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目次 第 Ⅰ 編本編 第 1 章調査の目的 Ⅰ-1 第 2 章検討体制 Ⅰ-2 第 3 章自然 社会状況 Ⅰ-3 第 4 章想定地震 津波の選定条件等 Ⅰ-26 第 5 章被害想定の実施概要 Ⅰ-37 第 6 章被害想定結果の概要 Ⅰ-48 第 7 章防災 減災効果の評価 Ⅰ-151 第 8 章留意

2 被害量と対策効果 < 死者 負傷者 > 過去の地震を考慮した最大クラス あらゆる可能性を考慮した最大クラス 対策前 対策後 対策前 対策後 死者数約 1,400 人約 100 人約 6,700 人約 1,500 人 重傷者数約 600 人約 400 人約 3,000 人約 1,400 人 軽傷者

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基本

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横浜市のマンション 耐震化補助制度について

北栄町耐震改修促進計画の目的等 目的 本計画は 町民生活に重大な影響を及ぼす恐れのある地震被害から 町民の生命 財産を保護するとともに 地震による被害を軽減し 社会秩序の維持と公共の福祉に資するため 建築物の計画的な耐震化を促進することを目的とします 計画の実施期間 本計画の実施期間は 国及び県の実

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アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

H19年度

目 次 1. 想定する巨大地震 強震断層モデルと震度分布... 2 (1) 推計の考え方... 2 (2) 震度分布の推計結果 津波断層モデルと津波高 浸水域等... 8 (1) 推計の考え方... 8 (2) 津波高等の推計結果 時間差を持って地震が

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三郷市地震ハザードマップ

1 想定地震の概要南海トラフで発生する地震は 多様な地震発生のパターンが考えられることから 次の地震の震源域の広がりを正確に予測することは 現時点の科学的知見では困難です そのため 本市では 南海トラフで発生する地震として 次の2つの地震を想定して被害予測調査を行いました (1) 過去の地震を考慮し

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H19年度

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中央区耐震改修促進計画(資料編)

地震の概要 検知時刻 : 1 月 3 日 18 時分 10 発生時刻 : 1 月 3 日 18 時 10 分 マグニチュード: 5.1( 暫定値 ; 速報値 5.0から更新 ) 場所および深さ: 熊本県熊本地方 深さ10km( 暫定値 ) 発震機構 : 南北方向に張力軸を持つ横ずれ断層型 ( 速報

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<GK クルマの保険 ( 車両保険 )> ( 自動車によるあて逃げに限ります ) お客さまのおクルマは 車両保険 に加入していますか? 自動車保険の車両保険では 一般車両 もしくは 10 補償限定 のいずれでも 台風や集中豪雨による洪水の事故が対象となります 地震 噴火またはこれらによる津波 によっ

平成 30 年 4 月 9 日 01 時 32 分頃の島根県西部の地震 震度分布図 各地域の震度分布 : 震央 各観測点の震度分布図 ( 震央近傍を拡大 )

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2019 年1月3日熊本県熊本地方の地震の評価(平成31年2月12日公表)

2/9 学校 ( 幼稚園 ) 名久保小学校長江小学校土堂小学校 棟用途 棟面積第一次診断第二次診断改修改修後建築年月構造階数区分番号枝番 ( m2 ) 年度 Is 値年度 Is 値年度 普通 特別 管理教室棟 1 1 S8.1 R 3 2,950 旧基準 H H 屋内運動

鹿角市耐震改修促進計画 平成 21 年 11 月 鹿角市

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2-1 防災関連施設の現状 概ねすべての施設で耐震性能を有することを確認しているが 救急告示病院につい ては 耐震性能を確認している施設は 21 施設の内 13 施設である 区分 内容該当施設施設件数 耐震性能を有することが確認できている施設件数 防災拠点施設 医療機関 避難者滞留施設 災害拠点病院

目 次 1. 計画の概要 (1) 計画策定の趣旨... 2 (2) 計画の位置づけ... 3 (3) 計画期間 神戸市で今後発生が想定される地震規模 被害の状況 建築物の耐震化の現況と目標 3-1 住宅の耐震化 (1) 住宅全般の現況と目標... 7 (2) 市営住宅

