過去に経験のない規模の巨大地震 津波が発生 東日本大震災の概要 死者 行方不明者数 死者 15,355 名 行方不明者 8,281 名 (6 月 4 日現在 警察庁調べ ) 建築物被害 ( 住家 ) 全壊 10 万 9,147 棟 半壊 6 万 9,789 棟 一部破損 31 万 7,710 棟 全

Similar documents
Microsoft PowerPoint - 【確定】資料3-1_110527(避難者外し).pptx

防災対策にも役立つ道路整備 (津波防潮ラインとしても機能する道路盛土)

東日本大震災 鳴らされていた警鐘

Microsoft Word - j-contents5.doc

第 1 章実施計画の適用について 1. 実施計画の位置づけ (1) この 南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 に基づく宮崎県実施計画 ( 以下 実施計画 という ) は 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 以下 特措法 と

id5-通信局.indd

186

1 首都直下地震の概要想定震度分布 (23 区を中心として震度 6 強の想定 ) 首都直下地震 想定震度分布 出典 : 中央防災会議首都直下地震対策検討ワーキンググループ 首都直下地震の被害想定と対策について ( 最終報告 ) ( 平成 25 年 12 月 ) 2

< F2D81798A6D92E8817A B4C8ED294AD955C8E9197BF8BBE>

<4D F736F F D2090C389AA8CA78BE688E64D508DF492E895FB906A5F3195D22E646F63>

スライド 1

<4D F736F F D D91926E95FB82CC8D C982A882AF82E9926E906B92C CE8DF482CC95EF8A8795FB906A816995BD90AC E348C8E816A2E646F6378>

<4D F736F F D208BD98B7D92B28DB88EC08E7B95F18D908F915F96788CA42E646F63>

PowerPoint プレゼンテーション

東北地方太平洋沖地震への 気象庁の対応について ( 報告 ) 気象業務の評価に関する懇談会 平成 23 年 5 月 31 日 気象庁 1

<4D F736F F D AB290FC8BA AA89C889EF817A8B4C8ED294AD955C8E9197BF2E444F43>

東日本大震災における施設の被災 3 東北地方太平洋沖地震の浸水範囲とハザードマップの比較 4

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

22年5月 目次 .indd

東日本大震災初動期復旧期復興期創造的復興2

<4D F736F F F696E74202D E6C8D918D8793AF95F18D908F C4816A8A C55F F4390B394C52E707074>

目 次 1. 想定する巨大地震 強震断層モデルと震度分布... 2 (1) 推計の考え方... 2 (2) 震度分布の推計結果 津波断層モデルと津波高 浸水域等... 8 (1) 推計の考え方... 8 (2) 津波高等の推計結果 時間差を持って地震が

02一般災害対策編-第3章.indd

を誘発すると共に 家屋等の災害廃棄物とともに港内外水域に漂流 沈没することとなり 航路や泊地等の水域施設が使用不可能な状況となった また 押し波 引き波により 航路や泊地等の水域施設において 洗掘あるいは埋没が発生し 洗掘された箇所では 防波堤の転倒等が誘発され 埋没した箇所では 計画水深の確保のた

自動車産業マップ.indd

3. 水供給システム ( 図 7~ 図 8) 3.1 根拠データ 断水戸数: 厚生労働省 平成 年 (2 年 ) 東北地方太平洋沖地震の被害状況及び対応について の中に記載された ( 別紙 ) 水道における被害情報 の市町村別集計データおよび都県別集計データ 2/3/ :3( 報番号不明 水道産業新

災害等の特徴 東日本大震災の被害状況 平成 23 年 3 月 11 日 ( 金 )14 時 46 分頃 三陸沖を震源とする東日本大震災 ( モーメントマグニチュード 9.0 最大震度 7 宮城県栗原市 ) が発生し 東日本に甚大な被害が発生 我が国の観測史上最大規模 ( モーメントマグニチュード9.

