4 単元構想図 ( 全 14 時間 ) 生徒の意識の流れ 表を使って解く 縦 (m) 0 8 横 (m) x= 右辺の形に式を変形して 二次方程式を解こう1 ax = b (x + m) = nは平方根の考えで解くことができる x= 右辺の形に式を変形して 二次方程式を解こう2 x +

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○数学科 2年 連立方程式

(2) 計画学習課題 学習内容 時間 連立方程式とその解 二元一次方程式とその解の意味 2 連立方程式とその解の意味 ( 本時 1/2) 連立方程式の解き方 文字の消去の意味 加減法による連立方程式の解き方 5 代入法による連立方程式の解き方 連立方程式の利用 問題を解決するために 2つの文字を使っ

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第 4 学年算数科学習指導案 平成 23 年 10 月 17 日 ( 月 ) 授業者川口雄 1 単元名 面積 2 児童の実態中条小学校の4 年生 (36 名 ) では算数において習熟度別学習を行っている 今回授業を行うのは算数が得意な どんどんコース の26 名である 課題に対して意欲的に取り組むこ

第 ○ 学 年 ○ ○ 科 学 習 指 導 案

(3) 指導観本時は 連立方程式の文章題を扱う最初の時間である 方程式の文章題は 個数と代金に関する問題 速さ 時間 道のりに関する問題 割合に関する問題 を扱う これらを解くときには図や表 線分図などを書くことが有効であることを生徒達は昨年度一次方程式の時にも経験している 一元一次方程式を利用する

英語                                    英-1

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

第5学年  算数科学習指導案

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○学部 ○○科 学習指導案

の 問を提示して定着度を確認していく 1 分けて計算するやり方 70 = =216 2 =6 2 筆算で計算する方法 題材の指導計画 ( 全 10 時間扱い ) ⑴ ⑵ ⑶ 何十 何百 1 位数の計算 1 時間 2 位数 1 位数

本時の展開

第 4 学年算数科指導案 平成 28 年 11 月 2 日 ( 水 ) 第 5 校時場所 4 年 2 組男子 22 名女子 10 名指導者垣見遥 ともなって変わる量 思考力 判断力 表現力の育成 ~ 児童の考えを引きだす算数的活動の工夫 ~ 1 単元名 ともなって変わる量 2 単元の目標 ともなって

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数学○ 学習指導案

Taro-@いわてスタンダード中数20

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けて考察し, 自分の考えを表現している 3 電磁石の極の変化と電流の向きとを関係付けて考え, 自分の考えを表現している 指導計画 ( 全 10 時間 ) 第 1 次 電磁石のはたらき (2 時間 ) 知 1, 思 1 第 2 次 電磁石の強さが変わる条件 (4 時間 ) 思 2, 技 1, 知 2

7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

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s_052小4算数「面積のはかり方と表し方」北総

数学科学習指導案 1 次方程式 ( 中学校第 1 学年 ) 神奈川県立総合教育センター < 中学校 高等学校 > 数学 理科授業づくりガイドブック 平成 22 年 3 月 問題つくりを題材として取り上げ 身近な生活の中にある数量関係を見いだし それを基に文章題を作らせる指導によって 自ら具体的な事象

Microsoft Word - ④「図形の拡大と縮小」指導案

国語科学習指導案様式(案)

(2) -2,4,1 3 y=-x-2 をかいた ( 人 ) 4 (1) y=2x-9,y=2x,y=3x+3 (2) y=x+11 (3) 指導観校内の研究テーマが 考える力を引き出す授業のあり方 ということで, 数学科では考える力とは何かを分析し,11 項目に整理した 1 帰納的に考える力 2

第 5 学年 社会科学習指導案 1 単元名自動車をつくる工業 2 目標 我が国の自動車工業の様子に関心を持って意欲的に調べ, 働く人々の工夫や努力によって国民生活を支える我が国の工業生産の役割や発展について考えようとしている ( 社会的事象への関心 意欲 態度 ) 我が国の自動車工業について調べた事

