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JTCCM 平成 12 年 6 月 1 日制定平成 13 年 5 月 7 日変更 ( い ) 平成 20 年 8 月 19 日変更 ( ろ ) 平成 24 年 4 月 1 日変更 ( は ) 木造耐力壁及びその倍率の試験 評価業務方法書 1

目次 1. 適用範囲 2. 性能評価用提出図書 3. 評価基準 ( ろ ) 3.1 試験及び評価の実施 ( ろ ) 3.2 試験 評価方法 ( ろ ) 3.2.1 総則 ( ろ ) 3.2.2 試験体 ( ろ ) 3.2.3 試験装置 ( ろ ) 3.2.4 試験方法 ( ろ ) 3.2.5 測定項目 ( ろ ) 3.2.6 評価方法 ( ろ ) 4. 性能評価書 ( ろ ) 2

1. 適用範囲本業務方法書は, 建築基準法施行令 ( 以下, 令 とする ) 第 46 条第 4 項表 1 の ( 八 ) の認定に係る性能評価に適用する ( ろ ) 2. 性能評価用提出図書性能評価用提出図書は以下の通りとする 様式その他については, 別に定めるものとする ( ろ ) (1) 性能評価申請書 (2) 性能評価申請者 (3) 件名 (4) 耐力壁の構造方法等 ( ろ ) 1) 耐力壁に用いる材等の名称 2) 材等の概要 3) 耐力壁の施工仕様の概要 (5) 技術資料 1) 設計施工要領書 2) 耐久計画書 3) 材等の製造工場概要書 4) 材等の製造工程説明書 5) 材等の品質管理規定 (6) その他必要な資料 ( 試験報告書等 ) 3. 評価基準 ( ろ ) 3.1 試験及び評価の実施 ( ろ ) (1) 評価員は 2. に定める性能評価用提出図書並びに次の各項による試験方法及び評価方法に基づき評価を行う ( ろ ) (2) 評価員は 評価上必要のあるときは 性能評価用提出図書について申請者に説明を求めるものとする ( ろ ) 3.2 試験 評価方法 ( ろ ) 3.2.1 総則 ( ろ ) 令第 46 条第 4 項表 1 の ( 八 ) の規定に基づく認定に係る性能評価は,3.2.2 に規定する試験体を, 3.2.3 に規定する試験装置を用い,3.2.4 に規定する試験方法により試験し,3.2.5 に規定する測定を行い その測定値により 3.2.6 に規定する評価を行う ( ろ ) 3.2.2 試験体 ( ろ ) 試験体の仕様は, 実状に合わせた現実的なものとする 標準的な試験体の仕様は, 次のようなも のとする ( ろ ) (1) 木造軸組構法の耐力壁 ( 図 1.1, 図 1.2, 図 1.3 参照 )( ろ ) 1) 軸組寸法 : 幅 910mm,1000mm,1820mm 又は2000mm 程度 ( ろ ) 高さ 2730mm 程度 2) 木 材 : 樹種 すぎの製材 ( 柱, 土台, 間柱, 横桟等 ) べいまつの製材 ( 梁等 ) 品質 柱, 土台は構造用製材のJASの乙種構造材 3 級程度梁は構造用製材のJASの甲種構造材 3 級程度 ( い ) 断寸法 105 105mm を標準 ( ただし, 梁せいは 180mm を標準 ) 乾燥の程度含水率の程度は 20% 以下を標準 3

