5月の病害虫発生予想と防除のポイント

Similar documents
5月の病害虫発生予想と防除のポイント

予報 岡病防第16号

病害虫発生予察情報(11月予報)

情報01-1.xlsx

<4D F736F F F696E74202D D E836F C8816A5F955C8E86205B8CDD8AB B83685D>

イチゴの殺虫剤 ( 福岡県 ) 使用香港と同等台湾と同等共通 6 月アーデント WP (2,-ND,ND) ランネート 45DF (1,ND,2) 7 月ロディー EC (5,5,1) アタブロン EC (2,ND,0.5) マトリック FL (0.5,ND,ND) ランネート 45DF (1,ND

「公印省略」

ネギ 防除法

Microsoft Word 予報第9号

PowerPoint プレゼンテーション

バンカーシート 利用マニュアル 2017年版(第一版)

平成19年度事業計画書

表紙

ミニトマト ( 野菜類 ) ( トマトモサ イクウイルス キュウリモサ イクウイルス ) 黄化えそ病 ( トマト黄化えそウイルス TSWV) 黄化葉巻病 ( トマトイエローリーフカールウイルス TYLCV) 1. 発病株は抜き取り 苗床や本畑に発病株の根をできるだけ残さないようにする 2. 摘心 摘

<4D F736F F D D836789A989BB97748AAA956182CC8CBB8FF382C691CE8DF42E646F63>

○H29-3 表紙_バジルべと病(案2)

**************************************** 2017 年 4 月 29 日 日本植物病理学会殺菌剤耐性菌研究会 耐性菌対策のための DMI 剤使用ガイドライン 一般的な耐性菌対策 1. 薬剤防除だけに頼るのではなく 圃場や施設内を発病しにくい環境条件にする 1)

H27年度2月表紙チンゲンサイ白さび病

(2) 新系統の発生状況平成 28 年 4~10 月にかけて府内 19 地点のネギ キャベツ及びタマネギほ場から採集したネギアザミウマの次世代を一頭飼育法 ( 十川ら, 2013) により調べた結果 南丹市以南の16 地点で新系統 ( 産雄性生殖系統 ) を確認した 山城地域では 産雄性生殖系統が優

施設キュウリ ( 抑制栽培 ) のミナミキイロアザミウマの IPM 体系マニュアル

病害虫名

スライド 1

元高虫防第 139 号令和元年 7 月 4 日 各関係機関長様 高知県病害虫防除所長 病害虫発生予察情報について 令和元年度病害虫発生予察 6 月月報及び令和元年度予報 4 号 (7 月 ) を送付します 令和元年度病害虫発生予察 6 月月報 Ⅰ. 気象概況半旬 (6 月 ) 平均気温最高気温最低気


農薬成分数およびカウント数一覧 ( 作物別 ) 作物名項目使用目的農薬名成分数カウント数 小麦 ビート 殺菌剤殺虫剤育苗期殺菌剤殺虫剤 種子伝染病ベンレート T コート 2 2 眼紋病 うどんこ病ユニックス顆粒水和剤 除草剤 赤さび病アミスター 20 フロアブル 1 1 うどんこ病赤さ

炭疽病並並やや少 (-) やや多 ~ 並 降水並 ~ 少 (-) 8 月降水量多 チャ カンザワハダニ並並並 やや多 ~ 少 気温並 茶研予察ほ降水並 ~ 少少 (-) クワシロカイガラムシ 並並やや少 (-) 並 ~ やや少 気温並 降水並 ~ 少 カンキツ 黒点病並やや多少 (-) ミカンハダニ

Microsoft Word - H30予報06号.docx

アザミウマ類の薬剤検定1

びきすメにトがゅマロいううわりりかトン トップジン M 水和剤の混用事例 -1-(1) - 目作物名農薬名 ぶかり項なもどんうもごし小粒核果類おうすあうもんときめもずうかキウイフルーツいちんじきくつ(2018 年 7 月作成 ) ミなピたねはレニーまくトタママねさトすンぎぎいス殺虫剤エスマルク (D

わかっていること トマトすすかび病について

H17防除指針記入用ファイル

農林水産省登録第 号 2014 年 1 月版 製品名スワルスキープラス ( 吊り下げ型パック製剤 ) 販売 アリスタライフサイエンス株式会社 製造場 コパートビーブイ ベヘーア工場 小分製造場 アリスタライフサイエンス株式会社バイオシステムズ お問い合わせ先 IPM 営業本部東京都中央区