緊急緊急消防援助隊について消防援助隊の概要 目的 地震等の大規模 特殊災害発生時における人命救助活動等を効果的かつ迅速に実施する消防の援助体制を国として確保 創設の経緯等 阪神 淡路大震災での教訓を踏まえ 平成 7 年に創設 平成 15 年 6 月消防組織法の改正により法制化 平成 16 年 4 月

重点項目表紙

(/9) 07 年に発生した地震の概要. 佐賀県の地震活動 07 年に佐賀県で震度 以上を観測した地震は 9 回 (06 年は 85 回 ) でした ( 表 図 3) このうち 震度 3 以上を観測した地震はありませんでした (06 年は 9 回 ) 表 07 年に佐賀県内で震度 以上を観測した地震

九州における 道の駅 に関する調査 - 災害時の避難者への対応を中心としてー ( 計画概要 ) 調査の背景等 道の駅 は 平成 16 年 10 月の新潟県中越地震 23 年 3 月の東日本大震災において 被災者の避難場所 被災情報等の発信や被災地救援のための様々な支援の拠点として活用されたことなどか

緊急緊急消防援助隊について消防援助隊の概要 目的 地震等の大規模 特殊災害発生時における人命救助活動等を効果的かつ迅速に実施する消防の援助体制を国として確保 創設の経緯等 阪神 淡路大震災での教訓を踏まえ 平成 7 年に創設 平成 15 年 6 月消防組織法の改正により法制化 平成 16 年 4 月

本ワーキンググループにおけるこれまでの検討事項

家族みんなの防災ハンドブック 保存版

< F2D81798E9197BF817C824F817A C8E862E6A7464>

Taro-【資料-5】①中表紙

佐賀県の地震活動概況 (2018 年 12 月 ) ( 1 / 10) 平成 31 年 1 月 15 日佐賀地方気象台 12 月の地震活動概況 12 月に佐賀県内で震度 1 以上を観測した地震は1 回でした (11 月はなし ) 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 図 1 震央分布図 (2018 年 1

< F2D E968CCC8DD08A5191CE8DF495D281458D718BF38DD0>

<4D F736F F D AE28EE88CA7817A F D8F E518B D CF092CA88CF88F589EF816A2E646F63>

平成30年度岩手県総合防災訓練

東日本大震災 (H ) 地震時の情報収集や提供に関する課題 国 地方公共団体などが連携した被災者や物資輸送者への交通関係情報の提供 大震災直後は 各管理者から別々に通行止め情報等が提供されたため 被災地までの輸送ルートの選定が困難な状況 国が集約して提供を始めたのは10 日以上過ぎた3/

<4D F736F F F696E74202D AD482C682E882DC82C682DF90E096BE8E9197BF C C C816A2E B93C782DD8EE682E890EA97705D>

平成28年4月 地震・火山月報(防災編)

アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

9 箇所名 江戸川区 -1 都道府県東京都 市区町村江戸川区 地区 清新町, 臨海町 2/6 発生面積 中 地形分類 盛土地 液状化発生履歴 近傍では1855 安政江戸地震 1894 東京湾北部地震 1923 大正関東地震の際に履歴あり 土地改変履歴 国道 367 号より北側は昭和 46~5 年 南

津波警報等の留意事項津波警報等の利用にあたっては 以下の点に留意する必要があります 沿岸に近い海域で大きな地震が発生した場合 津波警報等の発表が津波の襲来に間に合わない場合があります 沿岸部で大きな揺れを感じた場合は 津波警報等の発表を待たず 直ちに避難行動を起こす必要があります 津波警報等は 最新

<4D F736F F D208DB289EA8CA7926E88E696688DD08C7689E E D E906B814592C A8F4390B38CE32E646F6378>

資料 4 安全 安心の確保 ~ 道路の防災 震災対策 ~ Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

