05 次数学セレクション解答解説 [ 千葉大 文 ] () k を自然数, l, N を 0 以上の整数とするとき, k l+ l l (i) k= l+ のとき = = 8 = (7+ ) = (7N + ) = 7 N + これより, k を 7 で割った余りは である k l+ l l (ii) k= l+ のとき = = 4 8 = 4(7+ ) = 4(7N + ) = 7 4N + 4 これより, k を 7 で割った余りは 4 である k l+ l l (iii) k= l+ のとき = = 8 8 = 8(7+ ) = 8(7N + ) = 7(8N + ) + これより, k を 7 で割った余りは である (i)~(iii) より, k を 7 で割った余りが 4 のとき, k を で割った余りは である () m, を自然数で, 4m+ 5が で割り切れるとき, 4m+ 5= ( m+ ) + ( m- ) これより, m-は で割り切れる, すなわち m を で割った余りと を で割った余りは等しくなる そこで, m, を 0 以上の整数として, (i) m, を で割った余りが のとき m= m +, = + m = (m + )( + ) = ( m + m + ) + これより, m を で割った余りは である (ii) m, を で割った余りが のとき m= m +, = + m = (m + )( + ) = (m + m + + ) + これより, m を で割った余りは である (iii) m, を で割った余りが 0 のとき m= m +, = + m = (m + )( + ) = (m + m + + ) これより, m を で割った余りは 0 である (i)~(iii) より, m を で割った余りは 0 または であり, ではない したがって, () より, m を 7 で割った余りは 4 ではない テーマは整数の余りによる分類です () の最後の行は, () で証明した命題の対偶を利用しています なお, 合同式を用いて記述しても構いません -- 電送数学舎 05
05 次数学セレクション解答解説 [ 九州大 理 ] () が正の偶数のとき, l を自然数として, = lとおくと, l - = - = 4 - = (+ ) - l l l- l- l l l l- l- l- l- l l l l- = ( + C + C + + C + ) - = ( + C + C + + C ) よって, - は の倍数である () を自然数とするとき, + と -の最大公約数を g とおくと, + = g a, - = g b (a と b は互いに素 ) l -より, = g( a-b) となり, g = または g = である g = のとき, は + = a となり, 左辺は奇数, 右辺は偶数で成立しない よって, g = から, + と -は互いに素である () 異なる素数 p, q に対して, p - - = pq (i) p が偶数のとき p は素数より p =, すると, から - = q となり, 素数 q は存在しない (ii) p が奇数のとき p - は偶数となり, () の結果から p- -は の倍数である すると, から pq は の倍数となり, p = または q = である (ii-i) p = のとき は - = q となり, 素数 q は存在しない (ii-ii) q = のとき p は - - = 9p 4となり, k を自然数として, p= k+ とおくと, p - k k k - = - = ( + )( - ) () から k + と k k k -は互いに素で, 4は ( + )( - ) = 9(k + ) となり, k k ( +, - ) = (9, k + ) または (k +, 9) k k ( +, - ) = (9, k + ) のとき, k = すなわち p = 7 となる k k ( +, - ) = (k +, 9) のとき, 満たす k は存在しない (i)(ii) より, を満たす p, q の組は, ( p, q ) = (7, ) のみである 誘導つきの整数問題です なお, 4を満たす p を求めるために, () の結論を利用する方法で記しましたが, グラフをイメージして, 直接的に解いても構いません -- 電送数学舎 05
05 次数学セレクション解答解説 [ 京都大 理 ] a, b, c, d, e を正の実数とするとき, f ( x) = ax + bx+ c, g( x) = dx+ eに対して, f ( x ) を g( x ) で割った商を px + q, 余りを r とおくと, p, q, r は実数となり, f ( x) = g ( x)( px+ q) + r さて, ( x ) h( x) = f とおくと, から h( x) = px+ q+ r = px+ q+ r g( x ) g( x) dx+ e ここで, を 以上の整数とすると, 条件より, h( - ), h( ), h( + ) 整数なので, h( - ) + h( + ) - h( ) の値も整数となり, h( - ) + h( + ) - h( ) ( ) = p - p + q + r + p + p + q + r - p + q + r d- d+ e d+ d+ e d+ e = r + r - r d - d + e d + d + e d + e = dr ( d - d + e )( d + d + e )( d + e ) すると, 十分に大きい に対してもが整数となることより, r = 0 である よって, から, f ( x) = g( x)( px+ q) となり, f ( x ) は g( x ) で割り切れる はすべて 結論の r = 0 を示すために, h( ) の等差数列部分である p + q を消すことを考え, h( - ) + h( + ) - h( ) を計算しています そして, 得られた式がというわけ です 階差を 回とったと考えてもよいですが なお, 既視感があったので, 過去問を調べたところ, 99 年の後期に類題が出ていました -- 電送数学舎 05
05 次数学セレクション解答解説 4 [ 東北大 文 ] () 条件より, + + + a - a a + a = ( a + a ) なので, + + + + + + a - a a + a = ( a + a ) - より, + + + a+ - a - a ( a - a ) = ( a - a ) ここで, a+ > a+ > aから, a+ - a > 0 となり, a+ + a - a+ =, a+ + a = a+ + () より, a+ - a+ + a = となり, ( a+ -a+ ) -( a+ - a) = 4 ここで, b = a+ -aとおくと, 4より, b+ - b = となり, b = b + ( - ) 5 さて, より, a - a a + a = ( a + a ) となり, a = から, 9-6a + a = ( + a ), a - 9a = 0 すると, a > a = から a = 9 となり, b = a- a = 6 よって, 5から, b = 6 + ( - ) = ( + ) () () より, において, - a = + å ( k+ ) + ( = + -) ( ) = + + - = ( ) + k= なお, この式は = のときも成立している 誘導つきの漸化式の問題です () の結果が () へとつながり, さらに () へとスムーズに解いていくことができます -4- 電送数学舎 05
