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使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) 1 2X X 重要な基本的注意 1TNF 2TNF TNF 3 X - CT X 4TNFB HBsHBcHBs B B B B 5 6TNF 7 8dsDNA d

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「ガスメット錠10mg・20mg」「ガスメットD錠10mg・20mg」使用上の注意改訂のお知らせ

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1)~ 2) 3) 近位筋脱力 CK(CPK) 高値 炎症を伴わない筋線維の壊死 抗 HMG-CoA 還元酵素 (HMGCR) 抗体陽性等を特徴とする免疫性壊死性ミオパチーがあらわれ 投与中止後も持続する例が報告されているので 患者の状態を十分に観察すること なお 免疫抑制剤投与により改善がみられた

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ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

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用法 用量 発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制 mg mg mg mg kg 30kg 40kg 20kg 30kg 10kg 20kg 5kg 10kg 1900mg mg mg mg

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膿疱性乾癬の効能追加 ( 承認事項の 部変更承認 ) に伴う改訂 改訂内容 ( 該当部のみ抜粋 ) 警告 1.~3. 4. 関節リウマチ患者では, 本剤の治療を行う前に, 少なくとも 1 剤の抗リウマチ薬等の使用を十分勘案すること. また, 本剤についての十分な知識とリウマチ治療の経験をもつ医師が使

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(2) 健康成人の血漿中濃度 ( 反復経口投与 ) 9) 健康成人男子にスイニー 200mgを1 日 2 回 ( 朝夕食直前 ) 7 日間反復経口投与したとき 血漿中アナグリプチン濃度は投与 2 日目には定常状態に達した 投与 7 日目における C max 及びAUC 0-72hの累積係数はそれぞれ

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改訂前 用法 用量 多発性骨髄腫デキサメタゾンとの併用において 通常 成人にはレナリドミドとして 1 日 1 回 25 mg を 21 日間連日経口投与した後 7 日間休薬する これを 1 サイクルとして投与を繰り返す なお 患者の状態により適宜減量する 5 番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群

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改訂後 ⑴ 依存性連用により薬物依存を生じることがあるので 観察を十分に行い 用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること また 連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により 痙攣発作 せん妄 振戦 不眠 不安 幻覚 妄想等の離脱症状があらわれることがあるので 投与を中止する場合には 徐々に

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「             」  説明および同意書

まれに過度の血圧低下を起こし ショック症状や一過性の意識障害 脳梗塞があらわれることがあるので そのような場合には投与を中止し 適切な処置を行うこと 3) 降圧作用に基づくめまい等があらわれることがあるので 高所作業 自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること 3. 相互作用本剤は主

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あった AUCtはで ± ng hr/ml で ± ng hr/ml であった 2. バイオアベイラビリティの比較およびの薬物動態パラメータにおける分散分析の結果を Table 4 に示した また 得られた AUCtおよび Cmaxについてとの対数値

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DRAFT#9 2011

5) 精神病又はその既往歴のある患者 [ ドパミン受容体作動性のため統合失調症の症状である幻覚 妄想などを悪化させる可能性がある ] 6) 低血圧症患者 [ 血圧低下がみられることがある ] 7) 重篤な心血管障害又はその既往歴のある患者 [ 外国で狭心症の報告がある ] 8) 下垂体腫瘍がトルコ鞍

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

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2014 東和コミュニケーションプラザ 特別号リウマチシリーズ vol.1 シリーズ関節リウマチ専門医に聴く 関節リウマチの治療戦略 口腔乾燥を伴うケースにおける口腔ケアと薬物療法の実際 織部リウマチ科内科クリニック院長織部元廣先生 関節リウマチ患者にはさまざまな関節外症状が合併することが知られている 口腔乾燥は日常診療上 よく見かける症状であるが リウマチにおける口腔乾燥が発生するリスクや治療上の課題は成書にも あまり書かれていない 今回は 関節リウマチ患者の口腔を診ない医師はリウマチ専門医とは言えない と指摘する大分県にある織部リウマチ科内科クリニック院長織部元廣先生に 口腔乾燥を伴う関節リ ウマチ患者に対しどのような指導と治療を実践されているのか 具体的な方法を伺った