3) 仕口 : ほぞとする ( ろ ) 4) 仕口の構造方法 : タイロッド式載荷式又は無載荷式 (2) 試験体数 :3 体以上 ( ろ ) ほぞに2 本のN90 釘打ち柱頭及び柱脚が先行破壊しない仕口の構造方法を原則とする ( ろ ) 3.2.3 試験装置 (1) タイロッド式の場合 ( 図 2 参照 )( ろ ) 加力装置は, 適切に繰り返しの荷重を加えることができるものとする A 油圧ジャッキ ( 正負交番加力が可能なもの )( ろ ) B ロードセル ( 試験体の荷重を的確に測定できるもの )( ろ ) C 球座又はローラー ( 加力装置と試験体の間の摩擦を軽減する ) D ローラー ( 加圧板と試験体の間の摩擦を軽減する ) E 加圧板 ( タイロッドに取り付き, 試験体の浮き上がりを拘束する ) F タイロッド (φ16~20mm 程度, 初期荷重は加えない ) G ストッパー ( 試験体の水平移動を防止する ) H 振れ止め又は倒れ止めサポート ( 試験体の横倒れを防ぐ ) I 固定用ボルト (M16 ボルト 試験体は M16 ボルトと座金 W9.0 80 を用いて, 土台の 3 箇所程度を試験装置に固定する ) (2) 載荷式又は無載荷式の場合 ( 図 3 参照 ) ( ろ ) 加力装置は, 適切に繰り返しの荷重を加えることができるものとする A 油圧ジャッキ ( 正負交番加力が可能なもの )( ろ ) B ロードセル ( 試験体の荷重を的確に測定できるもの )( ろ ) C 球座又はローラー ( 加力装置と試験体の間の摩擦を軽減する ) G ストッパー ( 試験体の水平移動を防止する ) H 振れ止め又は倒れ止めサポート ( 試験体の横倒れを防ぐ ) I 固定用ボルト (M16 ボルト 試験体は M16 ボルトと座金 W9.0 80 を用いて, 土台の 3 箇所程度を試験装置に固定する ) (3) 変位測定装置 JIS B 7503 に準じるダイヤルゲージ又はこれに相当する電気式変位計などを用いる 測定位置を図 2 及び図 3 に示す 変位計 DG1 で柱頂部の水平方向変位,DG2 で柱脚部の水平方向変位を, 変位計 DG3,DG4 で柱脚部の上下方向変位を測定できるように取り付け, 各変位計間の測定間距離 (H, B) を計測する 4

梁 :105 180( べいまつ ) 柱 :105 105( すぎ ) 横桟 材 2730 材 2587.5( い ) 180 ホ ルト M16 座金 W9.0 80 ( い ) ボルト孔 φ18 105 200 土台 :105 105( すぎ ) 1820 200 105 立 側 間柱 ( すぎ ) ほぞ 柱 2-N90 釘 材 土台 平 柱と横架材の仕口 木材は JAS 製材を使用する 図 1.1 軸組耐力壁の試験体例 ( 材系 ) 単位 mm( い ) 5

梁 :105 180( べいまつ ) 柱 :105 105( すぎ ) 筋かい 間柱 2730 筋かい 2587.5 180 ホ ルト M16 座金 W9.0 80 ボルト孔 φ18 105 200 土台 :105 105( すぎ ) 1820 200 105 立 側 間柱 ( すぎ ) ほぞ 柱 2-N90 釘 土台 筋かい 平 柱と横架材の仕口 木材は JAS 製材を使用する 図 1.2 軸組耐力壁の試験体例 ( 筋かい系 2P タイプ ) 単位 mm( い ) 6

梁 :105 180( べいまつ ) 柱 :105 105( すぎ ) 筋かい 2730 筋かい 2587.5 180 ホ ルト M16 座金 W9.0 80 ボルト孔 φ18 105 土台 :105 105( すぎ ) 200 910 200 105 立 ほぞ 柱 2-N90 釘 側 土台 柱と横架材の仕口 筋かい 平 木材は JAS 製材を使用する 図 1.3 軸組耐力壁の試験体例 ( 筋かい系 1P タイプ ) 単位 mm( い ) 7

スライド支承 加力方向 (+) P (-) C; ローラー H; 振れ止め D; ローラー E; 加圧板 変位計 DG1( ろ ) J; ナット B; ロードセル カウンターウェート A; 油圧ジャッキ 200 200 F; タイロッド 測定間距離 H 測定間距離 B DG3( い ) DG4( い ) I; ボルト M16 G; ストッパー DG2( ろ ) 正 注 ) 水平方向変位は, 試験機側に変形した場合を (+) とし, 上下方向変位は, 沈下を (+) とした ( い ) 図 2 タイロッド式の内せん断試験装置例単位 mm( ろ ) 側 8

スライド支承 H; 振れ止め 加力方向 (+) P (-) C; ローラー 変位計 DG1( ろ ) B; ロードセル A; 油圧ジャッキ カウンターウェート 測定間距離 H 測定間距離 B DG3( い ) DG4( い ) ホールダウン金物 I; ボルト M16 I; ボルト M16 G; ストッパー DG2( ろ ) 正 注 ) 水平方向変位は, 試験機側に変形した場合を (+) とし, 上下方向変位は, 沈下を (+) とした ( い ) 図 3 無載荷式の内せん断試験装置例 ( ろ ) 側 9