<4D F736F F D CA48B8689EF817A91DE97CE89A989BB956182CC F9C837D836A B F432E646F6378>

リンゴ黒星病、うどんこ病防除にサルバトーレME、フルーツセイバーが有効である

ダイコン 防除法

2 ブドウの病害虫

微生物殺虫剤 < 商品のお問合せは アリスタライフサイエンス株式会社 > 天敵放飼後のレスキュー ( 臨機 ) 防除剤としては 天敵への影響が少ない微生物殺虫剤が効果的です 天敵に悪影響を与えないだけでなく 効果のある化学殺虫剤を 切り札剤 として温存することができますので

水稲いもち病当面の対策                   

< F2D C18EEA95F182518D C834D E838D836F836C834C836D F E6A7464>

平成 29 年度全国特殊報一覧 2018/03/30 特殊報イチジクラシオディプロディア落葉病 ( 仮称 ) 平成 29 年度第 4 号 福岡県 2018/03/29 特殊報ヤマノイモジャガイモクロバネキノコバエ平成 29 年度第 3 号 神奈川県 2018/03/29 特殊報ガーベラ茎えそ病 (

Microsoft PowerPoint - チャトゲシンポ

ナスにおける天敵の利用法

令和元年度 (2019 年度 ) 病害虫発生予察情報第 13 号 8 月予報北海道病害虫防除所令和元年 (2019 年 )7 月 29 日 Tel:0123(89)2080 Fax:0123(89)2082 季節予報 ( 付記

トンネル博多ベリー防除暦

(Taro12-\216w\220j0503.jtdc)

3 園芸作物 < 果菜類 > 1-1 トマト [ ハウス ] ア導入すべき持続性の高い農業生産方式の内容 トマトは主に道央 道南および道北の施設で栽培され 作型は促成 ( ハウス加温 マルチ ) 半促成 ( ハウス マルチ ) 抑制 ( ハウス ) などである 品種は 桃太郎 ハウス桃太郎 桃太郎

付図・表

穫 7 日 前 ) ハダニ 対 策 : 発 生 が 見 られれば サンマイトフロアブル( 収 穫 21 日 前 ) 等 で 防 除 する 4. 白 ねぎ 春 まき 夏 秋 秋 冬 どり 土 寄 せ: 梅 雨 に 備 え 土 寄 せを 行 いうね 間 に 排 水 溝 を 設 ける 但 し 土 寄 せ

平成16年度農作物有害動植物発生予察情報

Ⅱ 今後の管理について 1 水管理について (1) 気象変動に対応した水管理 幼穂形成期に入ったら間断かん水 出穂期から開花期にかけては湛水管理 その後は間断 かん水が水管理の基本になりますが 気象変動に対応した水管理を心がけましょう 1 減数分裂期の低温 減数分裂期 ( 葉耳間長 ±0cm 出穂期

茨城県 消費者ニーズに応えるイチゴ産地の育成 活動期間 : 平成 22 年度 ~ 継続中 1. 取組の背景鉾田地域は, メロン, ピーマン, イチゴ, トマト, 葉菜類などの野菜類の生産が盛んな, 県内有数の野菜園芸産地である 経営体の多くが複数の園芸品目を組み合わせ, 大規模な複合経営を行っている

Taro-4-04 野菜

中晩柑の病害虫

(1) 未発生圃場では本種の寄生した苗を持ち込まない (2) 施設栽培では施設内への成虫侵入を防止するため 施設開口部に 1mm 程度の目合いの防虫ネットを張る (3) 施設栽培では周辺の畑作物や雑草にも寄生するので 早めに除草を行う (4) 本種の発生した施設栽培では収穫終了後 10 日以上密閉し

H30栽培管理履歴様式(高槻)

26愛媛の普及原稿 軽 Ⅱ

平成 30 年産米づくりのポイント ~ 水稲種子の消毒時の注意点について ~ JA 全農ちば営農支援部今年も水稲栽培に向けた準備の時期がやって来ます イネばか苗病や細菌性の苗立枯病など種子伝染性の病害の発生を防ぐためには 薬剤による種子消毒を中心とした対策が必要不可欠のため しっかりとした対策を実施

殺虫数(頭(2) 京田辺市におけるフェロモントラップへの誘殺虫数 (7 月第 6 半旬 ~8 月第 5 半旬の合計値 ) は81.0 頭で 平年の22.4 頭を上回っている (+)( 図 1) また 本年度からフェロモントラップを設置した亀岡市および京丹後市でも 8 月第 4 半旬から誘殺数が急増し

