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研究報告用MS-Wordテンプレートファイル

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性別 女性 48% 男性 52% 男性 女性 年齢 29 歳 5% 30 歳以上 16% 20 歳未満 21 歳 1% 1% 22 歳 7% 23 歳 10% 20 歳未満 21 歳 22 歳 23 歳 24 歳 28 歳 8% 24 歳 14% 25 歳 26 歳 27 歳 27 歳 12% 26

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2013年1月25日

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インターネットについてのアンケート 1 学期の PTA 講演会でも 不審者やネット犯罪から子どもを守るために と題して講演会を行いましたが 下條小学校の子どもたち 保護者のみなさんが インターネットとどのように関わっているのか 高学年の児童 保護者を対象にアンケートを行いました 全県的な調査と比較し

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QOL) を向上させる支援に目を向けることが必要になると考えられる それには統合失調症患者の生活の質に対する思いや考えを理解し, その意向を汲みながら, 具体的な支援を考えなければならない また, そのような背景のもと, 精神医療や精神保健福祉の領域において統合失調症患者の QOL 向上を目的とした

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目次 1. 研究背景 2. 研究目的 3. データ概要 4. 研究内容 5. 分析結果 5-1. 基礎集計 5-2. アソシエーション分析 5-3. クラスター分析 6. まとめ 考察 7. 提案 8. 今後の課題 = 参考文献 = =Appendix= VMS 学生研究奨励賞 2

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ソーシャルメディアとは 現実 ( 人 関係 行動 ) をインターネット上に写像し ( 移し ) 多様なコミュニケーションツールを提供するサービス ソーシャルメディア ひとつのプラットフォーム上に集約いつでも どこでもコミュニケーションできる 映像 写真 PC ケータイ 手紙 文字 音声 電話 現実

2) 親子関係 家族との生活に満足している について と の調査と比較した 図 12-2 に 示しているように の割合は 4 かとも増加傾向が見られた 日 本 米 中

1 スマートフォン普及率女子大は 99.2% も急増 スマートフォンの所有率は 99.2% 85.7% と高く は自分専用のパソコンも 54.9% と半数を超えています 同様の 4 年前 ( 平成 25 年度 ) の調査でスマートフォン所有率は 83.5% 26.3% で 特にの所有率が 4 年間で

❷ 学校の宿題をする時間 宿題に取り組む時間は すべての学年で増加した 第 1 回調査と比較すると すべての学年で宿題をする時間は増えている 宿題に取り組むはおよ そ 40~50 分で学年による変化は小さいが 宿題を しない 割合はになると増加し 学年が上がるに つれて宿題を長時間する生徒としない生

 

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Transcription:

SNS と若者のコミュニケーション能力の関係 1170387 高知工科大学マネジメント学部 1. 概要このような事例は本当に SNS の普及とツイッターや facebook インスタグラム関係があるのだろうか など スマートフォンの普及につれて SNS SNS の使用や依存によって 使用する本は身近なものとなり 若者の間では SNS は人にどのような影響を与えているのか調査会話の手段となっている 特に中学生や高し 適切な SNS の使用方法を検討したい 校生の間では SNS をこまめにチェックし 2. 背景ていないと会話についていけない や仲間内閣府が発表した消費者動向調査による外れにされる等脅迫めいた感情を抱かかせと 2015 年度のスマートフォン ( すまほ ) ている また SNS の多くでは短文投稿で の世帯当たりの普及率が従来型携帯電話話し言葉を主に使用しているためか 言葉 ( ガラケー ) をうわまったとしている (2016 の会話となった (face to face の会話 ) 際 年 3 月時点 ) また スマートフォンは登場礼儀やマナーを踏まえて他者と円滑なコミした平成 22 年から平成 26 年の 4 年間で世ュニケーションを取ることが苦手な若者が帯保有率が約 55% 増加し 平成 26 年度の増加していると言われている 保有率は6 割越えと急速に普及している また インターネトの利用目的は 電子メールの送受信 ソージャルメディアの利用 動画投稿 共有サイトの利用 などが多く スマートフォンの普及によりこういったことがより手軽にできることから利用が広まったと考えられる 特に ソーシャルメディアの利用 はスマートフォンの普及により若者の間でも広まり 成人の間では知人とのコミュニケーションツールとして身近なものになっている ( 下図参照 )