シリーズ関節リウマチ専門医に聴く 関節リウマチの治療戦略 口腔乾燥を伴うケースにおける口腔ケアと薬物療法の実際 織部リウマチ科内科クリニック院長 織部元廣 関節リウマチ患者は高頻度に口腔乾燥症状を呈する 関節リウマチ (RA) の主病巣は関節にあるが 皮膚 感覚器 造血器 消化器 呼吸器 泌尿器 循環器 神経系など 全身の臓器に障害が生じる疾患でもある 今回のテーマである口腔乾燥は RA 患者の3 割程度にみられるとされる ( 図 1) 口腔乾燥を生じる疾患としては RA と同様 自己免疫疾患に分類されるシェーグレン症候群 (SS) が有名であり 両疾患の合併頻度も高いとされている しかしながら SS 患者に特有の SS-A や SS-B といった自己抗体が血清中に存在するケースが口腔乾燥合併例の1 割程度にとどまることから RA 患者に伴う口腔乾燥の多くは免疫学的な背景を伴わない唾液分泌機能の単純な加齢性変化か薬剤が誘因と考えられている 事実 SS では耳下腺腺房から破壊が生じるのに対し 口腔乾燥を伴う RA 患者の場合は耳下腺管の破壊が先行するというように 両者の病態形成過程は異なる 1) 3) RAの好発年齢は40-60 代であるが 高齢者にも多い 図 1 関節以外の症状 ( 複数回答 ) (%)0 10 20 30 40 乾燥性角結膜炎 ( 眼が乾燥する ごろごろする ドライアイ ) 浮腫 ( むくみ 指でおすとくぼみが残る ) 皮下結節 ( 皮下にできる固いしこり ) 皮下出血 ( ぶつけたりなど他の原因がない ) 口腔乾燥症 ( 口が特に渇く 水をひんぱんに飲む ) 強膜炎や虹彩炎 ( 眼の痛み 充血 飛蚊症 ) 27.3 26.1 34.5 32.8 39.8 39.1 ( 図 2) RA 患者における口腔乾燥の発症機序については 不十分な口腔ケアによって繁殖した細菌が耳下腺炎を起こし その結果 唾液分泌障害が生じると想定している 加えて RA 患者の唾液を調べてみるとリゾチームやβ-アミラーゼ等の抗菌成分が減少しており 唾液自体の殺菌能力も低下していることが示唆される 口腔乾燥が関節リウマチ患者の誤嚥性肺炎発症リスクを高める 唾液の殺菌作用が低下した上 分泌量そのものの減少によって乾燥した口腔内では細菌の繁殖が進み 齲歯 歯周病 歯槽膿漏が生じる 他方 口腔乾燥は嚥下機能を低下させ 誤嚥のリスクを高める このような口腔内に細菌が増殖した状況で誤嚥が起こると 誤嚥性肺炎の発症リスクが相乗的に上昇することは想像に難くない 加えて 抗リウマチ薬は総じて免疫を抑制する方向に働くことから薬物療法下にある RA 患者は 誤嚥性肺炎の発症が助長される状況にあると考えられる 誤嚥性肺炎は予後不良な感染症であることを考慮すれば RA 患者にみられる口腔乾燥は極めて重要な治療標的となることは明白である RA 患者における口腔内観察と口腔ケアの実際 したがって RA 患者を診察する際には必ず口腔乾燥の有無を確認し 唾液腺の状態を把握しなければならない 図 2 リウマチと判断された年齢 多発性神経炎 ( 手先 足先のビリビリするようなしびれなど ) 間質性肺炎または肺線維症 ( 咳 息切れ レントゲンで影がある ) 皮膚の潰瘍 ( ぶつけたりなどの他の原因がない 治りにくい ) 11.3 15.4 25.9 (%) 25 20 19.4 24.7 23.9 心療内科の病気 ( うつ状態 神経症など ) 胸膜炎または心外膜炎 ( ろく膜 心外膜に水がたまる ) 10.9 2.8 15 10 12.4 10.8 2 その他 ない 無回答 3.4 6.6 9.3 2010 年リウマチ白書 5 0 0.6 0~ 9 歳 4.3 10~ 19 歳 20~ 29 歳 30~ 39 歳 40~ 49 歳 50~ 59 歳 60~ 69 歳 2.6 70~ 79 歳 0.2 80 歳以上 1.2 無答 2010 年リウマチ白書