05 次数学セレクション解答解説 5 [ 広島大 文 ] () r = log ( + ) = log ( + ) より, r + = log + ( + ) となり, r+ -r = log + ( + ) = log + ( + ) ( + ) よって, + r+ -r = ( + ) c () より, + - r = となり, + - c+ = r c c r + - r ここで, f ( ) = とおくと, c+ = f ( ) cとなり, において, さて, r - r r - r r - r r - r log ( + )- log log ( + )- c c = c f () f () f ( -) c - = = c = c = x - px+ q = 0 の実数解を, ( < ) とすると, - -4 p p q =, すると, c = - + -4 p p q = = p -4q となり, log ( + ) - log ( + ) c = p - 4q = 4 = よって, より, c = = = ( + ) なお, は = のときも成立している () より, p - 4 q = ( + ) となり, そこで, p = のとき, p = となり, 4より, q { ( ) } = - + =- (+ ) 4 4 4 ( ) p - q = + 4 次方程式の解を題材とした, 誘導つきの漸化式の問題です () の漸化式 c+ = f ( ) c を解くことがポイントとなっています 詳しくは ピンポイントレクチャー を参照してください -5- 電送数学舎 05
05 次数学セレクション解答解説 6 [ 千葉大 理 ] () b + 4c> 0のとき, x -bx- c= 0 の実数解, について, + = b, =- c 条件より, - - a = + から, と合わせて, - - ba+ + ca = ( + )( + )- ( + ) + + = + + + -( + ) = + よって, a+ = ba+ + ca が成立する 0 0 () a がすべて整数のとき, から, a = + =, a + + = + = b これより b は整数となり, から, a = ba + ca, a4 = ba + caとなり, c= a- ba 4, bc = a4 - ba 5 また, から a = + = ( + ) - = b + cとなり, から, a5 = ba4 + ca, ( b + c) c= a - ba 6 5 4 456より, c, bc, ( b + c) cはすべて整数である さて, c が整数より, k を整数として c = k とおくことができる ここで, k が奇数と仮定すると, bc = bk が整数より b は偶数となる ( b + k) k ところが, ( b + c) c= は, 分子 ( b + k) kが奇数より, 整数ではない したがって, k は奇数ではなく偶数となり, c も整数である 逆に, b, c がともに整数であるとき, a =, a = bはともに整数であり, から, 帰納的に a ( =, 4, 5, ) はすべて整数となる 以上より, a がすべて整数であるための必要十分条件は, b, c がともに整数であることである 隣接 項間型の漸化式が題材となっている証明問題です () の設問は, 見かけよりは難しめで, 詰めに時間がかかりました -6- 電送数学舎 05
05 次数学セレクション解答解説 7 [ 東京大 理 ] () p+ + p+ + p + p =, p =, p+ = に対して, a = とおくと, p p+ p p+ + p+ + p+ p+ a+ = = + + p+ p+ p+ p+ p+ p+ p+ + p+ p p = + + p + p p+ + p+ ( p+ + ) ( p+ + ) + p+ p + p ( p+ + ) + p = = p+ p( p+ + ) p+ p = a これより, a a + + p+ + p + = = = となり, = p+ p () すべての自然数 に対し, 0 < p < p + であることを数学的帰納法で証明する (i) = のとき p =, p = より成立する (ii) = kのとき pk 0 < pk < p k + すなわち > と仮定すると, pk pk+ + pk+ pk+ pk+ 条件式より, pk+ = > から, > > となる pk pk pk+ pk (i)(ii) より, 0 < p < p + ( =,,, ) である さて, より, + p+ + p + = p p - p + p + = p p - ( ) - より, + - - = ( + - -) p p p p p すると, p- < p < p+ より, p+ - p- > 0 なので, p+ + p- = p ( =,, 4, ) () () より, p =, p =, p+ = p+ - p ( =,,, ) ここで, q =, q =, q+ = q+ + q ( =,,, ) で定められる q に対して, p = q - であることを数学的帰納法で証明する (i) =, のとき p = q, q = q + q = から p = q となり成立する (ii) = k, k+ のとき pk = qk -, pk+ = qk+ と仮定する このとき, pk+ = pk+ - pk = qk+ -qk-となり, qk+ = qk+ + qk+ = qk+ + qk + qk+ = q + + q = qk+ + ( qk+ -qk-) = q k + - q k - (i)(ii) より, =,,, に対し, p = q - が成り立つ k k 複雑な漸化式ですが, 誘導に従うと道筋が見えてくるタイプです -7- 電送数学舎 05
06 次数学セレクション解答解説 8 [ 北海道大 文 ] () 自然数 x に対し, x x + が自然数であるためには, x x + が必要である x x +, x - x+ 0, ( x-)( x-) 0 よって, x となり, x = または x = である (i) x = のとき (ii) x = のとき x = = となり適する x + + x = 6 = となり適する x + 4+ (i)(ii) より, 求める x は, x =, である () 自然数 x, y に対し, x + が自然数である条件は, x + y (i) y = のとき y = から x x + が自然数となることより, () の結果から x =, (ii) y のとき 0 < y となり, (i) より x ¹, x ¹ なので, x である すると, () の結果から 0< x < となり, 0 x + < x x + y < から, + x + = (*) x + y (*) から, = - x = x - x+, y = x + y x + x + x - x + ここで, y から x + x - x+ となり, x - x+ = ( x-)( x- ) > 0より, x + ( x - x+ ), x - 6x+ 0 よって, - 7 x + 7 となり, x = または x = 4 または x = 5 (ii-i) x = のとき (ii-ii) x = 4 のとき (ii-iii) x = 5 のとき x = 9 x + x = = x + 8 x = 5 = 5 x + 7 9 となり, (*) より y = であるので不適 となり, (*) より y = であるので y = となり, (*) より 4 y = 9 (i)(ii) より, 求める ( x, y) は, ( x, y ) = (, ), (, ), (4, ) である であるので不適 値を絞り込むタイプの整数問題です 一見, 難問そうに見える () では, () での考察がたいへん役立っています なお, 記述は省きましたが, 方針を立てるとき, x に具体的な数値を入れて計算をしています -8- 電送数学舎 06
