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税制について

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B 事例 1: 日本赤十字社と公益財団法人公益法人協会ともに 所得控除方式 を適用し ffff た場合に還付される税金について 前提 1 寄附先の名称等 ( 弊協会の他に 東日本大震災の義援金として日本赤十字社に寄附したものと仮定 ) 名称金額備考 日本赤十字社 ( 東日本大震災義援金 ) 30,0

新・NPO法人申請マニュアル.pwd

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個人市民税 控除・税率等の変遷【市民税課】

目次 1. みなし譲渡所得税非課税について 1 2. 公益法人において必要な準備 3 ⑴ 基金の設置 ⑵ 2の基金の業務に充てることについて ⑶ 3の基金内の運用益の考え方について ⑷ 4の合議制の機関について ⑸ 5の基金明細書について 3. 承認特例の申請から承認後までの全体像 8 ⑴ 寄附者と

1 認定 NPO 法人制度とは? NPO 法人への寄附を促す制度です その目的は NPO 法人への寄附を促すことにより NPO 法人の活動を支援すること です 以前は 租税特別措置法という法律に基づき国税庁が認定を行う制度でしたが 平成 24 年 4 月の特定非営利活動促進法の改正により 所轄庁が認

イ税務署へ確定申告書を提出し 所得税の住宅ローン控除の適用を受けている 退職所得 山林所得がある方 所得税の平均課税の適用を受けている方は 住宅ローン控除申告書を提出することにより控除額が大きくなる場合があります 申告書を提出される方は3 月 15 日 ( 月 ) までに申告してください 申告しなけ

早わかり認定NPO法人制度

1 給与所得控除額を算出する計算式は給与収入金額によって異なります 今回は給与収入金額 3,600,000 円以上 6,599,999 円以下の場合の式を用いています 2 調整控除額は合計課税所得金額 2,000,000 円超と 2,000,000 円以下で算出方法が異なります 今回は 2,000,

< 用語の解説 > 税額控除制度従来 公益社団法人及び公益財団法人への個人からの寄附金については 所得控除制度が適用されていたが 平成 23 年 6 月より 公益社団法人及び公益財団法人への個人からの寄附金について 寄附文化の醸成を図るため 税額控除制度が導入された 税額控除は 寄附金額を基礎に算出

【完成版】認定特定非営利活動法人制度のあらまし(H29.4)

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

目 次 はじめに 2 1 所得税の税額控除制度の導入 (1) 認定 NPO 法人への寄附に係る税額控除の導入 4 (2) 認定 NPO 法人以外の法人への寄附に係る税額控除の導入 4 2 認定 NPO 法人制度の見直し (1) 平成 23 年度より税制上対応する措置 6 1 認定要件の見直し 6 イ

川崎市条例指定制度の手引き 川崎市 平成 24 年 7 月発行

投資法人の資本の払戻 し直前の税務上の資本 金等の額 投資法人の資本の払戻し 直前の発行済投資口総数 投資法人の資本の払戻し総額 * 一定割合 = 投資法人の税務上の前期末純資産価額 ( 注 3) ( 小数第 3 位未満を切上げ ) ( 注 2) 譲渡収入の金額 = 資本の払戻し額 -みなし配当金額

所得控除 基礎控除 配偶者控除などの下記の表に記載されたものをいいます それぞれ一定の要件を満たしている場合は 課税所得金額を計算する際に それぞれの控除が受けられます 個人の県民税 個人の市町村民税 12

平成23年度税制改正大綱(閣議決定)における要望実現項目

平成29年 住宅リフォーム税制の手引き 本編_概要

<4D F736F F F696E74202D20819B90C590A78E9197BF F6394C5816A2E707074>

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スライド 1

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

Microsoft Word 寄付アンケート記者報告.docx

土地建物等の譲渡(マイホームの売却による譲渡損)編

所得控除 雑損控除 医療費控除 社会保険料控除等 旧生命保険料控除 旧個人年金保険料控除 ( 実質損失額 - 総所得金額等の合計額 10%) 又は ( 災害関連支出の金額 -5 万円 ) のうち いずれか多い方の金額医療費の実質負担額 -(10 万円と総所得金額等の 5% のいずれか低い金額 ) 限