PowerPoint プレゼンテーション

2. 青枯病 Ralstonia solanacearum 生態 ナスの青枯病の項参照 (1) 発病のおそれがあるほ場では栽培を避ける やむをえず栽培する場合は土壌消毒を行う (2) 抵抗性品種を選んで栽培する 詳しくは 指導資料 Ⅵ ナス トマト キュウリの主要品種の病害虫抵抗性 の項参照 青枯病

果樹の生育概況

2018/08/06 注意報サツマイモシロイチモジヨトウ平成 30 年度第 3 号 徳島県 2018/08/03 注意報水稲斑点米カメムシ類平成 30 年度第 1 号 宮城県 2018/08/03 注意報りんご なしナミハダニ平成 30 年度第 2 号 宮城県 2018/08/01 注意報ネギシロイ

平成16年度農作物有害動植物発生予察情報

< F2D315F F95815F82E882F182B28D9590AF F9C2E6A746463>

仙台稲作情報令和元年 7 月 22 日 管内でいもち病の発生が確認されています低温 日照不足によりいもち病の発生が懸念されます 水面施用剤による予防と病斑発見時の茎葉散布による防除を行いましょう 1. 気象概況 仙台稲作情報 2019( 第 5 号 ) 宮城県仙台農業改良普及センター TEL:022

190号.indb

Ⅳ 野 菜 の 病 害 虫 防 除

令和元年度 (2019 年度 ) 病害虫発生予察情報第 5 号 6 月予報北海道病害虫防除所令和元年 (2019 年 )5 月 29 日 Tel:0123(89)2080 Fax:0123(89)2082 季節予報 ( 付記 )

る ( 久保田ら 2009) ことから 未知の伝染経路がある可能性は残るものの 本ウイルスの基本的な対策は 無病苗の育成と導入による発生防止 ハサミ等の消毒による蔓延防止 土壌中のウイルスを失活させることによるほ場内伝染環の遮断ということになる 3. 重要な残さの分解無病苗の育成と導入 ハサミ等の消

等 ) ジカルボキシイミド ( イプロジオン プロシミドン ) 等 上市後数年間で耐性菌が発生 防除効果が大幅に低下した事例のある殺菌剤を高リスクとしている DMI( トリアゾール等 ) アニリノピリミジン ( シプロジニル メパニピリム ) のように 一部の条件で防除効果が低下 または限定的に防除

< F2D817982E882F182B2817A82CC8EC091488E E6A7464>

本年 10 月 11 日 ~11 月 10 日の間に登録登録されたされた新農薬 ( 適用拡大を含む は 次の通りですりです 下線部が適用拡大適用拡大になりましたになりました 登録日 薬剤名 10/24 テルスタ - フロアブル 登録内容 ( 適用拡大を含む のあらまし 対象作物内容 もも 対象害虫の

今後の管理のポイント [懸案事項] ①早期作型における2番花 房の花芽分化遅延 ②炭そ病とハダニ類の発生 拡大 [対策] ①寒冷紗を被覆して 花芽分化を誘導する 2番花房 の花芽分化を確認して被覆を除去する 被覆期間の目安 9月25 10月20日 ②定期的に薬剤による防除を行う 特に葉かぎ後の 葉か

マイトコーネ indd

190号.indb

140611_nouyaku_No187.indd

08びわ

農薬登録事項変更登録申請書

農薬混用事例集

シンポジウム 表題 PDF

圃場試験場所 : 県農業研究センター 作物残留試験 ( C-N ) 圃場試験明細書 1/6 圃場試験明細書 1. 分析対象物質 およびその代謝物 2. 被験物質 (1) 名称 液剤 (2) 有効成分名および含有率 :10% (3) ロット番号 ABC 試験作物名オクラ品種名アーリーファ

北病防第 平成 23 年 142 号 2 月 18 日 関係総合振興局産業振興部長 関係振興局産業振興部長 様 様 技術普及課長 病害虫防除所長 水稲いもち病防除の徹底について 水稲の重要病害であるいもち病は 平成 20 年以降 3 年連続して多発生し 平成 22 年の 葉いもち と 穂いもち の発

アマミノクロウサギ保護増殖事業計画 平成 27 年 4 月 21 日 文部科学省 農林水産省 環境省

140221_ミツバマニュアル案.pptx

Ⅲ 麦 1 赤 かび 病 (1) 予 報 の 内 容 発 生 量 :やや 多 発 生 時 期 ( 感 染 時 期 ): 早 1 大 麦 小 麦 の 生 育 は 平 年 より 10 日 程 度 進 んでいる 2 5 月 10~11 日 に 降 雨 があり 気 温 も 高 めで 開 花 期 に 遭 遇