06 次数学セレクション解答解説 9 [ 大阪大 文 ] () 実数 a, k が a> 0, k のとき, 次方程式 x - kax+ a- k= 0 に対して, f ( x) = x - kax+ a-kとおくと, ( ) f - = + k+ a- k= + a> 0 a a a f () = - ka + a - k = ( a + )( -k ) 0 これより, は- <s を満たす実数解 s をもつ a () 整数 a,, k は, a,, k を満たすとする ここで, + aは a + で割り切れることから, - ka+ a- k= 0 + a= k( a+ ) と表せ, すると, は f ( ) = 0であり, さらに () から- <s なので, は異なる実数 a 解 s, ( s< ) をもつことになる さて, について, 解と係数の関係から s+ = kaとなり, s= ka- a,, k は整数なので, から s も整数となる さらに, a から- - <0 と a なり, - < s から s = 0, である a (i) s = 0 のとき f (0) = a- k= 0から k= aとなり, から = a そして, a 9 より は満たされている (ii) s = のとき f () = ( a+ )( - k) = 0 から k = となり, から = a- そして, a - より は満たされている (i)(ii) より, = a, a-である 一見, 無関係に思える つの小問です しかし, () を解いていくと, この整数問題への誘導として, () の 次方程式の解の配置についての設問がある, というのに気づきます -9- 電送数学舎 06
06 次数学セレクション解答解説 0 [ 神戸大 理 ] () (i) a = 8 = とb = 0 = 5 の公約数の集合 S は, S = {,,, 6} また, b = 0 = 5 と c =- 4 =- 7 の公約数の集合 T は, T = {,,, 6} (ii) a, b, c, p は 0 でない任意の整数, そして a と b の最大公約数を M, b と c の最大公約数を N とし, a = pb+ c を満たしている まず, N は b と c の公約数で, から N は a の約数でもある すると, N は a と b の公約数となり, a と b の最大公約数 M と比べると, N M である また, M は a と b の公約数で, から c= a-pbとなるので, M は c の約数でもあ る すると, M は b と c の公約数となり, b と c の最大公約数 N と比べると, M N である したがって, N M かつM N から, M = N である () (i) 0 でない任意の整数 l と m に対して, その最大公約数を G(, l m) で表す さて, a =, a = 4, a+ = 6a+ + a ( =,, ) で定められる自然数の列 { a } に対して, 帰納的に a ¹ 0 なので, () からG( a+, a+ ) = G( a+, a) G( a+, a) = G( a, a-) = =G( a, a) = G( a, a) = G(4, ) = (ii) a+ 4 = 6a+ + a+ = 6(6 a+ + a+ ) + a+ = 7a+ + 6a+ ここで, 6a + = a + -a から, a+ 4 = 7 a+ + ( a+ -a) = 8a + - a (iii) に () の結果を適用すると, G( a+ 4, a+ ) = G( a+, a) である ここで, a = 6a + a = 7, a4 = 6a + a = 66 なので, (a) が奇数のとき G( a, a ) G( a, a ) (b) が偶数のとき + = - = =G a a G( a, a ) G( a, a ) + = - = =G a4 a (, ) = G(7, ) = (, ) = G(66, 4) = ユークリッドの互除法に関する基本を確認した後, それを漸化式に適用する問題です 細かい誘導のため, 方針に迷いはないでしょう -0- 電送数学舎 06
06 次数学セレクション解答解説 [ 東京大 文 ] () を 0 で割った余りを a とすると, 数列 { a } は,, 9, 7,,, 9, 7,,, すると, { a } は, 9, 7, を繰り返す周期 4 の周期数列となるので, a = ( を 4 で割った余りが のとき ) a = 9 ( を 4 で割った余りが のとき ) a = 7 ( を 4 で割った余りが のとき ) a = ( を 4 で割った余りが 0 のとき ) () を 4 で割った余りをb とすると, 数列 { b } は,,,,,,, すると, { b } は, を繰り返す周期 の周期数列と予測できる そこで, + と の関係を調べると, + = (4 ) 9 = + = 4 + (*) (*) より, 4 は 4 の倍数であるので, った余りは等しい これより, { b } は周期 の周期数列となり, b = ( を で割った余りが のとき ) b = ( を で割った余りが 0 のとき ) () x =, x x + = で定義された数列 { x } に対して, x x x = = =, + を 4 で割った余りと を 4 で割 x 7 x = = = 7, x 4 = =, すると, の奇数乗は奇数より, 帰納的に x は奇数である よって, () の結論から, x を 4 で割った余りは である すなわち x x + = から, x ( ) を 4 で割った余りは である さらに, この結果を () の結論に適用すると, x を 0 で割った余りは 7 である すなわち x x + = から, x ( ) を 0 で割った余りは 7 である したがって, x0 を 0 で割った余りは 7 である 整数と数列の融合問題です 一見, 関連のわからない () と () の結果が, () でうまく利用できる誘導となっています -- 電送数学舎 06