能を習得したり活用したりすることの必要性について確認する グラフをかく力やグラフを読み取る力を身に付けさせるとともに, 一次関数を学ぶことに対する意欲を高めたい 小単元全体を通して主体的に学ぶ意欲を高め, 自分の考えを説明したいという気持ちにさせた上で, 目的や方法等を明確にした意図のあるペアやグル

(3) 計画 学習課題学習内容時間 変わり方のようすをわかりやすく表すにはどうしたらよいか考えよう変わり方が大きいか小さいかを調べるにはグラフのどこに目をつけるとよいのだろう 2つの折れ線グラフからどんなことが分かるだろう折れ線グラフをかこう 変わり方を分かりやすく表す工夫 折れ線グラフの縦軸と横軸

学習指導要領

算数科学習指導案 指導者伊達詩恵 1 日時平成 24 年 5 月 21 日 ( 月 ) 5 校時 2 学年第 6 学年 1 組 22 名 3 場所 6 年 1 組教室 4 単元名文字と式 5 単元について 単元観 本単元は, 数量の関係を表す式についての理解を深め, 式に表したり, 式を読み取ったり

学習指導要領

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中学校第 3 学年数学科学習指導案 日 時 平成 25 年 月 日 ( ) 第 校時 対 象 第 3 学年 学校名 立 中学校 1 単元名 式の計算第 1 章式の計算 2 単元の目標文字を用いた簡単な多項式について 式の展開や因数分解ができるようにするとともに 目的に応じて式を変形したりその意味を読

学習指導要領

1 単元名 分数 ( 全 10 時間 ) 教材名 分数をくわしく調べよう ( 東京書籍 4 年下 ) 第 4 学年算数科学習指導案平成 26 年 11 月 26 日 ( 水 ) 5 校時 4 年 1 組 ( 男子 13 名 女子 10 名計 23 名 ) 指導者上田稚子 ( 学習指導要領 ) A 数

平成 21 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 21 年 10 月 2 日 ( 金 ) 教務部 平成 21 年 4 月 21 日 ( 火 )AM8:50~11:50 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (95 名 ) 教科に関す

学習指導要領

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学力スタンダード(様式1)

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算数科学習指導案 1 日時平成 24 年 10 月 25 日 ( 木 ) 5 校時 2 学年第 6 学年 8 名 3 単元名比例と反比例 ( 啓林館 ) 4 単元について 本単元は 三原市立和木小学校 指導者荒木美花 本単元のねらいは, 伴って変わる 2 つの数量の中から比例関係や反比例関係にあるも

学習指導要領

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第 6 学年算数科学習指導案 日時平成 25 年 月 日 ( ) 校時対象第 6 学年 組 名学校名 立 小学校授業者 1 単元名 速さ ( 学校図書 6 年上 ) 2 単元の目標速さについて理解し 求めることができるようにする 3 単元の評価規準 単元の評価規準 ア算数への関心 意欲 態度 速さを

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算数科学習指導案 広島市立 小学校教諭 1 日時平成 21 年 2 月 日 ( ) 2 学年 5 年 組 3 単元数量関係 割合とグラフ 4 単元について 本単元では, 百分率について理解し, それを用いることができるようにするとともに, 目的に応じて資料を分類整理し, それを円グラフや帯グラフを用

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座標軸の入ったワークシートで整理して, 次の単元 もっとすばらしい自分へ~ 自分向上プロジェクト~ につなげていく 整理 分析 協同的な学習について児童がスクラップした新聞記事の人物や, 身近な地域の人を定期的に紹介し合う場を設けることで, 自分が知らなかった様々な かがやいている人 がいることを知

