第4回税制調査会 総4-1

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第5回税制調査会 総5-4

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第4回税制調査会 総4-1

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KPMG Japan Tax Newsletter

税制改正大綱―外国子会社合算税制の見直し

税調第20回総会 資料2-1

新規文書1

KPMG Insight Vol.2_税務01

タックスヘイブン対策税制 年度税制改正 -

恒久的施設(PE)と外国子会社合算税制の見直し

第8回税制調査会 総8-5

海運関係事項

PE 帰属所得計算の実務と課題 平成 28 年 7 月 4 日公開草案事例を検討する 平成 29 年 7 月 11 日 ユナイテッド パートナーズ会計事務所代表取締役西村善朗 1. 平成 28 年 4 月 1 日以後開始事業年度に 報告対象となるもの (3 月決算法人である内国法人については 平成

税が課税される所得を生み出す事業活動に使われているか否かを基準に損金算入規制を設けていると考えられます 株式などの出資の取得のために資金を使った場合, 株式から生じる配当やキャピタルゲインは資本参加免税により非課税となります このケースでは, オランダでの課税所得を生じないことが想定されるため, 出

(2) 源泉分離課税制度源泉分離課税制度とは 他の所得と全く分離して 所得を支払う者 ( 銀行 証券会社等 ) がその所得の支払の際に 一定の税率で所得税を源泉徴収し それだけで所得税の納税が完結するものです 1 対象となる所得代表的なものとして 預金等の利子所得 定期積金の給付補てん金等があります

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

1. 国際的二重課税の発生理由と態様 3 税を行っていますが 諸外国においても 一般に 我が国の場合と同様に 国だけでなく地方公共団体も独自に課税権を有していますので 国の段階と地方公共団体の段階とで重複して 国際的二重課税 が生ずることとなっています 国際的二重課税 とは 基本的には このように捉

日本版スクーク ( イスラム債 ) に係る税制措置 Q&A 金融庁

新設 ( 大法人により発行済株式等の全部を保有される場合の適用対象金額の計算 ) 66 の 6-10 の 2 措置法令第 39 条の 15 第 1 項第 1 号の規定により特定外国子会社等の適用対象金額につき本邦法令の規定の例に準じて計算するに当たり 特定外国子会社等の発行済株式等の全部を直接又は間

「恒久的施設」(PE)から除外する独立代理人の要件

外国子会社合算税制 (CFC 税制 ) の改正と今後の海外投資 M&A に与える影響 PwC 税理士法人国際税務 /M&Aタックスグループパートナー山岸哲也 はじめに 2016 年 12 月 22 日に閣議決定された 2017( 平成 29) 年度税制改正の大綱 ( 以下 2017 年度税制改正大綱

第7回国際課税DG 際D7-3

6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1)

第3回国際課税ディスカッショングループ 際D3-5

上場株式等の譲渡益に係る課税 上場株式等の税金について 上場株式等の譲渡益に係る税率は以下の通りです 平成 25 年 1 月 1 日 ~ 平成 25 年 12 月 31 日 平成 26 年 1 月 1 日 ~ 平成 49 年 12 月 31 日 平成 50 年 1 月 1 日 ~ % (

4. 附加価値への試みと挫折 現行事業税へ昭和 24 年 (1949 年 ) 第一次シャウプ勧告事業税の課税標準について 原料等 他の事業から購入したものの価値に その企業が附加したところの額である とし 課税標準を事業の所得によるのではなく 附加価値を採用すべきである旨勧告昭和 25 年 (194

目次 Ⅰ タックス ヘイブン対策税制の概要 3 Ⅱ 非課税所得の範囲 連結納税を適用している場合の取扱い 1 非課税所得の範囲 2 連結納税を適用している場合の租税負担割合の算定方法 Ⅲ 各国の事例に基づく検討 1 米国 ( 現物分配 連結納税 LLC) 2 英国 ( グループリリーフ ) 3 ドイ