06 次数学セレクション解答解説 [ 九州大 ] () 0 を で割った余りが a より, + = 0( q a) 0 0 0 q を自然数として, 0 = q + a と表せ, = + = (0 q ) + 0a すると, 0 + を で割った余り a + は, 0a を で割った余りに等しい () 0 を で割った余りは 0 より, a = 0 である そして, () の結論を当てはめていくと, a は0a = 00 を で割った余りに等しく, 00 = 7 + 9 より a = 9 である 0a = 90 を で割った余り (90= 6+ ) より, a = である a は 0a = 0 を で割った余り (0 = 9 + ) より, a 4 = である a4 は 0a = 0 を で割った余り (0= + 4) より, a 5 = 4 である a5 は 4 0a = 40 を で割った余り (40= + ) より, a 6 = である a6 は 5 () 自然数 N を十進法で表示したとき, 最初の桁の数字を k ( k 9), 最後の桁の数字を l (0 l 9) とおくと, 条件 (i)(ii) より, 5 4 N = k 0 + 0 + 0 0 + 0 + 6 0 + l ここで, () の結論を合同式を用い, mod で記すと, 5 0 º 4, 4 0 º, 0 º, 0 º 9, 0 º 0 これより, N º 4k+ + 9+ 6 0+ l = 4k+ l+ 75 º 4k+ l+ 0 さらに, 条件 (iii) から N が で割り切れることから, 4k+ l+ 0が の倍数と なり, 4 4k+ l+ 0 55 より, (a) 4k+ l+ 0 = 6 のとき 4k+ l= 6から ( k, l ) = (, 8), (, 4 ), ( 4, 0) (b) 4k+ l+ 0 = 9 のとき 4k+ l= 9から ( k, l ) = (5, 9), ( 6, 5), (7, ) (c) 4k+ l+ 0 = 5 のとき 4k+ l= 4から ( k, l ) = (9, 6) (a)~(c) より, 求める自然数 N は, 068, 064, 4060, 5069, 6065, 706, 9066 うまく誘導のついた整数問題です なお, () の不定方程式は, 一般的に解くよりは, 値を絞り込んで数値を代入していった方が簡単です また, () から合同式を利用してもよかったのですが -- 電送数学舎 06
06 次数学セレクション解答解説 [ 東北大 理 ] () 6 以上の整数 に対して, > + 7が成り立つことを数学的帰納法で示す (i) = 6 のとき = 64, + 7= 4より成り立つ k k (ii) = kのとき > k + 7と仮定すると, + > ( k + 7) となり, すると, ( k + 7) -{( k+ ) + 7} = k - k+ 6 = k( k- ) + 6 > 0 ( k + 7) > ( k+ ) + 7から, k + > + + ( k ) 7 これより, = k+ のときも成り立つ (i)(ii) より, 6 以上の整数 に対して, > + 7が成り立つ q p () 素数 p, q に対して, p = q + 7 q (i) p = のとき から = q + 7 q () から q 6 すなわち7 以上の素数について, > q + 7となりは成立しない そこで, q =,, 5 のときを調べる (a) q = のとき q = 4, q + 7= となり, は成立しない (b) q = のとき q = 8, q + 7= 6となり, は成立しない (c) q = 5 のとき q =, q + 7= となり, は成立する (ii) p のとき p は奇数となり, q すなわち q も奇数の場合については, p q はともに奇数から, は両辺の偶奇が異なり, 成立しない そこで, q = のときについて, から p p = + 7 p () から p 6 すなわち7 以上の素数について, + 7 > ( p + 7) + 7となりは成 立しない そこで, p =, 5 のときを調べる (a) p = のとき p = 9, + 7= 5となり, は成立しない (b) p = 5 のとき p = 5, + 7= 9となり, は成立しない (i)(ii) より, を満たす素数 p, q は, ( p, q ) = (, 5) のみである q p, 素数が題材の誘導つき不定方程式の問題です 素数で偶数なのは だけということ がポイントになっています なお, () で p と q の偶奇が異なる点に注目すると, 少 し解答例を短縮できます q p -- 電送数学舎 06
06 次数学セレクション解答解説 4 [ 東京工大 ] () が素数のとき, より小さい自然数 -, -, -,,,, は, いずれも と互いに素である すると, それらの数の積 ( -)! は と互いに素になり, で割り切れない また, = 4 のとき ( - )! =! = 6は で割り切れない () 素数でなくかつ 4 でもない は, 6 以上の合成数であり, (i) = pq( p は 以上の自然数, q は 以上の自然数, p¹ q ) のとき ( - )! = ( pq-)( pq-)( pq-) となり, pq - p = p( q -) は p の倍数, pq - q = q( p -) は q の倍数であるので, ( -)! は = pqで割り切れる (ii) = r ( r は 以上の素数 ) のとき ( - )! = ( r -)( r -)( r -) となり, r - r = r( r-) は r の倍数, r - r = r( r-) は r の倍数であるので, ( -)! は = r で割り切れる (i)(ii) より, が素数でなくかつ 4 でもないとき, ( -)! は で割り切れる 整数からむ証明問題です 方針を立てるために, まず具体例を考え, それを一般化して解答例を作りました -4- 電送数学舎 06
06 次数学セレクション解答解説 5 [ 京都大 理 ] q p 素数 p, q に対して, = p + q とおく ここで, が素数である p, q の条件を求めるとき, 対称性から p qとしても一般性は失われない まず, p が 以上のときは, 素数 p, q はともに奇数になり, ある よって, は偶数となり素数ではない これより, p = となり, さらに, q = のときは, また, q = のときは, q = + q と表される q p, = + = 8となり, は素数ではない = + = 7となり, は素数となる p q もともに奇数で さて, q が 5 以上の素数のとき, の倍数でもなく, かつ の倍数でもないことに着目すると, k を自然数として, q= 6k と表せる (i) q= 6k+ のとき 6k+ = + (6k+ ) k = 64 + 6k + k+ k ここで, N を整数とすると, 64 = ( + ) = N + となるので, = (N + ) + 6k + k+ = (N + k + 4k+ ) よって, は の倍数となり, 素数ではない (ii) q= 6k-のとき 6k- = + (6k-) ここで, N を整数とすると, k- = 64 + 6k - k+ k- k- k 64 = ( + ) = N + となるので, = (N + ) + 6k - k+ = (N + k - 4k+ ) よって, は の倍数となり, 素数ではない (i)(ii) より, q が 5 以上の素数のとき, は素数にならない 以上より, p q p + q と表される素数は 7 だけである 演習しておきたい素数がらみの整数問題です まず, 以外の素数は奇数という頻出事項でふるいにかけて p の値を決め, 次に q の値を,, 5, 7, として の値を計算すると, 5 以上では の倍数であることがわかります ただ, q が奇数ということだけでは, q = 9 で が素数となることから考え直し, その結果, q を 6 で割った余りで 分類とした解答例となったわけです なお, 二項展開を用いる箇所は, 省略気味に記しています -5- 電送数学舎 06