中学校第 3 学年社会科 ( 公民的分野 ) 単元名 よりよい社会をめざして 1 本単元で人権教育を進めるにあたって 本単元は 持続可能な社会を形成するという観点から 私たちがよりよい社会を築いていくために解決すべき課題を設けて探究し 自分の考えをまとめさせ これらの課題を考え続けていく態度を育てる

平成 30 年 1 月平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果と改善の方向 青森市立大野小学校 1 調査実施日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) 2 実施児童数第 6 学年 92 人 3 平均正答率 (%) 調 査 教 科 本 校 本 県 全 国 全国との差 国語 A( 主として知識

た, 導入で扱うイメージキャラクターについて, デザインやネーミングの意図, 理由について疑問や関心を持つことにより, より北広島町に興味を持つことが可能となる その他, 調べる際に新聞記事を利用することにより, 記事をスクラップすることができる 記録性 に優れ, 疑問を解決するための手立て, 情報

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教科書では 同じ割合になっている比は等しい という導入になっているが 2 量の割合は いろいろな表し方ができる という導入に変えている すなわち 2:3 も 4:6 も 6:9 も同じ割合だから等しいという考え方を 2:3 を同じ割合で表すと 4:6 や 6:9 になるという考え方に変えて導入した

学習指導要領

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【FdData中間期末過去問題】中学数学2年(連立方程式計算/加減法/代入法/係数決定)

2 図形の定義や性質を見いだすための算数的活動を取り入れる 2 枚の長方形, 長方形と三角形,2 枚の三角形を重ねて四角形を作る活動を取り入れ, 向かい合う辺の平行関係に着目させたり, 長さに着目させたりしながら, 四角形を定義できるようにする コンパスや分度器, ものさし等を使って, 四角形の構成

国語の授業で目的に応じて資料を読み, 自分の考えを 話したり, 書いたりしている

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1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

第6学年2組 算数科 学習指導案

2、協同的探究学習について

るかどうか, そして, その予想した事柄を ~は, になる という形で表現できるかどうかをみるものである 正答率は, 48.1% であり, 発展的に考え, 予想した事柄を ~は, になる という形で表現することに課題がある (3) 学習指導に当たって 事柄を予想することを大切にする数や図形について成

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子葉と本葉に注目すると植物の成長の変化を見ることができるという見方や, 植物は 葉 茎 根 からできていて, それらからできているものが植物であるという見方ができるようにしていく また, 学んだことを生かして科学的なものの見方を育てるために, 生活の中で口にしている野菜も取り上げて観察する活動を取り

学習指導要領

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(1) 具体的な場面を通して正の数と負の数について理解し, その四則計算 (1) 正の数と負の数について具体的な場面での活動を通して理解し, その ができるようにするとともに, 正の数と負の数を用いて表現し考察する 四則計算ができるようにする ことができるようにする ア 正の数と負の数の必要性と意味

都道府県名

学習指導要領

知識・技能を活用して、考えさせる授業モデルの研究

2 単元の構想 本単元の目標 関心 意欲 態度 平均を用いることのよさに気付き, 進んで身近な事柄の考察や表現に用いようとする 見方や考え方 平均の考えを用いて, 身近な事柄について考えたり, 表現の仕方を考えたりすることができる 技能 平均を求めたり, 平均から全体を求めたりできる また, それを

数学2 第3回 3次方程式:16世紀イタリア 2005/10/19

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分化会 F 第 5 学年単元名 体積 ~ わけを説明する活動を通して 数学的な考え方 を育成する ~ 1 単元の指導にあたって (1) 本単元で育てたい数学的な考え方学習指導要領第 5 学年の内容 [B 量と測定 ] では, 次のように示されている (2) 体積について単位と測定の意味を理解し, 体

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2 単元の目標 廿日市市 についての魅力を目的意識や相手意識を明確にして地域内外に発信することができる 自分たちの住む 廿日市市 に愛着をもつことができる 3 単元の評価規準 学習方法 自分自身 他者や社会 課題発見力 思考力 判断力 表現力 主体性 自らへの自信 対象と積極的にかかわる中で, 課題

