Similar documents
Microsoft Word _MICE_Q&A(最終案)

スライド 1

LRT の日本への導入に向けての 課題と対応 独立行政法人交通安全環境研究所 大野寛之 1

<4D F736F F F696E74202D208F E7382C982A882AF82E98CF68BA48CF092CA90AD8DF482CC8EE C982C282A282C42E B8CDD8AB7838

目次

3 検討プロセス 3-1 県計画案を策定するねらい 沖縄 21 世紀ビジョン基本計画を着実に実施していくための総合的な交通体系のビジョンを示した 沖縄県総合交通体系基本計画 において 県土の均衡ある発展を支える利便性の高い公共交通ネットワークの構築が位置づけられている 同計画を踏まえ 県では 南北骨

の復旧状況に関する長期的な見通しを可能な限り明らかにしながら 復旧の段階に 応じた役割の分析を行う 5) 交通事業者ヒアリング調査沿線地域に関係する交通事業者 ( 鉄道事業者 2 社 バス事業者 2 社 タクシー事業者 2 社その他 ) に聞き取り調査を行い 定性的な利用特性や地域の公共交通の問題点

(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

計画の目的 多様化する生活交通ニーズへの対応 効率的 効果的な生活交通サービスの構築 山陽小野田市では 生活交通バス路線維持 通学児童定期補助 福祉タクシー券の発行等 上記の施策が行われており 生活交通の確保を図っている 行政負担 サービスの地域間格差 交通活性化計画 生活交通の現状と問題点の把握

九州新幹線 久留米駅についてのアンケート の主な結果概要 福岡県立大学人間社会学部公共社会学科 2017 年度社会調査実習 九州新幹線調査 グループ担当教員田代英美学生調査グループ一同 回答者のプロフィール 久留米市の旧久留米市域にお住いの 18 歳 ~79 歳の方から無作為で ( くじ引きのような

1 はじめに

PowerPoint プレゼンテーション

スライド 1

8略都市スライド東北(郡山市)全部 [互換モード]

(5) 老上西学区 1 まちづくりの方向性 1-1. 生活拠点の形成と交通環境の充実 既存の生活拠点を中心とした 50 戸連坦制度の厳守等により市街地の拡散を抑制するこ とで 利便性の高い生活環境を維持していくものとします 老上西学区は 東側から南側にかけての一帯が市街化区域に含まれ ( 主 ) 大

スライド 1

Microsoft Word 交通渋滞(有明アーバン)_181017

<4D F736F F F696E74202D AC93638E7391BD E D838C815B838B82C682DC82BF82C382AD82E F E707074>

能代市中心市街地活性化計画

PowerPoint プレゼンテーション

スライド 1

NITAS の基本機能 1. 経路探索条件の設定 (1) 交通モードの設定 交通モードの設定 とは どのような交通手段のネットワークを用いて経路探索を行うかを設定するものです NITASの交通モードは 大きく 人流 ( 旅客移動 ) 物流( 貨物移動 ) に分かれ それぞれのネットワークを用いた経路

4. 基本的な方針太田市が目指す将来像や公共交通が果たすべき役割を踏まえて 以下の4つを計画の基本的な方針とし 太田市にふさわしい公共交通ネットワークの形成を図ります 公共交通の役割取組みの方向性市民の移動手段の確保 おうかがい市バスによる高齢者 障がい者等の通院 買物等の移動手段の確保 学生 生徒

<4D F736F F F696E74202D D8D878E968BC A C52E816A>

01_表紙

交通結節点が備えるべき機能を整理すると 最も基本となるものとして があり これに加えて 都市機能の誘導 集積を促進させ 都市内の中心的な拠点地区を形成する 及び 都市の顔 となる 交通結節点の計画 整備の検討においては 先に示した の三種の機能がそれぞれ交通結節性 人の交流や景観等の面で役割を果たし

目次(案)

長野県上田市の取組み -ヒアリング調査結果-

Microsoft PowerPoint - 【資料3】運転免許証の自主返納に関するアンケート調査結果

<4D F736F F F696E74202D20362E8E9197BF E738DC490B693C1915B964089FC90B38E9197BF>

沖縄でのバス自動運転実証実験の実施について

発表内容 1. 背景 2. 測定方法 3. 測定結果 4. 考察 5. まとめ この発表は 国土交通省鉄道局より受託実施した デュアルモードシステム等の鉄道分野における環境負荷に関する調査 での調査資料の一部を整理したものである 2