市民公益税制 PT 中間報告書 平成 22 年 4 月 8 日 ( 木 ) 市民公益税制 P T

所得控除 基礎控除 配偶者控除などの下記の表に記載されたものをいいます それぞれ一定の要件を満たしている場合は 課税所得金額を計算する際に それぞれの控除が受けられます 個人の県民税 個人の市町村民税 12

I 申請準備 ~ 申請 ~ 証明までの流れ この手引きは 公益社団 財団法人のうち 個人からの寄附金について税額控除制度が適用される対象法人となることを希望する法人の方が 行政庁の証明を受けるために必要な申請作業内容を御案内しています 手続の流れは 以下のとおりです 税額控除制度の概要 要件について

目 次 問 1 法人税法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 1 問 2 租税特別措置法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 3 問 3 法人税法における当初申告要件 ( 所得税額控除の例 ) 5 問 4 法人税法における適用額の制限 ( 所得税額控除の例 ) 6

平成23年度税制改正の主要項目

平成18年度地方税制改正(案)について

NPO 法活動状況等アンケート ( 案 ) 下記のアンケートにご協力をお願いいたします ( 右の に数字をご記入ください ) ご協力いただいた結果については 奈良市及び奈良県における指定制度の検討資料として使用させていただきます 1. (1) あなたの団体は 法の設立 ( 設立登記の日 ) から何年

<4D F736F F D D382E982B382C6945B90C582F082B382EA82BD95FB82CC82BD82DF82CC8A6D92E8905C8D908F918DEC90AC82CC8EE888F882AB2E646F6378>

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

下では特別償却と対比するため 特別控除については 特に断らない限り特定の機械や設備等の資産を取得した場合を前提として説明することとします 特別控除 内容 個別の制度例 特定の機械や設備等の資産を取得して事業の用に供したときや 特定の費用を支出したときなどに 取得価額や支出した費用の額等 一定割合 の

内に 耐火建築物以外の建物についてはその購入の日以前 20 年以内に建築されたものであること 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅 を 平成 17 年 4 月 1 日以降に取得した場合には 築年数に関係なく適用が受けられます (56ページ 一

各年の住宅ローン控除額の算出 所得税から控除しきれない額は住民税からも控除 当該年分の住宅ローン控除額から当該年分の所得税額 ( 住宅ローン控除の適用がないものとした場合の所得税額 ) を控除した際に 残額がある場合については 翌年度分の個人住民税において 当該残額に相当する額が 以下の控除限度額の

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2. 改正の趣旨 背景給与所得控除 公的年金等控除から基礎控除へ 10 万円シフトすることにより 配偶者控除等の所得控除について 控除対象となる配偶者や扶養親族の適用範囲に影響を及ぼさないようにするため 各種所得控除の基準となる配偶者や扶養親族の合計所得金額が調整される 具体的には 配偶者控除 配偶

税額控除限度額の計算この制度による税額控除限度額は 次の算式により計算します ( 措法 42 の 112) 税額控除限度額 = 特定機械装置等の取得価額 税額控除割合 ( 当期の法人税額の 20% 相当額を限度 ) 上記算式の税額控除割合は 次に掲げる区分に応じ それぞれ次の割合となります 特定機械

平成19年度分から

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

【表紙】

Microsoft Word - 個人住民税について(2018~2022)

この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

2. 改正の趣旨 背景 (1) 問題となっていたケース < 親族図 > 前提条件 1. 父 母 ( 死亡 ) 父の財産 :50 億円 ( すべて現金 ) 財産は 父 子 孫の順に相続する ( 各相続時の法定相続人は 1 名 ) 2. 子 子の妻 ( 死亡 ) 父及び子の相続における相次相続控除は考慮

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また 国外財産調書制度は 2013 年 12 月末の国外財産から調書の提出義務が始まりましたので 5,000 万円超の国外財産を保有の方はご留意ください これに関連して 国税庁より 2013 年 11 月 15 日に FAQ が発表されており FAQ は国税庁のホームページで閲覧等できます 資産税ニ