上記の結果より 若者はソーシャルメディアをつかって主なコミュニケーションを取っているため face to face のコミュニケーション能力が低下している といわれるようになったと推測する 3. 調査方法文献調査 総務省 HP 平成 27 年度版情報通信白書特集テーマ ICT の過去 現在 未来 第 3 部基本データと政策動向 より 第 2 節 ICT サービスの利用動向 大学新入生の友人関係における FTF および SNS コミュニケーション 黒川, 雅幸 ; 吉武, 久美 ; 中山, 真 ; 三島, 浩路 ; 大西, 彩子 ; 吉田, 俊和 対人社会心理学研究 (2015) 15~62 頁に掲載 大学新入生の友人関係における FTF および SNS コミュニケーション 黒川, 雅幸 ; 吉武, 久美 ; 中山, 真 ; 三島, 浩路 ; 大西, 彩子 ; 吉田, 俊和 対人社会心理学研究 (2015) 15~62 頁に掲載 高校生のネット逃避 大野志郎 情報通信学会誌 (2016)1~10 頁 4. 文献内容 1 大学新入生の友人関係における FTF および SNS コミュニケーション 黒川, 雅幸 ; 吉武, 久美 ; 中山, 真 ; 三島, 浩路 ; 大西, 彩子 ; 吉田, 俊和 対人社会心理学研究 (2015) 15~62 頁に掲載大学新入生の友人関係における対面 (FTF) やソーシャル ネットワーキング サービス (SNS) を使用したコミュニケーションについて 縦断的に検討することが目的であった 同じ専攻に所属する大学 1 年生 64 名 ( 男性 21 名 女性 43 名 ) を対象に 5 月 7 月 10 月 12 月の計 4 回質問紙調査を実施した 分析の結果 4 時点において 友人 知人数 FTF および SNS コミュニケーション頻度は変化がなく FTF および SNS コミュニケーション ネットワークは4 時点のいずれにおいても類似していた 5 月から 7 月と 5 月から 12 月の SNS コミュニケーション ネットワークの変化は FTF よりも大きかった 5 月からの FTF コミュニケーション頻度の増加が 7 月における友人関係満足感を予測し 10 月からの友人 知人の人数の増加や FTF コミュニケーション頻度の増加が 12

月の友人関係満足感を予測する結果が得られた 2 SNSによる大学生のコミュニケーションについて~ 自己隠蔽度が人間関係に及ぼす影響 ~ 中田美喜子 広島女学院大学国際教養学部紀要第 2 号 (2015.3)27~33 頁掲載 SNSによる自己隠蔽度と人間関係との影響度にかんする調査 学生は交友関係において 評価過敏 傷つき回避 関わり苦手意識 をもち また人間関係が円滑にいくことを優先するために 自分の気持ちや考えを伝えることを避ける 自己隠蔽 の傾向が強いと示された これらの傾向が強い学生はポジティブな意見およびネガティブな意見をSNSやブログ絵の書き込みが少なく 身近な友人の人数も少ないことが認められた さらにSNSやブログへの書き込みについても 注意深く中々書き込みを行わない方向にあることが示唆された 自己隠蔽度の低い群においては 楽しいことや趣味についての書き込みは高い群と同様に行い さらに落ち込んでいることについても 少し書き込む という回答で有意差があることから 自己隠蔽度が低いほど SNSやブログなどへの書き込みを行う傾向が示された 研究方法は広島県内の大学生 581 名 ( 男性 171 名 女性 410 名 平均年齢 18.9 歳 ) を対象に 質問紙による調査を 2014 年 7 月から 10 月に実施した アンケートの内容は 性別 年齢 パソコンの使用頻度 携帯電話の使用頻度 友人関係について パソコンを用いたっコミュニケーションツールの利用頻度 SNSとブログを別々の項目を設けた また S NSブログの利用については自己開示につながる項 目として坂本 (2010) と同等の項目を設定した 携帯電話を用いたコミュニケーションツールの利用事項については SNS ブログとは別に回答を求めた 自己隠蔽については 日本語版自己隠蔽尺度 ( 河野 1998,2001) をもとに作成した この論文では 自己隠蔽についてのみ分析検討したものを報告している 結果 : 自己隠蔽の項目ごとの平均値を示したものが表 1 である それぞれの質問項目に対して 当てはまらないから 当てはまるまで 5 段階で回答を行った結果である 全体平均では 3 以上の特典項目として 自分について人に話してないことがたくさんある 隠しておきたいことを知られてしまうことがこわいと思うことがある 自分の秘密を話しても, 良いことはほとんどないから, できるだけ話さないようにしようと思う が認められた のほかの項目は 2.5 以上 2.9 以下の得点であった 特に偏差値の小さな項目については, ほとんどの学生がそのように感じている項目であるといえるため, 気を付ける必要があると考える 自己隠蔽の得点を集計し, 平均値から自己隠蔽度の高い群と低い群に被験者を分けて分析を行った パソコンの利用, 1 日のパソコンの使用時間 1 日のパソコンメールの平均数 1 日の異なる人とのパソコンメールをやり取り人数 1 日の携帯電話の使用時間 1 日の携帯メールの平均数 1 日の異なる人との携帯メールをやり取り人数 の項目において分析した結果,1 日のパソコン利用の時間のみ有意差が認められた 自己隠蔽項目平均値 標準偏差 誰にも打ち明けられない重要な秘密を持っている 2.9 4.2 自分の秘密はあまりに嫌なもので 他人には話せない 2.9 4.2