Microsoft PowerPoint - 06_安田HP用(永山) [互換モード]

untitled

東日本大震災被災地の現状視察報告書 ( 有 ) オトギ緑化プラン 2011 年 ( 平成 23 年 )3 月 11 日 14 時 46 分 18 秒 宮城県牡鹿半島の東南東沖 130km の海底を震源として発生した東北地方太平洋沖地震は 日本における観測史上最大の規模 マグニチュード 9.0 を記録

Microsoft PowerPoint (19H00M現在)被災状況PPT.ppt

スライド 1

<4D F736F F F696E74202D B998488CA48B8689EF8E9197BF81698E9B91F2816A205B8CDD8AB B83685D>

1 想定地震の概要南海トラフで発生する地震は 多様な地震発生のパターンが考えられることから 次の地震の震源域の広がりを正確に予測することは 現時点の科学的知見では困難です そのため 本市では 南海トラフで発生する地震として 次の2つの地震を想定して被害予測調査を行いました (1) 過去の地震を考慮し

Microsoft PowerPoint - 参考資料 各種情報掲載HPの情報共有

<323091E693F18FCD208E96914F959C8BBB82CC8EE F DF82E98FE382C582CC8AEE967B934982C88D6C82A695FB2D322E786477>

<4D F736F F D D8F D918CF091E A81408E7392B78BA68B638CE32E646F63>

2. 大規模津波防災総合訓練実行委員会設立準備会 日 場 時 : 平成 29 年 12 月 19 日 ( 火 ) 午後 1 時 30 分 ~ 午後 3 時 所 : 四日市市役所 6F 本部員会議室 準備会参加機関 : 中部管区警察局 陸上自衛隊第 10 師団海上自衛隊横須賀地方総監部 航空自衛隊中部

2019 年1月3日熊本県熊本地方の地震の評価(平成31年2月12日公表)

Microsoft Word - 復興計画案( )概要版.doc

<4D F736F F D E9197BF31817A975C91AA907D C4816A82C982C282A282C491CE8FDB926E906B82CC90E096BE2E646F63>

.....u..

第 5 部 南海トラフ地震防災対策推進計画

Microsoft Word - 資料2 第二次報告の想定結果(概要)  最終(確定).doc

<4D F736F F D2090C389AA8CA78BE688E64D508DF492E895FB906A5F3195D22E646F63>

< F2D918D8A87955C81698BE688E68BE695AA816A8CA795AA2E6A7464>

事業計画 ( 岩手県山田町 ) 1. 海岸対策 1 海岸の状況町内の地区海岸数被災した地区海岸数応急対策を実施した地区海岸数本復旧を実施する地区海岸数 8 地区海岸 8 地区海岸 3 地区海岸 8 地区海岸 2 堤防高 9 月 26 日及び10 月 20 日に堤防高を公表 重茂海岸 :T.P. 14

<4D F736F F D D938C93FA967B91E5906B8DD082C982A882AF82E C8B8C8A548BB581698E9E8C6E97F195D2816A E646F6378>

( 県の責務 ) 第三条県は 地震防災に関する総合的な施策を策定し 及びこれを実施する責務を有する 2 県は 市町村 自主防災組織その他防災関係機関等と連携して 地震防災対策を推進しなければならない 3 県は 地震に関する調査及び研究を行い その成果を県民 事業者及び市町村に公表するとともに 地震防

177 箇所名 那珂市 -1 都道府県茨城県 市区町村那珂市 地区 瓜連, 鹿島 2/6 発生面積 中 地形分類自然堤防 氾濫平野 液状化発生履歴 なし 土地改変履歴 大正 4 年測量の地形図では 那珂川右岸の支流が直線化された以外は ほぼ現在の地形となっている 被害概要 瓜連では気象庁震度 6 強

Microsoft Word - 0-1 表紙.doc

Microsoft Word - 02.H28秋 重点提言本文【合本】1110.doc

Microsoft Word - ■130212_復興みちづくりアクションプラン_報告書(素案)