NO.523

01イチジク

Taro-ホームページ原稿(暖候期対

園芸殺菌剤 Z ボルドー [ 銅 和剤 ] 農林 産省登録有効成分 性状 第 号塩基性硫酸銅 58.0%( 銅として 32.0%) 淡 緑 和性粉末 45μm 以下 毒性 : 普通物 ( 毒劇物に該当しないものを指していう通称 ) 危険物 :- 有効年限 :5 年 包装 :500g 20

月中旬以降の天候によって塊茎腐敗による被害が増加する事例も多い 平成 28 年度は疫病の発生面積率は19.9% と例年に比べてやや少なかったものの 塊茎腐敗の発生面積率は 14.8% と例年に比べてやや多かったとされる ( 平成 現在 北海道病害虫防除所調べ ) かつては 疫病には

140221_葉ネギマニュアル案.pptx

平成 28 年度 害獣 ( 野鼠 モグラ ) 防除農薬一覧 JA 山形おきたま野菜振興会 野鼠の防除 耕種的 物理的防除秋季 ( 根雪前 ) 春季 夏季に 野鼠が侵入 定着しないよう ほ場や周辺の清掃 除草や隠れ場所となるような資材の撤去を行う 野鼠の増殖を抑制するため ほ場内に餌となる農作物残渣

Microsoft Word - H30予報03号.docx

目次 第 Ⅰ 章緒言 1 タバココナジラミ 1 2 タバココナジラミが媒介するウイルス 3 3 本研究の目的 7 第 Ⅱ 章タバココナジラミの生態解明第 1 節熊本県に発生しているタバココナジラミのバイオタイプ 1 緒言 9 2 材料および方法 栽培作物からのタバココナジラミ採集 2-

作物ごとの対策については 以下のとおりです 水稲 水稲に対する日照不足の影響で最も懸念されることはいもち病の発病であり 出穂期以降では登熟障害 いわゆる白未熟の発生が懸念される また 大雨により河川の水位が高くなり 排水路の水が河川に放流できずに冠水被害をもたらすことがある これらを考慮して健全な生

(10) マンゴーア殺菌剤, イ殺虫剤 農薬名 成分名 病 病 殺 菌 剤 I C ボ ル ド ー 6 6 D 塩基性硫酸銅 無機殺菌 アミスター 1 0 フロアブルアソ キシストロヒ ン ストロヒ ルリン オーソサイド水和剤 8 0 キャフ タンその他 ジマンダイセン水和剤マンセ フ 有機硫黄 ペ

Japan Diamide WG

果樹の生育概況

すると死滅する 露地では水稲との輪作を行い, ハウス栽培では夏の休閑期に湛水あるいは2~3 週間ハウスを密閉してサウナ処理 (10a 当り石灰窒素 100~150kg, 稲わら1,500~2,000kg施用, 小畦を造ってフィルムで被覆し, 土壌が湿る程度に注水後 10 日以上湛水, ただし土壌 p


Transcription:

1 月の病害虫発生予想と防除のポイント 鹿児島県経済連 肥料農薬課鹿児島県病害虫防除所から発表された病害虫発生予報第 10 号 (1 月 ) を基に, 防除のポイントを下記に取りまとめましたので, 防除指導の参考にしてください Ⅰ. 野菜 発生量は平年比較, 発生予想の下段 ( 根拠 ) の (+) は多発要因,(-) は少発要因を示す キュウリべと病褐斑病うどんこ病 やや少 12 月の発生 : 少 (-) 発生程度の高いほ場がある (+) 発生ほ場率が急増している (+) 12 月の発生 : 発生ほ場率やや高い (+) 12 月の発生 : 発生程度の高いほ場がある (+) ( べと病 ) 1 多発すると防除は困難になるので, 初期防除を徹底する 2 多湿条件で発生しやすいので, ハウス内の通風換気を十分に行う 3 肥料切れや草勢の衰えは発生を助長するので, 適正な肥培管理に努める 長期どりでは1 月以降発生が多くなる傾向にある 4 発病葉は早めに除去し, ハウス外に持ち出して処分する 5 既発生圃場では, リドミル MZ, フェスティバル M, ランマン, ブリザードなどでローテーション防除し, 未発生圃場ではダコニール, ベフドーなどで予防を行う ( 褐斑病 ) 2 多湿条件で発生しやすいので, ハウス内の通風換気を十分に行う 3 肥料切れや草勢の衰えは発生を助長するので, 適正な肥培管理に努める 茎葉が繁茂する生育中 ~ 後期に多発する傾向がある 4 発病葉は早めに除去し, ハウス外に持ち出して処分する 5アミスター, カンタス, ゲッター, セイビアー, フルピカ, ベルクートなどでローテーション防除する ( うどんこ病 ) 2 発病葉は早めに除去し, ハウス外に持ち出して処分する 2 薬剤は下位葉や葉裏によくかかるよう散布する 3 防除はアミスターオプティ, カスミンボルドー, ジーファイン, トリフミン, モレスタン, ラリーなど作用性の異なる薬剤によりローテーション防除する ( 防除薬剤は 23 農薬使用の手引き ( 野菜編 ) :P.62~65 参照 )