【問】適格現物分配に係る会計処理と税務処理の相違

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

2. 改正の趣旨 背景 (1) 問題となっていたケース < 親族図 > 前提条件 1. 父 母 ( 死亡 ) 父の財産 :50 億円 ( すべて現金 ) 財産は 父 子 孫の順に相続する ( 各相続時の法定相続人は 1 名 ) 2. 子 子の妻 ( 死亡 ) 父及び子の相続における相次相続控除は考慮

【表紙】

1 各調整方式の比較 前提 : 法人実効税率 % 金融所得の税率 20% ( 配当軽課の場合の配当分の法人税率は 30%) 比較のポイント 適用税率 法人税率か所得税率か 金融所得課税一元化にマッチするか( 税率 損益通算 ) 簡素な制度か 特定口座への対応はか 法人の税負担は軽減されるか

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新しい非居住者債券所得非課税制度の概要 < 平成 22 年度税制改正前の制度の概要 > 非居住者等が受ける振替国債及び振替地方債のについては 一定の手続要件を満たせば非課税とされていました しかし 非居住者等が受ける振替社債等のについては 原則 15% の税率により源泉徴収課税がなされていました 非

上場株式等の配当等に対する課税

デンマークとの新租税条約

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iii. 源泉徴収選択口座への受入れ源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま

CONTENTS 第 1 章法人税における純資産の部の取扱い Q1-1 法人税における純資産の部の区分... 2 Q1-2 純資産の部の区分 ( 法人税と会計の違い )... 4 Q1-3 別表調整... 7 Q1-4 資本金等の額についての政令の規定 Q1-5 利益積立金額についての政

投資法人の資本の払戻 し直前の税務上の資本 金等の額 投資法人の資本の払戻し 直前の発行済投資口総数 投資法人の資本の払戻し総額 * 一定割合 = 投資法人の税務上の前期末純資産価額 ( 注 3) ( 小数第 3 位未満を切上げ ) ( 注 2) 譲渡収入の金額 = 資本の払戻し額 -みなし配当金額

1 1. 課税の非対称性 問題 1 年をまたぐ同一の金融商品 ( 区分 ) 内の譲渡損益を通算できない問題 問題 2 同一商品で 異なる所得区分から損失を控除できない問題 問題 3 異なる金融商品間 および他の所得間で損失を控除できない問題

外国税額控除 この取り扱いは 平成 21 年度税制改正の 海外子会社の配当の益金不算入制度 ( 法法 23 条の 2) により廃止されました 原則として 平成 21 年 4 月 1 日以降に開始する親会社の事業年度から適用されます ( 附則 6) ただし 租税負担率 25% 以下の軽課税国に所在する

平成 29 年 6 月 26 日株式会社八十二銀行 連結貸借対照表の科目が 自己資本の構成に関する開示項目 のいずれに相当するかについての説明 ( 29 年 3 月期自己資本比率 ) 科 ( 単位 : 百万円 ) 公表連結貸借対照表金額 ( 資 産 の 部 ) 現 金 預 け 金 885,456 コ

3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

シティジャパン 租税条約等の実施に伴う所得税法 法人税法及び地方税法の特例等に関する法律に基づく届出書 ( 事業体のお客様用 ) 手順 本届出書にご記入いただく前に 以下の手順を注意深くお読みください 共通報告基準 (CRS:Common Reporting Standard) が採用されている国に

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

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経 [2] 証券投資信託の償還 解約等の取扱い 平成 20 年度税制改正によって 株式投資信託等の終了 一部の解約等により交付を受ける金銭の額 ( 公募株式投資信託等は全額 公募株式投資信託等以外は一定の金額 ) は 譲渡所得等に係る収入金額とみなすこととされてきました これが平成 25 年度税制改

税調第20回総会 資料2-2

平成23年度税制改正の主要項目

( 注 ) 役務の提供を受ける者の本店又は主たる事務所が日本にあれば課税 ということですので 国内に本店がある法人の海外支店に対して インターネットを介してソフトウェア等を提供した場合は 提供者が国内 国外いずれの事業者であっても国内取引に該当し消費税が課税されます ( 国税庁作成の 国境を越えた役