この資料は速報値であり 後日の調査で変更されることがあります 時間帯 最大震度別回数 震度 1 以上を観測した回数 弱 5 強 6 弱 6 強 7 回数 累計 4/14 21 時 -24 時 /15 00 時 -24 時 30

第 1 章実施計画の適用について 1. 実施計画の位置づけ (1) この 南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 に基づく宮崎県実施計画 ( 以下 実施計画 という ) は 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 以下 特措法 と

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基本

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Q. 断層帯の発生確率をおしえてください A. 地震調査委員会が発表した 立川断層帯の長期評価について ( 平成 15 年 8 月 7 日 ) によりますと 下記のような発生確率がでています 今後 30 年以内の地震発生確率 : 0.5%~2%( 1, 2) 今後 50 年以内の地震発生確率 : 0

茨城県地震想定の見直しのデータ訂正について

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目次 第 1 章はじめに 1 計画の目的 1 2 熊谷市の被害想定及び地域防災計画等との関連性 2 第 2 章建築物の耐震化の現状と今後の目標 1 熊谷市のこれまでの取組による耐震化の現状 4 2 本計画における耐震化の目標 10 第 3 章建築物の耐震化の促進に関する支援 施策 1 耐震化の促進に

南海トラフ巨大地震における被害想定 ( 上水道 ) 上水道の被害想定は 津波 停電 揺れによる被害の合計であり 被災直後の断水人口は最大で 34 百万人 被害の大きい地域では最大 8 週間の復旧予測日数 (95% 復旧 ) と想定されている 上水道の被害想定 施設種類被害状況 ( 被災直後 ) 復旧

三次市耐震改修促進計画

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病院等における耐震診断 耐震整備の補助事業 (1) 医療施設運営費等 ( 医療施設耐震化促進事業平成 30 年度予算 13,067 千円 ) 医療施設耐震化促進事業 ( 平成 18 年度 ~) 医療施設の耐震化を促進するため 救命救急センター 病院群輪番制病院 小児救急医療拠点病院等の救急医療等を担

緊急緊急消防援助隊について消防援助隊の概要 目的 地震等の大規模 特殊災害発生時における人命救助活動等を効果的かつ迅速に実施する消防の援助体制を国として確保 創設の経緯等 阪神 淡路大震災での教訓を踏まえ 平成 7 年に創設 平成 15 年 6 月消防組織法の改正により法制化 平成 16 年 4 月

した 気象庁は その報告を受け 今後は余震確率の公表方法を改めることとしたという 2. 被害状況 被害要因等の分析 (1) 調査方針本委員会は 以下の調査方針で 被害調査と要因分析を行っている 1 極めて大きな地震動が作用し 多数かつ甚大な建築物被害が生じた益城町及びその周辺地域に着目して検討を進め

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第 1 章はじめに (1) 計画の目的西東京市耐震改修促進計画 ( 以下 本計画 という ) は 西東京市内の住宅 建築物の耐震診断及び耐震改修を計画的かつ総合的に促進することにより 西東京市民の生命と財産を保護し 災害に強いまちづくりを実現することを目的とする (2) 計画の位置づけ本計画は 建築

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地区概況 7-6 ( 旧 ) 平三小学校 大字 平蔵 米原 小草畑 概要市の南東部に位置し 長南町 大多喜町に接している 丘陵地と平蔵川沿いの低地からなり 丘陵地にはゴルフ場が複数立地し 低地では 民家や農地が分布する 地区を南北に国道 297 号が通り 国道 297 号沿いには小規模な造成宅地があ

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Ⅰ 地域防災計画とは 1 計画の目的 松前町地域防災計画 は 災害対策基本法に基づき 松前町の防災対策を定めたものです 今後 この計画に定めた内容を推進することによって 住民の生命 身体及び財産を災害から守ることを目的とします 2 計画の構成と内容 松前町地域防災計画 は 災害の種類を 風水害 (