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文章題レベルチェック(整数のかけ算、わり算)【配布用】

第 4 学年算数科学習指導案 平成 29 年 10 月 16 日 ( 月 )5 校時 第 4 学年 3 組 36 名 指導者 : 臼井梨峰 研究主題 能動的 協働的な学習活動を通して 自己の学びを確立していく児童の育成 1 単元名 面積のはかり方と表し方 ~ 広さを調べよう ~ ( 東京書籍 ) 2

平成23年度東京都教育研究員  地区発表公開授業

学年第 3 学年 2 単元名 ( 科目 ) いろいろな関数の導関数 ( 数学 Ⅲ) 3 単元の目標 三角関数 対数関数 指数関数の導関数を求めることができる 第 次導関数の意味を理解し 求めることができる 放物線 楕円 双曲線などの曲線の方程式を微分することができる 4 単元の学習計画 三角関数 対

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第4学年算数科学習指導案

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第 3 学年 2 組算数科学習指導案 1 単元名たし算とひき算の筆算 指導者永田佳江 2 単元について (1) 単元観 該当する学習指導要領の内容 A 数と計算 A(2) 加法, 減法 (2) 加法及び減法の計算が確実にできるようにし, それらを適切に用いる能力を伸ばす 本単元で扱う たし算とひき算

Transcription:

3 年 3 組数学科学習指導案 4000 年前のバビロニア人に挑戦! 1 単元名二次方程式 ~ 二次方程式のよさを見つけよう ~(14 時間完了 ) 2 単元目標 1 二次方程式の必要性と意味及びその解の意味を理解する 2 因数分解したり 平方の形に変形したりして二次方程式を解くことができる 3 解の公式を知り それを用いて二次方程式を解くことができる 4 二次方程式を具体的な場面で活用することができる 3 単元構想本学級の生徒は 計算問題はある程度解くことはできているが 文章問題などの数学的な思考を問われる問題は 苦手意識がとても強く 中にはほとんど手をつけない生徒もいる この原因の 1 つに 与えられた課題を解くということを意識しすぎ 1 つの答えを導き出すための方法がそれぞれに違うこと 今まで習ったことをたくさん使っていくと答えを出せる など 数学の多面的な見方や 数学を通した論理的な考察を通して 既習事項を生かした発展的な見方や 数学のよさを実感している生徒が少ないことがあると思う そこで それらを実感させていくことに重点をおいて指導していきたいと考えた 生徒たちは ここまで第一学年で一元一次方程式 第二学年ではその文字の種類や方程式を増やした連立二元一次方程式を通して 式の変形を利用して解く 一つの文字を消去して 一元一次方程式に帰着させる という解法で学習してきた それら既習事項を利用し それらの式では解くことができない文字の次数を増やした二次方程式に関しても 次数を減らして一元一次方程式に帰着させる という考えに着目させ 多面的に既習事項を使って考える面白さや 方程式自体の広がりを実感させていきたい 本単元において 既習事項をもとに数理的に考察し 表現させていく面白さを実感させたいと考え単元を構成していくことにした 導入場面では 面積の問題を既習事項と用いて考えさせることで 二次方程式の必要性を感じさせていきたい さらに 式を変形して工夫すれば 平方根の考えや平方完成 解の公式 因数分解などの既習事項が使える面白さを感じさせていきたい また それら既習事項を使い分けられるように判断できる時間も設けることで 式を分析して考え方を選択できるようにする 後半部分では 身近な課題の数量関係を見つけ二次方程式を使って考察していくことで これまで解けなかった問題も解決できることや 問題の解決に方程式が広く活用できることなど 二次方程式のよさを感じさせていきたい 活用する力 を育む単元構想の工夫単元の第 1 時では 4000 年前のバビロニア人の面積の問題を扱う そこで生徒は 表や連立方程式などの既習事項を用いて求めるであろう しかし バビロニア人は式の変形から平方根を用いて考えたことを知り 既習事項を使う面白さや二次方程式の必要性を感じさせていきたい 第 3~6 時では 左辺を x= に変形して求める中で ax = b (x + m) = n 平方完成 解の公式と 導入時のようにいかに既習事項を使って式を変形して考えるかという部分に重点をおいて指導していきたい 第 7~9 時において 右辺を =0 に変形し因数分解を使って求めることで 視点を変えた新しい既習事項を使えばより簡単に求めることができる面白さも感じさせていきたい それらを通し 生徒の既習事項を工夫して考える力が高まるだろう また 第 10 時では 実際に問題を解くときに どの考え方をどの場面で利用すればいいか それぞれの考え方の価値づけをする時間を設ける そこで 因数分解を使うときを考えてから平方完成や解の公式を使うことや 因数分解ができない場合で x の係数が奇数のときは解の公式を使うといいことなど 式を分析してから判断する計算の習熟を図っていきたい 第 11~13 時では 数の不思議や面積 整数の合計など身近な問題に対し 二次方程式を使って解決させる場面を設定した ここでは 数量関係を見つけ立式する中で 多面的に考える面白さや方程式がより広く活用できるよさを実感させ 個々の活用力を高めていきたい 第 14 時では 単元のまとめとして 毎時間書き綴ってきた振り返りマップをもとに個々に追究する時間を設け 学習したことを深め広げる生徒の追究力を高めていきたい - 1 -