<4D F736F F F696E74202D F E5906B8DD08E9E814195FA919782AA89CA82BD82B782D782AB8B40945C82CC8C9F8FD E E484B816A2E B8CDD8AB B83685D>

道路災害復旧事業 区分 H24 H25 H26 H27 H 災害復旧事業 道路事業 ( 通常事業 ) 橋りょう 26 箇所延長 1,219m 道 路 602 箇所延長 299,089m 流留垂水地区 実施設

Microsoft PowerPoint - 平成23年度ANET取組2

平成27年基準年度固定資産税標準 宅地の鑑定評価でのバランス検討体制等に関する説明会資料

Microsoft PowerPoint 「平成28年熊本地震活動記録(第17報) 案-2.pptx

3 熊野地区 被災 共助 第 3 回ワークショップの議論をもとに わが地区における地震による時系列での と それへの 共助 をまとめました 1 建物倒壊 注 1 の は活動内容を示し は活動準備を示す 老朽木造住宅面的被害木造密集市街地激しい揺れブロック塀 電柱の倒壊建物倒壊家具の転倒ガラスの飛散生

奈良県ライフライン 情報共有発信マニュアル 第 3.3 版 平成 24 年 7 月 奈良県ライフライン防災対策連絡会

Microsoft Word - 09安城中部.docx

SABO_97.pdf

2 被害量と対策効果 < 死者 負傷者 > 過去の地震を考慮した最大クラス あらゆる可能性を考慮した最大クラス 対策前 対策後 対策前 対策後 死者数約 1,400 人約 100 人約 6,700 人約 1,500 人 重傷者数約 600 人約 400 人約 3,000 人約 1,400 人 軽傷者

目次 はじめに P3 1 災害 緊急の範囲 P3 2 時間と場所を考慮した対応の必要性 P3 3 時間ごとの対応 P4 4 場所ごとの対応 P5 5 デジタルサイネージの提供コンテンツ P6 6 緊急時を意識したデジタルサイネージシステム P6 7 情報の切替 復帰の条件 P7 8 緊急運用体制 P

0

<4D F736F F D208A9890CE8D B7B8CC38D6092B28DB891AC95F12E646F6378>

SNK15[48-52].indd

04_テクレポ22_内田様.indd

1 東日本大震災での多くの被害が発生!! 平成 23 年 2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災は 三陸沖を震源としたマグニ チュード 9.0 仙台市内での最大震度 6 強 宮城野区 という巨大な地震でした 東部沿岸地域では 推定 7.1m 仙台港 もの津波により 家屋の浸水やライフラ

YG111-N YG111-N YG111-N YG111-N YG111-N YG111-N YG111-N YG111-N YG111-N YG111-N Y

事業計画 ( 岩手県久慈市 ) 1. 海岸対策 1 海岸の状況市内の地区海岸数被災した地区海岸数応急対策を実施した地区海岸数本復旧を実施する地区海岸数 7 地区海岸 6 地区海岸 2 地区海岸 6 地区海岸 2 堤防高 9 月 26 日及び10 月 20 日に堤防高を公表 久慈湾 :T.P. 8.0

平成23年東北地方太平洋沖地震の概要について

新たな津波浸水想定を踏まえた見直しの概要 資料 1-2 H23 の想定 対象断層県設置の有識者検討会設置の有識者検討会の検討の検討結果を踏まえた 4 断層 ( 日本海東縁部 能登半島東方沖 能登半島北方沖 石川県西方海東縁部 能登半島東方沖 能登半島北方沖 石川県西方沖 ) 想定の手法土木学会の手法

<4D F736F F F696E74202D20385F8DB293A1976C5F94AD955C97708CB48D DB293A1816A B8CDD8AB B83685D>

新潟中越地震における行政機関の初動対応.doc

<4D F736F F D B4C8ED294AD955C8E9197BF E894A8AFA8B7982D191E495978AFA82C982A882AF82E996688DD091D490A882CC8BAD89BB82C982C282A282C4816A48502E646F63>