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津波の怖さを知っていますか? 平成 5 年 (1993 年 ) 北海道南西沖地震では地震発生から 5 分と経たないうちに大津波が押し寄せ 死者 202 人 行方不明者 28 人などの被害が生じました ( 写真は函館海洋気象台職員撮影 ) 宮崎地方気象台

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津波警報等の留意事項津波警報等の利用にあたっては 以下の点に留意する必要があります 沿岸に近い海域で大きな地震が発生した場合 津波警報等の発表が津波の襲来に間に合わない場合があります 沿岸部で大きな揺れを感じた場合は 津波警報等の発表を待たず 直ちに避難行動を起こす必要があります 津波警報等は 最新

目 次 第 1 章耐震改修促進計画の基本方針 1 第 2 章建築物の耐震診断及び耐震改修の実施に関する目標 5 第 3 章建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための施策 13 第 4 章建築物の地震に対する安全性の向上に関する啓発及び知識の普及 23 第 5 章その他耐震診断及び耐震改修の促進に

スライド 1

昭和南海地震について ~ 昭和南海地震から 70 年 ~ 今年は 1946 年 ( 昭和 21 年 )12 月 21 日 04 時 19 分に昭和南海地震が発生してから 70 年が経過する年にあたります 昭和南海地震 (M8.0) は 和歌山県潮岬沖を震源として発生し 近畿地方や四国地方を中心に 日

地震災害、正しい知識と備え

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協定の資料 1. 番号の付け方 災害応急対策時に, 各部及び各班で利用する資料が分かるよう, 下記の規定で番号を付ける 部班連番 基準 A1 1 A: 統括部 1. 本部班 2. 情報分析班 3. 情報記録班 4. 広報班 5. 財政班 6. 渉外班 E: 建設部 1. 建設総務班 2. 応急仮設住

共同住宅の空き家について分析-平成25年住宅・土地統計調査(速報集計結果)からの推計-

素早い避難の確保を後押しする対策として位置付けるべきものであることとされているところである 国及び関係公共団体等は 最大クラスの地震 津波に対して被害を減ずるため これらの報告で示された地震 津波対策を速やかに具体化し 推進する必要がある 主な津波対策を以下に示す (1) 強い揺れや弱くても長い揺れ

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東日本大震災に係る災害等廃棄物処理事業の実地調査について

緊急緊急消防援助隊について消防援助隊の概要 目的 地震等の大規模 特殊災害発生時における人命救助活動等を効果的かつ迅速に実施する消防の援助体制を国として確保 創設の経緯等 阪神 淡路大震災での教訓を踏まえ 平成 7 年に創設 平成 15 年 6 月消防組織法の改正により法制化 平成 16 年 4 月

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第 3 章建築物の耐震化の現状と目標 3-1 広島市における想定地震及び被害の状況 (1) 想定地震及び規模 本市において想定される地震及びその規模は 広島市地震被害想定調査 ( 平成 19 年度 (2007 年度 )) から以下のとおりです 想定される地震及びその規模 想定地震 断層延長 地震規模 ( 気象庁マグニチュード ( メモ ) ) 震源深さ ( メモ ) 地震タイプ 五日市断層による地震 20km 7.0 12.5km 地殻内 己斐断層による地震 10km 6.5 12.5km 地殻内 岩国断層帯による地震 44km 7.6 10km 地殻内 安芸灘 ~ 伊予灘の地震 28km 7.25 49.6km プレート内 東南海 南海地震 - 8.5 - プレート間 地震の震源位置図 安佐北区 安佐南区 東南海 南海地震 佐伯区 五日市断層 己斐断層西区中区 東区 安芸区 南区 岩国断層帯 1905 年 安芸灘 ~ 伊予灘 2001 年 1857 年 1686 年 は, 過去に発生した地震 ( 一部 ) のおおよその震央位置 - 8 -

