報道関係各位 2018 年 1 月 18 日 ビジネスパーソンの 今 をデータで読み解く 一般社団法人日本能率協会 第 8 回 ビジネスパーソン 1000 人調査 AI ロボット技術編 AI ロボット技術 の進展期待の半面不安も多く男性より女性がよりネガティブに捉える傾向あり AI 時代に求められるスキルは コミュニケーション力 が最多に 一般社団法人日本能率協会 (JMA 会長 : 中村正己 ) は 2013 年より全国のビジネスパーソン 1000 人に対し 職場や仕事に対する考えについて意識調査を行っています この調査は 働く人びとに焦点を当て その時々の旬の話題をデータで紹介するシリーズです 今回は 世の中の関心が高まる AI ロボット技術 について取りあげました トピックス 1. 人工知能 (AI) ロボット技術が進むことに対し 期待している人は約半数 男性の方が女性より 10 ポイント以上多い 具体的に期待することとして 仕事面では 効率化 省力化 省人化 日常生活面では 自動運転 ロボット家電 2. 人工知能 (AI) ロボット技術が進むことに対し 不安に感じている人は過半数に 不安に感じている人は女性 30 代 40 代がより多い傾向に 具体的な不安として 仕事面では システムエラーによる事故 混乱 ロボットに仕事を奪われる 日常生活面では 人間が退化する 失業者が増え 経済が悪化する 3. AI 時代にビジネスパーソンに求められるスキル 能力は コミュニケーション力 が最多に 調査概要 調査概要 結果の詳細は次ページ以降をご覧ください 調査名称 第 8 回 ビジネスパーソン1000 人調査 AI ロボット技術編 調査期間 2017 年 9 月 27 日 ~2017 年 10 月 6 日 10 日間 調査対象 ( 株 ) 日本能率協会総合研究所 JMAR リサーチモニター のうち全国の 20 歳 ~69 歳までの正規 非正規雇用の就業者 ( 企業や団体で働く正社員 役員 経営者 契約 嘱託社員 派遣社員 ただ しパート アルバイト 医師 弁護士などの専門職業 自由業を除く ) 調査方法 インターネット調査 回答数 1,000 人 属性 性別 : 男性 555 人 女性 445 人 年代 :20 代 156 人 30 代 243 人 40 代 240 人 50 代 209 人 60 代 152 人 雇用形態 : 男性 ( 正規 444 人 非正規 111 人 ) 女性 ( 正規 194 人 非正規 251 人 ) 勤務先従業員数 :5,000 人以上 170 人 1,000~5,000 人未満 154 人 300~1,000 人未満 166 人 100~300 人未満 182 人 100 人未満 328 人 本件に関するお問い合せ 一般社団法人日本能率協会 KAIKA センター JMA 広報室 ( 担当 : 斎藤 ) 回答は % 表記とし 小数点第 2 位を四捨五入 105-8522 東京都港区芝公園 3-1-22 TEL:03-3434-8620/Email:jmapr@jma.or.jp 1
調査結果 1. 人工知能 (AI) ロボット技術が進むことに対し 期待している人は約半数 男性の方が女性より 10 ポイント以上多い 具体的に期待することとして 仕事面では 効率化 省力化 省人化 日常生活面では 自動運転 ロボット家電 人工知能(AI) ロボット技術が進むことに対して どの程度期待しているかを聞いたところ 期待している ( とても期待している/13.3% やや期待している/% の計) が 48.1% 期待していない ( あまり期待していない /39.8% まったく期待していない/12.1% の計) が 51.9% となり 期待していない人がやや上回る結果となりました 性別でみると 期待している と回答した人は 男性では 53.0% 女性では 42.1% と 10 ポイント以上の差が見られました 年代別でみると 20 代 60 代は 期待している が過半数であるのに対し 30 代 40 代 50 代は 期待している が半数に達していません 図表 1 人工知能 (AI) ロボット技術が進むことに対して どの程度期待しているか ( 単一回答 ) とても期待しているやや期待しているあまり期待していないまったく期待していない 75% 100% 全体 (n=1000) 13.3 39.8 12.1 性別 男性 (n=555) 女性 (n=445) 15.5 10.6 31.5 37.5 36.0 44.5 13.5 20 代 (n=156) 17.9 35.9 34.0 12.2 年代別 30 代 (n=243) 40 代 (n=240) 50 代 (n=209) 12.3 11.7 12.9 33.7 34.2 30.6 42.0 40.8 43.1 11.9 13.3 13.4 60 代 (n=152) 13.2 42.1 36.2 8.6 2