平成 31 年度住宅関連税制改正の概要 ( 一社 ) 住宅生産団体連合会 平成 31 年 3 月 (1) 住宅ローン減税の拡充 ( 所得税 個人住民税 ) 消費税率 10% が適用される住宅取得等をして 2019 年 10 月 1 日から 2020 年 12 月 31 日までの間にその者の居住の用に

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

平成20年2月

相続税・贈与税の基礎と近年の改正点


所得税確定申告セミナー

平成 31 年度 税制改正の概要 平成 30 年 12 月 復興庁

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

資料8-2 平成29年度文部科学関係税制改正事項

<4D F736F F D208F8A93BE90C520926D8EAF94BB92E E291E >

このうち 申告納税額がある方 ( 納税人員 ) は640 万 8 千人で は41 兆 4,298 億円 申告納税額は3 兆 2,037 億円となっており 平成 28 年分と比較すると 人数 (+0.6%) (+ 3.4%) 及び申告納税額 (+4.6%) はいずれも増加しました 所得者区分別の状況イ

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

<4D F736F F D D9190C592A192F18F6F817A323982D382E982B382C6945B90C582F082B382EA82BD95FB82CC82BD82DF82CC8A6D92E8905C8D908F918DEC90AC82CC8EE888F882AB81698DC58F4994C5816A2E646F6378>

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

1 奈良市 NPO 法人条例指定制度の概要 都道府県又は市区町村が条例において指定した特定非営利活動法人 ( 以下 指定 NPO 法人 という ) に市民が寄附した場合 個人住民税の税額控除が受けられる制度で 具体的には 寄附をすると寄附金額から 2,000 円を引いた額の10%( 市民税 6% 県

第 5 章 N

2 税金から控除される額 市区町村や都道府県に対する寄附金は 特定寄附金 と呼ばれ 所得税や住民税を計算するときに 寄附金控除が適用され 税が軽減されます 所得税の控除 総所得金額等の 40% が限度 2,000 円 所得税率 住民税の控除基本控除 総所得金額等の 30% が限度 2

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

Microsoft Word - FP2級法改正情報 doc

平成27年度税制改正要望結果について

Microsoft Word - 個人住民税について

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

土地建物等の譲渡(マイホームの売却による譲渡益)編


6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1)

< F31322D89FC90B390C C18F578D8692C7985E5B315D2E6A74>

平成19年度市民税のしおり

「左記以外の所得のある方」からの確定申告書作成編

妙高市 税に関するWEBページ

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

事業承継税制の概要 事業承継税制は である受贈者 相続人等が 円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において その非上場株式等に係る贈与税 相続税について 一定の要件のもと その納税を猶予し の死亡等により 納税が猶予されている贈与税 相続税の納付が免除される

回答作成様式

1 繰越控除適用事業年度の申告書提出の時点で判定して 連続して 提出していることが要件である その時点で提出されていない事業年度があれば事後的に提出しても要件は満たさない 2 確定申告書を提出 とは白色申告でも可 4. 欠損金の繰越控除期間に誤りはないか青色欠損金の繰越期間は 最近でも図表 1 のよ

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1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

寄附文化の醸成に係る施策の実施状況 ( 平成 26 年度に講じた施策 ) 別紙 1 < 法律 制度改正 > 総務省 ふるさと納税の制度拡充 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 学校法人等への個人寄附に係る税額控除の要件の緩和 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 特例控除の上限の引上げ

土地建物等の譲渡(一般の譲渡)編

「給与所得が1か所の方」からの確定申告書作成編

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

新長を必要とする理由今回合理性の要望に設 拡充又は延⑴ 政策目的 資源に乏しい我が国にあって 近年 一層激しさを増す国際社会経済の変化に臨機応変に対応する上で 最も重要な資源は 人材 である 特に 私立学校は 建学の精神に基づき多様な人材育成や特色ある教育研究を展開し 公教育の大きな部分を担っている