全血中タクロリムス濃その上で 齲歯があれば治療を受けさせる 口腔乾燥を伴う RA 患者には 口腔ケアを指導する ( 表 1) 具体的には起床時 毎食後 就寝前に歯磨きを励行させるのであるが 必ずうがいをしてから行うように指導する この方法による口腔ケアを実践すれば 口腔内の細菌数を大きく減少させると言われている その結果 耳下腺炎が生じにくくなり口腔乾燥が改善 誤嚥性肺炎の発症リスクが低下することが期待される なお 唾液分泌を直接的に促進するには 塩酸セビメリンを就寝前に投与する方法があるが 残念ながら同剤の保険適用は SS に限定されている 口腔乾燥を伴う RA 患者に経口剤を投与する場合は嚥下しやすい剤形が好ましい RA 治療に用いる基本薬には 関節リウマチ (RA) に対する TNF 阻害薬使用ガイドライン (2014 年改訂版 ) にも記載されているように メトトレキサート サラゾスルファピリジン ブシラミン レフルノミド タクロリムスといった疾患修飾性抗リウマチ薬 (DMARDs) があり ほかにイグラチモドなども用いられている 多くは経口剤であり 患者が口腔乾燥を伴う場合は嚥下機能の低下に配慮し できるだけ嚥下しやすい剤形を選択することを勧める 表 1 RA における口腔ケア 一般に 散剤や顆粒剤よりもカプセル剤の方が カプセル剤よりも錠剤の方が嚥下しやすいとされる また 一部ではあるものの 関節障害や高齢のためにトイレの回数を極力減らす目的で水分摂取を控える患者が存在する 当然 薬剤もできるだけ少量の水で服用しようとするので このような患者には 特に 嚥下しやすい剤形を選択して処方する必要があると言える RA 治療の基本薬のひとつであるタクロリムスは T 細胞からのサイトカインの放出を抑制するという特異的な作用を持つ その上 他の DMARDs を使用していて効果が減弱するエスケープ現象が生じた場合も 同剤を1ヵ月程度投与することでこれを解除できることが報告されている 4) しかしながら 従来の同剤の剤形は顆粒とカプセルしかなかったため 口腔乾燥を伴うケースあるいは嚥下機能の低下しているケースでは使いづらさが否めなかった そのため RA の臨床現場ではタクロリムスの錠剤を待ち望む声が大きかったわけであるが に発売となったジェネリック医薬品 タクロリムス錠 トーワ によってそのニーズが満たされることになった タクロリムス錠 トーワ は健康成人でのクロスオーバーの生物学的同等性試験を実施しており ( 図 3) 先発品と同等の有効性が期待される さらにタクロリムス錠 トーワ は 1.5mg/3mg のこれまでにないリウマチの通常用量も発売している 当院でも 生物学的製剤の前にタクロリムス錠の検討を始めている 口腔乾燥の有無を確認 齲歯の治療 うがい 歯磨きの励行 唾液分泌促進剤の実施 < 参考文献 > 1)Hay EM, et al.:ann Rheum Dis.;57(1):20-4. 1998. 2)Jensen JL, et al.:oral Dis.;3(4):254-61. 1997. 3)Russell SL, et al.:j Am Dent Assoc.;129(6):733-9. 1998. 4) 竹内勤編.: 関節リウマチ治療実践バイブル. 南江堂. 2013. 図 3 タクロリムス錠 トーワ と標準製剤の血中濃度推移 ( クロスオーバー法 ) タクロリムス錠 0.5mg トーワ 1 錠と標準製剤 1 カプセル ( タクロリムスとして 0.5mg) を クロスオーバー法により健康成人男子 (n=48) に絶食単回経口投与して全血中未変化体濃度を測定し 得られた薬物動態パラメータ (AUC Cmax) について 90% 信頼区間法にて統計解析を行った結果 log(0.80)~ log(1.25) の範囲内であり 両剤の生物学的同等性が確認された (ng/ml) 6 5 4 3 度2 1 : タクロリムス錠 0.5mg トーワ ( 錠剤 0.5mg) : 標準製剤 ( カプセル剤 0.5mg) Mean+S.D., n=48 タクロリムス錠 0.5mg トーワ ( 錠剤 0.5mg) 標準製剤 ( カプセル剤 0.5mg) 薬物動態パラメータ 判定パラメータ AUC72 Cmax (ng hr/ml) (ng/ml) 24.39± 13.29 25.30± 13.50 2.8652± 1.2801 3.1958± 1.3563 参考パラメータ Tmax (hr) 1.48± 0.57 1.45± 0.38 T1/2 (hr) 32.95± 6.65 31.95± 7.19 (Mean±S.D., n=48) 0 0 12 24 36 48 60 72 投与後の時間 (hr) 全血中濃度並びに AUC Cmax 等のパラメータは 被験者の選択 体液の採取回数 時間等の試験条件によって異なる可能性がある 陶易王ほか : 医学と薬学, 70(3), 555, 2013 3

