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相模原市住宅基本計画 概要版

(2) 金沢市の世帯数の動向 350, , ,000 ( 人 世帯 ) ( 人 / 世帯 ) 世帯数 世帯人員 , , , , ,1

一宮市住宅マスタープラン ~ 住み続けたいまち 住んでみたいまち 人々が生き生きと暮らせるまち ~ 概要版 平成 2 5 年 3 月 一宮市

四国中央市住宅マスタープラン 概要版 平成 30 年 3 月四国中央市 Since

定住意向で 今後も住み続けたい が過半数 ( 約 60%) を占めている 高齢者 障がい者対策で 身近なデイサービスの拡充 道路 公共施設のバリアフリー 相談窓口 等を求める意見が多い 子育て支援では 公園 保育所 児童館の整備 が多い 3) 周辺環境について より広い 地区単位の区分では以下のよう

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住まい まちづくりの基本目標と基本的施策の展開方向 1. 住まい まちづくりの理念と基本目標 だれもが安心して住み続けたいと感じる魅力ある とだ の住まい まちづくり を政策の基本理念とし これを実現するために次の 3 つを基本目標として総合的な施策を図るものとします 基本目標 -Ⅰ 多様なニーズに

地域住宅計画 計画の名称高岡地域 (H27-31) 都道府県名富山県作成主体名高岡市 計画期間 1. 地域の住宅政策の経緯及び現況 平成 27 年度 ~ 31 年度 高岡地域は富山県の西部に位置し 人口約 17 万 6 千人 世帯数約 6 万 6 千世帯 (H26.12 月住民基本台帳 ) の地域で

マンション棟数密度 ( 東京 23 区比較 ) 千代田区中央区港区新宿区文京区台東区墨田区江東区品川区目黒区大田区世田谷区渋谷区中野区杉並区豊島区北区荒川区板橋区練馬区足立区葛飾区江戸川区

高齢者住宅施策の現状と今後の方向性

1 防災機能 東海地震防災対策強化地域 東南海 南海地震防災対策推進地域に指定され 大規模地震の危険性の高い地域となっています 平成 19 年度の住宅の耐震化率は 77% です 4m 未満の狭あい道路に接する住宅は 概ね 40% 前後で推移しています 近隣市と比較すると西尾市に次いで高く 2m 未満

大規模住宅団地の現状と活性化・再生の進め方

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PowerPoint プレゼンテーション

イメージ図 ( 医療施設の場合 ) イメージ図 ( 誘導施設 : 地域医療支援病院の場合 ) 5 届出を要しない軽易な行為などについて都市再生特別措置法第 108 条並びに都市再生特別措置法施行令第 35 条 第 36 条の規定により 以下の行為は届出の対象となりません 軽易な行為その他の行為で政令

平成20年 住宅・土地統計調査から見た       美濃加茂

Microsoft Word - 沖縄県住生活基本計画(概要版)1101

表紙

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Microsoft Word - 3

Microsoft Word - ◆概要版.doc

スライド 1

地域住宅計画 計画の名称千葉市地域 (3 期 ) 都道府県名千葉県作成主体名計画期間平成 27 年度 ~ 31 年度 千葉市 1. 地域の住宅政策の経緯及び現況 千葉市は千葉県のほぼ中央部に位置し 人口は約 96 万人 世帯数は約 42 万世帯の地域で地域面積は k m2である 本市では

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Microsoft Word - 【資料3】表紙

第 2 章高齢者を取り巻く現状 1 人口の推移 ( 文章は更新予定 ) 本市の総人口は 今後 ほぼ横ばいで推移する見込みです 高齢者数は 増加基調で推移し 2025 年には 41,621 人 高齢化率は 22.0% となる見込みです 特に 平成 27 年以降は 後期高齢者数が大幅に増加する見通しです

( 資料 3) 比較検討した住宅 (%) 注文住宅取得世帯分譲戸建住宅取得世帯分譲マンション取得世帯 中古戸建住宅取得世帯 中古マンション取得世帯 ( 資料 4) 住宅の選択理由 (%) 注文住宅取得世帯分譲戸建住宅取得世帯分譲マンション取得世帯 中古戸建住宅取得世帯 中古マンション取得世帯 ( 資