06 次数学セレクション解答解説 6 [ 名古屋大 文 ] () k を正の整数, p を 以上の素数とするとき, k p の正の約数は, (),,,, k, k したがって, その和 s( p) は,,,,, k p p p p k + - k k s( p) = (+ + + + )( + p) ( ) k+ = + p = ( - )( + p) - 5 06 = 7 より, その正の約数の和 s(06) は, 4 5 s (06) = (+ + + + + )(+ + )(+ 7) = 6 8 = 655 () 06 の正の約数 は, () から a, b, c を整数として, a b c = 7 (0 a 5, 0 b, 0 c ) すると, の正の約数の和 s( ) は, a+ b+ c+ s( ) = - - 7 - ( a+ )( b+ )(7 c+ = - - - ) - - 7-5 条件より, s( ) = 06 なので, ( a+ )( b+ )(7 c+ - - - ) = 7 ここで, a+ b+ c+ 7 ( -)( -)(7 - ) = 7 (*) a+ -は奇数で b+ -と 7 c+ -は偶数, そして b+ -と 7 c+ -は 7 の倍数とはなりえないので, すると, (i) (ii) (iii) (iv) a+ -の値として, 7, 7, a+ - = 7のとき c = 0 のとき, c = のとき, a+ - = 7のとき a+ -が 7 の倍数となる 7, 7があげられる b+ a = となり, (*) は c+ ( -)(7 - ) = 7 6 b+ - = となり, b+ - = となり, a+ - = 7のとき 5 c = 0 のとき, c = のとき, 6 b+ - = となり, b+ = 577 より整数 b は存在しない b+ = 7より整数 b は存在しない a+ = より整数 a は存在しない b+ a = となり, (*) は ( c+ -)(7 - ) = 7 b+ - = となり, b = a+ - = 7のとき (i)~(iv) より, ( a, b, c ) = (5,, ) となり, b+ = 65より整数 b は存在しない である a+ = 90より整数 a は存在しない 5 = 7 = 67 である 正の約数すべての和という頻出事項が題材になっています () については, まず偶奇でふるいにかけたところ絞り込みが足らず, まだ候補が多いので, 次に 7 の倍数に注目しています -6- 電送数学舎 06
07 次数学セレクション解答解説 7 [ 一橋大 ] 連立方程式 x = yz+ 7, y = zx+ 7, z = xy+ 7 に対して, -より, x - y = z( y- x), ( x- y)( x+ y+ z) = 0 4 -より, y - z = x( z- y), ( y - z)( x+ y+ z) = 0 5 (i) x+ y+ z ¹ 0 のとき 45より x = y= zとなり, に代入すると x = x + 7 となり, 成立しない (ii) x+ y+ z = 0 のとき 45は満たされ, y =- ( x+ z) としてに代入すると, x + zx+ z - 7= 0 6 ここで, x は実数より, z -8 0, D= z -4( z -7) 0 となり, z 8 7 x =- ( x+ z) z+ 7となり, さて, 整数 x, y, z は, x+ y+ z = 0 かつ x y z より, x 0, 0 z 78より, z = 0,,, となる (ii-i) z = 0 のとき 6より x = 7 となり, x が整数というのに反する (ii-ii) z = のとき 6より x + x- 6= 0となり, ( x+ )( x- ) = 0 8から x =-, y =-( - + ) = となるが, x y z に反する (ii-iii) z = のとき 6より x + x- = 0となり, ( x+ )( x- ) = 0 8から x =-, y =-( - + ) = となり, x y z を満たす (ii-iv) z = のとき 6より x + x+ = 0となり, ( x+ )( x+ ) = 0 8から x =-, - となる x =-のとき, y =-( - + ) =-となり, x y z を満たす x =-のとき, y =-( - + ) =-となり, x y z に反する (i)(ii) より, ( x, y, z ) = (-,, ), (-, -, ) 8 連立方程式をまとめる問題です 上の解答例では, 8の条件に着目して, まず y を消去し, 0 以上である z の値から求めています -7-
07 次数学セレクション解答解説 8 [ 北海道大 理 ] () 自然数 a,, k に対して, ( + ) + a= ( + k) のとき, a= ( + k) - ( + ) = k + k - = k + (k- ) ここで,, k - より, ( k-) k- となり, a k + k- () が自然数で ( + ) + 4が平方数のとき, ( + ) + 4 = ( + k) (k は自然数 ) ( + ) + 4> より, から, すると, から, 4 k + k- となり, k + k-5 0 ( k+ 5)( k-) 0, -5 k k は自然数から, k =,, となる (i) k = のとき から, ( + ) + 4 = ( + ) となり, = (ii) k = のとき から, ( + ) + 4 = ( + ) となり, = 0 (iii) k = のとき から, ( + ) + 4 = ( + ) となり, = (i)~(iii) より, =, である より不適 整数問題ですが, () の誘導が強力なため, 基本的な内容になっています -8-