DRUG INFORMATION 本 D.I. は 2014 年 5 月改訂 ( 第 4 版 ) 錠 5mg トーワ のみ 改訂 ( 第 3 版 ) の添付文書に基づいたものです 警告 禁忌を含む使用上の注意 の改訂に十分ご留意下さい : タクロリムス錠 0.5mg トーワ / 錠 1mg トーワ / 錠 1.5mg トーワ / 錠 3mg トーワ のみ 販売名 一般名 和名 タクロリムス錠 0.5mg トーワ / 錠 1mg トーワ / 錠 1.5mg トーワ / 錠 3mg トーワ / 錠 5mg トーワ TACROLIMUS TABLETS 0.5mg TOWA /TABLETS 洋名 1mg TOWA /TABLETS 1.5mg TOWA /TABLETS 3mg TOWA /TABLETS 5mg TOWA タクロリムス水和物 (Tacrolimus Hydrate) 薬価収載 販売開始 錠 0.5mg 錠 1mg 錠 1.5mg 錠 0.5mg 錠 1mg 錠 3mg 錠 5mg 錠 3mg 錠 5mg 日本標準商品分類番号 873999 錠 1.5mg 錠 0.5mg 22500AMX01651 錠 3mg 22500AMX01644 錠 0.5mg 2014 年 5 月 錠 3mg 2014 年 5 月 承認番号 錠 1mg 22500AMX01649 錠 5mg 22500AMX01642 効能追加 錠 1mg 2014 年 5 月 錠 5mg 2013 年 11 月 錠 1.5mg 22500AMX01646 錠 1.5mg 2014 年 5 月 警告 1) 本剤の投与において 重篤な副作用 ( 腎不全 心不全 感染症 全身痙攣 意識障害 脳梗塞 血栓性微小血管障害 汎血球減少症等 ) により 致死的な経過をたどることがあるので 緊急時に十分に措置できる医療施設及び本剤についての十分な知識と経験を有する医師が使用すること 2) 臓器移植における本剤の投与は 免疫抑制療法及び移植患者の管理に精通している医師又はその指導のもとで行うこと 3) 関節リウマチ患者に投与する場合には 関節リウマチ治療に精通している医師のみが使用するとともに 患者に対して本剤の危険性や本剤の投与が長期にわたることなどを予め十分説明し 患者が理解したことを確認した上で投与すること また 何らかの異常が認められた場合には 服用を中止するとともに 直ちに医師に連絡し 指示を仰ぐよう注意を与えること 4) 顆粒剤と本剤 ( 錠剤 ) の生物学的同等性は検証されていないので 切り換え及び併用に際しては 血中濃度を測定することにより製剤による吸収の変動がないことを確認すること 禁忌( 次の患者には投与しないこと ) 1) 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 2 ) シクロスポリン又はボセンタン投与中の患者 ( 相互作用 の項参照 ) 3 ) カリウム保持性利尿剤投与中の患者 ( 重要な基本的注意 及び 相互作用 の項参照 ) 4) 妊婦又は妊娠している可能性のある女性 ( 妊婦 産婦 授乳婦等への投与 の項参照 ) タクロリムス錠 0.5mg トーワ 1 錠中の日局タクロリムス水和物有効成分 ( タクロリムスとして 0.5mg) 添加物 性 識別本体コード包装 表 状 0.51mg タクロリムス錠 1mg トーワ 日局タクロリムス水和物 ( タクロリムスとして 1mg) 1.02mg タクロリムス錠 1. 5mg トーワ 乳糖水和物 ヒプロメロース クロスカルメロース Na ステアリン酸 Mg マクロゴール 6000 乳糖水和物 ヒプロメロース クロスカルメタルク 酸化チタンロース Na ステアリン酸 Mg マクロゴール 6000 タルク 酸化チタン 黄色三二酸化鉄 白色のフィルムコーティング錠 日局タクロリムス水和物 ( タクロリムスとして 1.5mg) 淡黄色のフィルムコーティング錠 Tw050 Tw051 Tw052 1.53mg 外 形 裏 側面 錠 径 (mm) 5.6 6.1 6.6 厚 さ (mm) 2.8 3.0 3.0 質 量 (mg) 78 100 116 組成 性状 タクロリムス錠 3mg トーワ タクロリムス錠 5mg トーワ 1 錠中の日局タクロリムス水和物 3.06mg 日局タクロリムス水和物 5.1mg 有効成分 ( タクロリムスとして 3mg) ( タクロリムスとして 5mg) 乳糖水和物 ヒプロメロース クロスカルメ乳糖水和物 ヒプロメロース クロスカルメ添加物ロースNa ステアリン酸 Mg マクロゴール 6000 ロース Na ステアリン酸 Mg マクロゴール 6000 タルク 酸化チタン 黄色三二酸化鉄タルク 酸化チタン 性 状 識別本体コード包装 淡黄色の割線入りのフィルムコーティング錠 Tw053 白色の楕円形のフィルムコーティング錠 Tw054 表 外 形 裏 側面 錠 径 (mm) 8.1 長径 :13.6 短径 :6. 8 厚 さ (mm) 3.4 4.6 質 量 (mg) 190 400