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

東京太郎様 Inheritance Report 相続診断書 弁護士法人 税理士法人リーガル東京 平成 30 年 8 月 20 日作成

経 [2] 証券投資信託の償還 解約等の取扱い 平成 20 年度税制改正によって 株式投資信託等の終了 一部の解約等により交付を受ける金銭の額 ( 公募株式投資信託等は全額 公募株式投資信託等以外は一定の金額 ) は 譲渡所得等に係る収入金額とみなすこととされてきました これが平成 25 年度税制改

2017 年度税制改正大綱のポイント ~ 積立 NISA の導入 配偶者控除見直し ~ 大和総研金融調査部研究員是枝俊悟

平成 24 年度税制改正に関する要望 Ⅰ 寄附金税制について 1 公益法人に係る税額控除制度における PST 要件の撤廃 公益社団法人 公益財団法人 ( 以下 公益法人 ) が税額控除制度の適用を受けるためには1 認定 NPO 法人の認定要件であるPST( パブリック サポート テスト ) と同様の

2 税務署への提出方法の選択 画面において 書面提出 をクリックする 3 申告書等印刷を行う際の確認事項 画面において ご利用のパソコンの環境が推奨環境を満たしていることを確認の上 ご利用のパソコンの環境 (O S/ ブラウザ /PDF 閲覧ソフト ) が以下の推奨環境を満たしている をチェックする

Microsoft PowerPoint - 【別添1】23税制改正の概要.pptx

新しい非居住者債券所得非課税制度の概要 < 平成 22 年度税制改正前の制度の概要 > 非居住者等が受ける振替国債及び振替地方債のについては 一定の手続要件を満たせば非課税とされていました しかし 非居住者等が受ける振替社債等のについては 原則 15% の税率により源泉徴収課税がなされていました 非

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テーマ別セミナー ~ 寄附税制の基本の き ~ 平成 29 年 12 月 7 日公益認定等委員会事務局係長風早勇作

公益法人における寄附金の受入状況 寄附金収入がある法人は 全法人の約半分 社団 財団別にみると 社団は約 4 割 財団は約 6 割 寄附金収入がある法人のうち 寄附金額の中央値は 社団が約 100 万円 財団が約 500 万円 図 1 寄附金収入額規模別の公益法人の割合 1 億円以上, 2.8% 1000 万円以上 1 億円未満, 11.7% 100 万円以上 1000 万円未満, 18.9% 1 円以上 100 万円未満, 17.2% 公益法人 9,293 0 円, 49.4% 寄附金収入額規模別の公益法人数 ( 社団 財団別 ) 図 2 寄附金収入額規模別の公益法人の割合 ( 社団 ) 1,000 万円以上 1 億円未満, 5.0% 100 万円以上 1,000 万円未満, 14.1% 1 円以上 100 万円未満, 21.6% 1 億円以上, 0.6% 公益社団法人 4,092 0 円, 58.8% 図 3 寄附金収入額規模別の公益法人の割合 ( 財団 ) 1,000 万円以上 1 億円未満, 16.9% 公益財団法人 5,201 100 万円以上 1,000 万円未満, 22.6% 1 億円以上, 4.6% 1 円以上 100 万円未満, 13.8% 0 円, 42.0% 内閣府 都道府県 法人数 寄附金額計 ( 百万円 ) 寄附金あり法人数 平均値 ( 百万円 ) 中央値 ( 百万円 ) 1 百万円以上 1 千万円未満 1 千万円以上 1 億円未満 1 億円以上 社団 787 14,647 565 26 3 222 167 255 121 22 財団 1,579 144,284 1,156 125 15 423 129 345 497 185 計 2,366 158,931 1,721 92 8 645 296 600 618 207 社団 3,333 3,934 1,133 3 0.5 2,200 721 327 84 1 財団 3,672 47,043 1,890 25 2 1,782 594 844 393 59 計 7,005 50,978 3,023 17 1 3,982 1,315 1,171 477 60 合計 社団財団 4,120 5,251 18,581 191,328 1,698 3,046 11 63 1 5 2,422 2,205 888 723 582 1,189 205 890 23 244 (100.0%) (100.0%) (58.8%) (42.0%) (21.6%) (13.8%) (14.1%) (22.6%) (5.0%) (16.9%) (0.6%) (4.6%) 計前年合計 9,371 9,293 209,909 221,381 4,744 4,648 44 48 3 3 4,627 4,645 1,611 1,588 1,771 1,738 1,095 1,058 267 264 (100.0%) (100.0%) (49.4%) (50.0%) (17.2%) (17.1%) (18.9%) (18.7%) (11.7%) (11.4%) (2.8%) (2.8%) 0 円 1 円以上 1 百万円未満 ( 注 ) 過去 1 年間に提出された事業報告等 ( 平成 28 年 12 月 1 日時点の確認データ ) による 1