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栃木県高齢者居住安定確保計画 ( 二期計画 ) 概要版 1 計画の目的と背景 高齢化が急速に進行する中 平成 24 年 3 月に県土整備部と保健福祉部が連携のもと高齢者の居住の安定確保に関する法律に基づく 栃木県高齢者居住安定確保計画 ( 以下 現計画 という ) を策定し 高齢者が安心して快適に暮

平成25年住宅・土地統計調査 集計項目別統計表一覧

計画的な再開発が必要な市街地 特に一体的かつ総合的に再開発を促進すべき地区 市町名 名称 再開発の目標 土地の合理的かつ健全な高度利用及び都市機能の更新に関する方針 特に整備課題の集中がみられる地域 ( 課題地域 ) 地区名 西宮市 C-4 浜脇 ( 約 175ha) 居住環境の向上 良好な都市景観

大阪府営門真住宅まちづくり基本構想 平成 25 年 6 月 大阪府 門真市


部門別方針 / 住宅 住環境整備の方針 Ⅲ-6 3) 住環境の状況全市の土地利用に占める住宅系土地利用の割合は 約 32% となっています ( 平成 22 年度都市計画基礎調査 ) 本市の住宅地は 地形や市街化の経緯 土地利用状況等により 鎌倉地域の戸建住宅地 大船 深沢 腰越の既成市街地の住宅地

( 新 ) 藤沢都市計画住宅市街地の開発整備の方針 平成年月 神奈川県 藤沢 住宅 -1

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地域住宅計画 計画の名称境港市地域都道府県名鳥取県作成主体名計画期間平成 29 年度 ~ 33 年度 境港市 1. 地域の住宅政策の経緯及び現況 1 境港市の概要境港市は鳥取県の北西部 弓浜半島の北端に位置し 東は美保湾に西は中海に 北は境水道をへだてて島根県松江市美保関町に相対し 南は米子市と接し

78 成蹊大学経済学部論集第 44 巻第 1 号 (2013 年 7 月 ) % % 40%

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スライド 1

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人口 世帯に関する項目 (1) 人口増加率 0.07% 指標の説明 人口増加率 とは ある期間の始めの時点の人口総数に対する 期間中の人口増加数 ( 自然増減 + 社会増減 ) の割合で 人口の変化量を総合的に表す指標として用いられる 指標の算出根拠 基礎データの資料 人口増加率 = 期間中の人口増

居住面積水準 住生活基本計画 (H28.3 閣議決定 ) において 最低居住面積水準及び誘導居住面積水準を定めている 最低居住面積水準は 健康で文化的な住生活を営む基礎として必要不可欠な住宅の面積の基準である 誘導居住面積水準は 豊かな住生活の実現の前提として多様なライフスタイルに対応するために必要

地域住宅計画の名称 大崎地域住宅計画第 Ⅲ 期 ( 第 2 回変更 ) 作成主体 大崎市 計画期間 平成 28 年度 ~ 平成 32 年度 1. 地域の住宅施策の経緯及び現況 大崎市は, 市西部の奥羽山脈を源とする鳴瀬川, 江合川が東流する肥沃な耕土として形成された大崎平野に位置し, 田園と水資源豊

市街化調整区域の土地利用方針の施策体系 神奈川県 平塚市 神奈川県総合計画 神奈川県国土利用計画 平塚市総合計画 かながわ都市マスタープラン 同地域別計画 平塚市都市マスタープラン ( 都市計画に関する基本方針 ) 平塚都市計画都市計画区域の 整備 開発及び保全の方針 神奈川県土地利用方針 神奈川県

新設 拡充又は延長を必要とする理由(1) 政策目的 消費者のニーズに応じた住宅を選択できる環境を整備する観点や低炭素化 循環型の持続可能な社会の実現の観点から 中古住宅取得や増改築等工事の適用要件の合理化や増改築等工事の対象を拡充することにより 中古住宅の流通促進 住宅ストックの循環利用に資する (

Microsoft Word - 01概要版.docx

地域住宅計画 計画の名称鳥取市地域都道府県名鳥取県作成主体名計画期間平成 22 年度 ~ 26 年度 鳥取市 1. 地域の住宅政策の経緯及び現況 1 鳥取市の概要鳥取市は鳥取県東部に位置する県庁所在地で 平成 16 年 11 月 1 日に国府町 福部村 河原町 用瀬町 佐治村 気高町 鹿野町 青谷町