4 単元構想図 ( 全 14 時間 ) 生徒の意識の流れ 表を使って解く 縦 (m) 0 8 横 (m) 20 12 x= 右辺の形に式を変形して 二次方程式を解こう1 ax = b (x + m) = nは平方根の考えで解くことができる x= 右辺の形に式を変形して 二次方程式を解こう2 x + px + q = 0 の形の二次方程式も (x + m) = n の形に式を変形すれば解けるんだ (p が偶数のとき ) 他にも二次方程式を解く方法はないのか考えよう 次は 右辺を固定して 左辺 =0 にして考えてみよう 左辺を因数分解すればできるものもある AB=0 ならば A=0 または B=0 の考えを使えば x を求めることができるのか ax + bx + c = 0 が a でわり切れる場合は 解の公式よりも因数分解の方が簡単なときがあるな 一体どんなときに 平方根 解の公式 因数分解を使えばいいのだろう どの方法をどんなときに使えばいいか話し合おう (1) x = や (x + a) = などの形があるときは 平方根の考え方がいい 因数分解を使うときを考えてから 平方完成や解の公式を考えた方がいい 因数分解が使えず x の係数が偶数のときは 平方完成を使うといい 因数分解が使えず x の係数が奇数のときは 解の公式を使うといい 連続した数の不思議に迫る 整数の不思議な関係も 式にしてみると 二次方程式を使って考えているんだ 解が二つあるからしっかり 解の吟味をしなくてはいけないな 4000 年前のバビロニア人に挑戦 (2/2) 本時 連立方程式を使って解く 二次方程式を使って解く x + y = 20 1 x(20-x)=96 xy = 96 2 < バビロニア人の考えた式 > (10+z)(10-z)=96 10 m2の正方形から 縦と横に zm 伸び縮みした図で考えた結果 平方根の考え方で解くことができる 平方根の考えで解けるなんて思いつかなかった もっと簡単に解ける方法はないのか? 平方根の考えを使って二次方程式を解こう (4) 因数分解を使って方程式を解こう (3) 二次方程式を使って色々な問題を解こう (3) 今まで解けなかった面積の問題を解こう 長さにはマイナスが存在しないから解の吟味をしっかりやらないといけない 面積は 2 乗しているから二次方程式になるんだ 解の公式を使って二次方程式を解こう p が奇数のときは (x + m) = n の m が分数になって難しいな 解の公式を使えば 奇数のときも代入するだけで解くことができるな でも覚えるのが難しいし 代入も大変だ 左辺 =0 の形に式を変形して 二次方程式を解こう 天才学者ガウスに挑戦! 1 から連続する数の合計は 1 と最後の数の合計から考えればいいのか 二次方程式にすると (1 + n) の式で求められる n にどんな数を入れてもすぐに答えが出せるのは便利 自主研究で疑問や調べてみたいことをまとめよう (1) 二次方程式を使えば 今まで解けなかった問題も簡単に解くことができる 活用する力を育む手だて基礎的な知識 二次方程式 解 二次方程式を解く 解が 2 つある 活用する力 ( 思考 判断力 ) 数値がもつ単位に着目させる発問をすることで 式の意味について考えさせ 二次方程式の解法の理解を深める 基礎的な知識 ax = b (x + m) = n 解の公式 ( 平方完成 ) 解く過程を面積図で 表現させる活動を取 り入れることで 式 の変形の仕組みにつ いての理解を深め る 基礎的な知識 因数分解を用いた解法 AB=0 ならば A=0 または B=0 活用する力 ( 思考力 ) 面積図をもとにし て 平方根と因数分 解の式の変形の違い について発問する 活用する力 ( 思考 判断力 ) どの場面でどの解法 を使って考えればい いか話し合う際 係 数に着目した意見を 取り上げる 解の吟味 書き綴ってきた振り 返りマップから追究 課題を設定し 自主 的に追究する場を設 定する - 2 -