関係機関と連携し 渋滞対策を推進することとしている MM は 渋滞対策における TDM 施策の 1 つとして 関係機関と連携しながら実施するものである なお 札幌開発建設部では 従前より渋滞対策における MM を検討 実施しており 平成 11 年度に 全国で初めての MM を札幌市あいの里地区で実施

Microsoft PowerPoint - æ´»å‰Łå€±å‚−4_暾島_ pptx

1 日本再興戦略 2016 改革 2020 隊列走行の実現 隊列走行活用事業モデルの明確化ニーズの明確化 ( 実施場所 事業性等 ) 技術開発 実証 制度 事業環境検討プロジェクト工程表技高齢者等の移動手段の確保 ( ラストワンマイル自動走行 ) 事業モデルの明確化 ( 実施主体 場所 事業性等 )

Microsoft PowerPoint - 沖縄鉄軌道の計画案検討プロセスと体制のあり方

Microsoft Word - 00_扉ページ0528.docx

2 N バスで要件②を満たす系統 1 補助対象地域間幹線バス系統のフィーダー系統 N バスが接続する他市の路線の中において 補助対象地域間幹線系統の指定を受けた 路線は 下記の日進市の路線である 日進市くるりんばす 五色園線 N バスと長久手古戦場駅で接続 上記の路線に接続するN バスの中央循環線

Microsoft Word - 報告書-2_本編_ docx

1 見出し1

地域公共交通確保維持改善事業 事業評価 ( 生活交通ネットワーク計画に基づく事業 ) ( 別紙 1) 資料 3 平成 23 年度 平成 24 年 4 月 23 日 協議会 構成員 上田市公共交通活性化協議会 上田市 上田バス 千曲バス 事業名 補助対象事業者等 事業概要 1 事業実施の適切性 2 目

<4D F736F F D BD82C892E CF092CA93B193FC8BF38AD492B28DB895F18D908F B95D2816A5F >

<4D F736F F D208D8291AC93B BF8BE08E7B8DF482CC89658BBF92B28DB E92B A2E646F63>

221yusou

総合交通計画 ( 仮称 ) の策定について 背景 人口減少と超高齢化が同時に進行する中 自動車を使えない県民の移動手段を確保しなければ 経済活動の低迷 人口の流出 財政支出の増加などの問題が深刻化し 持続可能なまちづくりが困難になる恐れがある 平成 年度に実施したパーソントリップ調査の結

<30335F81798E9197BF A826B CC895E92C08EFB8EF395FB964082C982C282A282C42E786477>

コンパクトシティ構想 2つの柱 ( 郊外の開発抑制 + 中心市街地の活性化 ) まちなか住み替え事業 や 家賃補助制度 を行っているが 借りたい人はいるが 貸したい人がいない という状況 コンパクトシティという構想だけでは 民間資本は動かない (= 補助金などのインセンティブが必要 ) 中心市街地活

1 見出し1

1 見出し1

イメージ図 ( 医療施設の場合 ) イメージ図 ( 誘導施設 : 地域医療支援病院の場合 ) 5 届出を要しない軽易な行為などについて都市再生特別措置法第 108 条並びに都市再生特別措置法施行令第 35 条 第 36 条の規定により 以下の行為は届出の対象となりません 軽易な行為その他の行為で政令

<4D F736F F D B836792B28DB8955B817A8DC58F498C8892E8>

県民を対象とした需要喚起方策の検討検討方針県民を対象とした需要喚起方策の検討では 今年度調査の主なターゲットのうち 都心部への自動車流入抑制 を対象とする まずは 都心部への自動車流入抑制に関する最新事例の整理を行う それを参考に 沖縄本島を対象としたケーススタディを行い 需要喚起効果及び課題を整理

Microsoft Word - さいたま市都市計画道路見直し指針1/3.doc

TRY TRY TRY TRY TRY 5

目 次 1 目指すべき方向の策定に当たって 背景 目的 2 山梨県内の公共交通の現状と課題 本県を取り巻く環境 本県のバス交通の現状等 観光客と利用する交通手段等 3 山梨県のバス交通の目指すべき方向 背景と課題 基本的な考え方 基本理念 実現する将来像 基本目標 4 広域的な路線 5 地域内路線