寄附税制の全体像 ( 本日のセミナー分 ) 2 寄附者への優遇措置 個人からの寄附 所得税の控除 1 所得控除 (p.3~4) 2 税額控除 (p.3~6 申請の手引き 申請等に係る Q&A ) 法人からの寄附 6 法人税 ( 損金算入 ) (p.10) 3 個人住民税の控除 (p.7) 4 相続税の非課税特例 (p.8) 5 みなし譲渡所得税の非課税特例 (p.8~9 公益法人等に財産を寄附した場合の譲渡所得等の非課税の特例について 公益法人等に財産を寄附した場合の譲渡所得等の非課税の特例の 承認特例 の対象が拡充されました! ) 公益法人への優遇措置 7 消費税に関する特例 ( 特定収入に該当しない寄附金に関する確認 ~ 申請の手引き ~ )

所得税の優遇措置 1 所得控除 対象 全ての公益社団 財団法人への寄附が対象 ( 公益社団 財団法人は特定公益増進法人 ) 控除計算 控除額 { 所得金額 -( 寄附額 -2,000 円 )} 所得税率 = 税額 ( 注 1) 寄附額については 総所得金額等の40% 相当額が限度 ( 注 2) 所得税率は 所得金額等によって異なる 2 税額控除 対象 一定の要件 (PST 要件 ) を満たしていることの証明を受けた公益社団 財団法人 ( 税額控除対象法人 ) への寄附が対象 控除計算 控除額所得金額 所得税率 -( 寄附額 -2,000 円 ) 40%= 税額 ( 注 1) 寄附額については 総所得金額等の40% 相当額が限度 ( 注 2) 税額控除額は所得税額の25% が限度 所得控除又は税額控除のいずれの控除を受ける場合にも 寄附者による確定申告が必要 ( 寄附を行った年の所得税から控除 ) 確定申告の際には 公益法人が発行する寄附受領書等が必要 ( 加えて 税額控除には税額控除証明の写しも必要 ) 税額控除対象法人に寄附をした場合 寄附者が所得控除又は税額控除のどちらを適用するか選択できる 3

所得税の優遇措置 ( 控除計算の具体例 ) 1 所得控除 控除計算 控除額 { 所得金額 -( 寄附額 -2,000 円 )} 所得税率 = 税額 ( 注 1) 寄附額については 総所得金額等の40% 相当額が限度 ( 注 2) 所得税率は 所得金額等によって異なる 2 税額控除 控除計算 控除額所得金額 所得税率 -( 寄附額 -2,000 円 ) 40%= 税額 ( 注 1) 寄附額については 総所得金額等の40% 相当額が限度 ( 注 2) 税額控除額は所得税額の25% が限度 ( 例 1) 年収 500 万円の者が 1 万円を寄附した場合所得控除による控除額 :(1 万円 -2,000 円 ) 20%=1,600 円税額控除による控除額 :(1 万円 -2,000 円 ) 40%=3,200 円 所得税の速算表 ( 平成 27 年分以降 ) 課税される所得金額 税率 195 万円以下 5% 195 万円を超え 330 万円以下 10% 330 万円を超え 695 万円以下 20% 695 万円を超え 900 万円以下 23% 900 万円を超え 1,800 万円以下 33% 1,800 万円を超え4,000 万円以下 40% 4,000 万円超 45% (H28.4.1 現在法令等 国税庁 HPより ) ( 例 2) 年収 500 万円の者が 2 万円を寄附した場合所得控除による控除額 :(2 万円 -2,000 円 ) 20%=3,600 円税額控除による控除額 :(2 万円 -2,000 円 ) 40%=7,200 円 ( 例 3) 年収 5,000 万円の者が 1 万円を寄附した場合所得控除による控除額 :(1 万円 -2,000 円 ) 45%=3,600 円税額控除による控除額 :(1 万円 -2,000 円 ) 40%=3,200 円 寄附金額が大きいほど 控除額は大きくなる ( 上限あり ) 所得金額に応じて 有利な控除が異なる ( 低所得者ほど税額控除の方が有利 ) 4