. 調査概要 清里町住生活基本計画の策定にあたり 清里町民の住宅に関する意識や意向などを把握する ため 住宅アンケート調査を実施しました 調査の目的 対象 方法等は以下の通りです () 調査の目的 住宅アンケート調査は 清里町住生活基本計画策定のための基礎調査として 町民の居住意識や意向などの把握を

2-1 沖縄県の住宅事情 (1) 人口 世帯数及び住宅ストックの状況 1 平成 22 年 ~42 年に人口 2.7% 増 ( 全国 :8.9% 減 ) 世帯数 13.0% 増 ( 全国 :5.9% 減 ) 推計によると 本県は人口 世帯数ともに平成 37 年まで増加する ( 全国では人口 H22 世

⑴ 政策目的 市街地再開発事業の推進により 土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るとともに コンパクトシティの推進及び密集市街地の解消を図る 新設 拡充又は延長を必要とする理由 ⑵ 施策の必要性 以下の施策の推進のため 本措置の延長により 民間事業者による早期かつ着実な保留床の取得を促

第 2 章市の住宅 住環境をとりまく現状 人口増減 (H17 H22) 千里ニュータウンの建替団地のある町丁目で顕著に人口増加 ( 新千里西町 2 丁目 新千里東町 2 丁目等 ) 新規住宅地開発 ( 建替含む ) が行われた町丁目で 顕著に人口増加 ~-30% 減少 -30%~-5% 減少 -5%


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平成 29 年度税制改正 ( 租税特別措置 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 ) 制度名既存住宅のリフォームに係る特例措置の拡充 税目所得税 ( 国土交通省 ) 既存住宅流通 リフォーム市場の活性化に向けて 耐震性 省エネ性 耐久性に優れた良質な住宅ストックの形成を促進するため 既存住宅の耐震 省


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<第1回> 帯広市都市計画審議会 第二次 都市計画マスタープラン検討                   専門部会

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第3章 住宅政策上の課題(基本的課題)

1 章計画の目的と方法 計画の目的 小樽市住宅マスタープラン( 住生活基本計画 ) は 安全で快適に暮らせる住環境づくりを推進するために 官民含めた住宅施策の方針を示すものであり 本市の住宅施策は 第 6 次小樽市総合計画及び本プランに基づき展開していきます 平成 16 年度に現行プランを策定後 第

[ 概要版 ] 倉吉都市計画 マスタープラン素案 鳥取県倉吉市


Microsoft PowerPoint - 資料2 国交省提出資料

共同住宅の空き家について分析-平成25年住宅・土地統計調査(速報集計結果)からの推計-

35

地域住宅計画 計画の名称地域住宅計画都道府県名三重県作成主体名計画期間平成 17 年度 ~ 22 年度 1. 地域の住宅政策の経緯及び現況 当該地域は 三重県の南部に位置し 人口約 25,000 人 世帯数約 8,400 世帯の地域である は伊勢志摩国立公園の玄関口として 観光及び水産業を中心に発展


(3) 住宅ストック の概況 1 住宅総数と空家率住宅総数は一貫して増加傾向にあり 昭和 63 年の 38,100 戸から平成 20 年の 58,570 戸へと 20 年間で 20,470 戸増加しています 空家数は昭和 63 年の 3,500 戸 ( 空家率 9.2%) から バブル後の平成 5

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平成19年就業構造基本調査結果概要

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北部大阪都市計画彩都地区計画 ( 案 ) 北部大阪都市計画彩都地区計画を 次のとおり変更する 1. 地区計画の方針 名称彩都地区計画 位 置 茨木市大字粟生岩阪 大字宿久庄 大字清水 大字佐保 大字泉原 大字千提寺 大字大岩 大字福井 大字大門寺 大字生保 大字安威 山手台一丁目 山手台三丁目 山手

第 2 章近江八幡市を取り巻く状況と今後の課題 1 データからみえる地域福祉の状況 1 人口の状況近江八幡市は 平成 22 年 3 月に旧近江八幡市と旧安土町が合併し 人口 8 万人を超える市となりました 旧市町の人口を合計した数値を見ると 平成 12 年から平成 22 年は横ばいで推移していますが

目次 I. 転入者 転出者転出者アンケート実施概要 調査の目的 調査の内容 調査の方法等... 3 II. 調査の結果 回収の状況 転入者調査... 4 (1) 回答者の属性について... 4 (2) 転入前 転入後のお

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②鳥取県地域住宅計画3期(当初)