南海トラフ巨大地震における TEC-FORCE 活動計画 ( 受援計画 ) の概要 別紙 P1 国土交通省では 南海トラフ巨大地震による広範囲の被害に備え 発災後速やかに全国の TEC-FORCE を被災地に派遣 支援することを規定 中部地方整備局では 迅速かつ的確な派遣と応急対策活動を実現するため

素早い避難の確保を後押しする対策として位置付けるべきものであることとされているところである 国及び関係公共団体等は 最大クラスの地震 津波に対して被害を減ずるため これらの報告で示された地震 津波対策を速やかに具体化し 推進する必要がある 主な津波対策を以下に示す (1) 強い揺れや弱くても長い揺れ

<30325F8A C55F91E D22E786477>

Transcription:

資料 -1 東日本大震災から学ぶもの 平成 23 年 6 月 9 日四国東南海 南海地震対策戦略会議 過去に経験のない規模の巨大地震 津波が発生 震源域が非常に広範囲で 強い揺れ 継続時間が長い地震動平成 23 年 (2011 年 ) 東北地方太平洋沖地震の概要 1 また 大きな余震が長期にわたり発生 平成 23 年 (2011 年 ) 東北地方太平洋沖地震 ( 東日本大震災 ) 発生日時 : 平成 23 年 3 月 11 日 ( 金 )14 時 46 分頃 震源及び規模 ( 推定 ) など ( 平成 23 年 6 月 5 日現在 ): モーメントマグニチュード Mw9.0 深さ約 24km 主な断層の長さは約 450km 幅は約 150km 破壊継続時間は約 3 分間 余震 :M7 以上 5 回 M6 以上 82 回 M5 以上 502 回

過去に経験のない規模の巨大地震 津波が発生 東日本大震災の概要 死者 行方不明者数 死者 15,355 名 行方不明者 8,281 名 (6 月 4 日現在 警察庁調べ ) 建築物被害 ( 住家 ) 全壊 10 万 9,147 棟 半壊 6 万 9,789 棟 一部破損 31 万 7,710 棟 全焼 半焼 261 棟 (6 月 4 日現在 警察庁調べ ) 避難者数 9 万 8,916 人 (6 月 4 日現在 警察庁調べ ) 46 万 8,653 人 (3 月 14 日 ( ピーク ) 時点 ) 津波による浸水面積 青森県 : 24km2 岩手県 : 58km2 宮城県 :327km2 福島県 :112km2 (4 月 18 日現在 国土地理院調べ ) 1. 巨大地震 津波からの避難 訓練通りの避難行動や機転を利かせた対応が被害を最小化した 産経新聞 (1 面 ) 平成 23 年 4 月 14 日 高知新聞夕刊 (7 面 ) 平成 23 年 5 月 27 日時事通信社配信

1. 巨大地震 津波からの避難高台への避難路や道路に設置していた避難階段などの避難施設が有効に働いた おもと いわいずみ 小本小学校津波避難階段 ( 岩手県岩泉町 ) の事例 津波避難通路 国道 45 号 産経新聞東北版 (20 面 ) 平成 23 年 3 月 21 日 小本小学校 1. 巨大地震 津波からの避難 高い建築物や高速道路等が避難場所として活用された 宮古道路 ( 岩手県宮古市 ) の事例 かねはま 大津波発生時に金浜住民が宮古道路に避難 (3 月 11 日 15 時頃 ) 避難住民約 60 人 ( 避難住民は盛土法面を駆け上がった模様 )

