ( 時間計画保全 ) 屋外緊結物 80 : 修繕 ( 状態監視保全 ) 屋外階段 80 内部天井 2 10 30 1 7 : 更新 ( 状態監視保全 ) 内部壁 10 30 内部床 1 部位 機器の抽出の流れ の 2 10 30 0.3 6 5で選択した 内部建具 5 30 内部懸垂物部位 機器は白色 その他は網掛けで表示 80 家具等 ( 防災 ) 2 20 防火区画 鋼製建具 2 5 30 機器 仕様 1 5 10 15 20 25 受変電 屋内受電 1 15 30 0.4 6 その他 1 15 25 0.4 6 電源 自家発電 1 8 30 1 10 直流電源 2 8 25 3 4 盤類 制御盤 2 5 25 0.1 2 分電盤 2 15 30 0.1 0.8 照明 10 20 2 部位 機器の抽出の流れ で設定された非常照明 10 20 電話交換 2保全方法を表示 施設管理者で変更も可能 5 25 0.1 0.5 拡声設備 2 5 25 0.1 1 TV 共同受信 21: 時間計画保全 20 弱電その他時計 表示 5 20 中央監視 22: 状態監視保全 5 20 0.1 2 防犯 入退室管理 2 5 20 火災報知 2 5 25 0.3 2 機器 仕様 1 5 10 15 20 25 冷凍機 2 8 25 1 8 冷却塔 FRP 2 8 20 2 5 空調機 ユニット 2 4 20 3 40 ハ ッケーシ 2 7 15 0.4 6 空気清浄機 3 20 全熱交換器 静止型 5 20 自動制御 2 8 20 1.5 10 空調ポンプ 2 4 20 3 部位 機器の抽出の流れ で設定された 5 10 空調配管 2 30 0 20 排煙設備排煙機 2 25 修繕 更新周期を表示 施設管理者で変更 換気設備軸流送風機 2 4 20 2 6 も可能 給水設備ポンプ 2 4 20 1 3 配管 2 30 受水槽 2 10 30 0.5 4 排水設備ポンプ 2 4 15 0.2 3 6 各年度の必要額とこれまでの 配管 2 30 衛生器具 5 30 累計額を表示 消火設備 屋内消火栓 2 35 0 2 ポンプ 2 6 25 0.1 1 搬送機 2 10 35 0.5 16 年合計 ( 更新 + 修繕 ) [ 百万円 ] 0 0 0 11 1 0 0 20 0 3 0 11 0 0 22 20 0 0 0 79 0 0 0 12 21 0 0 累計 [ 百万円 ] 0 0 0 11 12 12 12 32 32 35 35 46 46 46 68 87 87 87 87 166 166 166 167 179 200 200 200 8

本検討会の成果の活用について 中長期保全計画策定マニュアル ( 現状 ) 平成 27 年 10 月に 官庁施設情報管理システム (BIMMS-N) を活用した個別施設計画策定 運用マニュアル を作成した マニュアルの構成は 2 部構成とし 第 1 部は個別施設計画の概論 第 2 部は個別施設計画を構成する保全台帳 中長期保全計画を BIMMS-N を活用して作成する手順を掲載 マニュアルの構成 第 1 目的及び個別施設計画の構成 1.1 背景及び目的 1.2 施設管理者の取組 1.3 個別施設計画の構成 1 保全台帳 2 中長期保全計画 1.4 官庁施設情報管理システム (BIMMS-N) の概要 第 2 保全台帳の作成 2.1 点検記録情報の管理 2.2 修繕履歴情報の管理 第 3 中長期保全計画の作成 3.1 中長期保全計画の作成 3.2 中長期保全計画の見直し 3.3 中長期保全計画の集計 課題 中長期保全計画は 予防保全計画の実施に利用することを目的の一つとしているが どの部位が予防保全とすべきかなど具体的な考え方が整理されていない このため 中長期保全計画策定マニュアルにおいても 予防保全計画の実施の観点を踏まえたものとなっていない 本検討会の成果の活用 国家機関の建築物等における保全計画作成の手引き を改定 施設特性や経済性を踏まえた中長期保全計画策定の考え方を記載する 中長期保全計画策定マニュアル の改訂 3.2 中長期保全計画の見直し において 施設特性や経済性を踏まえ 標準的な仕様に基づく計画から優先して見直す際の手順を追加する 国家機関の建築物等における保全計画作成の手引き ( 平成 22 年 3 月 31 日 ) 抜粋 第 1 目的及び保全計画の種類 (1.1 目的 1.2 保全計画の種類 ) 第 2 保全計画の作成 2.1 中長期保全計画の作成 1 中長期保全計画の内容 中長期保全計画は 中長期的視野に立った予防保全計画の実施 建築物等の 長寿命化の促進及び効率的な予算執行と中長期的保全予算の推計に利用する ため 建築物等の状況に応じ 中長期的に保全の実施内容 予定年度 概算額 を 部分毎に設定し 全体を作成する 9