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

計画の今後の方向性

第 7 回大阪市人口移動要因調査報告書 平成 27 年 3 月 大阪市都市計画局

設 拡充又は延長を必要とする理由 関係条文 租税特別措置法第 70 条の 2 第 70 条の 3 同法施行令第 40 条の 4 の 2 第 40 条の 5 同法施行規則第 23 条の 5 の 2 第 23 条の 6 平年度の減収見込額 百万円 ( 制度自体の減収額 ) ( - 百万円 ) 東日本大震

用への助成を除くと 住宅に関する融資や助成制度等の情報提供の充実 との回答割合が高い( 子育て住み替え意識調査 ) 以上のことから 住宅が手狭であることを理由に市外へ転出する若い世代が相当数存在し また その傾向が強まっていることがうかがえる また 住み替え後は4LDKの間取りを中心とした持ち家 (

高齢者の住まいに係る社会背景 高齢化が急速に進む中で 高齢者の単身者や夫婦のみの世帯が急増しており 介護 医療と連携して 高齢者を支援するサービスを提供する住宅を確保することが重要である 一方 高齢者住宅の供給は 欧米各国に比べて立ち後れている状況である 国土交通省 厚生労働省共管の制度として 高齢


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公的な住宅改修制度について

資料 4 明石市の人口動向のポイント 平成 27 年中の人口の動きと近年の推移 参考資料 1: 人口の動き ( 平成 27 年中の人口動態 ) 参照 ⑴ 総人口 ( 参考資料 1:P.1 P.12~13) 明石市の総人口は平成 27 年 10 月 1 日現在で 293,509 人 POINT 総人口

計画書

計画策定の背景と目的 本市では 平成 11 年 3 月に 大東市住宅マスタープラン を策定し 施策 事業を推進してきましたが 計画策定から15 年余りが過ぎ この間に本格的な人口減少 少子高齢化社会の到来や 環境問題をはじめ社会情勢は大きく変化してきました これらの変化 課題を踏まえ 住生活の安定の

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(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

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大谷周辺地区 及び 役場周辺地区 地区計画について 木原市街地 国道 125 号バイパス 役場周辺地区 (43.7ha) 美駒市街地 大谷周辺地区 (11.8ha) 地区計画の概要 地区計画とは住民の身近な生活空間である地区や街区を対象とする都市計画で, 道路や公園などの公共施設の配置や, 建築物の

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第 2 章住まい まちづくりの課題 1. 住まい まちづくりに関する問題点 課題 第 1 章の結果を踏まえ 大館市の住まい まちづくりに関する問題点 課題を整理します 1-1 大館市の住まい まちづくりの現状 ( 第 1 章のまとめ ) 地域特性 秋田県の内陸北部に位置し 北東北 3 県の交通の要衝に立地しています 市域の 8 割が森林で 宅地利用は 2.3% そのうち約 7 割が大館地域に集中しています 日本海沿岸東北自動車道の一区間である大館西道路の開通や国道 103 号のバイパス化により環状道路網が形成されています その一方で 都市計画道路の整備率は 55.7% と比較的低い水準に留まっています 近隣市町との人口流動は 通勤 通学とも流出者数より流入者数が上回っており 特に北秋田市や鹿角市との流動が多くなっています 地価の推移は 平成 15 年からの 10 年間は 全体的に下落傾向にあり 特に中心市街地で大幅に下落しています 人口 世帯状況 大館市の平成 22 年人口は 78,946 人で 昭和 60 年の 94,526 人と比べて約 15,000 人減少しています 大館地域では 比内 田代地域と比較すると減少率が小さくなっています 総世帯数は 28,565 世帯で年々増加の傾向にあり 1 世帯当たりの世帯人員は 2.76 人 / 世帯で 年々減少の傾向にあります このことから 核家族化が進行していると考えられます 高齢化率は年々高くなっており 全市で 31.7% 大館地域よりも比内 田代地域が高くなっています 15 歳未満の年少人口は 平成 22 年では昭和 60 年の半数近くにまで減少し 65 歳以上の高齢者人口が 2 倍以上に増加しており 少子高齢化の傾向が著しくなってきています 平成 22 年では年少人口 11.4% 生産年齢人口 56.9% 老年人口 31.7% となっており 生産年齢人口は年々減少する傾向にあります 人口動態の自然増加率は年々低下しています 社会動態は 転出者数が転入者数を上回っています 住宅特性 持ち家率 78.6% と比較的高くなっており 横ばい状態にあります 一方で 民営借家の割合は増加の傾向にあります 地域ごとの持ち家率は 大館地域で 75.4% 比内 田代地域では 9 割程度となっています 民営借家では 大館地域が 17.7% と高い割合を占めています 1 世帯当たりの居住室数は 5.98 室となっています 持ち家では 6.72 室と多く 3 室程度の借家等との差が大きくなっています 1 世帯当たり延べ床面積は 平均 136.7 m2と広くなっています 持ち家と借家等では 面積の差が大きくなっています - 81 -

