離職防止をどのように実現するのか = 離職は企業成長の最大のリスク要因 = 株式会社 T Y &Partners 1
目次 1. はじめに 2. 離職による企業の損失 3. 世代別離職理由 ( 表面的な理由と根本的な理由 ) 4. 企業が出来る離職防止の3つの項目 5. 離職防止のためのステップ 1. 問診 : 離職傾向の把握 2. レントゲン : 現状の組織と個人の関係把握とリスク要因分析 3. 処方箋 : 解決策の策定 4. 投薬 : 課題解決 6. 最後に 2
はじめに 以下のチェックリストに 3 つ以上当てはまる企業は 近い将来の離職リスクが高い傾向があります 離職防止に向けた対策を行うことにより企業業績 ( 売上拡大 コスト削減 ) は向上出来ます 離職率が 10% を超えている 退職時面談を実施していない退職事由を傾向別に把握していない中途採用比率が35% を超えている社員意識調査を定期的に実施していない業績が伸びていない社員の平均年齢が40 歳を超えている客先常駐者が50% を超えている 出展 : 06 年度従業員 300 人以上の企業における離職率 12%( 厚生労働省公表データを加工 ) 3 06 年度情報通信業の企業における離職率 13.3%( 厚生労働省公表データを加工 ) 2008, All rights reserved by T Y & Partners
財務的損失(直接的)非財務的損失(間接的離職による企業の損失 必要な人材の離職は直接的のみではなく間接的にも企業業績に与える影響が大きい しかしながら 離職防止に関しては企業内でもっとも軽視されていることの一つになっている 離職による欠員補充採用コスト斡旋 Fee: 200 万円 / 人媒体 Fee: 50 万円 / 人 受け入れにかかるコスト (PC 備品) 受入 Fee: 50 万円 / 人 採用者の教育にかかるコスト教育 Fee: 50 万円 / 人 採用に関わるオペレーションコストオペレーションFee: 450 万円 風評被害 ( よく辞める会社 ) 社内の動揺 お客様の離反) 退職前のモチベーション低下による生産性の低下 直接的なコストだけで 300 万円 / 人以上かかる 20 人離職して30 人採用したのであれば 6000 万円が削減可能なコスト 4
世代別離職理由 ( 表面的な理由と根本的な理由 ) 表出化している退職理由は 一見企業側ではコントロール出来ない事象に思われますが その根本理由は企業側でコントロール出来ることが多く その対策如何により離職を食い止めることが出来る 退会社の将来に不安 20.6% 職事由(30~39歳)退職事由(25~30歳一般的によく言われる退職事由環境要因 ( 人事部把握 ) バブル崩壊後で人数が 少なく 後輩がいない時 期が長い =マネジメント経験が少 満足のいく仕事ではない 15.1% ない 住宅購入などで出費がかさむ 労働条件 ( 勤務条件 ) が悪い 13.6% = 守りの要素が高い MBAなどの世代で自己 賃金が低い 10.5% 投資傾向が高い =キャリア志向 色々な経験を積みたい 7.9% 満足のいく仕事ではない 16.2% 色々な経験を積みたい 13.9% 大量採用層 ( 売り手市 場 ) 労働条件 ( 勤務条件 ) が悪い 13.9% 企業規模は重視しない 会社の将来に不安 11.7% 出展 : 厚生労働省公表データを加工 賃金が低い 10.4% 弊社との面談で出てくる本質的な事由 ( 弊社把握 ) キャリアに対する不安 ( 現状で OK か ) 仕事の重圧 ( 自信喪失 ) 職場内での人間関係 ( 上司 部下 ) 会社の成長性に対する不安 仕事の意義が見出せない ( 目的喪失 ) 上司との人間関係 キャリアに対する不安 ( キャリアとは何 ) 会社の方針に対する疑問 5 会社内で改善出来る要素=離職を止められる要素
企業が出来る離職防止の 3 つの項目 離職が起こってしまう原因は 3つに分類されます 企業は この3つの項目で対策を打つ必要があります 入口でのミスマッチ 業務適性やタイプの把握が浅い 会社 職場の問題 コミュニケーションミス 制度の脆弱性 本人の問題 キャリアに対する漠然とした不安 6