PowerPoint プレゼンテーション

図 1 平成 19 年首都圏地価分布 出所 ) 東急不動産株式会社作成 1963 年以来 毎年定期的に 1 月現在の地価調査を同社が行い その結果をまとめているもの 2

untitled

2. 各学区のまちづくりの方向性と将来ビジョン 第 3 章で整理した各学区の現状 課題等を踏まえ 学区ごとにまちづくりの方向性 ( 基本方針の 3 つの柱の何に該当するのか ) を整理します 方向性を踏まえ 施策の柱ごとに具体的なビジョンを検討します (1) 常盤学区 1 まちづくりの方向性 1-1

3 整備費用設定ルートの通過区間の標高データ等を基に 整備が想定される高架橋やトンネルといった施設の構造種別と数量を推計し 近年開業した九州新幹線や北陸新幹線等の事例から推計した単価を乗じた整備費用の総額は 約 2.7 兆円となる ( 図表 3 参照 ) この整備費用は 現行の財源スキームでは 運行

Microsoft PowerPoint - ●03-【沖縄の現状の課題と将来、目指すべき姿】150403

< F2D D5F8E9197BF C82A982C895E982E7>


未整備 主要都市間の移動時間が約半分 別紙 1 東九州自動車道が北九州から繋がり 北部九州のミッシングリンクが解消されます 北九州市から大分市間や 北九州市から宮崎市間の所要時間が 高速道路未整備時と比べて約半分の時間に短縮されます 福岡 北九州 大分都市圏の連携軸が強化され 更に東九州域を中心に地

平成 30 年度 自動車局税制改正要望の概要 平成 29 年 8 月 国土交通省自動車局

別紙 1 < 開催概要 > [ 主催 ] 公共交通オープンデータ協議会 [ 共催 ] INIAD chub( 東洋大学情報連携学部学術実業連携機構 ) 東京大学大学院情報学環ユビキタス情報社会基盤研究センター 国土交通省 [ 特別協力 ] 東京地下鉄株式会社 東京都交通局 東日本旅客鉄道株式会社 Y

<91E682548FCD5F8AEE967B8D5C917A2E786477>

< 基本方針 > 一般社団法人移住 交流推進機構 ( 以下 JOIN という ) は 地方に新しい生活や人生の可能性を求めて移住 交流を希望する方々への情報発信や そのニーズに応じた地域サービスを提供するシステムを普及することにより 都市から地方への移住 交流を推進し 人口減少社会における地方の振興

コンパクト プラス ネットワークの形成 1

2

Microsoft PowerPoint - 【150105】02-2検討プロセス及び検討体制

8. ピンポイント渋滞対策について 資料 8

長岡市立地適正化計画概要版目次 1. 立地適正化計画制度の概要... 1 (1) 立地適正化計画策定の背景と目的... 1 (2) 立地適正化計画制度... 1 (3) 立地適正化計画の位置付け... 2 (4) 計画の対象区域... 2 (5) 計画期間 長岡市の現状と将来見通し.

国土技術政策総合研究所 プロジェクト研究報告

スライド 1

<4D F736F F F696E74202D D91817A8D4C93878E7390ED97AA8A C5>

Microsoft PowerPoint - 04-検討プロセス及び検討体制

⑴ 政策目的 市街地再開発事業の推進により 土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るとともに コンパクトシティの推進及び密集市街地の解消を図る 新設 拡充又は延長を必要とする理由 ⑵ 施策の必要性 以下の施策の推進のため 本措置の延長により 民間事業者による早期かつ着実な保留床の取得を促

【150105】01-続き(意見の概要及び意見への対応)

Microsoft PowerPoint - 潟上市地域公共交通網形成計画(最終)


岐阜市の BRT の導入推進に向けた取り組みについて岐阜市企画部交通総合政策課課長青木保親 1. はじめに戦後のモータリゼーションの進展により 地方都市においても 道路網の整備が進み 車での移動を前提として公共交通が無い郊外部まで市街地が拡散し 大学 官庁及び病院などの公共公益施設や大規模商業施設も

