178 73 2 20 3 178 185 Journal of the Japanese Association for Petroleum Technology Vol. 73, No. 2 March, 2008 pp. 178 185 GTL * ** Received December 20, 2007 accepted March 7, 2008 Seeking for energy diversifi cation and its stable supply GTL Demonstration project in progress Yoichi Norisugi Abstract GTL Gas-to-Liquids is the key strategic technology to secure natural gas resources as alternative source of liquid fuel and its products are expected to have high qualities as clean fuel and lubricant base oil. Nippon GTL Technology Research Association and JOGMEC launched a joint demonstration project last year to verify the process performance of unique JAPAN-GTL technology on the scale of 500B/D, which is the fi nal step toward commercial use of the technology. In the project, scaling-up methods, from demonstration to commercial scale more than 15,000B/D/ train, will be also studied with the goal of developing both technically and economically competitive GTL technology. Key words energy diversifi cation, GTL, JAPAN-GTL, Nippon GTL Technology Research Association 1. GTL GTL JOGMEC GTL GTL GTL 2. GTL * 19 10 19 19 This paper was presented at the 2007 JAPT Autum Meeting entitled New Challenges for Energy Transportation held in Tokyo, Japan, on October 19, 2007. ** GLT Nippon GTL Technology Resarch Association, Japan Oil, Gas and Metals National Corporation GTL GTL 1 3 FT FT FT FT 3. GTL LNG NGH CNG GTL GTL Copyright 2008 JAPT
乗 杉 洋 179 一 図 1 GTL 製造工程 観点から エネルギー資源の大部分を海外に依存する我が の商業規模のプロジェクトを実施しているというところで 国にとって 極めて戦略的な技術になり得るものと思われ す また マレーシアのサラワク州ビンツルでは Shell が ます GTL プラントを長年操業してきております 上流企業にとりましても 皆さん上流企業の方が多いか 今年に入りまして 新たにこれに加わったのがカタール と思いますけれど 新しい鉱区権益を取っていく際に ホ における Sasol による Oryx-1 プロジェクトです プラント スト国から あなた方の技術は他社とどういうところが 能力は 34,000 B/D です ここからの GTL の製品の出荷が 違うのかね というような問いかけを受け 他社との技術 今年始まっております しかしながら 皆さんご承知の方 の差別化が図れないと なかなか新しい鉱区権益を取得す もいらっしゃるかもしれませんが 必ずしも運転がうまく ることが困難になってきている状況があるかと思います いっていない 恐らく FT 工程のどこかの不具合 そうい GTL 技術は 天然ガス資源開発の新たな選択肢をホスト うものに起因して 当初の生産能力というものをいまだ達 国に提供するといった意味で 他社との差別化を可能にす 成せずにいるという状況がございます る 非常に戦略的な技術であると考えております 4. GTL プロジェクトの動向 GTL プロジェクトの動向ですが 図 2 に示しますように 同じカタールですが Shell が 第 1 期 第 2 期合わせ ますと 140,000 B/D の GTL プラントの建設計画 Pearl プ ロジェクト を持っており このうち第 1 期の工事がすで に開始されております カタール以外では ナイジェリア 皆さんご承知のとおり 南アフリカでは PetroSA とか におきまして ガス田ではなくて随伴ガスを利用したプロ Sasol が 一部は原料が石炭ですが すでに長年この GTL ジェクトですが Sasol/Chevron が 34,000 B/D のプラント 図 2 GTL プロジェクトの世界的動向 J. Japanese Assoc. Petrol. Technol. Vol. 73, No. 2 2008
180 ExxonMobil 154,000 B/D Pre-Feed 4 Marathon Statoil/PteroSA ConocoPhillips BP GTL GTL Total PDVSA GTL 5. GTL GTL GTL GTL 20 30 GTL 1 2002 GTL GTL LNG 2002 1 Nelson-Farrar Refinery Cost Index Chemical Engineering Plant Cost Index PPI 2002 2006 30% PPI 2002, 3 100 Poten & Partners LNG 1 EPC 2004 EPC LNG 2 3 2 3 2004 2001, 2 LNG EPC 2005 50% 6. GTL GTL GTL GTL LNG Pipeline CNG NGH 73 2 2008
181 3BP 2007 GTL GTL 3 BP OECD LNGEU CIF 1 1 2002 2002 LNG S EU 0.8 1 GTL 1 1 LNG GTL FS GTL GTL VOC 90 GTL 60 GTL GTL GTL GTL J. Japanese Assoc. Petrol. Technol. Vol. 73, No. 2 2008
182 75% Shell GTL GTL GTL GTL GTL GTL GTL 100% GTL GTL GTL 2000 2 1 2020 1.4 EU15 2000 1 2020 0.5 EU GTL LNG 7. GTL GTL 4 2006 10 25 6 6 JOGMEC JOGMEC 360 6 3 1 120 5 GTL 7B/D 4 GTL 73 2 2008