PST 要件とは PST 要件 ( パブリック サポート テスト ) は 公益法人が幅広い人々から支持を受けていることを示す指標 公益法人が 実績判定期間 ( 通常は直近 5 年間 ) に受けた寄附実績において 以下の要件 1 又は要件 2 のいずれかを満たすことが必要 要件 1( 絶対値要件 ) 3,000 円以上の寄附者が 年平均 100 人以上 ただし 公益目的事業費用が 1 億円に満たない事業年度がある場合には その事業年度の寄附者数は ( ア ) により計算した判定基準寄附者数を用いて上記の要件を判断し かつ ( イ ) の要件を満たすこと ( ア ) 判定基準寄附者数 = 実際の寄附者数 1 億 公益目的事業費用の額の合計額 (1,000 万円未満の場合には 1,000 万円 ) ( イ ) 寄附金総額が年平均 30 万円以上 要件 2( 相対値要件 ) 法人の経常収入金額に占める寄附金等収入の割合が 1/5 以上 (1 者当たりの基準限度超過額等の調整規定あり ) いずれの要件を満たす場合にも 申請に当たっては 寄附金受入明細書等が必要 普段から 寄附金を受け入れた際には 受入年月日 寄附者の氏名 住所 寄附金額等を記録しておくことが大切 ( 税額控除証明の取得後は作成の義務がある ) 5

税額控除の証明を受けた公益法人数の推移 税額控除の証明を受けた公益法人数は 平成 29 年 10 月末時点で 1,007 法人となっている 1200 1000 883 935 937 942 949 949 956 964 964 964 962 962 966 973 973 987 988 991 989 977 985 987 1001 1007 800 768 600 502 400 200 224 18 0 税額控除証明の有効期間は 発行日から 5 年間 既に証明を受けている場合で 有効期間後も引き続き証明を受けたい場合には 有効期間を経過する前に余裕を持って新たな申請を行うことが必要 6

個人住民税の優遇措置 7 3 個人住民税の税額控除 対象 都道府県又は市区町村が条例により指定した寄附金 ( 公益法人に対する寄附金等 ) 控除計算 以下の金額が 寄附を行った翌年度の個人住民税の額から控除される 都道府県が条例指定 ( 寄附金額 2,000 円 ) 4% 市区町村が条例指定 ( 寄附金額 2,000 円 ) 6% 重複指定であれば ( 寄附金額 2,000 円 ) 10% 寄附金額については 総所得金額等の 30% 相当額が限度 政令指定都市在住の方の場合は 都道府県 2% 市区町村 8%( 重複指定であれば 10%) となる 寄附者による確定申告が必要 ( 個人住民税の寄附金控除だけを受ける場合には 住所地の市区町村に申告を行ってもよいが この場合には所得税の控除が受けられない ) 確定申告の際には 公益法人が発行する寄附受領書等が必要