メモ マグニチュード (M) マグニチュードは 地震が発するエネルギーの大きさを表した指標値 マグニチュードが 1 増えるとエネルギーは約 32 倍となる マグニチュードには 7 種類あるが 日本で通常使用されるのは気象庁マグニチュードで 日本周辺で起こる地震を日本で観測したとき最も無理なく表現できるよう改良されたもの その他にモーメントマグニチュードがあるが これはより正確に地震の規模を表す指標で 地震学で広く使われている ( 資その他の地震の大きさを表す指標である 震度 ) は ある地点での地震の揺れの程度を表している 地震タイプ地球の表面は何枚かのプレート ( 板状の岩盤 ) で覆われており これらプレート間の押し合いやもぐり込み あるいはそれに伴う岩盤どうしの押し合いによって徐々に岩石にひずみが蓄積される ひずみが限界に達した時 岩盤内に急激な破壊によりエネルギーが解放され 地震が発生する 県内に被害を及ぼすと考えられる地震は 発生メカニズムの違いによって以下の3タイプに分類できる 地震タイプごとの被害地震 地震のタイプ広島県に被害を及ぼした主な地震 <プレート間 ( 海溝型 ) 地震 > フィリピン海プレートの沈み込みによるプレー 昭和 21 年 (1946 年 ) 南海地震ト間地震 安政 1 年 (1854 年 ) 安政南海地震 活動間隔が数十年 ~ 数百年と比較的短く 発生 宝永 4 年 (1707 年 ) 宝永地震すれば甚大な被害をもたらす可能性がある < 地殻内 ( 活断層型 ) 地震 > 内陸部の比較的浅い地殻に生じる いわゆる直下型の地震 プレート運動によって生じる圧縮力によって蓄 平成 12 年 (2000 年 ) 鳥取県西部地震積されたひずみエネルギーを解放するために陸 平成 7 年 (1995 年 ) 兵庫県南部地震域浅部で断層運動を生じる 明治 5 年 (1872 年 ) 浜田地震 プレート間地震に比べて規模は小さいが局地的な激震が発生する 繰り返し周期は数千年から数万年 <プレート内 ( スラブ内 ) 地震 > 平成 13 年 (2001 年 ) 芸予地震 沈み込んだフィリピン海プレート内の地震昭和 24 年 (1949 年 ) 安芸灘 海側のプレートが陸側のプレートの下に沈み込明治 38 年 (1905 年 ) 芸予地震んでいる部分 ( スラブ ) のうち 深部が破壊され安政 4 年 (1857 年 ) 芸予地震ることにより発生貞亨 2 年 (1686 年 ) 芸予地震 50 から 100 年間隔で発生慶安 2 年 (1649 年 ) 芸予地震 ( 広島県の地震防災対策のあり方 ( 平成 15 年 (2003 年 )3 月 ) から抜粋 ) 地震発生のメカニズムと地震タイプ 地殻内地震 南海トラフ : 東南海 南海地震の発生するプレートの沈み込み帯で, 細長い深海底の溝状の地形 海のプレート : 太平洋プレート 陸のプレート : ユーラシアプレート プレート間地震 プレート内地震 平成 13 年 (2001 年 ) 芸予地震出典 : 地震調査委員会 1998 日本の地震活動 < 追補版 > に加筆 - 9 -