3.2.4 試験方法 ( ろ ) 試験方法は, 以下の (1) 又は (2) とし, 筋かい系の場合は原則として (2) の方法とする ( ろ ) (1) タイロッド式の場合 ( ろ ) 1 加力方法は, 正負交番繰り返し加力とし, 繰り返しの原則は 真のせん断変形角が 1/600, 1/450,1/300,1/200,1/150,1/100,1/75,1/50rad の正負変形時に行う ( ろ ) 2 試験は, 同一段階で 3 回の繰り返し加力を行うことを原則とする ( い ) 3 最大荷重に達した後, 最大荷重の 80% の荷重に低下するまで加力するか, 試験体の変形角が 1/15rad 以上に達するまで加力する事が望ましい ( い ) 4 タイロッドの浮き上がり拘束力を測定することが望ましい (2) 載荷式又は無載荷式の場合 ( ろ ) 1 加力方法は正負交番繰り返し加力とし, 繰り返しの原則は 見掛けのせん断変形角が 1/450,1/300,1/200,1/150,1/100,1/75,1/50rad の正負変形時に行う ( ろ ) 2 試験は, 同一段階で 3 回の繰り返し加力を行うことを原則とする ( い ) 3 最大荷重に達した後, 最大荷重の 80% の荷重に低下するまで加力するか, 試験体の変形角が 1/15rad 以上に達するまで加力する事が望ましい ( い ) 4 載荷式の積載荷重は 2000N/m 程度とする ( い ) 3.2.5 測定項目 ( ろ ) 1 荷重, 各測定点の変位量, 最大荷重, 最大荷重時変位 ( ろ ) 2 荷重 - 変形曲線又は包絡線 3 試験中に試験体に生じた破壊の状況 4 木材及び材の種類, 規格, 含水率, 密度等 ( ろ ) 5 くぎ等の接合具の規格, 寸法等 ( ろ ) 3.2.6 評価方法 ( ろ ) 3.2.2 から 3.2.5 による試験の結果から, 以下の評価方法により倍率の算定を行い, 当該倍率を有する軸組と同等以上の耐力を有するものと評価する ( ろ ) また これとは別に 一般財団法人建材試験センターが既に構造方法等の認定のための審査に当たって行った性能評価に係る試験の結果を用いることにより 新たな試験を行わないで評価をすることができる ( ろ ) (1) せん断変形の算定内せん断試験における見掛けのせん断変形角 (γ), 脚部のせん断変形角 ( 回転角 )(θ), 真のせん断変形角 (γo), は 次式により求める ( ろ ) 見掛けのせん断変形角 γ=(dg1-dg2)/h (rad) (1) 式脚部のせん断変形角 ( 回転角 )( ろ ) θ=(dg3-dg4)/b (rad) (2) 式真のせん断変形角 γo=γ-θ (rad) (3) 式 ここに,DG1: 梁材の水平方向変位 (mm) ( 変位計 DG1) ( ろ ) DG2: 土台材の水平方向変位 (mm) ( 変位計 DG2) ( ろ ) DG3: 柱脚部の上下方向変位 (mm) ( 変位計 DG3) ( ろ ) DG4: 柱脚部の上下方向変位 (mm) ( 変位計 DG4) ( ろ ) H: 変位計 DG1 と DG2 の測定間距離 (mm) B: 変位計 DG3 と DG4 の測定間距離 (mm)( 沈下を (+) とする )( い ) 10