高齢者のいる世帯は 昭和 60 年以降増加しており 平成 12 年からは一般世帯の半数を超えています 住宅の所有関係では 約 9 割が持ち家となっています 高齢単身者数は ここ 20 年で約 2.5 倍 (3,332 人 ) になっています そのうち後期高齢者が半数を占めています 大館地域の空き家率は 12.6% で 秋田県平均の 12.7% と同程度となっています 上位 関連計画 新大館市総合計画 : 定住環境の整備として 若者から高齢者までが生き生きと共生できるよう 市民 企業 NPO 組織 ボランティアグループ 町内会などの参画のもと 都市基盤の再構築と北東北の拠点としての基盤整備を図ることとしています 既存の中心市街地では 都市機能の集中という特性を生かし 魅力ある市街地の形成 JR 大館駅前の整備拡充 中心市街地の活性化を促進し 高度な都市機能と各分野の拠点機能を備えた中心地域としての発展をめざすこととしています 中心市街地活性化基本計画が平成 12 年 1 月に策定されており 現在は新計画の策定を検討中です 住生活基本計画 ( 全国計画 ) が平成 23 年 3 月に策定されています 秋田県住生活基本計画が平成 24 年 3 月に策定されています 市営住宅の状況 大館市には 24 団地 871 戸の市営住宅等が整備されています 構造別棟数は 簡易耐火構造の平屋が最も多く 約 4 割を占めています 大館地域では 簡易耐火構造及び耐火構造が多く 比内 田代地域では木造が大半を占めています 構造別戸数は 簡易耐火構造の平屋と中層 高層耐火構造がそれぞれ約 3 割と多くなっています 大館東地域及び大館南地域では中層 高層耐火構造の割合が 9 割以上となっています 建築年代は 昭和 50 年以前が約 5 割と最も多く 次いで平成 3 年 ~ 平成 7 年の約 1 割となっています 大館西地域は昭和 50 年以前が 9 割以上を占め 大館東地域 大館北地域においても 6 割程度の高い割合となっています 一方 比内 田代地域では大半が平成に建築されたものであり 比較的新しい団地が多くなっています 住民意向調査 一般市民のアンケートでは 一戸建て持ち家 ( 土地も所有 ) が約 8 割と高くなっており 家賃やローンの金額は 約 4 割が負担なしと回答しています 年齢別に住宅の形態を見ると 20 歳代 ~30 歳代の間に 一戸建て持ち家 ( 土地も所有 ) が 2 倍に増加しています 地域に住み続ける理由として 住み慣れた所 が回答者の半数以上を占めています 住宅行政に望む政策としては バリアフリー等の住宅改修への補助 道路や公園などの住環境整備の推進 が多くなっています 市営住宅の居住継続意向は 約 7 割となっており その理由として 家賃が安い が挙げられています 改善意向としては 個別修繕が約 3 割と多くなっており 水回り設備 の要望が高くなっています 中心市街地への居住意向では 一般市民 市営住宅居住者共 既に住んでいる 住みたい 条件が合えば住みたい を合わせた数が約 25% となっています 居住の条件としては 一般市民が 土地の価格が安くなれば が最も高く 32.8% となっており 市営住宅居住者では 賃貸住宅の家賃価格が安くなれば の割合が最も高く約 66% となっています - 82 -