(2) 地震被害の想定 広島市地震被害想定調査( 平成 19 年度 (2007 年度 )) では 各想定地震による本市の建物被害及び人的被害を次のように想定しています 想定地震による建物被害 ( 棟 ) 想定地震 全壊 半壊 揺れその他計揺れその他計 五日市断層による地震 17,641 8,599 26,240 49,173 7,898 57,070 己斐断層による地震 11,559 5,022 16,581 39,250 6,963 46,212 岩国断層帯による地震 2,581 3,316 5,897 18,169 4,736 22,905 安芸灘 ~ 伊予灘の地震 299 1,254 1,553 7,758 2,009 9,766 東南海 南海地震 0 395 395 118 493 611 注 -1: 全壊及び半壊の 揺れ は地震動による直接的な被害によるもので その他 は 地震により生じた現象 ( 地盤の液状化 土砂災害 津波及び火災 ( 全壊のみ )) による建物被害の合計 -2: 地震が冬の夕方 18 時に発生する場合 ( 火災による焼失棟数が最大となるケース ) で 風速 15m/ 秒の場合 -3: 小数点以下の四捨五入により合計が合わないことがあります 想定地震による人的被害 ( 人 ) 想定地震 建物倒壊等 死者 その他 合計 建物倒壊等 負傷者 その他 合計 五日市断層による地震 876 91 967 15,764 132 15,895 己斐断層による地震 572 74 647 11,640 105 11,746 岩国断層帯による地震 128 24 152 4,370 33 4,404 安芸灘 ~ 伊予灘の地震 21 19 40 1,569 24 1,594 東南海 南海地震 6 1 7 126 1 128 注 -1: 建物倒壊等は建物倒壊 屋内収容物移動 転倒による被害の合計 その他は土砂災害 火災及びブロック塀転倒による被害の合計 -2: 地震が冬の早朝 5 時に発生する場合 ( 建物倒壊等による死者が最大となるケース ) で 風速 15m/ 秒の場合 -3: 小数点以下の四捨五入により合計が合わないことがあります - 10 -

3-2 の目標設定の方針 国は 平成 17 年 (2005 年 ) の 住宅 建築物の地震防災推進会議 の提言において 東海地震等が発生した場合の死者数と経済被害額を 10 年後に平成 17 年時点の被害想定から半減させるため 多数の者が利用する建築物及び住宅の 75% を 平成 27 年までに少なくとも 90% にすべきという目標を掲げました また 県計画では 広島県地震被害想定調査 ( 平成 19 年 (2007 年 )3 月 ) で想定した地震による建物被害を半減させるために 多数の者が利用する建築物及び住宅のを平成 27 年度 (2015 年度 ) までに 90% に引き上げることを目標にしました 本市においては 国及び県計画を勘案し 直接的に地震の被害の影響を大きく受ける多数の者が利用する建築物及び住宅について の目標を設定します の目標現状目標 国 多数の者が利用する建築物 75% 住宅 75% 90% 多数の者が利用する建築物 80% 広島県住宅 72% 90% 多数の者が利用する建築物 81% 広島市住宅 80% 90% ( 参考 ) 広島市地震被害想定調査 ( 平成 19 年度 (2007 年度 )) において 平成 19 年度 (2007 年度 ) の揺れによる全壊棟数に対して 平成 27 年度 (2015 年度 ) に 90% が達成された場合の揺れによる全壊棟数の割合 ( 被害量の割合 ) を 同調査において想定した各地震について検証しており いずれも下表のとおり被害量が半減するという結果が得られています 揺れによる建物被害の割合 想定地震 平成 19 年度時点 ( ア ) 揺れによる全壊棟数平成 27 年度にが 90% になった場合 ( イ )=( ウ )+( エ ) 木造 ( ウ ) 非木造 ( エ ) 被害量割合 ( イ )/( ア ) 五日市断層による地震 17,641 8,703 7,769 934 0.49 己斐断層による地震 11,559 5,103 4,474 629 0.44 岩国断層帯による地震 2,581 1,093 922 172 0.42 安芸灘 ~ 伊予灘の地震 299 140 127 13 0.47 東南海 南海地震 0 0 0 0 注 1 小数点以下の四捨五入のため 各値を足し合わせた結果が合計値と異なるものがあります 2 全壊棟数は 平成 19 年度時点及び平成 27 年度時点のいずれについても 市内を 500m 500m のメッシュに区分し その区分毎の震度に応じて算出した全壊棟数の合計です - 11 -