作物 病害虫発生予想防除のポイント トマト疫 病 12 月の発生 : 発生程度の高いほ場がある (+) ピーマン 斑点病 やや多 黒枯病 やや多 イチゴ うどんこ病 やや多 ( 疫病 ) 1ハウスの通風, 換気を十分に行い, 過失にならないようにする 2ハウスの谷部や北側など結露して水滴の落ちやすいところで発生が多いので, 早期発見に努め, 初期防除を行う 3 発病すると急激に進展することが多いので, 罹病茎葉は速やかにハウス外へ持出し, 薬剤を散布する 4 他病害も含めてダコニール, ジマンダイセン等で予防し, 発生を認めたらカーゼート PZ, フェスティバル, ホライズン, リドミル MZ 等でローテーション防除する ( 防除薬剤は 22 農薬使用の手引き ( 野菜編 ) :P.118~122 参照 ) ( 斑点病 ) 2 多湿条件で発生するので, ハウス内の通風換気を図る 3 発病葉は持ち出して処分し, 菌密度の低下を図る 4 成り疲れなどによる草勢低下により発生しやすいので, 適正な肥培管理に努める 5 防除はアミスターオプティ, カスミンボルドー, ダコニール, ドーシャス F, ラリーなど作用性の異なる薬剤によりローテーション防除する ( 黒枯病 ) 1 多湿条件で発生しやすいので通風換気を行い, 初期防除に努める 特に前作で発生したほ場では注意する 2 葉に斑点状の病斑を認めたら早めに除去し, ハウス外に持ち出して処分する 3 斑点病との区別は難しいが, 葉に斑点状の病斑がみられたら, ダコニール, トップジンMや斑点病防除剤のラリー等で同時防除を進める ( 防除薬剤は 23 農薬使用の手引き ( 野菜編 ) :P.155~157 参照 ) 1 本病は初め新葉の裏面から発生することが多いので, 早期発見に努め, 初期防除を徹底する 2 発病葉は伝染源になるので摘葉して, 施設外に持ち出して処分する 3 発病を認めたら, 治療効果のある薬剤を7 日おきに散布する 4 薬剤防除はストロビー, ダイマジン, パンチョ TF, フルピ