効能 効果 用法 用量 1. 下記の臓器移植における拒絶反応の抑制腎移植 肝移植 心移植 肺移植 膵移植 小腸移植 2. 骨髄移植における拒絶反応及び移植片対宿主病の抑制 3. 重症筋無力症 4. 関節リウマチ ( 既存治療で効果不十分な場合に限る ) 5. 難治性 ( ステロイド抵抗性 ステロイド依存性 ) の活動期潰瘍性大腸炎 ( 中等症 ~ 重症に限る ) 効能 効果に関連する使用上の注意 1) 骨髄移植時の使用に際し HLA 適合同胞間移植では本剤を第一選択薬とはしないこと 腎移植の場合通常 移植 2 日前よりタクロリムスとして 1 回 0.15mg/kg を 1 日 2 回経口投与する 術後初期にはタクロリムスとして 1 回 0.15mg/kg を 1 日 2 回経口投与し 以後 徐々に減量する 維持量は 1 回 0.06mg/kg 1 日 2 回経口投与を標準とするが 症状に応じて適宜増減する 肝移植の場合通常 初期にはタクロリムスとして 1 回 0.15mg/kg を 1 日 2 回経口投与する 以後 徐々に減量し 維持量は 1 日量 0.10mg/kg を標準とするが 症状に応じて適宜増減する 心移植の場合通常 初期にはタクロリムスとして 1 回 0.03 ~0.15mg/kg を 1 日 2 回経口投与する また 拒絶反応発現後に本剤の投与を開始する場合には 通常 タクロリムスとして 1 回 0.075~0.15mg/kg を 1 日 2 回経口投与する 以後 症状に応じて適宜増減し 安定した状態が得られた後には 徐々に減量して有効最少量で維持する 肺移植の場合通常 初期にはタクロリムスとして 1 回 0.05~0.15mg/kg を 1 日 2 回経口投与する 以後 症状に応じて適宜増減し 安定した状態が得られた後には 徐々に減量して有効最少量で維持する 膵移植の場合通常 初期にはタクロリムスとして 1 回 0.15mg/kg を 1 日 2 回経口投与する 以後 徐々に減量して有効最少量で維持する 小腸移植の場合通常 初期にはタクロリムスとして 1 回 0.15mg/kg を 1 日 2 回経口投与する 以後 徐々に減量して有効最少量で維持する 骨髄移植の場合通常 移植 1 日前よりタクロリムスとして 1 回 0.06mg/kg を 1 日 2 回経口投与する 移植初期にはタクロリムスとして 1 回 0.06mg/kg を 1 日 2 回経口投与し 以後 徐々に減量する また 移植片対宿主病発現後に本剤の投与を開始する場合には 通常 タクロリムスとして 1 回 0.15 m g / k g を 1 日 2 回経口投与する なお 症状に応じて適宜増減する なお 本剤の経口投与時の吸収は一定しておらず 患者により個人差があるので 血中濃度の高い場合の副作用並びに血中濃度が低い場合の拒絶反応及び移植片対宿主病の発現を防ぐため 患者の状況に応じて血中濃度を測定し トラフレベル (trough level) の血中濃度を参考にして投与量を調節すること 特に移植直後あるいは投与開始直後は頻回に血中濃度測定を行うことが望ましい なお 血中トラフ濃度が 20ng/mL を超える期間が長い場合 副作用が発現しやすくなるので注意すること 重症筋無力症の場合通常 成人にはタクロリムスとして 3mg を 1 日 1 回夕食後に経口投与する 関節リウマチの場合通常 成人にはタクロリムスとして 3mg を 1 日 1 回夕食後に経口投与する なお 高齢者には 1. 5 m g を 1 日 1 回夕食後経口投与から開始し 症状により 1 日 1 回 3mg まで増量できる 潰瘍性大腸炎の場合通常 成人には 初期にはタクロリムスとして 1 回 0.025mg/kg を 1 日 2 回朝食後及び夕食後に経口投与する 以後 2 週間 目標血中トラフ濃度を 10~15ng/mL とし 血中トラフ濃度をモニタリングしながら投与量を調節する 投与開始後 2 週以降は 目標血中トラフ濃度を 5~10ng/mL とし投与量を調節する 2) 重症筋無力症では 本剤を単独で使用した場合及びステロイド剤未治療例に使用した場合の有効性及び安全性は確立していない [ 本剤の単独使用の経験は少なく ステロイド剤未治療例における使用経験はない ] 3) 関節リウマチでは 過去の治療において 非ステロイド性抗炎症剤及び他の抗リウマチ薬等による適切な治療を行っても 疾患に起因する明らかな症状が残る場合に投与すること 4) 潰瘍性大腸炎では 治療指針等を参考に 難治性 ( ステロイド抵抗性 ステロイド依存性 ) であることを確認すること 5) 潰瘍性大腸炎では 本剤による維持療法の有効性及び安全性は確立していない 用法 用量に関連する使用上の注意 1) 血液中のタクロリムスの多くは赤血球画分に分布するため 本剤の投与量を調節する際には全血中濃度を測定すること 2) 本剤 ( 錠剤 ) を使用するに当たっては 次の点に留意すること (1) 顆粒剤と本剤 ( 錠剤 ) の生物学的同等性は検証されていない (2) 本剤 ( 錠剤 ) と顆粒剤の切り換え及び併用に際しては 血中濃度を測定することにより製剤による吸収の変動がないことを確認すること なお 切り換えあるいは併用に伴う吸収の変動がみられた場合には 必要に応じて投与量を調節すること 3) 高い血中濃度が持続する場合に腎障害が認められているので 血中濃度 ( およそ投与 12 時間後 ) をできるだけ 20ng/mL 以下に維持すること なお 骨髄移植ではクレアチニン値が投与前の 25% 以上上昇した場合には 本剤の 25% 以上の減量又は休薬等の適切な処置を考慮すること 4) 他の免疫抑制剤との併用により 過度の免疫抑制の可能性があるため注意すること 特に 臓器移植において 3 剤あるいは 4 剤の免疫抑制剤を組み合わせた多剤免疫抑制療法を行う場合には 