離職防止のためのステップ 問診レントゲン処方箋投薬 離職事由が既にはっきりしている場合には 投薬ページに進んでください但し 給与に対する不満は表面的に表出しているものであり 根本原因ではありませんので注意してください 7
問診 : 離職傾向の把握 離職層 離職部門 退職理由や従業員満足度調査結果及び事業環境などのデータから離職傾向や退職リスクなどを把握するとともに 離職の原因を仮定義します また 離職原因に対する対策なども把握します 退職者データ 定量データ 社員意識調査 ( 従業員満足度調査 ) など 定性データ ( 人事部所感 ) 年代 階層別離職率 離職率の経年比較 部署別離職率 退職理由 退職者の転職先 平均勤続年数 ( 新卒 中途 ) 各項目別 部署別 年代別 階層別 社内の雰囲気 環境変化の状態 事業環境データ 財務データ 売上 利益推移 賞与額推移 人事データ 採用数 ( 新 中 ) 推移 人事制度の概要 8
レントゲン : 現状の組織と個人の関係把握とリスク要因分析 全社 ( または特定部門 ) にサーベイを実施し 現在の離職リスク度合いとその原因を階層 部門ごとに特定します -チーム診断(DiSCサーベイ)- A 部署の社員構成はCタイプ ( 研究者タイプ ) が多く新規事業や営業には向きにくい構成になっている (構える クール 理論的 指示的)業務志向( 協力 内向的 対応的 リスクを避ける ) ペースが速い ( 競争 外交的 自発的 リスクを負う ) C ペースが遅い (オープン 暖かい 感情的 支援的)D 影響型支配型対人志向安定型規律型反対を押し切ってでも成果を上げる 15% 55% 現状を維持しながら仕事の質の向上を図る 成果を上げるために他の人を仲間に巻き込む 11% 29% 任務の遂行のために他人と協力することに重点を置く i S - 社員意識調査 ( リスクサーベイ )- 貴社の調査結果からは ソフト面に対する施策が離職防止の鍵と考えられます 個人的職場 組織( 制度など ) 働き方の変更 ( 時短 専門職 地域限定など ): 5% 給与 処遇制度が合っていない : 10% 昇格基準が不明確 ( 不公平 ): 18% ハード面 キャリア観が甘い : 26% コミュニケーションの仕方が下手 : 43% 方針が上下で握れていない ( 目的が共有されていない ): 68% チームビルディングの仕方が適切ではない : 33% ソフト面 ( コミュニケーションなど ) 9
処方箋 : 解決策の策定 定性データ及び定量データから 貴社のリスク度合いを分析し 緊急的なリスクに対する対策を立案します 定量データ 貴社提供 弊社実施 離職リスク度スコア 年代別 階層別 部署別リスク度 要素別リスク度 原因分析 年代別 階層別 部署別 解決策 ( 処方箋 ) 全社傾向 キャリアに対する不安 懸念対策 階層に対する傾向 ( 新任マネジメント職 ) 組織運営に対する懸念対策 定性データ 年代に対する (20 代後半 ) 上長とのコミュニケーションに関する懸念対策 部署別 ( システム部 ) キャリアに対する不安 懸念対策 働き方に対する懸念対策 10
ネジメント人の問題企業 職場の問題制度が実態に合っていない貴社に適合した制度に改定 人事制度再構築本入口投薬 : 課題解決例 ( ソフト面の解決策例 ) 顕在的な離職意向者に対しては外科的な手術 ( カウンセリング ) で解決することが可能ですが 重要なのは潜在的な意向者に対する内科的な投薬 ( 下記例 ) になります 3(マ)(自立 自律0代向けキャリアに対する不安 ( 現状で OK か ) 仕事の重圧 ( 自信喪失 ) 20仕事の意義が見出せない代( 目的喪失 ) 向けキャリアに対する不安)( キャリアとは何 ) 職場内での人間関係 ( 上司 部下 ) 組織課題疑問採用時調査結果例 会社方針 上司の指示に対する 採用時と実態が異なる 解決の方向性 世の中で求められている即戦力者とはどのような人かを理解させる 障害の解決策などの知識を習得 活用することにより軽減 目標設定時に上司 部下で業務の目的と役割をしっかりと共有させる 第二新卒層に求められる人材とは何かを理解させる ビジネス上のコミュニケーションの仕方を理解させる ( 上司の動かし方 部下の動機形成のさせ方など ) 会社の方針と部署の役割 自身の役割を連鎖で考えられるようになる 採用時に本人及び受け入れ部署との適正を把握 投薬例 ( 課題解決策 ) キャリア研修 ( 即戦力に求められること ) チームでの解決策策定セッション テーマ別研修 目標管理などを活用した意識付け研修 ( 現在の業務をたな卸し ) キャリア研修 ( 第二新卒に必要なこと ) チームビルディング ( 上司 ) ビジネスコーチング ( 部下 ) 依頼の仕方 動かし方 社内 SNS 方針のブレークダウン (BSC 目標管理など ) コミュニケーション研修 入社時マッチング (DISCサーベイ) 11 2008, All rights reserved by T Y & Partners
最後に 弊社のミッションは 人と組織のパフォーマンスを最大化する ことにあります 優秀な人材のマッチングは弊社のミッション実現の一つの解ではありますが 同時に企業にとって必要な人材が定着し 活躍出来る土台が作られることも同様に重要なことです 本ソリューションは 多くの転職者の退職事由やキャリア観を見続けてきた弊社の想いが蓄積されたものです 企業にとっても個人にとっても Best な関係が生み出されることに貢献出来れば幸いです 12
参考 : 従業員の意識と人材マネジメントの課題に関する調査 2008 仕事の意欲が高くなるのも 低くなるのも 周りとの関係やコミュニケーション に起因する傾向が高い < 仕事に対する意欲が高まった理由 ( 複数回答 ) N=2,346> < 仕事に対する意欲が低くなっている理由 ( 複数回答 ) N=2,158> 仕事を通じて学べるものが多いから 57.5 賃金が低いから 46.8 責任ある仕事を任されているから 51.4 仕事の達成感が感じられないから 43.4 仕事の達成感が感じられるから 36.4 評価の納得性が確保されていないから 35.6 職場の人間関係が良いから 32.8 職場のコミュニケーションが円滑でないから 24.2 適切に処遇されているから 21.6 昇進に対する展望が乏しいから 21.4 仕事の裁量性が高いから 21.6 仕事を通じて学べるものが少ないから 21.1 自分の希望で配置された仕事だから 21.1 職場の人間関係が悪いから 20.6 上司と部下との職場のコミュニケーションが円滑だから 20.7 労働時間が長いから 20.5 会社の経営方針 事業計画等の情報が提供されているから 17.3 雇用の安定性に不安を感じるから 19.2 雇用の安定性があり安心感があるから 15.3 会社の経営方針 事業計画等の情報が提供されていないから 18.5 作業環境がよいから 11.7 仕事上の責任が重すぎるから 14.9 評価の納得性が確保されているから 10.9 仕事の裁量性が低いから 13.6 職業能力開発の機会が豊富だから 8.5 メンタルヘルス対策が不十分であるから 12.2 賃金が高いから 5.3 作業環境が悪いから 12 福利厚生が充実しているから 5.2 職業能力開発の機会が乏しいから 11.8 労働時間が短いから 3.9 福利厚生が充実していないから 10.3 育児休暇 介護休暇を取得しやすいから 2.7 非定型的業務が多いから 6.8 会社からキャリア形成支援が得られるから 1.8 会社からキャリア形成支援が得られないから 6.8 メンタルヘルス対策が十分だから 1.3 育児休暇 介護休暇を取得しにくいから 4.4 非定型的業務が少ないから 1.2 自分の希望で配置された仕事だから 1 0 10 20 30 40 50 60 70 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 注 : 3 年前と比べて仕事に対する意欲が 高まっている または どちらかといえば高まっている と回答した者についての集計 13 出典 : 独立行政法人労働政策研究 研修機構 従業員の意識と人材マネジメントの課題に関する調査 2008 を加工 2008, All rights reserved by T Y & Partners 注 : 3 年前と比べて仕事に対する意欲が 低くなっている または どちらかといえば低くなっている と回答した者についての集計