1. 巨大地震 津波からの避難 関係機関の連携により救援 救護 救出活動が展開され多くの命が救われた 浸水 瓦礫の中での消防 自衛隊 警察等による懸命な救出活動 消防による救出活動 ( 写真提供東京消防庁 ) 陸上自衛隊による救出活動 ( 陸上自衛隊 HP より ) 瓦礫の撤去状況 ( 名取市閖上 [ ゆりあげ ] 地区 ) 排水ポンプ車による排水状況 ( 名取市閖上 [ ゆりあげ ] 地区 ) 警察による救出活動 ( 警視庁 HP より ) 2. これまで整備してきた社会インフラの効果 高台に設けた学校や病院などの重要施設は大きな被害を免れ 避難所としても機能した おながわ 宮城県女川町の事例 女川町立病院 ( 宮城県 ) は高さ 16m の高台に位置するが 1 階まで津波が押し寄せたものの大きな被害は免れ 避難所等として機能 女川町在宅介護支援センター 女川町立病院 ( 高台 ) 女川町立病院 ( 高台 )

2. これまで整備してきた社会インフラの効果巨大津波に対しても 防波堤や防潮堤などは被害軽減に一定の効果を発揮した おおたなべ しもへいぐん ふだいむら 太田名部地区防潮堤 ( 岩手県下閉伊郡普代村 ) の事例 太田名部地区防潮堤が津波に対して決壊せず 上流にある集落への津波被害を抑えた 太田名部地区防潮堤 上流側の集落 2. これまで整備してきた社会インフラの効果 巨大津波に対しても 防波堤や防潮堤などは被害軽減に一定の効果を発揮した 釜石港防波堤の津波低減効果の事例 釜石港防波堤は被災したものの 津波に対し 津波高の低減 防波堤を越える時間の遅延 また遡上高の低減など一定の効果を発揮した 独立行政法人港湾空港技術研究所 釜石港における津波防波堤の効果 ( シミュレーション結果 ) より引用

2. これまで整備してきた社会インフラの効果交通ネットワークとして信頼性の高い高速道路は 緊急輸送路として機能した 三陸縦貫道 ( 岩手県山田町 ~ 宮城県利府町 ) の事例 りふ 命の道 として救急 救援 復旧に役だった三陸縦貫道は津波を避けて計画されており 被害を受けることなく緊急輸送路として機能した 2. これまで整備してきた社会インフラの効果平野部では盛土形式の高速道路が津波被害を抑制した わたり 仙台東部道路 ( 宮城県亘理町 ~ 仙台市宮城野区 ) の事例 海岸から海岸から4 キロ付近まで津波が押し寄せた仙台平野では 周辺より高い盛土構造 (7~10m) (7~10m) の仙台東部道路に 約仙台東部道路に 約 230 230 人の住民が避難 人の住民が避難 仙台東部道路の盛土は 内陸市街地への瓦礫の流入を抑制した 仙台東部道路付近の浸水状況 みやぎの 仙台東部道路より海側 ( 東側 ) 至仙台空港 IC 仙台東部道路 海側 仙台東部道路より陸側 ( 西側 ) 陸側 岩沼 IC 付近 至亘理 IC 仙台東部道路から陸側 ( 西側 ) は流木ゴミ等の大規模な散乱がなく被害が少ない

2. これまで整備してきた社会インフラの効果 道の駅やインターチェンジと一体で整備された周辺施設が防災拠点としての機能を発揮した 道の駅 の事例 2. これまで整備してきた社会インフラの効果 道の駅やインターチェンジと一体で整備された周辺施設が防災拠点としての機能を発揮した 南三陸町の事例 南三陸町では IC 予定地に一体的に整備された運動施設 ( スポーツ交流村 ) が 地域住民の避難所や行政 ボランティアの活動拠点として機能を発揮