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( 外国 ) 同上 ケース ( ) 相続人が取得した全 2 財産に対して課税 ( 外国 ) 国内財産に対しての み課税 ケース ( ) 相続人が取得した全 3 財産に対して課税 ( 外国 ) 同上 ( 平成 25 年度税制改正より ) ケース ( ) 被相続人 相続人いず 4 れも 5 年超居住の場

実務特集1. 寄附修正 Ⅰ はじめに グループ法人税制 100% グループ内の法人間での譲渡損益の繰り延べ 100% グループ内の法人間の寄附 ( 以上 2010 年 11 月号 ) 100% グループ内の法人間の寄附 ( 寄附修正 ) 支配関係 完全支配関係の判定 100% グループ内の法人のステ

5 配偶者控除等 配偶者控除 配偶者特別控除 扶養控除及び勤労学生控除の合計所得金額の要件 について 一律 10 万円ずつ引き上げられます 6 青色申告特別控除正規の簿記の原則により記帳している者に係る控除額が 55 万円に引き下げられ 正規の簿記の原則により記帳し かつ e5tax 等により確定申

平成16年版 真島のわかる社労士

「経済政策論(後期)《運営方法と予定表(1997、三井)

税額控除限度額の計算この制度による税額控除限度額は 次の算式により計算します ( 措法 42 の 112) 税額控除限度額 = 特定機械装置等の取得価額 税額控除割合 ( 当期の法人税額の 20% 相当額を限度 ) 上記算式の税額控除割合は 次に掲げる区分に応じ それぞれ次の割合となります 特定機械

連結貸借対照表のが 自己資本自己資本の構成構成に関するする開示項開示項 のいずれにのいずれに相当相当するかについてのするかについての説明 ( 付表 ) (2018 年 9 月期自己資本比率 ) ( 注記事項 ) の については 経過措置勘案前の数値を記載しているため 自己資本に算入されているに加え

平成17年度税制改正に関する要望(案)

債券税制の見直し(金融所得課税の一体化)に伴う国債振替決済制度の主な変更点について

株式等の譲渡(特定口座の譲渡損失と配当所得等の損益通算及び翌年以後への繰越し)編

Ⅰ 家計の自助努力による資産形成を支援するための税制措置 1. つみたて NISA の制度期限の延長 NISA 制度の恒久化 根拠法の制定等 1つみたて NISA について 平成 49 年までとされている投資可能期間 ( 制度期限 ) を延長することにより 来年以降に投資を開始しても投資可能期間が少

目 次 問 1 法人税法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 1 問 2 租税特別措置法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 3 問 3 法人税法における当初申告要件 ( 所得税額控除の例 ) 5 問 4 法人税法における適用額の制限 ( 所得税額控除の例 ) 6

別紙 平成 30 年 1 月 ( 平成 30 年 8 月改定 ) 国税庁 平成 29 年度及び平成 30 年度改正外国子会社合算税制に関する Q&A 特定外国子会社等に係る所得の課税の特例 ( 外国子会社合算税制 ) については 平成 29 年度改正において 外国子会社の経済実態に即して課税すべき

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

CC2: 連結貸借対照表の科目と自己資本の構成に関する開示項目の対応関係 株式会社三井住友フィナンシャルグループ ( 連結 ) 項目 資産の部 イロハ 公表連結貸借対照表 (2019 年 3 月末 ) 現金預け金 57,411,276 コールローン及び買入手形 2,465,744 買現先勘定 6,4

(ⅲ) 源泉徴収選択口座への受入れ 源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま

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[Q1] 復興特別所得税の源泉徴収はいつから行う必要があるのですか 平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までの間に生ずる所得について源泉所得税を徴収する際 復興特別所得税を併せて源泉徴収しなければなりません ( 復興財源確保法第 28 条 ) [Q2] 誰が復興特別所