相続税 みなし譲渡所得税の非課税特例 8 4 相続税の非課税特例 個人が 相続財産を公益法人に寄附した場合 非課税となる ( 注 ) ただし 寄附を受けた法人が 寄附から 2 年を経過した日までに非課税措置対象法人でなくなった場合 また 当該財産を同日においてなおその公益を目的とする事業の用に供していない場合には 相続人に課税される 5 みなし譲渡所得税の非課税特例 個人が 土地 建物などの資産を法人に寄附した場合には これらの資産は寄附時の時価で譲渡があったものとみなされ これらの資産の取得時から寄附時までの値上がり益に対して所得税が課税される ( 国税 15% 地方税 5%) 加えて 復興特別所得税も課税される しかし 個人が財産を公益法人に寄附した場合 その寄附が教育又は科学の振興 文化の向上 社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与することなど一定の要件を満たすものとして国税庁長官の承認を受けたときは 非課税となる ( 注 1) ただし 寄附を受けた法人が 寄附から 2 年を経過した日までに当該財産を公益目的事業の用に直接供さなかったときは 承認は取り消され 個人に課税される ( 注 2) 承認の取り消しを受けた際に 公益法人が公益目的事業の用に供していた場合には 公益法人に課税される ( 注 3) 寄附財産が 公益目的事業を行うために不可欠な特定の財産とされる等の要件を満たす場合には 1 月以内に国税庁長官が不承認の決定をしない限り その承認があったものとみなされる

現物寄附へのみなし譲渡所得税等に係る特例措置適用の承認手続の簡素化 ( 平成 29 年度税制改正 ) 公益法人等に対する現物寄附のうち 国税庁長官の承認を受けた寄附については みなし譲渡所得税等が免除される特例が措置されているところ このうち 特定の要件を満たす場合には 申請書の提出があった日から 1 月以内に国税庁長官の承認をしないことの決定がなかったときは その承認があったものとみなす 特例の適用がない場合 = 課税 現物寄附に係るみなし譲渡所得 ( 下図では 200 万円 ) に対し みなし譲渡所得税等が寄附者に課される 特例の適用がある場合 = 非課税 現物寄附が一定の要件を満たすことにつき 国税庁長官の承認がされた場合は非課税となる イメージ図 寄附 主な要件 寄附が公益の増進に著しく寄与すること 寄附財産が 2 年以内に公益目的事業の用に直接供され 又は供される見込みであること 寄附により 寄附者又はその親族等の所得税等を不当に減少させる結果とならないこと 寄附者 公益法人 平成 29 年度税制改正による簡素化 ( 平成 29 年 4 月 1 日以降の寄附について適用 ) 現物資産 ( 美術品等 ) ( 例 ) 取得額 :300 万円時価 :500 万円 ( みなし譲渡所得 :200 万円 ) 寄附した場合でも 時価で資産の譲渡があったものとみなされる 従来の特例が適用される寄附のうち 特定の要件を満たす場合には 1 月以内に国税庁長官の承認をしないことの決定がなかったときは その承認があったものとみなされ 非課税となる 主な要件 公益法人が寄附財産を不可欠特定財産とすること 公益法人の理事 監事 評議員 社員及びその親族等以外の者からの寄附であること 寄附財産が 株式 新株予約権 特定受益証券発行信託の受益権 社債的受益権等でないこと 9

公益法人に寄附をした法人に対する税制優遇 6 法人税 ( 損金算入 ) 法人が支出する寄附金は その法人の資本金等の額 所得の金額に応じた一定の限度額までが損金に算入される このとき 公益法人に対する寄附については 一般寄附金の損金算入限度額とは別に 別枠の損金算入限度額が設けられている 損金算入限度額の計算 A: 公益法人への寄附金の特別損金算入限度額 ( 所得金額の 6.25%+ 資本金等の額の 0.375%) 1/2 B: 一般寄附金の損金算入限度額 ( 所得金額の 2.5%+ 資本金等の額の 0.25%) 1/4 公益法人に対する寄附金は 全体で A+B の額が損金算入できる ( 例 ) 所得金額が 1,400 万円 資本金等の額が 2,000 万円の法人の場合 A: 公益法人への寄附金の特別損金算入限度額 (1,400 万円 6.25%+2,000 万円 0.375%) 1/2=47.5 万円 B: 一般寄附金の損金算入限度額 (1,400 万円 2.5%+2,000 万円 0.25%) 1/4=10 万円 公益法人に対する寄附金は A+B=57.5 万円が損金算入できる 10