2. これまで整備してきた社会インフラの効果 耐震対策や液状化対策を行っていた道路や河川堤防 港湾 空港 役場などの構造物は壊滅的被害を免れた 橋脚 ( 国道 45 号 ) 耐震補強の事例 阪神淡路大震災での道路の被害を踏まえ これまで東北管内 490 橋の耐震補強対策を実施してきた結果 落橋などの壊滅的な被害を防ぐことができ 早期復旧を実現 2. これまで整備してきた社会インフラの効果 耐震対策や液状化対策を行っていた道路や河川堤防 港湾 空港 役場などの構造物は壊滅的被害を免れた 耐震強化岸壁 ( 仙台塩釜港仙台港区 ) の事例 通常岸壁 ( 写真手前側 ) は海側に移動し 背後の荷役場に沈下などの被害が発生 これに対し 耐震強化岸壁 ( 写真奥側 ) の被害は小さかった 耐震強化岸壁 正常な岸壁法線 移動した通常岸壁

3. 迅速かつ的確な復旧 被災状況の早期把握が復旧作業に寄与した 国土地理院の対応事例 国土地理院では 地震発生直後直ちに災害対策用地図 斜め写真などの航空写真 地盤沈下などの地殻変動 浸水範囲概況図など 様々な情報を公表 被害状況の把握に貢献した 被災前 ( 昭和 50 年 9 月撮影 ) 浸水範囲概況図 ( 国土地理院 ) みなみはま 石巻市南浜町周辺の被災状況平成 23 年 3 月 12 日撮影 ( 国土地理院 ) 3. 迅速かつ的確な復旧 交通ネットワークの早期復旧により 支援 復旧活動に寄与した 交通関係の復旧状況の推移

3. 迅速かつ的確な復旧 交通ネットワークの早期復旧により 支援 復旧活動に寄与した くしの歯作戦 の事例 第 1 ステップは 3 月 12 日に確保 第 2 ステップは 3 月 12 日に 11 ルート 3 月 14 日 14 ルート 3 月 15 日に全 15 ルートの東西ルートを確保 ( 16 日から一般車両通行可 ) 第 3 ステップは 3 月 18 日までに 97%( 国道 45 号 6 号 ) が通行可能となる等 道路啓開は概ね終了 3 月 18 日より応急復旧の段階に移行 早期啓開 復旧を実現させたもの 1 骨格となる高規格な道路の存在 2 地元の建設業者の支援による早期啓開 3 内陸の事務所と業者の応援による復旧活動 4 国総研 土木研究所等の技術的支援 ( 橋梁の調査など ) 3. 迅速かつ的確な復旧交通ネットワークの早期復旧により 支援 復旧活動に寄与した 早期道路啓開の事例 国道 45 号 ( 岩手県釜石市 ) 被災状況 3 月 12 日撮影 2 車線交通路確保 3 月 12 日撮影 国道 45 号 ( 宮城県仙台市宮城野区 ~ 多賀城市 ) 被災状況 3 月 12 日撮影 2 車線交通路確保 3 月 15 日撮影

3. 迅速かつ的確な復旧 交通ネットワークの早期復旧により 支援 復旧活動に寄与した 東北地方の空港における救援輸送拠点 代替輸送拠点としての活用事例 東北地方の空港については 東日本大地震発災により仙台空港が使用不能となる中 花巻 山形 福島の 3 空港を直ちに 24 時間運用可能とすること等により 救援機の活動や 高速道路 新幹線不通の間の代替輸送拠点としての役割を果たした 3. 迅速かつ的確な復旧 全国からの支援を受けた復旧活動によりライフラインが回復 NTT グループの対応事例 日本電信電話 ( 株 ) 報道発表資料 (H23.4.27 から抜粋 ( 株 )NTT ドコモ報道発表資料 (H23.4.27) から抜粋

3. 迅速かつ的確な復旧計画的な排水作業 瓦礫処理が応急対策や早期復旧に貢献 津波による浸水 瓦礫対策の事例 排水ポンプ車の現地作業状況 瓦礫集積場へ 仙台東部地区 ( 名取川 ~ 阿武隈川 ) の浸水対策状況 橋梁上 ( 一般車通行止め ) は瓦礫を運ぶ車両の列