5 本時の学習指導 (1) 目標 1 二次方程式について 表や連立方程式の考えを利用して問題を解決しようとする ( 関心 意欲 態度 ) 2 二次方程式について 表や連立方程式 面積図 平方根など 既習したことを工夫して利用する考えを深めることができる ( 数学的な考え方 ) (2) 活用する力 を育むための手だて 1 表や連立方程式 平方根をもとに 互いの考え方を関連させ 学びを深め 広げられるようにするために 話し合いの視点を明確にした発問の工夫をする < 思考力 判断力 > 2 数理的な表現や 思考過程に着目した話し合いができるようにするために 文字の意味や式の過程について面積図を使って表現する場を設定する < 表現力 > (3) 展開 段階生徒の活動教師の活動 支援 課題 ( 4 ) 1 本時の課題を知る 4000 年前のバビロニア人の問題に挑戦! 4000 年前の人々の生活についてクイズを出す 紀元前 2000 年頃 バビロニア人は土地の面積を求めたり 土木工事をしたりするときに以下のような問題に悩みました 長方形の 2 辺の和が 20m 面積が 96 m2のとき この長方形の 2 辺の長さはどうなるか? さて バビロニア人は一体どのように解いたのでしょうか? 本時の課題 問題を提示する 今までの既習事項で求めることができたことを伝える 式のみではなく 式や文字の意味などノートに書かせることで 自分の考えを分かりやすく説明することを意識化する 追究 (15) 2 2 辺の長さを求めるため自力解決をする 10 10 程度の予想をさせることで 見通 縦と横の長さを表にして考えてみよう しをもって解決できるようにする 縦をx 横をyとして 連立方程式を作れ つまずいている生徒には 表で一つ一つ考ないかな えていく考えを示唆する 1 辺の長さをxとして 式を作ってみよう 表でのみ求めている生徒には もっと広い x が出てきて答えを求めることができない 面積のとき (2 辺の和 =114m, 面積 3248 式が違うのかな m2など ) にはどうするか考えさせ 式で考 x は平方根のときに使ったから式を変形しえる必要性を助言する て求められないかな 異なった考え方を関連付けてまとめてある 式を変形すると因数分解できそう 生徒を称賛する 答えが二つ出てきた なんでだろう 二次方程式が解けずにつまずいている生徒には 既習事項をもとに考えさせ 平方根や因数分解 式の変形を使うことを伝える 数理的な表現や思考の流れがわかるように 考え方の根拠やその筋道を意識してまとめるとよいことを伝える 究明 - 3 -