1-2 大館市の住まい まちづくりの課題 現況の整理から 大館市においては 人口減少や少子高齢化の進展に伴い 地域の活力が低下し 地域らしさを維持していくことが難しくなっていくと考えられます したがって 働き手が流出しない住まいづくり 若者の定住を促進する魅力的な住宅の供給とともに 都市機能の集中した中心市街地への街なか居住の推進が必要となっています これらを踏まえ 大館市の住まい まちづくりの課題は 次の 4 点と考えられます 大館市の住まい まちづくりの課題 現況高齢化が進み高齢者のいる世帯数も多くなっている社会動向高齢化に伴う住宅のバリアフリー化やシックハウス対策が進められている 住まい まちづくりの課題 1 安全で安心できる住まいづくりの推進 現況総人口とともに生産年齢人口も年々減少している社会動向全国的な人口の減少が予想されている 住まい まちづくりの課題 2 活力を呼び戻すための住まいづくりの推進 現況都市サービス機能の集積した中心市街地の賑わいや活力の低下社会動向中心市街地の人口 商業活動の減少や低下が続いている 住まい まちづくりの課題 3 街なかで暮らせる住環境づくりの推進 現況地域ごとに持ち家率などの住宅特性が異なっている社会動向多様なライフスタイルやニーズに合った住まいが求められている 住まい まちづくりの課題 4 多様なライフスタイルやニーズに合った 住まいづくりの推進 - 83 -

1 高齢者の著しい増加 現況高齢化が進み高齢者のいる世帯数も多くなっています 高齢化率は年々高くなっており 全市で 31.7% 大館地域よりも比内 田代地域が高くなっています 高齢者のいる世帯は昭和 60 年以降一貫して増加しており 平成 12 年からは一般世帯の半数を超えています 住宅所有の関係では 約 9 割が持ち家となっています 高齢単身者数は ここ 20 年で約 2.5 倍 (3,332 人 ) になっています そのうち後期高齢者が半数を占めています 社会動向高齢化に伴う住宅のバリアフリー化やシックハウス対策が進められています 国立社会保障 人口問題研究所の中位推計において 老年人口は増加することが予測されています 図 2-1-1 年齢 3 区分別人口の推移中位推計 ( 資料 : 日本の将来推計人口国立社会保障 人口問題研究所 ) 秋田県では 既存住宅のバリアフリー化による住宅内での事故防止や自立と介護の軽減に配慮した 秋田花まるっ住宅 の普及 活用により 安心して長く住み続けられる住宅の整備促進を図っています 住宅の新築や改装工事後 住宅建材から室内に発生する揮発性化学物質等により体調不良や健康障害を引き起こす例が報告されており 建築基準法の改正 ( 平成 15 年 ) により シックハウス対策が講じられています 平成 18 年から新規住宅に加え既存住宅においても 火災警報器の設置が義務づけられました 住まい まちづくりの課題 1: 安全で安心できる住まいづくりの推進 高齢者人口の増加に伴い一人世帯や夫婦世帯の増加も予測されることから 高齢者向けの住宅の供給やバリアフリー化を促進していく必要があります また 老朽ストックについては 適切な更新を図ることにより 耐震性を備えた安全な住宅ストックの形成に努めることが必要です 高齢者等が安心して住み続けられる仕組みづくりが必要 安全に住み続けられる地震等の災害に強い住まいづくりが必要 - 84 -

2 人口の減少等による地域活力の低下 現況総人口とともに生産年齢人口も年々減少しています 大館市の平成 22 年人口は 78,946 人で 昭和 60 年の 94,526 人と比べて約 15,000 人減少しています 大館地域では 比内 田代地域と比較すると減少率が小さくなっています 15 歳未満の年少人口は 平成 22 年では昭和 60 年の半数近くにまで減少し 65 歳以上の高齢者人口が約 2 倍に増加しており 少子高齢化の傾向が著しくなってきています 平成 22 年では年少人口 11.4% 生産年齢人口 56.9% 老年人口 31.7% となっており 生産年齢人口は年々減少する傾向にあります 人口動態は 自然増加率は年々低下しています 社会動態は 転出者数が転入者数を上回って減少しています 社会動向全国的な人口の減少が予想されています 人口減少は 全国的な現象であり 国立社会保障 人口問題研究所の中位推計においては 今後長期的に減少することが予測されています ( 千人 ) 130,000 125,000 120,000 115,000 110,000 105,000 100,000 平成 中位推計 17 年 20 年 23 年 26 年 29 年 32 年 35 年 38 年 41 年 44 年 47 年 図 2-1-2 将来人口の見通し ( 国 ) ( 資料 : 日本の将来推計人口国立社会保障 人口問題研究所 ) 住まい まちづくりの課題 2: 活力を呼び戻すための住まいづくりの推進 人口の減少や生産年齢人口の空洞化により 空き家等が増加し 地域コミュニティの減退や地域の過疎化が一層深刻化することが懸念されるため 若年層の定住促進施策などの適切な住宅政策を講じ 地域の活性化を促進することが望まれます 地域の活力を高める住宅政策の展開が必要 若者の定住を促進する住宅供給が必要 働き手が流出しない住まいづくりの推進が必要 - 85 -