<4D F736F F D20352D318FBC8CCB8E738DC58F F5495AA90CD816A5F8F4390B38CE3816A2E646F63>

ナンバリングルールの検討 資料 6

評価や 人口減少 超高齢化社会の到来 さらには地球規模の環境問題への対応などを踏まえ 参画と協働で築く公共交通を基軸とした多核連携のまちづくり をテーマに掲げたところである 本市が2008 年に実施した将来人口推計では2010 年ごろをピークと予想していたが 年の九州新幹線鹿児島ルートの

1. 住宅地価格査定マニュアル 改訂の概要 (1) 大都市圏版 と 標準版 の区分を廃止し 一本化 1 改訂前は 査定地 ( 事例地 ) が所在する地理的要因に基づき大都市圏版または標準版のいずれかを査定者が選択し かつ 大都市圏版と標準版では各査定項目の評点について異なる設定としていますが 改訂で

<81798E9197BF FCD817A8CF092CA82DC82BF82C382AD82E88D7393AE8C7689E62E786477>

市町合併という基本的枠組みの変更に対応した 市全域を対象とした計画の見直し 少子高齢化をはじめとする本市を取り巻く社会経済情勢の変化に対応した計画づくり 総合計画や都市計画区域マスタープランなど 上位関連計画との整合 調整の必要性 都市計画マスタープランは 都市計画法第 18 条の 2 に基づいて策

4-(1)-ウ①

Taro-全員協議会【高エネ研南】

施設までの距離は 地区中心付近からのおおよその距離 大原台 回答者の年齢構成 3 5 主な (2 箇所の行き先 ) 10% 1 70% 主な行き先 フレスタ沼田店 ( 約 0.7km) ビッグハウス沼田店 ( 約 1km) 買物目的 :7 :1 : 最寄り駅 大原 ( 約 0.7km) 駅 :88

H28秋_24地方税財源

Microsoft Word - 13 地域イントラ.doc

<4D F736F F D D30305F81798E9197BF32817A90C389AA8E73826B B193FC8CA48B8689EF208C9F93A293E CC82DC82C682DF81698F4390B3816A>

道路建設事業の再評価項目調書 とのみ 事業名 一般国道 2 号 富海拡幅 事業 一般国道 事業 国土交通省 区分 主体 中国地方整備局 やまぐちしゆうなんへた 起終点自 : 山口県周南市戸田延長 3.6km 事業概要 やまぐちほうふとのみ 至 : 山口県防府市富海 おおさか きたきゅうしゅう 一般国

【論文】

1-2 立地適正化計画の役割 立地適正化計画は 都市全体の観点における居住機能や都市機能の立地 公共交通の充実に関する包括的なマスタープランであり 以下のような役割があるとされています 1 都市全体を見渡したマスタープラン 立地適正化計画は, 居住機能や医療 福祉 商業, 公共交通等のさまざまな都市

さいたま市の基幹交通を考える

<第1回> 帯広市都市計画審議会 第二次 都市計画マスタープラン検討                   専門部会

<8ED089EF8E91967B90AE94F5918D8D878CF095748BE0955D89BF88CF88F589EF2E786477>

Transcription:

講演 1 地域の輸送ニーズに応える LRT 普及促進への取組み - 沖縄の事例から - 主席研究員 大野寛之 -15-

地域の輸送ニーズに応える LRT 普及促進への取組み - 沖縄の事例から - 交通システム研究領域主席研究員大野寛之 講演内容 1. 地域公共交通の充実に向けた国の施策 2. 沖縄におけるLRT 導入の可能性 3. 沖縄へのLRT 導入実現に向けて 4. 我が国へのLRT 新規導入実現に向けて -17-