3-3 多数の者が利用する建築物 住宅のの現状と目標 (1) 多数の者が利用する建築物 平成 19 年度 現状約 81% 平成 27 年度 目標約 90% ア現状多数の者が利用する建築物に該当するものは 約 6,500 棟あると推計されます このうち新耐震基準により建築された建築物が約 3,900 棟 ( 約 59%) であり 新耐震基準以前の基準により建築された建築物のうち 耐震性を有する建築物は約 1,400 棟 ( 約 21%) と推計されます 以上のことから 多数の者が利用する建築物のうち約 5,300 棟が耐震性を有していると考えられ そのは約 81% と推計されます 多数の者が利用する建築物のの推計結果 ( 平成 19 年度 (2007 年度 )) ( 棟 ) 用 途 新耐震基準以前の基準による建築物 うち耐震性のない建築物 新耐震基準 に よ る 建 築 物 合 計 (%) ( ア )= ( イ )+( ウ ) ( イ ) ( ウ ) ( エ ) ( オ )= ( カ ) ( カ )/( オ ) ( ア )+( エ ) =( イ )+( エ ) 100 学校 378 41 337 253 631 294 46.6 病院 診療所 82 35 47 153 235 188 80.0 店舗 百貨店 94 45 49 90 184 135 73.4 ホテル 旅館等 60 22 38 84 144 106 73.6 賃貸共同住宅等 1,083 836 247 2,103 3,186 2,939 92.2 事務所 526 259 267 613 1,139 872 76.6 社会福祉施設等 20 6 14 123 143 129 90.2 幼稚園 保育所 116 29 87 67 183 96 52.5 その他 290 117 173 378 668 495 74.1 合計 2,649 1,390 1,259 3,864 6,513 5,254 80.7 概数約 2,600 約 1,400 約 1,200 約 3,900 約 6,500 約 5,300 約 81 注 -1: 新耐震基準以前の基準による民間建築物のうち 耐震性のある建物は 国が行った耐震診断に関する都道府県アンケート調査 ( 平成 16 年 (2004 年 )3 月 ) 結果により推計しました -2: 建物棟数は 広島市消防局データ ( 平成 19 年 (2007 年 )10 月 ) 等を利用し算定しています - 12 -

( 参考 ) 多数の者が利用する建築物の内訳として 市有建築物のは約 68% になります 市有建築物 ( 多数の者が利用する建築物 ) の ( 平成 19 年度 (2007 年度 ))( 棟 ) 未診断分の耐震性の有無を推計した場合 新耐震基準以前の基準による建築物 ( ア )= ( イ )+( ウ ) うち耐震性のない建築物 新耐震基準 に よ る 建 築 物 ( イ ) ( ウ ) ( エ ) 合 計 (%) ( オ )= ( カ ) ( カ )/( オ ) ( ア )+( エ ) =( イ )+( エ ) 100 532 249 283 344 876 593 67.7 注 : P12 (1) 多数の者が利用する建築物と同様に 新耐震基準以前の基準による建築物で耐震診断を行っていない建築物のうち 耐震性のある建築物数を 国が行った耐震診断に関する都道府県アンケート調査 ( 平成 16 年 (2004 年 )3 月 ) 結果により推計しています 市有建築物については 広島市有建築物の耐震性向上対策ガイドライン ( 資 ) に基づき ( メモ防災拠点 ) など 災害時に要求される建築物の機能 役割 地震の特性や地盤の状況 建築物の形状等 建築物が地震動により受ける影響を考慮して 計画的に耐震診断及び耐震改修 ( 以下 耐震診断 改修 といいます ) を進めているところです メモ 防災拠点災害発生後 救出 救助 消火 救急 避難誘導 医療 救護等の災害応急対策を実施するために必要となる施設をいう 区分防災拠点が果たすべき機能防災拠点施設 ( 概要 ) 災害対応中枢拠点災害対応全般に係る中枢機能庁舎 ( 消防局庁舎含む ) 災害情報を災害対策本部と受伝庁舎 防災センター 避難場所等情報収集 連絡拠点達 市民に連絡する機能消防拠点消火 救助 救急活動機能消防署所 防災センター 消防団車庫等医療 救護機能 保健衛生の管保健所 救護所 災害拠点病院 災害協力病院 火保健 医療 救護拠点理機能 遺体を処理する機能葬場等避難スペースの提供 避難者の近隣避難場所 生活避難場所 広域避難場所避難拠点収容機能輸送拠点救援物資の集配機能市場 飛行場 港湾等救援物資 災害対策用資機材等生活避難場所となる市立小学校 防災センター等備蓄拠点保管機能災害ボランティア災害ボランティアの活動支援機まちづくり市民交流プラザ 地域福祉センター 公活動拠点能民館給水拠点飲料水 生活用水の供給機能浄水場 生活避難場所 広域避難場所等廃棄物の処理機能下水道施設 清掃工場 大型ゴミ破砕処理施設 埋廃棄物処理拠点等立地 し尿処理場 災害に強いまちづくりプラン から引用して加筆 省略 - 13 -