イチゴうどんこ病 カ, モレスタン, カリグリーンなど作用性の異なる薬剤でローテーション防除するが, 薬剤感受性の低下がみられるところもあるので, 散布後の効果を確認する ( 防除薬剤は 23 農薬使用の手引き ( 野菜編 ) :P.167~173 参照 ) 施設野菜共通アザミウマ類 ( キュウリ, ピーマン, トマト, イチゴ ) コナジラミ類 ( キュウリ, メロン, トマト, ミニトマト, ピーマン, イチゴ, 施設サヤインゲン ) やや多 12 月の発生 : やや多キュウリ : ピーマン : イチゴ : 多イチゴで発生程度の高いほ場あり (+) やや多発生種 : タバココナジラミ 12 月の発生 : キュウリ, ピーマン : トマト, イチゴ, サヤインゲン : やや多 1トマト黄化えそ病, キュウリ黄化えそ病の病原ウイルスを媒介するので, 生育初期からの防除が必要である 2 入口等のハウス開口部から侵入することが多いので, 青色粘着トラップを設置し, 早期発見 初期防除に努める 3 花や新芽の中, 葉裏など薬剤のかかりにくい場所に生息するので, 薬剤散布は丁寧におこなう 4 天敵を放飼しているほ場では, 天敵に影響のない薬剤を選択する 5 防除薬剤はアルバリン / スタークル, アドマイヤー, ベストガード, マラバッサ, アファーム, スピノエースなどをローテーション使用するが, ピーマンではミナミキイロアザミウマに対して, 薬剤感受性の低下がみられているので散布後の効果確認に留意する ( コナジラミ類 ) 1トマトの黄化葉巻病, ウリ類の退緑黄化病の病原ウイルスを媒介し, またサヤインゲンの莢の白化症, トマトの着色異常果の原因になるので, 生育初期から防除の徹底が必要である 2ハウス内や周囲の雑草は生息 増殖場所になるので, 除草する 3ハウスの開口部には必ず防虫網を設置する ( サイド 0.8mm 目合い以下, 谷部 1mm 目合い以下 ) 4 黄色粘着トラップを設置し, 早期発見と初期防除に努める 5 発病株は伝染現になるので, 疑わしい株も含めて見つけしだい除去し, ハウス外に持ち出して埋設処分あるいはビニール袋に入れて処分する 6 薬剤抵抗性の強いバイオタイプ Q がナス, ピーマン, トマト, ミニトマト, キュウリ, サヤインゲン等では発生している これにはアファーム, スタークル / アルバリン, ベストガード, サンマイト, コロマイト, スピノエース, モスピラン等の効果が高いので, 登録をみて使用する 防除薬剤は 23 農薬使用の手引き ( 野菜編 ) :P.66~69( キュウリ ), P.90~93( メロン ),P.118~122( トマト ),P.133~136( ミニトマト ),P.158~161( ピーマン ), P.170~173( イチゴ )P.265( サヤインゲン ) 参照

エンドウ類ハモグリバエ類 ( ナモグリバエが発生の主体 ) アザミウマ類 ( ハナアザミウマが発生の主体 ) 12 月の発生 : 発生ほ場率 : 1 月の気象予報気温 : 降水量 : やや多 12 月の発生 : やや多 (+) 発生ほ場率 : やや高い (+) 1 月の気象予報気温 : 降水量 : ( ハモグリバエ類 ) 1 多発してからの防除は困難なので, 発生初期からの防除に努める 2 多発ほ場では5~7 日おきに連続散布し, 徹底した防除を行う 3 薬剤のはパダンSG 水溶剤, ハチハチフロアブル, 合成ピレスロイドなどでローテーション防除する 1ハナアザミウマは花の中に生息するので, 薬剤散布は丁寧に行う 2 同一系統薬剤の連用を避け, 作用性の異なる薬剤とのローテーション散布を行う ( 防除薬剤は 23 農薬使用の手引き ( 野菜編 ) : P.248~249 ( サヤエント ウ ),p255( 実エント ウ ) 参照

Ⅱ. 花き ( キク ) 発生量は平年比較, 発生予想の下段 ( 根拠 ) の (+) は多発要因,(-) は少発要因を示す 病害虫 発生予想 防除のポイント 黒斑病 褐斑病アザミウマ類 県本土 ( 施設 ): やや多奄美 ( 露地 ): 県本土 12 月の発生 : やや多発生ほ場率 : 高い 1 月の気象予報気温 : 奄美 12 月の発生 : 1 月の気象予報気温 : 降水量 : 県本土 ( 施設 ): やや少奄美 ( 露地 ): やや多 ~ 多県本土 12 月の発生 : やや少, 発生ほ場率 : やや低い (-) 1 月の気象予報気温 : 奄美, 1 月の気象予報気温 : 降水量 : ( 黒斑病 褐斑病 ) 1 通風, 採光と排水対策に努め, かん水は土が跳ね上がらないようにする 2 発病葉は伝染源となるので早めに摘み取り, 適正に処分する 3 肥料切れや窒素過多は発病を助長する 4 病原菌は被害部で越年するので, 母株の予防散布を行う 1キクえそ病 (TSWV) とキク茎えそ病 (CSNV) を媒介するので, 圃場への侵入防止と初期防除に努める 2 母株や苗の導入に際しては, アザミウマ類の寄生やウイルスの感染に細心の注意を払う 3 青色粘着シートを設置し, 発生消長と発生種を把握して, 防除の目安にする 4 種によって薬剤の効果が異なるので注意する 5 施設では, 開口部に目合い1mm 以下の防虫網を張って侵入を防ぐ 6 同一系統薬剤の連用を避け, 作用性の異なる薬剤のローテーション散布を行う ( 防除薬剤は 23 農薬使用の手引き ( 普通作物 花き編 ) P.117~121( キク ) 参照 )