地域公共交通の充実に向けた国の施策 地域公共交通の活性化 及び再生に関する法律 交通政策基本法 平成25年12月4日 平成19年5月25日 出典 国土交通省HP公表資料(一部を抜粋) 基 本 法 交通政策基本計画の策定 実行により 政府が一丸となって対応 活性化法 主体的に創意工夫して頑張る地域を総合的に支援 3 平成26 年度 平成26年度 講演会 地域公共交通の充実に向けた国の施策 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律施行規則 第二節 軌道運送高度化事業 より優れた加速 減速性能を有する車両を用いること等により軌道事業の質の 向上を図る事業 LRT整備に関する軌道事業の上下分離制度の導入 LRT車両購入等について自治体助成部分の起債対象化等 実施具体例 富山市地域公共交通総合連携計画 平成19年度 富山市内線路面電車環状化 軌道法の上下分離の特例措置を活用 整備 富山市 運行 富山地方鉄道株式会社 札幌市軌道運送高度化実施計画 平成25年度 富山市内路面電車環状線化以来 5年ぶりの軌道運送高度化実施計画 路線のループ化 サイドリザベーション方式を採用 新型低床車両の導入 既設線の整備 4 18 サイドリザベーション 平成26 年度 平成26年度 講演会

沖縄における LRT 導入の可能性 沖縄本島中南部の渋滞は 3 大都市圏並 都市内鉄道ネットワーク無し 都市圏に軌道系交通のネットワークがあれば 渋滞は回避できるのではないか? 都市内鉄道ネットワークあり LRT はその有力な候補となり得る! 渋滞損失 3D マップ出典 : 国土交通省道路局 HP 5 平成 26 年度講演会 沖縄におけるLRT 導入の可能性沖縄本島中南部都市圏 (17 市町村 ) の現況 面積 : 約 478km 2, 人口 : 約 118 万人沖縄県公表資料より 6 政令市である北九州市に匹敵 ( 面積 : 約 489km 2, 人口約 96 万人 ) 国土地理院電子国土 Web 沖縄県内唯一の軌道系交通は ゆいレール ( 営業キロ 12.9km) 北九州市にはモノレールの他 JR 線 筑豊電気鉄道 平成筑豊鉄道が存在 平成 26 年度講演会 -19-

沖縄におけるLRT 導入の可能性沖縄にふさわしいLRTに関する考察 生活の足として また観光の足として利用される広島電鉄 の例 市内は稠密なネットワーク 郊外へは高速運行 出典 : 広島電鉄 HP 沖縄では ; 南部都市圏の LRT ネットワークと 中部方面の鉄道線との乗り入れが考えられる 7 平成 26 年度講演会 沖縄におけるLRT 導入の可能性沖縄にふさわしいLRTに関する考察 鉄道駅を中心にフィーダー路線を整備する富山市の例 出典 : 富山市都市整備事業の概要 JR の駅 ( 新幹線も開通予定 ) を中心にフィーダー交通を担うネットワークを形成 公共交通中心のコンパクトな街づくりを目指す市の方針 沖縄では ; 南北軸幹線鉄道と その駅を中心に フィーダー交通としての L R T の整備が考えられる 8 平成 26 年度講演会 -20-

沖縄におけるLRT 導入の可能性沖縄における軌道系交通の歴史 路面電車 1914 年沖縄電気軌道大門前 - 首里間 (5.7km) 開業 1917 年大門前 - 通堂間 (1.2km) 開業 1933 年休止 軽便鉄道 ( 県営 ) 1914 年与那原線開通 1922 年嘉手納線開通 1923 年糸満線開通 1945 年沖縄戦により破壊される 都市モノレール 2003 年那覇空港 - 首里間開業 9 58 年間に及ぶ断絶!! 日本の都道府県でこれまでに唯一 国による鉄道整備が行われたことがない土地 沖縄! 平成 26 年度講演会 本島南部自治体 ( 那覇市 浦添市 西原町 南風原町 豊見城市 与那原町 ) に居住する成人 500 人 ( 男 250 人, 女 250 人 ) に対し LRT の利用意向等を調査 Q 通勤 通学 通勤以外の業務 での利用の場合 那覇市市街地まで どのような交通手段で行きますか ( いくつでも ) 那覇市市街地 とは ゆいレールの駅の近傍を想定してください 那覇市市街地にお住まいの方は 那覇市市街地内での移動についてお答えください ゆいレール バス タクシー 自家用車 レンタカー バイク 原付 自転車 徒歩 その他 沖縄におけるLRT 導入の可能性沖縄の人々は軌道系交通を利用するのか? 0 20 40 60 80 100 % 10 平成 26 年度講演会 -21-