「経済政策論(後期)」運営方法と予定表(1997、三井)

e. 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度 ( ジュニア NISA) 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度に基づき 証券会社等の金融商品取引業者等に開設した未成年者口座において設定した非課税管理勘定に管理されている上場株式等 ( 平成 28 年 4 月 1 日から平成 35 年 12

デロイト・トゥシュ・トーマツ北京事務所

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24年度税制改正(案)の解説

1: とは 居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの ( 青色事業専従者等に該当する者を除く ) のうち 合計所得金額 ( 2) が 38 万円以下である者 2: 合計所得金額とは 総所得金額 ( 3) と分離短期譲渡所得 分離長期譲渡所得 申告分離課税の上場株式等に係る配当所得の金額 申告分

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租税条約濫用の防止 : 条約締約国でない第三国の個人 法人等が不当に租税条約の特典を享受する濫用を防止するためのモデル条約規定及び国内法に関する勧告を策定する 恒久的施設 (PE) 認定の人為的回避の防止 : 人為的に恒久的施設の認定を免れることを

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

1 繰越控除適用事業年度の申告書提出の時点で判定して 連続して 提出していることが要件である その時点で提出されていない事業年度があれば事後的に提出しても要件は満たさない 2 確定申告書を提出 とは白色申告でも可 4. 欠損金の繰越控除期間に誤りはないか青色欠損金の繰越期間は 最近でも図表 1 のよ

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不動産の移転等のかかる主要な税制 不動産の移転等にかかる主要な税制は以下のとおりである ここに示した税制については その時点以降は法令等が変更されることになどより 変更される可能性がある また 実務上の法令の解釈 適用については 所管省庁 弁護士 税理士 会計士などの専門家の確認が必要となり 記載さ

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源泉徴収票不交付の届出書 源泉徴収票不交付の届出書 源泉徴収票不交付の届出書 ( 英語版 ) 公的年金等の源泉徴収票 ( 及び同合計表 ) 平成 年分公的年金等の源泉徴収票 平成 年分公的年金等の源泉徴収票合計表 公的年金等の源泉徴収票 ( 及び同合計表 )( 平成 28 年 1 月 1 日以後提出

い また 独立代理人は その行為が行われる方法について本人から詳細な指示を受けない 本人が代理人の特別な技能や知識に依存しているという事実は 独立性の指標となる 法的独立性の基準に関して 親会社が株主としてその子会社に対して行使する支配は 親会社の代理人としての子会社の独立性の検討にあたっては無関係

事業承継税制の概要 事業承継税制は である受贈者 相続人等が 円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において その非上場株式等に係る贈与税 相続税について 一定の要件のもと その納税を猶予し の死亡等により 納税が猶予されている贈与税 相続税の納付が免除される

49 年 12 月 31 日までの間 源泉徴収される配当等の額に係るの額に対して 2.1% の税率により復興 特別が源泉徴収されます b. 出資等減少分配に係る税務個人投資主が本投資法人から受取る利益を超える金銭の分配 ( 分割型分割及び株式分配並びに組織変更による場合を除く 以下本 1において同じ

Transcription:

現行制度の課題 2: 海外の投資法人 ( ペーパーカンパニー ) を使った租税回避への対応 N 国で Y 社をペーパーカンパニーとして設立 投資に対するリターンや知財使用料に対する優遇措置により 税負担を軽減させることが可能 外国子会社配当益金不算入制度により Y 社から日本の X 社に対して支払われる配当は 益金に算入されない 現行の外国子会社合算税制の下では Y 社の租税負担率が 20% 以上の場合 ( ) には 制度の対象外 Y 社をペーパーカンパニーとして介在させることにより 外国で稼得した投資リターン等の税負担を軽減させ 日本の法人税を負担することなく資金を還流させることが可能 ( )1 投資リターンが租税負担率の計算上考慮されない可能性があること 2 知財使用料についても 軽減税率の適用を受けつつ 他の所得と調整を行うことで Y 社全体として 20% 以上の租税負担率を維持することが可能 日本 余剰金 ( 内部留保 ) を使った海外証券投資 通常の投資 A 国 α 社 ペーパーカンパニーを使った租税回避スキーム 日本 100% 出資 N 国 ( 法人税率 24%) 受取配当等への課税なし A 国 α 社 X 社 知財 知財使用権 使用料 B 国 β 社 X 社 知財 移転 外国子会社配当益金不算入制度 知財 Y 社 知財使用権 ( 外国子会社 : ペーパーカンパニー ) 使用料 B 国 β 社 C 国 C 国 配当 預金 利子 投資リターン 知財使用料収入に係る法人税支払 γ 社 投資リターン 知財使用料収入に係る法人税回避 $ Z 銀行 γ 社 9