07 次数学セレクション解答解説 9 [ 九州大 文 ] () 自然数 a と b の最大公約数を G( a, b) と表すと, ユークリッドの互除法より, G(07, 5) = G(5, 7) = G( 7, 8) = G(8, ) = () 5 = 5 を約数にもつ 07 以下の自然数は, すると, 5, 5, 5,, 5 4 5 = 5 から, 5 との最大公約数が 5 である自然数の個数は, 4 以下の自然数で の倍数でも 5 の倍数でもないものの個数となる ここで, 4 以下の自然数で の倍数となるものが 44 個, 5 の倍数となるものが 6 個, 5 の倍数となるものが 8 個である よって, 求める自然数の個数は, 4 -(44 + 6-8) = 7 である () = 7 を約数にもつ 07 以下の自然数は,,,,, 8 7 8 8) 7 ) 5 ) 0 7 6 7 8 0 0 5 7 5 6 8 7 すると, 998 = から, 998 との最大公約数が の自然数は, 8 以下の自然数で の倍数でも の倍数でもない数と との積になり,, 5, 7,,, 7 さらに, 5 との最大公約数が 5 から, 求める自然数は 5 = 555 である 約数と倍数の問題です () は年度の数が題材になっているため, 07 が素数という知識をもっていたとしても不思議ではありません ただ, これをストレートに利用して, いきなり結論とするのは避けた方がよいでしょう ふるい にかけて示せば別ですが -9-
07 次数学セレクション解答解説 0 [ 筑波大 理 ] () a =, a =, + + 6 + + a = a - a a + a + a に対して, a - a = ( a - a ) + + + b ここで, b = a+ -aとおくと, b = 0, b + = よって, 帰納的に, b 0 ( =,, ) である () 以下, b の一の位の数が であることを数学的帰納法を用いて証明する (i) = のとき b = より成立している (ii) = kのとき bk の一の位の数が であると仮定する これより, lk を 0 以上の整数として, bk = 0lk + とおくと, から, b k+ = bk = (0 + ) l k k = 00l + 0l + = 0(0l + l + ) + よって, b k + の一の位の数は である (i)(ii) より, b の一の位の数は である () () より, l を 0 以上の整数として, b = 0l + とおくことができ, a + - a = 0 + すると, において, から, a 07 l 06 å lk k= k - k= k a = a + å (0lk + ) となり, 06 k k= 06 å ( å k ) = + 0 + 06 = 0 l + 40 = 0 l + 40 + したがって, a07 の一の位の数は である k= k 整数と漸化式の融合問題です () は簡単に記しましたが, 丁寧に書くなら数学的帰納法です また, ()() は合同式を用いると, 少し簡略になります -0-
07 次数学セレクション解答解説 [ 東京大 ] p = +, a p ( ) () 5 = + - に対し, q =- =- = - 5とおくと, p p + 5 a = p + q = (+ 5) + (- 5) これより, a = (+ 5) + (- 5) = 4, () で, aa ( )( = p+ q p + q ) a = (+ 5) + (- 5) = 8となる + + - - = p + q + pq( p + q ) すると, pq =-より, aa = a+ - a- () () より, a = a + -a -となり, a + = 4a + a - ( ) 4 ここで, a は自然数であることを数学的帰納法を用いて示す (i) =, のとき () より a は自然数である (ii) = k-, k ( k ) のとき ak-, akがともに自然数であると仮定する より, ak+ = 4ak + ak-となるので, a k + も自然数である (i)(ii) より, a は自然数である (4) まず, () より, a と a の最大公約数は である そして, a と a がともに偶数のとき, から, 帰納的に, すべての a は偶数であることがわかる そこで, a = b とおくと, すべてのb は自然数となり, b = 4, b = 8, b = 4 b + b から, + - b =, b = 9, b + = 4b + b - ( ) さて, b + とb が互いに素でないと仮定すると, 以上の自然数 g を用いて, b = g, b = g b ( b +, + b+ b は自然数 ) より, b- = b+ -4b = g( b+ -4 b ) となり, b - も約数 g をもつ 同様に繰り返すと, b とb はともに 以上の約数 g をもつことになるが, b =, b = 9 より不適である よって, b + とb は互いに素である 以上より, a + と a の最大公約数は である a の式から隣接 項間型漸化式を導き, この式と最大公約数を絡めた頻出問題です たとえば, 昨年は神戸大 理で類題が出ています --
07 次数学セレクション解答解説 [ 九州大 理 ] () 初項, 公差 4 の等差数列 { a } の一般項は, a = + 4( -) = 4 - さて, a が 7 の倍数となるのは, k を自然数として, 4- = 7k ここで, 4 - ( ) - = 7 - ( ) から, を変形すると, 4( + ) = 7( k+ ) すると, 4 と 7 は互いに素より, l を整数として + = 7l, k+ = 4lとなり, = 7l-, k= 4l- そこで, 600, k から, 7l - 600, 4l - となり, l 60 = 85 + 6 7 7 これより, l =,,, 85 となり, 7 の倍数である項の個数は 85 である () { a } の初項から第 600 項のうち, 7 の倍数の項を取り出してb l とおくと, bl = a7l = 4(7l-) - = 8l -7 = 7(4l - ) ( l =,,, 85) - さて, a が7 の倍数, すなわちb l が 7 の倍数となるのは, m を自然数として, 4l- = 7m ここで, 4 - = 7 から, を変形すると, 4( l- ) = 7( m- ) すると, 4 と 7 は互いに素より, p を整数として l- = 7p, m- = 4pとなり, l= 7p+, m= 4p+ そこで, l 85, m から, 7p + 85, 4p + となり, 0 p 8 = + 6 7 7 これより, p = 0,,, となり, 7 の倍数である項の個数は である () a が 7 の倍数のとき, = 7l- ( l ) となり, この を書き並べると, 6,, 0, 7, 4, 4, 48 55, 6, 69, 76, 8, 90, 97 04,, 8, そして, この数列を 7 個ずつの区画に分け, 左から第 群, 第 群, と呼ぶ また, a が7 の倍数の項を取り出して c p とおくと, l= 7p+ から, = 7(7p+ ) - = 49p + ( p 0) すると, 上記の数列の下線をつけた数が対応して, さらに, cp = a49 p = 4(49p+ ) - = 96p + 49 = 7(4p+ ) ( p 0) + 0 以上の整数として, a が7 の倍数, すなわち c p が 7 の倍数になるのは, 同様にすると, q を 4p+ = 7q 4 そして, 4を満たす最小の p, q の値は ( p, q ) = (5, ) であり, このときの は, = 49 5 + = 58 となり, a 58 = 4 58- = 09= 7 である --