3 中心市街地の魅力 にぎわいの低下 現況都市サービス機能の集積した中心市街地の賑わいや活力が低下しています 中心市街地は 江戸時代に起源を持つ大町地区 戦後の鉱山や木材により発展した御成町地区を中心に県北最大規模の商業地が形成されており 賑わいや活力の維持 再生が必要です 通勤 買い物などの生活行動は 大館東地域への依存度が高く 都市サービス機能が拡散することなく集積している大町 御成町地区の商業 業務 交流 居住機能などの総合的な回復が必要です 中心市街地への居住意向では 一般市民 市営住宅居住者共 住みたい 条件が合えば住みたい を合わせた数が約 25% となっています 居住の条件としては 一般市民が 土地の価格が安くなれば が最も高く 32.8% となっており 市営住宅居住者では 賃貸住宅の家賃価格が安くなれば の割合が最も高く約 66% となっています 中心市街地の大町 御成町地区における昭和 60 年から平成 27 年までの人口推移は 大町地区では半数以下 御成町地区においても約 1/3 の減少となっており 大館市全体の減少率 ( 約 21%) と比べても高くなっています ( 人 ) 5,000 4,500 4,000 3,500 3,000 2,500 2,000 1,500 1,000 500 0 1,746 96,269 3,125 大町地区 1,317 90,526 2,643 御成町地区 図 2-1-3 大町地区 御成町地区の人口推移 ( 資料 : 大館市住民基本台帳 ) 934 85,313 2,325 759 75,748 昭和 60 年平成 7 年平成 17 年平成 27 年 1,988 ( 人 ) 100,000 80,000 60,000 40,000 20,000 0 社会動向中心市街地の人口 商業活動の減少や低下が続いています 昭和 50 年代半ば以降 中心市街地においては 人口 昼間人口 商業活動の減少 低下が続いており 人口の定住策を通じた活性化が必要とされています 住まい まちづくりの課題 3: 街なかで暮らせる住環境づくりの推進 大町 御成町地区などの中心市街地及び拠点地区においては 街なか居住を実現する中密度住宅地として位置づけ 商業 業務系ならびに公共公益施設などの用途の複合化等によって利便性が高くにぎわいのある土地利用を図ることが望まれています 中心市街地活性化施策と連携した商業 業務の複合化による賑わいの再生が必要 市営住宅の建替えに伴い街なか居住を促進する住宅供給が必要 - 86 -

4 市民ニーズの多様化 高度化 現況地域ごとに持ち家率などの住宅特性が異なっています 一般世帯 28,317 世帯のうち 持ち家は 22,547 世帯 (79.6%) と持ち家率が高い 比内地域と田代地域では持ち家率が約 90% と高く 大館地域では持ち家率が 76.6% と低いが民営借家が 16.3% と高い値となっています 1 世帯当たり延べ面積は 135.8 m2で 比内地域が 164.4 m2と最も広く 大館地域は 128.7 m2と狭くなっています 一般市民の住宅政策に対する意向では バリアフリー等の住宅改修への補助 道路や公園などの住環境整備の推進 が多くなっています 社会動向多様なライフスタイルやニーズに合った住まいが求められています 平成 25 年の住宅需要実態調査で 現住居以外に所有している 借りている住宅がある世帯の割合は増加しています ( 平成 20 年 7% 平成 25 年 9%) 多様なライフスタイルに対応しうる住宅規模の実現 ( 誘導居住面積水準 ) の確保と 最低居住面積水準の解消に努め 世帯に応じた居住スタイルの実現を図ることが求められています 住まい まちづくりの課題 4: 多様なライフスタイルやニーズに合った住まいづくりの推進 市民の価値観やライフスタイルは 今後も益々多様化するとともに 少子高齢化の進展とともに世帯構成は変化するものと考えられます 住環境も含めた市民が魅力を感じる多様な住宅ストックの形成に努めるとともに 世帯規模と住宅規模のミスマッチを解消し 円滑な住宅市場を形成する必要があります 市民のライフスタイル等に対応した多様な住宅の供給が必要 魅力を感じられる住まいづくりには 住環境の整備も含めて推進することが必要 高齢化の進展等に伴う世帯規模と住宅規模のミスマッチを解消し ストックの有効活用を図ることが必要 円滑な住宅市場の形成と誘導を図ることが必要 - 87 -