現行制度の課題 3: 資本関係断絶への対応 1 内国法人 A は 租税回避地の第三者であるブローカー B に SPC C の設立を依頼 同時に A と B は C の投資事業を A の指示に基づいて B が管理することを契約 2 B は C を設立し C 出資持分を取得 3 A は B との契約関係を通じて C の投資事業を 実質支配 C の投資事業を通じて得た利益を 租税回避地にプール 一連のスキームを通して A は C に生じた投資運用益等の受動的所得を租税回避することが可能 内国法人 A 3 契約関係等により A は C を 実質支配 しているものの 資本関係がないことから 外国子会社合算税制の対象外 ( 日本 ) (1 依頼 ) ( 租税回避地 ) ブローカー B (2C 設立 ) 投資運用益 海外 SPC C 10

外国子会社合算税制 : 改正に当たっての論点 1 2 資本関係を断絶する一方で 契約関係等により子会社を支配しているようなケースに は どのよう居住者な対応すべ又は内国法人きか 同族株主グループ 居住者又は内国法人 特殊関係者 ( 個人 法人 ) 3 納税者への過度な事務負担発生を避けつつ 租税回避を効果的に抑制できるようにするには どのように対象を絞り込むべきか 外国関係会社居住者 内国法人等が合計で50%超を直接及び間接に保特定外国子会社等 0%未満の1 トリガー税率を上回る外国関係会社を一律 自動的に対象外としていることについて どう考えるか 1 事業基準 5 現在の適用除外判定で 実体ある事業が合算課税されるようなケース ( いわゆる オーバーインクルージョン ) に対し どのような対応が考えられるか 適用除外判定 主たる事業が株式の保有 船舶 航空機リース等でないこと ( ) ( ) 被統括会社の株式保有を主たる事業とする統括会社は除外 2 実体基準資産性所得本店所在地国に主たる事業に必要な事務所等を有することあり租有資外税国負全てを関担3 管理支配基準満たす係割本店所在地国において事業の管理 支配及び運営を自ら会合行っていること社が24 所在地国基準 ( 下記以外の業種 ) 主として所在地国で事業を行っていること又は非関連者基準 ( 卸売業 保険業など 7 業種 ) 主として関連者 (50% 超出資 ) 以外の者と取引を行っていること いずれかを満たさない 4 調査権限の及ばない外国子会社に関する情報収集のあり方はどういったものが考えられるか また それに伴う事業者の事務負担について どう考えるか 制度の対象外 会社単位の合算課税 適用除外 資産性所得なし 産性所得の合算課税合算課税なし 11

外国子会社合算税制 : 改正に当たっての論点 2 現行の外国子会社合算税制においても 一定の資産性所得については 合算課税対象としている 現行制度の対象範囲 (1) 持株割合 10% 未満の株式等に係る配当 (2) 債券の利子 (3) 債券の償還差益 (4) 持株割合 10% 未満の株式等の譲渡益 (5) 債券の譲渡益 (6) 特許権等の使用料 (7) 船舶 航空機の貸付けの対価 (1)~(5) は事業の性質上重要で欠くことのできない業務から生じたものを除く 6 現行制度の対象は 租税回避リスクの高い所得を過不足なく捉えているか? 例えば 自らは開発に関与せず単に親会社から移転されただけの知的財産が価値の大部分を占める財やサービスの販売から得られる所得について 対応する必要があるか? 12