07 次数学セレクション解答解説 この = 58 は, 7l - = 58からl = 7 となり, 上記の数列の第 6 群に属することがわかる さて, 積 aa a が7 45 の倍数となる最小の自然数 については, 素因数 7 の個数に注目し, これが合計 45 個以上となる最小の を考えればよい まず, 第 5 群までは a に7 の倍数がないので, つの群内に素因数 7 が7+ = 8 個ずつとなり, その総数は 8 5= 40個である すると, 素因数 7 の残り 5 個について調べるために, 第 6 群を書き並べると, 5, 58, 65, 7, これより, a5 は 7 の倍数, a58 は7 の倍数, a65 は 7 の倍数, となるので, 積 a5a58a65 に素因数 7 が 5 個あることがわかる 以上より, 積 aa a が7 45 の倍数となる最小の自然数 は, = 65 である 整数と数列の融合問題です 解答例では, 頻出の () の結果を利用して, () につなげています なお, () は群数列の考え方をもとにしていますが, 45 という数値が意味深長で, 詰めがかなり面倒でした --
07 次数学セレクション解答解説 [ 名古屋大 文 ] () 条件 (*) から, 自然数 a, b, cに対し, a< b< cかつ + + = a b c すると, > > > 0 となるので, から a b c a >, すなわち a < 6 また, + > 0 なので, から b c a <, すなわち a > より < a < 6となり, a =, 4, 5 である (i) a = のとき より + b + c = から, + = b c 6 となり, bc -6b - 6c = 0, ( b-6)( c- 6) = 6 ここで, < b< cから- < b- 6< c-6となり, ( b-6, c- 6) = (, 6), (, 8), (, ), ( 4, 9) よって, ( b, c ) = (7, 4), ( 8, 4 ), ( 9, 8), (0, 5) (ii) a = 4 のとき より 4 + b + c = から, + = b c 4 となり, bc -4b - 4c = 0, ( b-4 )( c- 4 ) = 6 ここで, 4 < b< cから 0< b- 4< c-4となり, ( b-4, c- 4) = (, 6), (, 8) よって, ( b, c ) = (5, 0 ), ( 6, ) (iii) a = 5 のとき より 5 b c b c 0 bc -0b - 0c = 0, 9bc -0b - 0c = 0, (b-0)(c- 0) = 00 5 < b< cから 5< b- 0< c-0となり, 適する (b-0, c-0) はない (i)~(iii) より, 自然数の組 ( a, b, c) は, ( a, b, c ) = (, 7, 4), (, 8, 4), (, 9, 8), (, 0, 5), (4, 5, 0), (4, 6, ) () の正の約数 p, q, r に対し, p> q> r かつ p+ q+ r = 4を満たす ( p, q, r) の個数を f ( ) とすると, 4から, p q + + r = 5 ここで, a p =, b q =, c r = とおくと, b, c は自然数となり, さらに, p> q> rから, < < すなわち a< b< cである p q r さらに, 5を a, b, cで表すと, + + = である a b c すなわち, 自然数の組 ( p, q, r) は, 条件 (*) を満たす自然数の組 ( a, b, c) に対応し, その個数 f ( ) の最大値 M は, () の結果から M 6 である -4-
07 次数学セレクション解答解説 以下, この 6 つの場合について, の条件を求める (i) ( a, b, c ) = (, 7, 4) のとき p =, 7 q =, 4 r = より, p=, 7q =, r= よって, このとき は の倍数である (ii) ( a, b, c ) = (, 8, 4) のとき p =, 8 q =, 4 r = より, p=, 4q=, r= よって, このとき は の倍数である (iii) ( a, b, c ) = (, 9, 8) のとき p =, 9 q =, 8 r = より, p=, 9q =, 9r= よって, このとき は 9 の倍数である (iv) ( a, b, c ) = (, 0, 5) のとき p =, 0 q =, 5 r = より, p=, 5q =, 5r= よって, このとき は 5 の倍数である (v) ( a, b, c ) = (4, 5, 0) のとき 4 p =, 5 q =, 0 r = より, p=, 5q=, 0r= よって, このとき は 0 の倍数である (vi) ( a, b, c ) = (4, 6, ) のとき 4 p =, 6 q =, r = より, p=, q=, 6r= よって, このとき は 6 の倍数である (i)~(vi) より, 自然数 が上記の条件をすべて満たすとき M = 6 となる ここで, = 7, =, 9=, 5 = 5, 0 = 5, 6= から, が 5 7 = 60 の倍数のとき, 条件をすべて満たす 以上より, M = 6 で, f ( ) = 6 となる最小の は = 60 である 質, 量ともにかなりハードな整数問題です ただ, () が () への秀逸な誘導となっており, 入試までに演習したい 題です なお, () は, 場合分けしたあと分母を払って因数分解をしていますが, 不等式を用いて評価しても構いません -5-
08 次数学セレクション解答解説 4 [ 九州大 文 ] () mod7 で記すと º から, を 7 で割った余り r は, k を 0 以上の整数として, (i) = k+ のとき k k k = ( ) º º より, r = (ii) = k+ のとき k k k = ( ) 4º 4º 4より, r = 4 (iii) = k+ のとき k+ k+ k+ = ( ) º º より, r = () m = 000000() を 0 進法で表し, mod7 で記すと, 5 6 8 9 4 5 7 m = + + + + + + + + + + + º + 4+ + 4+ + 4+ + 4+ + 4+ + 4 = 0 º したがって, m を 7 で割った余りは である 基本的な整数問題です いろいろな記述方法が考えられますが, 解答例では合同式を用いました -6- 電送数学舎 08
08 次数学セレクション解答解説 5 [ 京都大 ] 以下,mod で記すと, 9º 0に注意して, (i) º 0 のとき - 7+ 9º 0-0+ 0= 0 (ii) º のとき - 7+ 9º - 7+ 0=- 6º 0 (iii) º のとき - 7+ 9º 8-4+ 0=- 6º 0 (i)~(iii) より, - 7+ 9はつねに の倍数である すると, - 7+ 9が素数となるのは, - 7+ 6= 0, ( -)( - )( + ) = 0 以上より, 求める整数 は, =,, - である - 7+ 9= の場合だけであり, まず, - 7+ 9の因数分解を考えたところうまくいかなかったため, 次の手は, = 0,,,, として実験です すると, すべて の倍数になることがわか り -7- 電送数学舎 08