イ目標平成 27 年度 (2015 年度 ) までに多数の者が利用する建築物のを90% 以上とすることを目標とします このためには 今後 約 480 棟の耐震改修が必要となります 90% とするために必要な耐震改修数 ( 棟 ) H19 年度 滅失 推移 新築 H27 年度 ( 自然更新 ) 90% 達成時 必要耐震改修数 耐震性あり 1 5,254-1,300 ( ア )6,554 ( イ )7,032 全棟数 2 6,513-1,300 7,813 7,813 (%) 1/2 80.7 - - 83.9 90 耐震性なし 2-1 1,259-0 1,259 781 注 -1: 滅失については 広島県の推計値で 13 棟と少ないため 推計を省略しました -2: 新築棟数は 平成 13~17 年の 5 年間の平均 (153 棟 / 年 ) が継続するものとして推計しています 153 棟 8.5 年 (H19 年 10 月のデータによるため )=1,300 棟 ( イ )-( ア ) 478-14 -

(2) 住宅 平成 15 年度 現状約 80% 平成 27 年度 目標 90% ア現状平成 15 年 (2003 年 ) 住宅 土地統計調査 ( 総務省統計局 ) によると 市内の住宅のうち人が居住している住宅数は約 46 万戸です これを建築時期別にみると 新耐震基準により建築された耐震性のある住宅が約 30 万戸 ( 約 65%) 新耐震基準以前の基準により建築された住宅が約 16 万戸 ( 約 35%) です この新耐震基準以前の基準により建築された住宅約 16 万戸のうち 耐震性を有していると考えられる住宅は 国の推計方法に準じて推計を行うと 約 7 万戸となります 以上のことから 市内の住宅 ( 人が居住している住宅 ) のうち 耐震性を有していると考えられる住宅は約 37 万戸となり 住宅のは約 80% と推計されます 住宅の ( 平成 15 年度 (2003 年度 )) ( 戸 ) 新耐震基準以前の基準による建築物 ( ア )= ( イ )+( ウ ) うち耐震性のない建築物 新耐震基準 に よ る 建 築 物 ( イ ) ( ウ ) ( エ ) 合 計 (%) ( オ )= ( カ ) ( カ )/( オ ) ( ア )+( エ ) =( イ )+( エ ) 100 住宅 163,382 70,647 92,735 298,318 461,700 368,965 79.9 概数約 16 万約 7 万約 9 万約 30 万約 46 万約 37 万約 80 注 : 住宅の現状は 平成 15 年 (2003 年 ) 住宅 土地統計調査から 平成 15 年 (2003 年 )10 月 1 日時点の人が居住する住宅数で 湯来町のデータが明らかにされていないため旧湯来町分を含みません イ目標平成 27 年度 (2015 年度 ) までに住宅のを90% 以上とすることを目標とします このためには 今後の住宅の滅失 空き家化 新築等の動向を考慮すると 約 6,100 戸の耐震改修が必要となります 90% とするために必要な耐震改修数 ( 戸 ) H15 年度 滅失 推移 新築 H27 年度 ( 自然更新 ) 90% 達成時 必要耐震改修数 耐震性あり 1 368,965 47,977 133,460 ( ア )454,448 ( イ )460,581 全住戸数 2 461,700 83,404 133,460 511,756 511,756 (%) 1/2 79.9 - - 88.8 90 ( イ )-( ア ) 6,133 耐震性なし 2-1 92,735 35,427 0 57,308 51,175 注 : 平成 27 年度までの滅失等の推移については 住宅 土地統計調査を利用し推計しました - 15 -