沖縄におけるLRT 導入の可能性沖縄の人々は軌道系交通を利用するのか? 本島南部自治体 ( 那覇市 浦添市 西原町 南風原町 豊見城市 与那原町 ) に居住する成人 500 人 ( 男 250 人, 女 250 人 ) に対し LRT の利用意向等を調査 Q 仮に那覇市市街地から LRT( 次世代路面電車 ) が導入された場合 あなたは LRT( 次世代路面電車 ) を利用するようになると思いますか ほぼ毎日利用する 2 回に 1 回程度利用する 5 回に 1 回程度利用するごくたまに利用する利用することはないわからない 業務での利用の場合 1. 通勤 通学 通勤以外の業務での利用の場合 (n=500) 16.2 9.4 6.8 21.8 19.6 26.2 買物 レジャーの場合 2. 買い物 レジャーその他の目的の場合 (n=500) 10.4 17.2 13.0 30.2 11.0 18.2 3~4 割がそれなりに利用意向を持っているものと考えられる 業務利用では通勤 通学等で 毎日利用したいというニーズも それならば 既存の ゆいレール 利用者は 軌道系交通をどのように評価しているのか? 11 平成 26 年度講演会 沖縄におけるLRT 導入の可能性沖縄の人々は軌道系交通を利用するのか? 利用者は 定時性への信頼 渋滞への嫌悪 利便性に関して モノレールへの評価が高い 延伸計画に 9 割が賛成! モノレールを利用する理由 ( 平日 休日 ) 出展 : ゆいレールの整備効果と需要喚起アクションプログラムについて ( 沖縄県 ) モノレール延伸への賛否 出典 : 平成 19 年度沖縄都市モノレール延長検討調査 ( 沖縄県 ) 12 平成 26 年度講演会 -22-

沖縄における LRT 導入の可能性沖縄における LRT 導入に向けた提言等 八重山経済人フォーラム新石垣空港から離島ターミナルまでのルートを想定した LRT の導入について提言 ( 平成 19 年 6 月以降 継続的に提言を公表 ) 沖縄経済同友会 公共交通の活性化に向けて(LRT 等次世代型公共交通機関の導入 ) に関する提言 ( 平成 21 年 10 月 ) ( 一社 ) トラムで未来をつくる会 LRT 基本導入計画 ( 案 ) に 本島南部の 6 つの LRT 路線を提案 ( 平成 22 年 5 月 ) 沖縄の新たな発展につなげる大規模基地返還跡地利用計画提案コンペ 最優秀賞作品には LRT を軸に都市拠点を結ぶ との提言 ( 平成 25 年 2 月 ) 南部に鉄道を走らせる八重瀬の会八重瀬町を含む本島南部に LRT 導入を呼びかけ ( 平成 26 年 4 月 ) 13 平成 26 年度講演会 沖縄におけるLRT 導入の可能性沖縄県も新たな公共交通体系の整備へ 段階的な整備長期イメージ 鉄軌道を含む新たな公共交通システム導入促進検討 ( 平成 24 年度 ~) 那覇市 ~ 名護市間の鉄道 ( 高速小型鉄道 ) を検討 上記 南北軸鉄軌道 を中心に議論を進めており フィーダーに関しての議論はこれから 出典 : 沖縄県総合交通体系基本計画 ( 平成 23 年 ) 14 出典 : 鉄軌道を含む新たな公共交通システム導入促進検討業務報告書 ( 沖縄県 : 平成 25 年 ) 平成 26 年度講演会 -23-

沖縄への LRT 導入実現に向けての沖縄との関わり 第 4 回 LRT 国際ワークショップ (2010 年 ) それまでの LRT 国際ワークショップは ; 第 1 回 (1997 年 ) 東京及び熊本で開催 熊本への低床 LRV 導入他第 2 回 (2000 年 ) ドイツ フランス スイスで移動ワークショップを開催 先進地へ第 3 回 (2006 年 ) 京都で開催 富山ライトレール開業他 第 4 回 (2010 年 ) 路面電車の走っていない地 沖縄での開催! 子どもたちも興味津々市民向けポスター展示白熱の学術討論 子どもたちも含め 3 日間で延べ 700 名を超える参加者 15 平成 26 年度講演会 沖縄への LRT 導入実現に向けての沖縄との関わり LRT 普及促進懇話会 ( 第 2 回 : 平成 24 年 2 月, 第 3 回 : 平成 26 年 2 月 ) の開催第 1 回 LRT 普及促進懇話会は平成 23 年 7 月にて東京で開催 第 2 回懇話会プログラム ( 市民向け ) 沖縄 21 世紀ビジョンに見る交通と LRT アメリカで導入進む LRT 生活の足 観光の足 として活躍する路面電車 架線レス低床電池駆動 LRV 鉄道乗り入れ可能なバッテリ - トラム 新しい都市交通システム導入の評価について 全体討論 総括講演 第 3 回懇話会プログラム ( 自治体向け ) 鉄軌道を含む新たな公共交通システム導入促進検討業務 調査結果の概要について アメリカにおける LRT 導入事例 ( 附宇都宮の導入事例 ) 鉄道は地域活性化に貢献できるか! 新たな都市機能として ~LRT その優れた魅力 ~ 街づくりと LRV ~ 都市と交通のデザインを考える ~ 新しい都市交通システムと導入の評価について 全体討論 16 平成 26 年度講演会 -24-