13 BEPS 勧告の内容 BEPSプロジェクト の最終報告書では 本制度を下記 (1~6) のような構成要素に分解し 各構成要素につき勧告 構成要素 :1 対象外国子会社 2 適用除外 3 対象所得の定義 4 所得計算ルール 5 親会社所得への合算 6 二重課税排除方法 特に 対象所得の定義 (3) においては 法的形式に基づいて分類された所得ごとに合算して課税する カテゴリーアプローチ を中心としつつ 適用除外規定としての 実質アプローチ や投下資本に見合う所得を超える所得を合算する 超過利潤アプローチ が勧告された 対象外国子会社 (CFC) 1 関連者 非関連居住者により 法的 経済的な持分等を直接 間接に50% 超保有されている法人事業体 ( 課税事業体として取扱われる組合等も含む ) 対象所得の定義 3 以下のアプローチ等を単独又は複合的に用いて 対象所得を定義する カテゴリーアプローチ 法的形式等に基づいて分類された所得 例 : 配当 利子 保険所得 販売 サービス 使用料 その他の IP 所得 実質アプローチ 実質的な経済活動を伴わなかった所得( 通常はカーブアウト規定であるため カテゴリーアプローチとの複合適用が一般的 ) 例 : 所得の取得に実際に必要となった事業施設や スキルのある従業員の有無により判定 超過利潤アプローチ 軽課税国にある外国子会社の所得のうち 通常所得を超える部分 ( 超過利潤 ) 合算 所得計算 4 親法人国の法令により計算 合算割合 5 納税者の CFC に係る保有割合 納税義務者の範囲 5 一定保有割合を超える納税者 二重課税排除 6 適用除外 足切基準 税率要件 2 CFC の実効税率が一定水準を上回った場合等に 適用除外

米国 諸外国等の外国子会社課税に係る近年の取組状況 米国財務省は 2017 年度歳入関連提案により 外国子会社課税に係る大統領の提案を公表 具体的には 1 現行制度により 米国国際企業が 生産を外国にシフトし 利益を移転させ 米国の税源が侵食されていること等に鑑み 外国子会社等の国外所得に対して 所得発生時に 税率 19% による課税を行うこと 2 現行の CFC 税制の潜脱を防止するため デジタル商品 サービスに係る新しい類型の所得を創設すること等などの制度改正を提案 英国 2012 年 英国は 従来のエンティティ ベースに基づくCFC 税制を抜本的に改正 従来の適用除外基準を残しつつ 所得を切り分けて英国から人為的に移転された利益だけがCFC 税制の対象となるよう明確化 歳入関税庁 (HMRC) は 本改正に伴い ガイダンスを作成 公表 2015 年 従来認められていたCFC 税制による合算所得と英国親法人の損失または費用の相殺を禁止 2016 年は 租税回避取引に関与した者への罰則の拡充等 租税回避防止に係る議論が盛んに行われている ドイツ ドイツ連邦財務省は ペーパーカンパニーを利用した脱税に対する対策を進めることを目的として 国内税法を強化することについて州と合意 法案の作成は 2016 年 10 月から開始 具体的には 1 外国法人を事実上支配している場合などにおける当該外国法人の情報申告義務 ( 現在は出資関係等の法的支配の場合のみ ) 2 金融機関に対して ペーパーカンパニーへの出資の有無並びにペーパーカンパニーとの取引及びその仲介に係る報告義務 3 銀行秘密の保護の廃止 銀行口座一覧センターへのアクセス権限の緩和 ( ペーパーカンパニーとの取引調査時 ) 等 調査権限の拡大等を検討 EU 2016 年 7 月 12 日 理事会は 租税回避に対抗するための指令案 (Anti-Tax Avoidance Directive) を正式に承認 同指令案は CFC 税制 出国税 利子控除制限 加盟国間のハイブリッド ミスマッチ対策及び一般的濫用否認規定の導入を加盟国に義務付けるもので これらの制度を導入していない加盟国又は導入していても同指令案に規定されている水準を満たしていない国は 制度の創設 改正を求められることになる CFC 税制については 対象となるCFCの定義 支配要件 CFC 所得の計算方法等が具体的に提案されている 14