08 次数学セレクション解答解説 6 [ 名古屋大 文 ] () 整数, の少なくとも一方が奇数のとき, 次の つの場合に分けて調べる (i), がともに奇数のとき,, はすべて奇数より, (ii) が偶数, が奇数のとき, は偶数, は奇数より, (iii) が奇数, が偶数のとき は奇数,, は偶数より, + + は奇数である + + は奇数である + + は奇数である (i)~(iii) より, いずれの場合も + + は奇数である () 条件より, 奇数 に対して, + + = まず, () より, 整数, の少なくとも一方が奇数のとき, + + は奇数 となるので, は成立しない これより, を満たす整数, は, ともに偶数である しかし,, がともに偶数のとき,,, はすべて 4 の倍数となり, + + は 4 の倍数である よって, は成立しない 以上より, を満たす整数, は存在しない () 次方程式 x - 08x+ c= 0 (c は実数 ) の解を, x =,, とおくと, + + = 0, + + =- 08 より =- ( + ) となり, に代入すると, -( + ) =- 08, + + = 08 4 ここで, 08 = 009 なので, () から4を満たす整数, は存在しない すなわち,,, のうち整数となるのは 個以下である 細かく誘導のついた整数問題です 方針に迷うことはないでしょう -8- 電送数学舎 08
08 次数学セレクション解答解説 7 [ 東北大 理 ] a b () 整数 a, b に対して, - = より, = + a b すると, = + > となるので, a であり, このときより, b a = - - = よって, b であり, a, b はともに正となる () b > すなわちb のとき, b が 4 の倍数であることに着目して, 以下, mod 4 で記述すると, の右辺は b + º である ここで, k を自然数として a を偶奇に分け, 9º に注意すると, (i) a= k のとき a k k k = = 9 º º ( ) (ii) a= k-のとき - + 9 - k- = = º º (i)(ii) より, が成り立つのは, a が偶数のときである () () より, a, b はともに自然数なので, (i) b = のとき より = + = となり, a = である (ii) b のとき () より a= k となり, より, k b k k b = +, ( - )( + ) = k k ここで, ( + ) -( - ) = であり, さらに b の約数が,,,, b であ ることに着目すると, より, k - =, k + = これより, k = から a = となり, また = b からb = である (i)(ii) より, ( a, b ) = (, ), (, ) a b 整数問題に誘導がついているものの, それがアバウトなタイプです そのため, 方針を決めるのに試行錯誤が必要になります -9- 電送数学舎 08
08 次数学セレクション解答解説 8 [ 千葉大 文 ] () 初項, 公差 6 である等差数列 { a } について, a = + 6( - ) = 6-5 また, 初項, 公差 4 である等差数列 { bm } について, bm = + 4( m- ) = 4m- ここで, { a }, { bm } { ck } とすると, a = bmから, に共通に現れる数すべてを小さい順に並べてできる数列を 6-5= 4m-, - m= を満たす つの解が (, m ) = (, ) より, - = より, ( -) -( m- ) = 0, ( - ) = ( m- ) ここで, と は互いに素なので, j を整数として, - = j, m- = jから, = j+, m= j+ ここで, m, より j 0 となるので, k= j+ とおくと, より, = ( k- ) + = k, m= ( k- ) + = k- よって, { ck } の一般項は, ck = ak = k-5 である () まず, { a }, { bm } の少なくとも つの項になっている数すべてを小さい順に並べてできる数列を { dl } とする ここで, ck = ak = bk - に注意して, { dl } の d 以降を項数 4 のグループに分け, c = 7 から 4 項を第 群, c = 9 から 4 項を第 群, c = から 4 項を第 群, と呼ぶ, 7,,, 5 9,, 5, 7, 5, 7, 9 第 群第 群第 群 さて, d000 が第 i 群に属するとすると, + 4( i- ) <000 + 4i から, i = 50 となり, 第 50 群に属する さらに, 000 -( + 4 49) = から, 第 50 群の 項目となるので, d000 = c50 + 4 = ( 50-5) + 4 = 999 また, d00 は第 50 群の 項目となるので, d000 = c50 + 6 = ( 50-5) + 6 = 00 つの等差数列の共通数列が題材です () は頻出題ですが, () はあまり見かけませ ん 解答例では, { ck } に注目し, 群数列の考え方を利用して記しました -0- 電送数学舎 08
08 次数学セレクション解答解説 9 [ 東京大 理 ] + () C + P ( + )! a = = = に対して, のとき,! (!) (!) ( + )! a (+ )! {( -)!}! (+ ) ( + ) = = = = + a - (!) ( + )! (-)! ( + ) ( + ) ( + ) ここで, と + の最大公約数を g, i と j を自然数とすると, = g i, + = g j すると, = g ( j- i) となり g =, すなわち と + は互いに素である また, + と + の最大公約数を g, k と l を自然数とすると, + = g k, + = g l すると, = g ( k-l) となり g =, すなわち + と + は互いに素である さらに, ( + ) が偶数であることより ( + ) は自然数となり, また ( + ) a q と + は互いに素なので, 既約分数を用いて = と表したとき, a - p ( + ) p =, q = + a () まず, < とすると, ( + ) < ( + ) から, -- > 0 a - より > + 7 となり, は 4 以上の整数となる これより, 4 のとき a < a - となり, a > a4 > a5 > > 0 であり, P 5P 7P a = =, a = = 5, 5 (!) (!) a = (!) = 6, 9P4 a 4 = = (4!) 4 a P5 77 5 = (5!) = 0, a 7P8 4 8 = (8!) = 40 < a P6 4 6 = (6!) = 60, 5P7 a 4 7 = = (7!) よって, > a8 > a9 > > 0となるので, a が整数となるのは =, である 二項係数を題材にした数列の問題です 誘導の丁寧な類題が文系で出ており, それに引きずられた解法です 数値計算は少し面倒でした 漸化式を利用してもよかったのですが -- 電送数学舎 08