人工知能 (AI) ロボット技術が進むことに対しての具体的な期待を 仕事面 日常生活面でそれぞれ聞いたところ 仕事面では 仕事の効率化が進む (30.7%) がもっとも高く ついで 省力化 省人化が進む (28.0%) ヒューマンエラーを解消し 品質が向上する (23.7%) でした 日常生活面では 自動運転により 移動がより安全で便利になる ( 37.8%) と 4 割近くになりました ついで 家電製品の AI ロボット化が進み 家事負担が減る ( 30.1%) AI による医療診断 ロボット手術など医療がより発達する ( 29.8%) が続きました 図表 2 人工知能 (AI) ロボット技術が進むことに対して 仕事に関して 具体的に期待していること ( 複数回答 ) 人工知能 (AI) ロボット技術が進むことに対して まったく期待していない と回答した人除く 仕事面での期待 仕事の効率化が進む 省力化 省人化が進む ヒューマンエラーを解消し 品質が向上する 定型業務を任せることで 人手不足が解消する 労働時間が減り 生活にゆとりができる 新しいビジネスが生まれる 自動通訳 翻訳が発達し 多言語で コミュニケーションができるようになる 1.5 1.8 8.5 14.3 図表 3 人工知能 (AI) ロボット技術が進むことに対して 日常生活に関して 具体的に期待していること ( 複数回答 ) 人工知能 (AI) ロボット技術が進むことに対して まったく期待していない と回答した人除く 30.7 32.4 28.6 28.0 30.0 25.5 23.7 26.1 20.5 22.9 21.1 25.2 21.4 21.5 21.3 19.8 20.6 18.7 全体 (n=879) 女性 (n=385) 日常生活面での期待 自動運転により 移動が 37.8 42.1 より安全で便利になる 32.2 家電製品のAI ロボット化が進み 家事負担が減る AIによる医療診断 ロボット手術など医療がより発達する監視カメラと顔照合システムによる犯罪予防や捜査支援が可能になる AI ロボットと日常会話ができるようになるドローンなどの活用により 個別宅配がより便利になる 15.9 15.4 16.6 15.0 14.2 16.1 30.1 27.5 33.5 29.8 31.8 27.3 26.8 28.3 24.9 全体 (n=879) 1.8 1.4 2.3 女性 (n=385) 3
2. 人工知能 (AI) ロボット技術が進むことに対し 不安に感じている人は過半数に 不安に感じている人は女性 30 代 40 代がより多い傾向に 具体的な不安として 仕事面では システムエラーによる事故 混乱 ロボットに仕事を奪われる 日常生活面では 人間が退化する 失業者が増え 経済が悪化する 人工知能 (AI) ロボット技術が進むことに対して どの程度不安を感じているか聞いたところ 不安に感じる ( とても不安に感じる /10.4% やや不安に感じる /42.7% の計 ) が 53.1% と 過半数となりました 性別でみると 不安に感じる と回答した人は 男性では 49.7% 女性では 57.3% と 7.6 ポイントの差が見られました 年代別でみると 30 代 40 代は他の年代に比べ 不安に感じる が高く 40 代では 不安に感じる と回答した人が 61.7% と 6 割を超えています 図表 4 人工知能 (AI) ロボット技術が進むことに対して どの程度不安を感じているか ( 単一回答 ) とても不安に感じるやや不安に感じるあまり不安は感じないまったく不安は感じない 75% 100% 全体 (n=1000) 10.4 42.7 37.3 9.6 性別 男性 (n=555) 女性 (n=445) 9.7 38.7 47.6 39.3 7.9 20 代 (n=156) 14.1 34.0 42.9 9.0 年代別 30 代 (n=243) 40 代 (n=240) 50 代 (n=209) 11.5 12.9 7.2 44.0 48.8 41.1 32.1 30.0 41.1 12.3 8.3 10.5 60 代 (n=152) 5.3 42.1 46.1 6.6 4