(2) 短期基準せん断耐力の算定 ( 図 4 参照 ) ( ろ ) 短期基準せん断耐力 (P 0 ) は, 次の (a) から (d) まで ( すべての試験体において下記の手順で求めた降伏変位 δyが真のせん断変形角 1/300radより小さく かつ 真のせん断変形角 1/300rad 時に著しい損傷がない場合にあっては 次の (d) に掲げる特定変形時の耐力を試験方法にかかわらず真のせん断変形角 1/300rad 時の耐力とし 次の (b) から (d) まで ) に掲げる耐力について それぞれ3 体以上の試験結果の平均値にばらつき係数を乗じて算出した値のうち最も小さい値とする なお, ばらつき係数は, 母集団の分布形を正規分布とみなし, 統計的処理に基づく信頼水準 75% の50% 下側許容限界をもとに次式により求める ( ろ ) ばらつき係数 =1-CV k (4) 式ここに,CV: 変動係数 k: 試験体数に依存する定数 (n=3 の場合 0.471) ( ろ ) (a) 降伏耐力 Py (b) 終局耐力 Pu を 1/ (2μ 1) で除し 0.2 を乗じた値 ( ろ ) (c) 最大耐力 Pmax の 2/3 ( い ) (d) 特定変形時の耐力 ( タイロッド式の場合 : 真のせん断変形角 1/150rad 時の耐力, 載荷式及び無載荷式の場合 : 見掛けのせん断変形角 1/120rad 時の耐力 )( ろ ) 上記の降伏耐力 Py, 終局耐力 Pu は, 荷重 - 変形曲線の終局加力を行った側の包絡線により, 下記の手順で求める ( ろ ) ア ) 包絡線上の 0.1Pmax と 0.4Pmax を結ぶ直線 ( 第 Ⅰ 直線 ) を引く イ ) 包絡線上の 0.4Pmax と 0.9Pmax を結ぶ直線 ( 第 Ⅱ 直線 ) を引く ウ ) 包絡線に接するまで第 Ⅱ 直線を平行移動し, これを第 Ⅲ 直線とする エ ) 第 Ⅰ 直線と第 Ⅲ 直線との交点の荷重を, 降伏耐力 Py とし, この点から X 軸に平行に直線 ( 第 Ⅳ 直線 ) を引く ( ろ ) オ ) 第 Ⅳ 直線と包絡線との交点の変位を降伏変位 δy とする ( ろ ) カ ) 原点と (δy,py) を結ぶ直線 ( 第 Ⅴ 直線 ) を初期剛性 K と定める キ ) 最大荷重後の 0.8Pmax 荷重低下域の包絡線上の変位又は 1/15rad のいずれか小さい変位を終局変位 δu と定める ( い ) ク ) 包絡線と X 軸及び X=δu で囲まれる積を S とする ( ろ ) ケ ) 第 Ⅴ 直線と X=δu と X 軸及び X 軸に平行な直線で囲まれる台形の積が S と等しくなるように X 軸に平行な直線 ( 第 Ⅵ 直線 ) を引く ( ろ ) コ ) 第 Ⅴ 直線と第 Ⅵ 直線との交点の荷重を完全弾塑性モデルの降伏耐力と定め, これを終局耐力 Pu と読み替える そのときの変位を完全弾塑性モデルの降伏点変位 δv とする サ )(δu/δv) を塑性率 μ とする シ ) 試験体の変形角が 1/15rad を超えても最大耐力に達しない場合には,1/15rad 時の荷重を Pmax とする ( ろ ) 11

Ⅰ Ⅴ Ⅲ Ⅱ Pmax Pu 0.9Pmax 0.8Pmax Ⅵ Py 0.4Pmax Ⅳ S 0.1Pmax δy δv δu 図 4 終局加力を行った包絡線による耐力の求め方 ( い ) (3) 短期許容せん断耐力の算定 ( ろ ) 短期許容せん断耐力 Pa は次式により算定する Pa=Po α (5) 式 ( ろ ) ここに,Po:(2) より求めた短期基準せん断耐力 (kn) α: 考えられる耐力低減の要因を評価する係数で, 耐力壁構成材料の耐久性, 使用環境の影響, 施工性の影響, 壁量計算の前提条件を満たさない場合の影響等を勘案して定める係数 ( ろ ) (4) 倍率の算定倍率は, 下式により算定する 算定した数値は 0.5 から 5.0 までの範囲内の数値とし, 原則として 0.1 毎に端数を切り捨てることとする ( い ) 倍率 =Pa/(1.96L) (6) 式 ( ろ ) ここに,Pa:(3) より求めた短期許容せん断耐力 (kn) ( ろ ) 1.96: 倍率 =1 を算定するための数値 (kn/m) L: 壁の長さ (m) ( ろ ) 12

4. 性能評価書 ( ろ ) 性能評価書には, 次の項目を記載する ( い ) (1) 性能評価番号 (2) 性能評価年月日 (3) 申請者の法人名, 代表者名 ( い ) (4) 性能評価者の法人名 代表者名 ( ろ ) (5) 件名 ( ろ ) (6) 性能評価の区分 ( ろ ) (7) 倍率の数値 ( ろ ) (8) 他の壁又は筋かいを併用したときの当該耐力壁の倍率の数値 ( ろ ) (9) 評価員名 ( ろ ) (10) 軸組の概要等 ( ろ ) (11) 評価内容 ( ろ ) (12) その他 ( ろ ) 13