H29 年度省エネ法にかかる定期報告書等の書き方説明会 原単位の管理方法 ( 換算生産量について ) 2017 年 5 月
1-1. 原単位管理の考え方 省エネを進めているのに原単位が良くならない!! 近畿経済産業局 HP URL http://www.kansai.meti.go.jp/3-9enetai/energypolicy/details/save_ene/28fyshoene_symposium.html 原単位管理の考え方 原単位管理方法 ( 換算生産量について ) 1
1-2. 原単位管理の考え方 原単位が良くならない一番多い原因は? 分母 の選定 ( 特性 ) 不良 エクセルで生産量とエネルギー使用量の関係を散布図で表すと 理想的な関係 決定係数 0.7 以上あれば回帰式がよく当てはまっている 現実的な関係 1 データのバラツキが多い 2 決定係数 R 2 の値が低い 3 回帰直線 y=ax+b * 固定使用エネルギーがある * 原点 (0,0) を通るときは y=ax 原単位管理方法 ( 換算生産量について ) 2
1-3. 原単位管理の考え方 最適分母の選定方法 原単位管理方法 ( 換算生産量について ) 3
1-4. 原単位管理の考え方 固定分が大きいとき 原単位管理方法 ( 換算生産量について ) 4
1-5. 原単位管理の考え方 固定使用エネルギーを補正生産量に変えると一次関数は原点を通る 固定使用 < 例 > 製造工場商品製造 1,000t/ 年原油使用量 1,282kL/ 年固定使用原油使用量 100kL/ 年 ( 上記内数 ) 生産量を補正してエネルギー特性に合わせると原点を通る 原単位管理方法 ( 換算生産量について ) 5
1-6. 原単位管理の考え方 研究開発の影響が大きいとき 生産を伴わない研究開発 試作品のエネルギーが年々増加してきたが 競争力を高めるためにはやむを得ない 研究開発部門等への消費エネルギーを 製造原単位 で生産量に換算すれば影響を避けられます 原単位管理方法 ( 換算生産量について ) 6
1-7. 原単位管理の考え方 多品種生産事業者の場合 例えそれぞれの単位が違っても単位を統一出来ます 原単位管理方法 ( 換算生産量について ) 7
変動分エネルギー0 定分1-8. 原単位管理の考え方 生産量が多いと原単位が良くなるのは 生産量とエネルギー使用の関係 量固生産量 省エネは 変動部分 と 固定部分 の両方を進める必要がある 生産量が少ないエネルギー使用に占める固定分の比率が大きい 原単位が悪くなる 生産量が多いエネルギー使用に占める固定分の比率が小さい 原単位が良くなる 原単位管理方法 ( 換算生産量について ) 8
2-1. 換算生産量の求め方 事例会社内容 高付加価値 近畿経済産業株式会社 大阪本社工場 研究開発部門品質試験部門事務所部門 京都工場 品質試験部門事務所部門 姫路工場 品質試験部門事務所部門 A 商品 高付加価値 A 商品 B 商品 高付加価値 B 商品 C 商品 C 商品 D 商品 m 2 / 年枚 / 年 m 3 / 年 t/ 年 m 2 / 年 枚 / 年 m 3 / 年 E 商品 個 / 年 E 商品 個 / 年 営業所 原単位管理方法 ( 換算生産量について ) 9
2-2. 換算生産量の求め方 事例生産概要 大阪 A 商品原単位 0.1795kl/m 2 京都 A 商品原単位 0.3235kl/m 2 京都の方が原単位で約 1.8 倍エネルギー使用している 大阪 B 商品原単位 0.2127kl/ 枚京都 B 商品原単位 0.6256kl/ 枚 大阪の方が原単位で約 2.9 倍エネルギー使用している 大阪 C 商品原単位 0.1237kl/m 3 姫路 C 商品原単位 0.0350kl/m 3 大阪の方が原単位で約 3.5 倍エネルギー使用している 1. 会社全体の原単位はそれぞれの商品の原単位の単位が違うため売上高で算出 2. 問題点エネルギーを多く使用する商品の単価が高いとは言えない 原単位管理方法 ( 換算生産量について ) 10
2-3. 換算生産量の求め方 多品種を生産しており原単位の分母の単位が違う場合に換算する方法 step-1 基準とする年度を決める ( どの年度を基準にしても良い ) 事例では2011 年を基準にする step-2 換算時のベース商品を決める ( どの商品をベースにしても良い ) 事例では生産量とエネルギー使用量の相関係数の高い商品を選択 D 商品をベースにする 相関係数を調査するにはエクセルの散布図を使用して求める x 軸にしたいデータを最初に昇順にソートする 原単位管理方法 ( 換算生産量について ) 11