沖縄への LRT 導入実現に向けての沖縄との関わり LRT 普及促進懇話会 ( 第 2 回 : 平成 24 年 2 月, 第 3 回 : 平成 26 年 2 月 ) の開催 第 2 回には約 90 名 第 3 回には約 100 名の参加を得た他 新聞にも大きく取り上げられ 沖縄県内に於ける鉄軌道への関心の高さをうかがうことができた 主な参加者 沖縄県内自治体職員 沖縄県内自治体首長 議員 沖縄県内各種企業 ( 交通事業者を含む ) 沖縄県内市民 ( 市民団体会員等 ) 国内鉄道車両メーカ 国内信号機器メーカ 国内重電メーカ 学識経験者他 17 平成 26 年度講演会 沖縄への LRT 導入実現に向けての沖縄との関わり 県南部 3 自治体 新たな公共交通に関する勉強会 への参加那覇市 南風原町 与那原町が LRT 導入を検討する勉強会を立ち上げ ( 平成 24 年 ) 職員も技術的アドバイス等を実施 参加自治体の新たな公共交通導入に向けた動き 那覇市 那覇市総合交通戦略 ( 平成 22 年 3 月公表 ) に モデル性の高い基幹的公共交通の導入 イメージとして LRT を紹介 公共交通セミナー ( 那覇市環境政策課主催で平成 24 年 8 月開催 ) にて LRT について紹介 与那原町 第 4 次与那原町総合計画 ( 平成 23 年 4 月 ~) に 新たな公共交通システム ( 基幹バス LRT 等 ) の整備を目指すことを記述 18 平成 26 年度講演会 -25-

沖縄への LRT 導入実現に向けての沖縄との関わり 那覇 ~ 宜野湾間で LRT 導入効果予測交通シミュレーションを実施 70 60 50 CO2 排出量 (kg) 40 30 20 10 0 自動車 バス 自動車 バス 自動車 バス LRT 自動車 バス LRT コンヘ ンションセンター方面 旭橋方面 コンヘ ンションセンター方面 旭橋方面 現況再現 LRT 導入 LRTの導入の効果を確認 (CO2 排出量減, 渋滞緩和, 平均移動速度向上,etc.) LRT 導入プランのある那覇 ~ 与那原間で交通流実態調査を実施平日朝ラッシュ時のバス専用レーンの効果大 LRTに置き換え可能か LRT 導入プランのある南部自治体でLRT 利用意向調査を実施導入されれば一定の利用が見込まれることを確認 19 平成 26 年度講演会 我が国への LRT 新規導入実現に向けて これまでの我が国における LRT の歴史を振り返ると 1997 年 : 熊本市交通局への低床 LRV 導入 LRV 元年 2005 年 : 広島電鉄への国産 100% 低床 LRV 導入 国産低床 LRV 元年 2006 年 : 富山ライトレール開業 LRT 元年 2009 年 : 富山市内線環状化 上下分離元年 いずれも 既存路線への LRV 導入 鉄道線からの転換 路線の延長等によるもので ゼロから新規に LRT が開業した事例はこれまで一つもない!! は沖縄を公共交通導入の最重要エリアと認識し 我が国初の 新設 LRT の導入実現に向けて 地域と協力して行きます 今後も御協力頂けますようお願いいたします 20 平成 26 年度講演会 -26-