2. 市営住宅の問題点 課題 大館市には 871 戸の市営住宅が整備されています 住宅市場全体の観点から公営住宅の役割について検討します 市営住宅の課題 現況中層 高層耐火構造が多く 昭和 50 年以前 ( 築 30 年以上 ) の建築が約 5 割を占めています 大館市には 24 団地 871 戸の市営住宅等が整備されています 構造別棟数は 簡易耐火構造の平屋が最も多く 約 4 割を占めています 大館地域では 簡易耐火構造及び耐火構造が多く 比内 田代地域では木造が大半を占めています 構造別戸数は 簡易耐火構造の平屋と中層 高層耐火構造がそれぞれ約 3 割と多くなっています 大館東地域及び大館南地域では中層 高層耐火構造の割合が 9 割以上となっています 建築年代は 昭和 50 年以前が約 5 割と最も多く 次いで平成 3 年 ~ 平成 7 年の約 1 割となっています 大館西地域は昭和 50 年以前が9 割以上を占め 大館東地域 大館北地域においても 6 割程度の高い割合となっています 一方 比内 田代地域では大半が平成に建築されたものであり 比較的新しい団地が多くなっています 市営住宅の居住継続意向は 約 7 割となっており その理由として 家賃等が安い が挙げられています 改善意向としては 個別修繕が約 3 割と多くなっており 水回り設備 の要望が高くなっています 社会動向重層的かつ柔軟な住宅セーフティネットの構築が必要とされています ~ 今後の公的賃貸住宅制度等のあり方に関する建議より~ 公営住宅におけるセーフティネット機能を強化するとともに 公営住宅を補完する公的賃貸住宅や民間賃貸住宅における枠組みの充実も進め 市場全体を見据えた視点から住宅セーフティネットの構築が必要とされています 家賃負担が問題となる低額所得者への施策と入居制限を受けやすい高齢者等のための施策という二つの視点からの検討が必要とされています 高齢者世帯等に加えて 少子化対策の観点から 若年層 子育て層への支援強化も必要とされています 多様な世帯が地域に居住するミックストコミュニティの形成促進に十分配慮することが必要とされています 市営住宅の課題 : 地域特性やニーズを踏まえた市営住宅の再構築の推進 老朽化が進んだ市営住宅ストックについては 適切な建替えや改善が必要となっています また 低額所得者層には 公営住宅等による住宅セーフティネットの確立により 市民が安心して居住できる住まいづくりが必要です 老朽化が進んだ市営住宅ストックについては 中心市街地の活性化と連携した適切な建替えや改善の実施が必要 市営住宅の居住水準の向上とともに 周辺環境と調和した住宅づくりが必要 高齢者 障害者に配慮したストックの更新及び入居時の配慮が必要 少子化対策の観点から 若年層や子育て層に対する支援の検討が必要 - 88 -

参考 ) 公営住宅法施行令の一部改正 ( 平成 21 年 4 月施行 ) 入居収入基準等の見直し入居収入基準が 世帯所得や民間賃貸住宅家賃水準等の変化に伴い 最低居住水準の住宅を市場において自力で確保し得る者も対象となる水準となっている結果 応募倍率が全国で高水準となるなど 真に住宅に困窮する多数の入居希望者が入居できない状況となっています このため 最新の統計 調査データに基づき 入居収入基準等について以下のとおり見直しを行います 階層等 改正前 改正後 本来階層 20.0 万円 / 月 15.8 万円 / 収入分位 25% 裁量階層 26.8 万円 / 月 21.4 万円 / 収入分位 40% 高額所得者 39.7 万円 / 月 31.3 万円 / 収入分位 60% 本来階層 : 入居者資格を有する者のうち 裁量階層 以外の場合 < 改正前 > 階層 原則階層 裁量階層 区分 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ 政令月収 0~ 123,000 123,001~ 153,000 153,001~ 178,000 178,001~ 200,000 200,001~ 238,000 238,001~ 268,000 < 改正後 > 階層 原則階層 裁量階層 区分 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ 政令月収 0~ 104,000 104,001~ 123,000 123,001~ 139,000 139,001~ 158,000 158,001~ 186,000 186,001~ 214,000-89 -