米国 CFC 税制の合算対象所得の概要 Subpart F 所得類型 所得種類 事業内容等に応じた各種ふるい分け 1 外国同族持株会社所得 ( 利子 配当 使用料等の受動的所得 ) 2 外国基地会社販売所得 ( 関連者取引所得 ) 3 外国基地会社役務所得 ( 関連者取引所得 ) 4 保険所得 5 その他の一定の種類の所得 デミニマス ルール 1~4 の所得の金額が総所得の 5% 以下 or100 万ドル以下の場合 1~4 の合算免除 フル インクルージョン 1~4 の所得の金額が総所得の 70% 超の場合 CFC の全所得を合算対象とする 高税率所得免除 実効税率が米国最高法人税率の 90% 超の場合 合算免除 ( 所得種類ごとに判定 ) 事業活動基準 能動的事業活動において第三者から受ける賃貸料 使用料については 合算対象外 能動的な金融活動から稼得する金融所得については 合算対象外 所在地国基準 CFC 設立国と同じ国の関連者から受ける一定の配当 利子 賃貸料 使用料については 合算対象外 ルック スルー 関連者である他の CFC から受ける利子 配当 賃貸料 使用料で他の CFC の Subpart F 所得に帰せられないものは 合算対象外 合算対象 (Subpart F 所得金額 ) 合算対象外 非 Subpart F 所得類型 15

英国 CFC 税制の合算対象所得の概要 予備的 Gateway テスト ( 所得の振り分け ) Gateway テスト ( 対象利益の特定 算定 ) 1 事業利益 目的テスト 資産等の英国管理テスト 商業的有効性テスト等 1 事業利益 英国の重要な人的機能に帰属する利益 2 非事業金融利益 融資 外国為替 デリバティブ 配当 ファイナンスリース等による非事業利益 予備的 Gateway テストを通過した場合 2 非事業金融利益 英国の重要な人的機能に帰属する非事業金融利益 合算対象 3 事業金融利益 融資 デリバティブ 配当 ファイナンスリース等による事業利益 3 事業金融利益 適正金額を超える超過資本 ( 英国からの資金提供部分に限る ) から生ずる利益 4 キャプティブ保険事業 英国関連法人 英国居住者との保険契約等 予備的 Gateway テストを通過しなかった場合 4 キャプティブ保険事業 合算対象外 事業体レベルでの適用除外基準 適用猶予期間適用除外地域少額利益免除低利益率免除税率による免除 16

ドイツ CFC 税制の合算対象所得の概要 能動的所得のカテゴリー以外の所得 能動的所得のカテゴリーの所得農林業所得製造等所得銀行業又は保険業所得商品売買所得 能動的所得のカテゴリーの所得のうち能動的所得に該当しないもの 関連者取引所得 固定施設を有しないもの 関連者取引所得 ( 固定施設を有し 関連者の協力なしに事業活動を行う場合を除く ) 合算対象 ( 注 ) 租税負担割合が 25% 未満の所得に限る 役務提供所得 関連者の協力を得て事業を行うもの 関連者取引所得 ( 固定施設を有し 関連者の協力なしに事業活動を行う場合を除く ) 賃貸所得 金銭貸借所得 資本会社の利益の配当 他の会社に対する持分の譲渡 組織再編による所得のうち簿価譲渡が認められているもの 無形資産 (CFC の自己開発を除く ) の使用許諾 動産の賃貸 ( 固定施設を有し 関連者の協力なしに事業活動を行う場合を除く ) 資金が外国の資本市場で調達されたものでない 又は 関連者から調達されたもの 資金が ドイツ国内の事業体に提供されていないもの 資金が ドイツ国外の事業体の能動的活動に使用されていないもの 譲渡益が他の会社の能動的活動に使用される資産に由来しないもの 組織再編に係る譲渡益が他の会社の能動的活動に使用される資産に由来しないもの 合算対象外 事業体レベルでの適用除外基準 少額免除 17