本剤の初期投与量を低く設定することが可能な場合もあるが 移植患者の状態及び併用される他の免疫抑制剤の種類 投与量等を考慮して調節すること 5) 肝移植 腎移植及び骨髄移植では 他社が実施した市販後の調査において 承認された用量に比べ低用量を投与した成績が得られているので 投与量設定の際に考慮すること 6) 骨髄移植では血中濃度が低い場合に移植片対宿主病が認められているので 移植片対宿主病好発時期には血中濃度をできるだけ 10~20ng/mL とすること 7) 重症筋無力症では 副作用の発現を防ぐため 投与開始 3 ヵ月間は 1 ヵ月に 1 回 以後は定期的におよそ投与 1 2 時間後の血中濃度を測定し 投与量を調節することが望ましい また 本剤により十分な効果が得られた場合には その効果が維持できる用量まで減量することが望ましい 8) 関節リウマチでは 高齢者には 投与開始 4 週後まで 1 日 1.5mg 投与として安全性を確認した上で 効果不十分例には 1 日 3mg に増量することが望ましい また 増量する場合には 副作用の発現を防ぐため およそ投与 12 時間後の血中濃度を測定し 投与量を調節することが望ましい 9) 肝障害あるいは腎障害のある患者では 副作用の発現を防ぐため 定期的に血中濃度を測定し 投与量を調節することが望ましい 10) 潰瘍性大腸炎では 治療初期は頻回に血中トラフ濃度を測定し投与量を調節するため 入院又はそれに準じた管理の下で投与することが望ましい 11) 潰瘍性大腸炎では 1 日あたりの投与量の上限を 0.3mg/kg とし 特に次の点に注意して用量を調節すること (1) 初回投与から 2 週間まで 初回投与後 12 時間及び 24 時間の血中トラフ濃度に基づき 1 回目の用量調節を実施する 1 回目の用量調節後少なくとも 2 日以上経過後に測定された 2 点の血中トラフ濃度に基づき 2 回目の用量調節を実施する 2 回目の用量調節から 1.5 日以上経過後に測定された 1 点の血中トラフ濃度に基づき 2 週時 (3 回目 ) の用量調節を実施する (2)2 週以降 投与開始後 2 週時 ( 3 回目 ) の用量調節から 1 週間程度後に血中トラフ濃度を測定し 用量調節を実施する また 投与開始 4 週以降は 4 週間に 1 回を目安とし 定期的に血中トラフ濃度を測定することが望ましい (3) 用量調節にあたっては服薬時の食事条件 ( 食後投与 / 空腹時投与 ) が同じ血中トラフ濃度を用いる 12) 潰瘍性大腸炎への投与にあたっては 0.5mg 刻みの投与量を決定すること 13) 潰瘍性大腸炎では 2 週間投与しても臨床症状の改善が認められない場合は 投与を中止すること 14) 潰瘍性大腸炎では 通常 3 ヵ月までの投与とすること 使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) 1) 肝障害のある患者 [ 薬物代謝能が低下し 本剤血中濃度が上昇する可能性がある ] 2) 腎障害のある患者 [ 腎障害が悪化する可能性がある ] 3 ) 高齢者 ( 高齢者への投与 の項参照 ) 4) 感染症のある患者 [ 感染症が悪化する可能性がある ] 5) 関節リウマチに間質性肺炎を合併している患者 [ 間質性肺炎が悪化する可能性がある ( 副作用 の項参照 )] 2. 重要な基本的注意 1) 腎障害の発現頻度が高いので 頻回に臨床検査 ( クレアチニン BUN クレアチニンクリアランス 尿中 NAG 尿中 β2 ミクログロブリン等 ) を行うなど患者の状態を十分に観察すること 特に投与初期にはその発現に十分注意すること なお 関節リウマチ患者では 少数例ながら非ステロイド性抗炎症剤を 2 剤以上併用した症例でクレアチニン上昇発現率が高かったので注意すること 2) 高カリウム血症が発現することがあるので 頻回に血清カリウムの測定を行うこと なお カリウム保持性利尿剤 ( スピロノラクトン カンレノ酸カリウム トリアムテレン ) の併用あるいはカリウムの過剰摂取を行わないこと 3) 高血糖 尿糖等の膵機能障害の発現頻度が高いので 頻回に臨床検査 ( 血液検査 空腹時血糖 アミラーゼ 尿糖等 ) を行うなど患者の状態を十分に観察すること 特に投与初期にはその発現に十分注意すること 4) 本剤投与中に心不全 不整脈 心筋梗塞 狭心症 心筋障害 ( 心機能低下 壁肥厚を含む ) 等が認められている ( 副作用 の項参照 ) ので 使用に際しては心電図 心エコー 胸部 X 線検査を行うなど患者の状態をよく観察すること 5) 高血圧が発現することがあるので 定期的に血圧測定を行い 血圧上昇があらわれた場合には 降圧剤治療を行うなど適切な処置を行うこと 6) 感染症の発現又は増悪に十分注意すること 7) 過度の免疫抑制により感染に対する感受性の上昇 リンパ腫等の悪性腫瘍発生の可能性があるので 十分注意すること 8) 免疫抑制剤を投与された B 型肝炎ウイルスキャリアの患者において B 型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある また HBs 抗原陰性の患者において 免疫抑制剤の投与開始後に B 型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎を発症した症例が報告されている また C 型肝炎ウイルスキャリアの患者において 免疫抑制剤の投与開始後に C 型肝炎の悪化がみられることがある 肝炎ウイルスキャリアの患者に本剤を投与する場合は 肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど B 型肝炎ウイルスの再活性化や C 型肝炎の悪化の徴候や症状の発現に注意すること