人工知能(AI) ロボット技術が進むことに対しての具体的な不安を 仕事面 日常生活面でそれぞれ聞いたところ 仕事面では システムエラーによる事故や混乱が生じる ( 35.7%) がもっとも高く ついで AI やロボットに自分の仕事を奪われる ( 27.2%) 投資にお金が掛かる ( 22.3%) でした 日常生活面では 人間が退化する 失業者が増え 経済が悪化する がともに 34.6% で最多となりました ついで 人と人の触れ合い コミュニケーションが減る ( 29.9%) が続きました 図表 5 人工知能 (AI) ロボット技術が進むことに対して 仕事に関して 具体的に不安を感じていること ( 複数回答 ) 人工知能 (AI) ロボット技術が進むことに対して まったく不安は感じない と回答した人除く 仕事面での不安 システムエラーによる事故や 混乱が生じる AI やロボットに自分の仕事を奪われる 投資にお金が掛かる AI やロボットが人間よりも賢くなり 制御不能になる 自分が AI やロボットを使いこなせるか 分からない プライバシーの漏えい 侵害 AI やロボットに投資した分 自分の収入が減る 1.5 1.8 27.2 27.3 27.1 22.3 25.5 18.5 20.5 20.2 20.7 17.5 16.4 18.8 15.0 14.0 16.3 14.9 13.6 16.6 図表 6 人工知能 (AI) ロボット技術が進むことに対して 日常生活に関して 具体的に不安を感じていること ( 複数回答 ) 人工知能 (AI) ロボット技術が進むことに対して まったく不安は感じない と回答した人除く 日常生活面での不安 人間が退化する 35.7 36.8 全体 (n=904) 女性 (n=410) 34.6 34.4 失業者が増え 経済が悪化する 人と人の触れ合い コミュニケーションが減る 34.6 30.4 29.9 26.1 34.4 39.8 AI ロボットが暴走し 人間の脅威になる AI ロボットに監視され プライバシーがおびやかされる AI ロボット技術者が不足し 製品 サービス開発が滞る 17.6 15.9 17.4 14.1 11.4 14.2 8.0 22.7 26.9 全体 (n=904) 女性 (n=410) 5
3. AI 時代にビジネスパーソンに求められるスキル 能力は コミュニケーション力 が最多に AI 時代に ビジネスパーソンに求められるスキル 能力を聞いたところ コミュニケーション力 が 40.7% で最多となりました 特に女性では 47.6% と約半数にのぼっています ついで 創造力 ( 30.3%) IT スキル (24.9%) となりました 図表 7 AI 時代に ビジネスパーソンに求められるスキル 能力は何だと思いますか ( 複数回答 ) 0% 20% 40% 60% コミュニケーション力 35.1 40.7 47.6 創造力 30.3 32.4 27.6 IT スキル 24.9 25.4 24.3 協調性 21.3 19.8 23.1 情報収集力 20.0 20.5 19.3 積極性 主体性 17.6 19.3 15.5 交渉力 17.3 18.7 15.5 チャレンジ精神 13.9 13.2 14.8 リーダーシップ 13.0 13.5 12.4 語学力 8.8 6.7 11.5 全体 (n=1000) デザイン思考力 0.8 0.9 0.7 8.6 10.1 6.7 男性 (n=555) 女性 (n=445) スキルは要らない 7.2 7.6 6.7 結果を受けてコメント ( 一般社団法人日本能率協会理事 KAIKA センター長曽根原幹人 ) <AI ロボット技術 期待の半面不安も多く> 多くのビジネスの現場で AI ロボット技術の新たな活用が試みられています こうした中 ビジネスパーソンが AI ロボット技術の進展に対し どのように捉えているか 期待と不安の両面から聞きました 結果として 期待する人が約半数 不安に感じる人も約半数でした 全体の傾向として 男性より女性の方がよりネガティブに捉えている傾向が見られます 特に 失業者増加による経済の悪化については 4 割の女性が懸念しています また女性では 人と人の触れ合い コミュニケーションが減ることに不安を感じる人も男性より 10 ポイント近く上回っています <AI 時代こそよりいっそう必要となるコミュニケーションスキル> AI 時代に求められるビジネススキル 能力は 男女とも IT スキル を押さえ コミュニケーション力 がトップとなりました AI ロボット技術を有効に活用するには 多様な組織や価値観を調整 説得 取りまとめるといったことが必要になります AI 時代だからこそ いっそうコミュニケーション力に磨きをかける必要があると言えるでしょう 以上 6