ベース商品とする原単位管理方法 ( 換算生産量について ) 12 2-4. 換算生産量の求め方 step-3 商品毎の生産量とエネルギー使用量の相関係数
2-5. 換算生産量の求め方 step-4 ベース商品の原単位を 1 としたときに各商品の原単位の比はいくらになるか計算 各年度の生産量に算出した原単位比を掛ければ D 商品と同じ生産量単位に変換出来る < 例 >A 商品 2011 年生産量 =3,339 m 2 / 年 0.1611 t/m 2 =538 t/ 年 原単位管理方法 ( 換算生産量について ) 13
2-6. 換算生産量の求め方 step-5 各年度の ( 生 ) 生産量に原単位比を掛け換算生産量を求める t/ 年 原単位管理方法 ( 換算生産量について ) 14
2-7. 換算生産量の求め方 step-6 固定使用分のみなし生産量を求める 1.2011 年製造使用エネルギー =4,196kL/ 年 2.2011 年製造用換算生産量 =5,239t/ 年 3.2011 年固定使用エネルギー =1,692kL/ 年 固定使用分をみなし生産量へ 2011 年 1,692kL/ 年 (5,239t/ 年 4,196kL/ 年 )=2,112t/ 年 2012 年 1,716kL/ 年 (5,239t/ 年 4,196kL/ 年 )=2,142t/ 年 2013 年 1,756kL/ 年 (5,239t/ 年 4,196kL/ 年 )=2,192t/ 年 2014 年 1,758kL/ 年 (5,239t/ 年 4,196kL/ 年 )=2,195t/ 年 2015 年 1,830kL/ 年 (5,239t/ 年 4,196kL/ 年 )=2,285t/ 年 2016 年 1,931kL/ 年 (5,239t/ 年 4,196kL/ 年 )=2,411t/ 年 原単位管理方法 ( 換算生産量について ) 15
2-8. 換算生産量による原単位算出 step-7 全社合計換算生産量を求める 原単位管理方法 ( 換算生産量について ) 16
2-9. 換算生産量による原単位算出 step-8 全社のエネルギー原単位を求める 原単位管理方法 ( 換算生産量について ) 17
2-10. 換算生産量のまとめ 1. 高付加価値品を製造した場合 1.( 生 ) の生産量で原単位を出すと高付加価値品の方が大きくなる 2. 換算生産量で原単位を出すと汎用品と同様の原単位となる 2. 多品種生産事業者 複数の原単位の分母も管理できる 原単位管理方法 ( 換算生産量について ) 18
3. 原単位の算出方法 原単位 = エネルギーの使用量 ( 原油換算 kl) 生産数量又は建物延床面積その他のエネルギー使用量と密接な関係をもつ値 変化率が % で小数点第一位まで把握するために必要な桁数 ( 有効数字 )4 桁の値 0ではない数字に挟まれた0は有効である 例 60.8 は有効数字 3 桁 3908 は有効数字 4 桁 0ではない数字より前に0がある場合 その0は有効ではない 例 0.09382 は有効数字 4 桁 0.0008 は有効数字 1 桁 0.012 は有効数字 2 桁 小数点より右にある0は有効である 例 35.00 は有効数字 4 桁 800.00 は有効数字 5 桁 生産数量等の記入単位について 省エネシステムでは下 4 桁までしか認識しないため このような場合は 1t 当たりではなく 1,000t 当たり等の工夫が必要です t m 2 kg kl 枚 m 3 両又は個 ( 鉄道車両製造業 ) kwh( 電気業 ) GJ( 熱供給業 ) 生産金額 原単位管理方法 ( 換算生産量について ) 19
4. 原単位計算変更時のお願い 1. 原単位計算の分母について エネルギー使用量との決定係数 R 2 は 0.7 以上 ( 回帰式がよく当ては まっている ) になるような分母としてください 2. 過去 5 年間の原単位を新しい原単位計算式で算出願います 算出できない場合は変更はできません 3. 決定係数算出に使用するデータはできる限り実測データを使用して ください 4. 変更時は事前に相談願います 原単位管理方法 ( 換算生産量について ) 20
5-1. 参考 -1 エクセル 2013 で散布図作成 1. 身長 体重のデータ範囲を選択 2. エクセルメニュー 挿入 グラフ すべてのグラフ 散布図 原単位管理方法 ( 換算生産量について ) 21
5-2. 参考 -2 散布図に近似曲線の追加 数式表示 R 2 乗値を表示する 散布図中のマーカー クリック マウス右クリック 近似曲線の追加 線形近似 数式表示 R2 乗値表示 原単位管理方法 ( 換算生産量について ) 22
経済産業省まで連絡願います 原単位管理方法 ( 換算生産量について ) 23