使用上の注意 9) 重症筋無力症では 胸腺非摘除例に使用する場合 本剤の投与開始前及び投与開始後において 定期的に胸腺腫の有無を確認すること 胸腺腫が確認された場合には 胸腺摘除等の胸腺腫の治療を適切に実施するとともに 治療上の有益性と危険性を慎重に評価した上で本剤を投与すること ( 本剤の胸腺腫への影響は明らかになっていない ) 10) 本剤の投与により副腎皮質ホルモン剤維持量の減量が可能であるが 副腎皮質ホルモン剤の副作用の発現についても引き続き観察を十分行うこと 11) 移植片対宿主病が発症した場合は速やかに治療を開始することが望ましく また シクロスポリンが既に投与されている症例では継続治療が可能かどうかを早期に見極め 困難と判断されれば速やかにシクロスポリンを中止し 本剤に切り換えること 12) 潰瘍性大腸炎における本剤の投与は 潰瘍性大腸炎の治療法に十分精通している医師のもとで行うこと 3. 相互作用本剤は主として薬物代謝酵素 CYP3A4で代謝される 1) 併用禁忌 ( 併用しないこと ) 薬剤名等臨床症状 措置方法機序 危険因子生ワクチン類薬による免疫抑制下免疫抑制作用により発乾燥弱毒生麻しんワクで 生ワクチン接種によ症の可能性が増加する チンり発症したとの報告が乾燥弱毒生風しんワクある チン経口生ポリオワクチン等 シクロスポリンサンディミュンネオーラル ボセンタントラクリア カリウム保持性利尿剤スピロノラクトンアルダクトン A カンレノ酸カリウムソルダクトントリアムテレントリテレン 高カリウム血症が発現することがある 2) 併用注意 ( 併用に注意すること ) 薬剤名等臨床症状 措置方法 抗生物質エリスロマイシンジョサマイシンクラリスロマイシンアゾール系抗真菌剤イトラコナゾールフルコナゾールボリコナゾール等カルシウム拮抗剤ニフェジピンニルバジピン注 1) ニカルジピンジルチアゼム等 HIV プロテアーゼ阻害剤リトナビルサキナビルネルフィナビルその他の薬剤ブロモクリプチンダナゾールエチニルエストラジオールオメプラゾールランソプラゾールトフィソパムアミオダロン飲食物グレープフルーツジュース テラプレビル シクロスポリンの血中濃度が上昇し 副作用が増強されたとの報告があ る なお シクロスポリンより本剤に切り換える 場合はシクロスポリンの最終投与から 24 時間以上経過後に本剤の投与を開始することが望ましい ボセンタンの血中濃度が上昇し ボセンタンの副作用が発現する可能性 がある また 本剤の血中濃度が変動する可能性がある 本剤の血中濃度が上昇し 腎障害等の副作用が発現することがある 本剤血中濃度のモニターを行い 必要に応じ減量 休薬等の処置を行う テラプレビル 750mg 1 日 3 回 8 日間服用後 本剤を併用したとき 本剤の AUC が 70 倍に上昇したとの報告がある 本剤血中濃度のモニターを行い 必要に応じ減量 休薬等の処置を行う 本剤とシクロスポリンは薬物代謝酵素 CYP3A4 で代謝されるため 併用した場合 競合的に拮抗しシクロスポリンの代謝が阻害される 本剤とボセンタンは薬物代謝酵素 CYP3A4 で代謝されるため 併用によりボセンタンの血中濃度が上昇する可能性がある また ボセンタンは CYP3A4で代謝されるとともにCYP3A4 誘導作用も有するため 併用により本剤の血中濃度が変動する可能性がある 本剤と相手薬の副作用が相互に増強される 機序 危険因子本剤は主として薬物代謝酵素 CYP3A4にて代謝される この酵素で代謝される他の薬物との併用により 本剤の代謝が阻害され血中濃度が上昇する可能性がある 薬剤名等 臨床症状 措置方法 機序 危険因子 抗てんかん剤 本剤の血中濃度が低下薬物代謝酵素が誘導さ カルバマゼピン し 拒絶反応出現の可れ 本剤の代謝が促進 フェノバルビタール 能性がある 本剤血中される 2) フェニトイン注 濃度のモニターを行い 抗生物質 必要に応じ増量等の処 リファンピシン 置を行う リファブチン 飲食物セイヨウオトギリソウ (St. John's Wort セン ト ジョーンズ ワート ) 与時はセイヨウオトギリ考えられている 含有食品 ソウ含有食品を摂取し ないよう注意すること 腎毒性のある薬剤 腎障害が発現すること本剤と相手薬の腎毒性 アムホテリシン B アミノ糖系抗生物質スルファメトキサゾール トリメトプリム非ステロイド性抗炎症剤等 がある が相互に増強される 不活化ワクチンインフルエンザ HA ワクチン等 本剤の代謝が促進され薬物代謝酵素 CYP3A4 血中濃度が低下するおが誘導され 本剤の代それがあるので 本剤投謝が促進されるためと ワクチンの効果を減弱本剤の免疫抑制作用にさせることがある より 接種されたワクチンに対する抗体産生が抑制される 免疫抑制作用を有する過度の免疫抑制が起こともに免疫抑制作用を薬剤ることがある ( 重要な有する 免疫抑制剤基本的注意 の項参照 ) 副腎皮質ホルモン剤等抗リウマチ薬 (DMARD) メトトレキサート等エプレレノン血清カリウム値が上昇本剤と相手薬の副作用する可能性があるのが相互に増強される で 血清カリウム値を定期的に観察するなど十分に注意すること 注 1) 併用により相互に代謝が阻害され ニルバジピンの血中濃度も上昇する可能性がある 注 2) 併用によりフェニトインの血中濃度が上昇したとの報告がある ( 機序不明 ) 4. 副作用本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない 1) 重大な副作用 ( 頻度不明 ) (1) 急性腎不全 ネフローゼ症候群 : 急性腎不全 ネフローゼ症候群があらわれることがあるので 頻回に臨床検査 ( クレアチニン BUN クレアチニンクリアランス 尿蛋白 尿中 N A G 尿中 β 2 ミクログロブリン等 ) を行うなど観察を十分に行い 異常が認められた場合には 減量 休薬等の適切な処置を行うこと (2) 心不全 不整脈 心筋梗塞 狭心症 心膜液貯留 心筋障害 : 心筋障害 (ST-T 変化 心機能低下 心内腔拡大 壁肥厚等 ) 心不全 心室性あるいは上室性の不整脈 心筋梗塞 狭心症 心膜液貯留があらわれることがあるので 使用に際しては心電図 心エコー 胸部 X 線検査を行うなど患者の状態をよく観察し 異常が認められた場合には 減量 休薬等の適切な処置を行うこと (3) 可逆性後白質脳症症候群 高血圧性脳症等の中枢神経系障害 : 可逆性後白質脳症症候群 高血圧性脳症等の中枢神経系障害があらわれることがあるので 全身痙攣 意識障害 錯乱 言語障害 視覚障害 麻痺等の症状があらわれた場合には 神経学的検査や C T M R I による画像診断を行うとともに 本剤を減量又は中止し 血圧のコントロール 抗痙攣薬の投与等適切な処置を行うこと (4) 脳血管障害 : 脳梗塞 脳出血等の脳血管障害があらわれることがあるので このような症状があらわれた場合には 神経学的検査や CT MRI による画像診断を行うとともに 減量 休薬等の適切な処置を行うこと (5) 血栓性微小血管障害 : 溶血性尿毒症症候群 血栓性血小板減少性紫斑病等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるので 定期的に検査を行うなど観察を十分に行い 異常が認められた場合には 減量 休薬等の適切な処置を行うこと (6) 汎血球減少症 血小板減少性紫斑病 無顆粒球症 溶血性貧血 赤芽球癆 : 汎血球減少症 血小板減少性紫斑病 無顆粒球症 溶血性貧血 赤芽球癆があらわれることがあるので 定期的に検査を行うなど観察を十分に行い 異常が認められた場合には 減量 休薬等の適切な処置を行うこと (7) イレウス : イレウスがあらわれることがあるので このような症状があらわれた場合には 減量 休薬等の適切な処置を行うこと (8) 皮膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson 症候群 ): 皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので このような症状があらわれた場合には 投与を中止し適切な処置を行うこと (9) 呼吸困難 : 呼吸困難 急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので 観察を十分に行い 異常が認められた場合には 減量 休薬等の適切な処置を行うこと 全身型重症筋無力症ではクリーゼを起こすことがあるので 使用に際しては患者の状態をよく観察し このような症状があらわれた場合には 人工呼吸等の適切な処置を行うこと (10) 間質性肺炎 : 関節リウマチ患者では 間質性肺炎があらわれることがあるので 観察を十分に行い 発熱 咳嗽 呼吸困難等の呼吸器症状が認められた場合には 本剤の投与を中止するとともに 速やかに胸部レントゲン検査 胸部 CT 検査及び血液検査等を実施し 感染症との鑑別診断を考慮に入れて 副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと

使用上の注意 取扱い上の注意 (11) 感染症 : 細菌性 ウイルス性 真菌性あるいは原虫性感染症が発現又は増悪することがある また B 型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎や C 型肝炎の悪化があらわれることがある 本剤を投与する場合は観察を十分に行い 異常が認められた場合には 減量 休薬 抗生物質の投与等の適切な処置を行うこと (12) 進行性多巣性白質脳症 (PML): 進行性多巣性白質脳症 ( P M L ) があらわれることがあるので 本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し 意識障害 認知障害 麻痺症状 ( 片麻痺 四肢麻痺 ) 言語障害等の症状があらわれた場合は M R I による画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに 投与を中止し 適切な処置を行うこと (13)BK ウイルス腎症 :BK ウイルス腎症があらわれることがあるので このような場合には減量又は投与を中止し 適切な処置を行うこと (14) リンパ腫等の悪性腫瘍 :Epstein-Barr ウイルスに関連したリンパ増殖性疾患あるいはリンパ腫 ( 初期症状 : 発熱 リンパ節腫大等 ) があらわれることがあるので このような症状があらわれた場合には 減量 休薬等の適切な処置を行うこと 特に 2 歳未満の乳幼児例又は抗リンパ球抗体の併用例において 発現の可能性が高い また 過度の免疫抑制により 悪性腫瘍発現の可能性が高まることがあるので 観察を十分に行い 異常が認められた場合には 減量 休薬等の適切な処置を行うこと (15) 膵炎 : 膵炎があらわれることがあるので 定期的に検査を行うなど観察を十分に行い 異常が認められた場合には 減量 休薬等の適切な処置を行うこと (16) 糖尿病 高血糖 : 糖尿病及び糖尿病の悪化 高血糖があらわれることがあるので 観察を十分に行い 異常が認められた場合には減量 休薬等の適切な処置を行うこと (17) 肝機能障害 黄疸 :AST(GOT) ALT(GPT) γ-gtp Al-P LDH の著しい上昇等を伴う肝機能障害 黄疸があらわれることがあるので 観察を十分に行い 異常が認められた場合には 減量 休薬等の適切な処置を行うこと 2) その他の副作用以下のような副作用があらわれた場合には症状に応じて 減量 休薬等の適切な処置を行うこと 腎臓 代謝異常 循環器 精神神経系 消化器 頻度不明 腎障害 (BUN 上昇 クレアチニン上昇 クレアチニンクリアランス低下 尿蛋白 ) 尿量減少 血尿 多尿 頻尿 残尿感 高カリウム血症 高尿酸血症 低マグネシウム血症 CK(CPK) 上昇 アシドーシス 高コレステロール血症 高リン酸血症 低リン酸血症 高クロール血症 高カルシウム血症 低カルシウム血症 低蛋白血症 低ナトリウム血症 低カリウム血症 高トリグリセリド血症 尿糖 血圧上昇 浮腫 頻脈 動悸 心電図異常 血圧低下 徐脈 振戦 運動失調 幻覚 しびれ 不眠 失見当識 せん妄 不安 頭痛 感覚異常 めまい 眼振 外転神経麻痺 四肢硬直 傾眠 意識混濁 うつ病 興奮 胸やけ 消化管出血 腸管運動障害 食欲不振 下痢 腹痛 胃潰瘍 十二指腸潰瘍 大腸炎 口内炎 悪心 嘔吐 腹部膨満感 下血 注意 : 開封後は光を避けて保存すること 貯法 : 室温保存使用期限 : 外箱に記載 膵臓 肝臓 血液 皮膚 その他 アミラーゼ上昇 頻度不明 肝機能異常 (AST(GOT) 上昇 ALT(GPT) 上昇 Al-P 上昇 LDH 上昇 γ-gtp 上昇 ) 好中球減少 貧血 血小板増多 血小板減少 白血球増多 白血球減少 リンパ球減少 発疹 紅斑 そう痒 脱毛 疼痛 発赤 眼痛 多汗 口渇 冷感 胸痛 胸水 腹水 喘息 発熱 全身けん怠感 体重減少 ほてり 月経過多 咽喉頭異和感 筋肉痛 関節痛 味覚異常 5. 高齢者への投与高齢者では一般に生理機能 ( 腎機能 肝機能 免疫機能等 ) が低下しているので 患者の状態を観察しながら慎重に投与すること 高齢の関節リウマチ患者では 低用量 (1 日 1 回 1.5mg) から投与を開始すること 6. 妊婦 産婦 授乳婦等への投与 1) 妊婦等 : 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと [ 動物実験 ( ウサギ ) で催奇形作用 胎児毒性が報告されている ] 2) 授乳婦 : 本剤投与中は授乳を避けさせること [ 母乳中へ移行することが報告されている ] 7. 小児等への投与 1) 骨髄移植及び腎移植では低出生体重児 新生児 乳児 幼児に対する安全性は確立していない ( 使用経験が少ない ) 2) 心移植 肺移植 膵移植 小腸移植 重症筋無力症 関節リウマチ 及び潰瘍性大腸炎では小児等に対する安全性は確立していない ( 心移植 肺移植 膵移植 小腸移植 及び重症筋無力症 では使用経験が少なく 関節リウマチ及び 潰瘍性大腸炎では使用経験がない ) 8. 過量投与 1) 症状 :B U N 上昇 クレアチニン上昇 悪心 手振戦 肝酵素上昇等が報告されている 2) 処置 : 胃洗浄 活性炭経口投与 フェニトイン投与などが行われているが 十分な経験はない 脂溶性が高く蛋白結合も高いため 血液透析は有用ではない 必要に応じて支持 対症療法を行う 9. 適用上の注意薬剤交付時 :PTP 包装の薬剤は PTP シートから取り出して服用するよう指導すること [PTP シートの誤飲により 硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し 更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている ] 10. その他の注意 1) 免疫抑制剤による治療を受けた患者では 悪性腫瘍 ( 特にリンパ腫 皮膚癌等 ) の発生率が高いとする報告がある 2) 関節リウマチ患者における本剤とメトトレキサート 他の抗リウマチ薬あるいは抗 TNFα 製剤を併用した際の有効性及び安全性は確立していない 3) 関節リウマチでは 人工関節置換術等の手術時における本剤の安全性は確立していない 4) ラット (1.0~3.0mg/kg 皮下投与 ) で 精子数の減少及び精子運動能の低下が また高用量群では繁殖能の軽度低下が認められた 包 装 タクロリムス錠 0.5mg トーワ :100 錠 (PTP) タクロリムス錠 1mg トーワ :100 錠 (PTP) タクロリムス錠 1.5mg トーワ :30 錠 (PTP) タクロリムス錠 3mg トーワ :30 錠 (PTP) タクロリムス錠 5mg トーワ :20 錠 (PTP) 詳細は製品添付文書をご参照のうえ 改訂に十分ご留意ください 2014 年 10 月改訂

日本標準商品分類番号 873999 TACROLIMUS TABLETS TOWA 免疫抑制剤 劇薬 処方せん医薬品注 ) 薬価基準収載 タクロリムス錠 TACROLIMUS TABLETS 0.5mg TOWA / TABLETS 1mg TOWA / TABLETS 1.5mg TOWA / TABLETS 3mg TOWA / TABLETS 5mg TOWA 注 ) 注意ー医師等の処方せんにより使用すること * 効能 効果 用法 用量 使用上の注意等については添付文書をご参照下さい 2014 年 10 月作成 東和コミュニケーションプラザ特別号リウマチシリーズ 2014 年 10 月発行 Vol.1 編集 発行 : 東和薬品株式会社 571-8580 大阪府門真市新橋町 2-11