(26) 3 2 辺の長さについて考えたことを発表する < 予想される意見 1> 表を使って求めた 縦 (m) 10 9 8 7 6 横 (m) 10 11 12 13 14 予想したところから 順番に計算していけば求めることができる 8 と 12 って 96 を因数分解した形になっている < 予想される意見 2> 連立方程式を使って求める y x x + y = 20 1 xy = 96 2 ア代入法で求める 1を変形してx=20-y 2に代入すると (20-y)y =96 表と同じように yへ順番に値を代入して求めた < 予想される意見 3> 二次方程式を使って求める 20-x x x(20-x)=96 あとは表と同じように 1 つずつ数を当てはめて解いた 表を使って考えれば 順番に計算して求めることができた 連立方程式を立て 最後は 1 つずつ代入して求めた 1 辺の長さを x にして考え 表と同じ求め方で求めた 活用する力 ( 思考力 表現力 ) 思考を深めるために 数量関係をしっかりとらえ x と y の文字や式の意味を図などで確認しながら話し合いを進める 4 3 つの考え方で気付いたことを発表する 2 と 3 は 始めの式は違うけれど 結果的には同じ式が出てきている 3 は 2 の y を代入したところと同じということは 2 と 3 は 式の意味も同じだ 3 つとも 最後は表の考え方で求めている 表以外でもっと簡単に求める方法がないかのだろうか 考え方の共通点や相違点に気付かせるために 2 と 3 の式の形が同じ部分から 意味の共通点に着目させる発問をする 3 つの考え方の共通点として 最後には表の考えを使っていることを確認する 5 バビロニア人が考えた方法を理解する <バビロニア人の考えた式 > ( 式 ) (10+z)(10-z)=96 10 z ( 図 ) 100-z =96 -z =-4 10-z z =4 z =±2 z 答え 8,12 z ってなんだろう 10 10 ってことは正方形だから 式の展開や因数分解のときにやった面積図を使えばできるかも この方法でやれば 平方根の考え方だけで解くことができる 数学って習ったことを色々な方法で使えば解くことができるんだ バビロニア人が考えた方法を紹介する 活用する力 ( 思考力 判断力 ) 10 や z などに着目させる発問をすることで 式の意味について考えさせ 二次方程式の解法の理解を深める 因数分解のときの面積図を振り返り 正方形にして考えたことの理解を深める 平方根で考えるよさを感じさせるため 何を使って解いたのか 自分たちが考えた方法との違いについて発問する バビロニア人の 10 について発問し 表と同じように 10 10 の近似値から考えたことや 10 10 が正方形の面積を求める意味と同じことなど 広く既習事項を使っている意見を取り上げる 整理 - 4 -

( 5 ) 6 練習問題を解く 長さの合計が 50m 面積が 616 m2の 2 辺の長さを求めなさい 7 振り返りマップ を書く 平方根の形を変形して解くと簡単に解ける 今まで学習した内容を使えば今まで解けなかった問題も解くことができる 今まで解けなかった二次方程式も 表や連立方程式 平方根などの既習事項を工夫して使えば解けることを理解させる 前時の 振り返りマップ を参考に 本時で分かったこと 疑問 次に調べてみたいことの 3 つの観点で書くことを徹底する 分かったことの中に 友達の意見や発表かなどを含めて書くとよいことを伝える (4) 評価 1 面積の縦と横の関係について 二次方程式の関係式を見つけ 表や連立方程式 平方根の考え方を使って解くことができたか 活動 2 のノート 活動 3 4 の発言 活動 7 の 振り返りマップ から 2 二次方程式の解法について考える中で 平方根を使って二次方程式を解くことができたか 活動 5 のグループ活動 活動 6 のノート 活動 7 の 振り返りマップ から - 5 -