乗 杉 洋 183 一 図 5 GTL 実証プラント建設地 図 6 GTL 実証プラント敷地 図 7 GTL 実証プラント完成予想図 図 6 が 海上から見たプラントの敷地です 右側に備蓄 まず 最初はラボスケール ベンチスケールの 非常に小 基地 南側に JPO のプラント そこに隣接した敷地です さな容量でのプロセス研究とか 触媒の開発というものが さる 9 月 5 日に起工式が開催されまして ただちに杭打ち 実施されました その次の段階 北海道の勇払におきまし 作業が開始されました て パイロットプラント 7B/D のプラントが稼動いたしま 図 7 が プラントの完成予想図ですが 敷地のサイズは した この結果 当初の研究目標 定量的な研究目標をす たて横で 約 180 m および 230 m このなかに主要なプラ べてクリアしました また ほかの外国企業がすでに開発 ント部分 合成ガスの製造装置 FT 合成装置 アップグレー している技術と比べても 遜色がない 部分的にはそれを ディング装置が配置されることになっています 越える部分もある そういうポテンシャルも持っているこ 私どもの JAPAN - GTL の技術開発の経緯ですが 図 8 に示しますように今から約 10 年近く前から各社および JOGMEC 当時の石油公団 によって開始されています とを確認して 現在の実証スケールのプラントへ移行して いるわけです 北海道勇払の時点から新たに 今回 新日本石油 がこ J. Japanese Assoc. Petrol. Technol. Vol. 73, No. 2 2008
184 エネルギーの多様性 安定供給を求めて 図 8 GTL 技術の開発経緯 のコンソーシアムのメンバーに加わっています 油を ナフサ 灯軽油 Wax に分留し 水素化精製しますが この実証スケールでのプラントの実証が終わった時点 Wax の水素化分解では 触媒担体を最適化することによ で 商業プラントに移行できるだけのすべてのノウハウ り 他社を大きく上回る高活性で 灯軽油の選択性が高い 技術力を獲得することを目論んでおります 触媒が開発されています 図 9 で示しているのは 私どもの JAPAN - GTL プロセス 今回の実証研究の範囲ですが 図 10 に示しますように と他社との大きな違いです 天然ガスに炭酸ガスが含まれ 前のパイロット研究との一番大きな違いは 前の研究では ている場合 通常のプロセスですと 炭酸ガスの除去装置 合成ガス工程 FT 合成工程まででしたが 今回は新日本 また 空気中から酸素を取り出すような酸素製造装置とい 石油 が加わって 先ほど述べました非常に優れたワック うものが 合成ガスの原料を供給するために必要になって ス分解の触媒を用いて この工程も含めて インテグレー きます それに対して私どものプロセスは 原料として炭 トされたシステムとして実証を行うことにしております 酸ガスを利用することにより 当然ながら 炭酸ガスの除 研究スケジュールですが 図 11 に示しますように 昨 去装置は要らなくなりますし またこの酸素製造装置 非 年 2006 年 10 月に組合が設立され それとともに実証プ 常に大きな CAPEX を占める装置が要らなくなる したがっ ラントの設計が開始されています そして本年 9 月に起工 て CAPEX の低減が期待できる また 炭酸ガスが含まれ 式が行われ杭打ち作業などが始まっています 実際の運転 ることにより 未開発となっているガス田も開発できるよ は 2008 年度の終わりごろ試運転が始まり 2009 年度か うになるということです ら 2010 年度にかけて 約 2 年度にわたり実証運転が行わ FT 合成工程は Co 系触媒を用いたスラリー床反応器を 採用しており 世界最高水準の高活性触媒が すでに開発 れます そのあとこのプラントを解体して実証試験をすべ て終わるというスケジュールです こうした実証運転のスケジュールとともにもう 1 つ 触 されています アップグレーディング工程では FT 合成で得られた粗 媒の改良とかスケールアップ 要するに今の 500 B/D から 図 9 JAPAN-GTL 技術の特徴 石油技術協会誌 73 巻 2 号 2008
乗 杉 洋 185 一 図 10 研究目的および研究範囲 図 11 研究スケジュール 15,000 20,000 B/D に持っていくための信頼性ある設計ツー 2 日本機械輸出組合 2006 2006 年 PCI/LF プラント ルスを作るという観点から 反応シミュレーターを開発 コストインデックス / ロケーションファクター 報告 し 実証運転からのデータのフィードバッグによって改良 書 を行っていく こういった研究を並行して実施して行く計 3 BP 2007 Statistical Review of World Energy 2007. 画となっています 4 Charlie Cameron, 2006 The Diesel Pool a 2020 Vision また 私どもが狙っているのは この実証プラントが終 11th World Refining & Fuels Conference, Brussels. わったら 直ちに商業プロジェクトを立ち上げたいという 5 EUCAR, CONCAWE and JRC, 2004 Well-to-Wheels ことで そのための種々の準備的な調査とか検討を行うこ analysis of future automotive fuels and power trains in the とにしています European context. 本日の私の講演は以上でございます ご静聴ありがと 6 Poten & Partners, 2005 LNG in World Market, Nov.2005. うございます また 今回の秋季講演会にご招待いただ 7 PricewaterhouseCoopers, 2003 Shell Middle Distillate いた石油技術協会に感謝いたします ありがとうございま Synthesis SMDS Update of a Life Cycle Approach to した Assess the Environmental Inputs and Outputs, and 参 考 文 献 1 今井章雄 2006 GTL 技術の LCA 評価と将来開発動向 エンジンテクノロジー 2006 年 10 月 Associated Environmental Impacts, of Production and Use of Distillates from a Complex Refinery and SMDS Route. 8 Shell, 2004 GTL fact sheets, Shell Gas to Liquids, http:// www.shell.com/. J. Japanese Assoc. Petrol. Technol. Vol. 73, No. 2 2008