もし友達に自分の秘密を話したら 友達は私のことを切らいになると思う 2.6 4.2 自分について人に話していないことがたくさんある 3.2 4.2 親友にも話せないことがある 2.9 4.2 自分を苦しめる秘密を持っている 2.6 4.2 何か悪いことが起こった時も人には話さないほうだ 2.9 4.2 隠しておきたいこととぉ知られてしまうことが怖いと思うことがある 3.2 1.3 自分の秘密を話しても いいことはほとんどないから出来るだけはなさないようにしようと思う 3.1 1.2 自分の秘密について聞かれたときは嘘をつこうと思う 2.8 1.2 図文地震について人に打ち明けられないような否定的な考えを持っている 2.7 1.2 自分のことを人に話すことに抵抗を感じる 2.6 1.1 人に話しても自分の苦しみ j はわかってもらえないと思う 2.7 1.2 結果を図 1に示した 特にコンピュータの利用について今回の結果は利用時間が少ない結果になっている これは 10 月の最初にアンケートを実施したものと7 月のもので 1 年生が多く, コンピュータによる課題提出などが多数ある7 月と講義の開始で課題の少ない 10 月でも違いがでる可能性があったため, アンケート調査の日程にも気を付ける必要があると思われた これらの結果から,SNSに書き込む内容は, 楽しいことや趣味について記載していくことが多いことが認められ, 自己隠蔽の低い群では 個人的に落ち込んでしまうこと なども 少し話す という回答が自己隠蔽の高い群に比較して有意に多いことから, 自己隠蔽の低い群では落ち込んでしまうことも書き込みを行っていく可能性もあることを示している S NSへの書き込みについては, 情報倫理などの科目でいろいろな犯罪に巻き込まれる可能性や, 使い方について知識をもっているため, 書き込みの内容については, 気を付けて書いている可能性が高いと思われる 本研究では, 自己隠蔽についての分析を検討したが, アンケートにある自己開示についても同様に分析検討していくことで, 大学生が新しいコミュニケーションをどのように考えて対応しているかについての報告が可能となると思われる 3 高校生のネット逃避 大野志郎 情報通信学会誌 (2016)1~10 頁憂鬱な気分やストレスからの逃避を目的としてW EBを利用する ネット逃避 が 特に青少年に増えている 抑うつがネット逃避と潜在的ネット依存傾向へ ネット逃避が潜在的ネット依存傾向とネット使用の実害へ 潜在手系ネット依存傾向がネット使用の実害へ影響することが分かった 本研究では 抑うつからネット逃避へ ネット逃避から潜在的ネット依存傾向へ そしてネット使用の実害へと至る 逃避型インターネット依存仮説モデル (Figure 1) の検証を行う また ネット逃避が 直接的に実害に作用する経路 抑うつが直接的に実害や潜在的ネット依存傾向に作用する経路のパスの有意性を検証し 必要に応じて仮説モデルの修正を行う 20 項目のインターネット依存関連項目のうち 日常生活における社会的役割の放棄 健康上の問題 人間関係の悪化などの実害が生じていると考えられる 4 項目 (Table 3: H1-H4) に加え 別途設けたインターネット使用による実害に関連する 5 つの項目 (Table 3:H5-H9) をまとめ 9 項目の ネット使用の実害関連項目とした 分析方法 : 統計解析ソフトに IBM SPSS Statistics

Version22 IBM SPSS Amos Version 22 を用いた 分析 1では 抑うつ ネット逃避 潜在的ネット依存傾向 実害に対する共分散構造分析を実施した 分析 2 では 年齢 学年 長時間使用サービス別にグループ分けを行い 分析 1 のモデルを検証するために 多母集団の同時分析を実施した すべての分析において 有意水準を 5% に設定した 結果 : 潜在的ネット依存傾向は ネット使用の実害と強く結びついているため 実害を避けるためには ネット逃避や抑うつの高まりを認識した段階で対策を行うことが望ましい 適切な気分管理やストレスマネジメントを行うなどの対処戦略を身に付けることで ネット逃避の機会を減少させ 実害に至るリスクを大きく軽減させることが可能であることを 本研究は示唆している また ネット逃避は抑うつなどの心理的ストレス要因と強く関連していると考えられるため 生活環境や心理的状況を注視し 可能な限り 根本的な問題の解決を試みるべきである 以上の資料から 若者の間で SNS は新しい環境でコミュニティを深めるツールとして利用されており コミュニケーション全般になり替わっているのではなく コミュニケーションの第一歩として利用されている 深い仲になるにはまだまだ face to face が重要な役割を担っていることが分かった