金融経済概観2909

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富山県金融経済クォータリー(2018年秋)

富山県金融経済クォータリー(2018年夏)

October vol

(2) 住宅投資 住宅投資は 横ばい圏内で推移している 新設住宅着工戸数の内訳をみると 持家は 増加に転じてきている 貸家 や分譲は 水準を切り下げている (3) 設備投資設備投資は 受注や収益の好調を背景に水準を切り上げている 建設投資の先行指標である建築着工床面積 ( 非居住用 ) は 振れがあ

1 ( ) 4.1% 4.4% 4.% 1 ( ) 1.2%( ) 1.6% 3.8% 1( ) 5.6% 4, % 8 6.5% % 2 4.3% 47.8% 18.8% % 13 2, % 2.2% 13.% 218 ( ).

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( 平成 31 年 1 月判断 ) 平成 31 年 1 月 財務省北陸財務局 富山財務事務所 富山市丸の内 1 丁目 5 番 13 号 ( 富山丸の内合同庁舎 5 階 ) TEL(076) ( 財務課直通 )

道南金融経済概況2018年7月(2018年7月2日公表分)

道南金融経済概況2018年9月(2018年9月7日公表分).docx

平成 31 年 1 月 17 日東北経済産業局 管内 ( 東北 6 県 ) の経済動向 ( 平成 30 年 11 月分 ) ~ 一部に弱い動きがみられるものの 緩やかに持ち直している ~ 鉱工業生産 : 個人消費 : 住宅着工 : 公共投資 : 設備投資 : 持ち直しの動きとなっている足踏み状態とな

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道南金融経済概況2018年10月(2018年10月1日公表分)


道南金融経済概況30年11月(2018年11月6日公表分)

実体経済 物価 (1) 現状判断 関連統計の動き 生産 輸出 増加している 増加している 鉱工業生産は 4~6 月に続き 7~9 月も前期比増加した後 10 月は小幅ながら前月比減少した 業種別にみると 輸送機械は 自動車部品を中心に緩やかに増加している 電子部品 デバイス はん用 生産用機械 (

1. 総論 総括判断 県内経済は 平成 28 年 (216 年 ) 熊本地震の影響が一部に残るものの 緩やかに回復している 項目前回 (29 年 1 月判断 ) 今回 (3 年 1 月判断 ) 総括判断 平成 28 年 (216 年 ) 熊本地震の影響が一部に残るものの 緩やかに回復している 平成

関西の景気動向 2013 年 5 月株式会社日本総合研究所調査部関西経済研究センター 1. 景気の現状関西の景気は 持ち直している 輸出は 円安が進み 米国経済も回復基調をたどるなど 環境が

最近の県内経済情勢は 回復しつつある 前回 (30 年 4 判断 ) 前回比較 今回 (30 年 7 判断 ) 総括判断回復しつつある 回復しつつある 総括判断の要点 個人消費は 百貨店 スーパーで底堅いものとなっており コンビニエンスストアで堅調となっているほか ドラッグストア販売で前年を上回って

1. 総論 総括判断 県内経済は 緩やかに回復しつつある 項目前回 (3 年 4 月判断 ) 今回 (3 年 7 月判断 ) 前回比較 総括判断緩やかに回復しつつある 緩やかに回復しつつある ( 注 )3 年 7 月判断は 前回 4 月判断以降 足下 (7 月末 ) の状況までを含めた期間で判断して

管内 ( 東北 6 県 ) の経済動向 平成 28 年 8 月 12 日 < 管内の経済動向 > ~28 年 6 月の経済指標を中心として ~ 全体の動向 : 一部に弱い動きがみられるものの 緩やかに持ち直している 鉱工業生産 : 生産は一進一退となっている 個住 人宅 消着 費 : 個人消費は足踏

管内 ( 東北 6 県 ) の経済動向 平成 27 年 1 月 15 日 < 管内の経済動向 > ~26 年 11 月の経済指標を中心として ~ 全体の動向 : 緩やかな持ち直し傾向にあるものの 一部に弱い動きがみられる 鉱工業生産 : 生産は一進一退で推移している 個人消費 : 持ち直し傾向にある

1. 総論 総括判断 都内経済は 回復している 項目前回 ( 1 月判断 ) 今回 (3 年 1 月判断 ) 前回比較 総括判断回復している 回復している ( 注 )3 年 1 月判断は 前回 1 月判断以降 1 月に入ってからの足下の状況までを含めた期間で判断している ( 判断の要点 ) 個人消費

月別の売上でみると 百貨店については 夏物衣料が好調だった 7 月と一部店舗で閉店セールを行った 9 月を除いて前年同月を下回っています 一方 スーパーについては 台風の影響があった 8 月を除いて 前年同月を上回っています 1,2 1-3 平成 28 年百貨店 スーパー販売額合計 ( 北海道 :

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統計から見た三重県のスポーツ施設と県民のスポーツ行動

1. 総論 総括判断 県内経済は 緩やかに回復している 項目前回 (3 年 1 月判断 ) 今回 (3 年 4 月判断 ) 総括判断 平成 28 年 (216 年 ) 熊本地震の影響が一部に残るものの 緩やかに回復している 緩やかに回復している 前回比較 ( 注 )3 年 4 月判断は 前回 1 月

九経マンスリー ( 平成 3 年 2 月 ) 平成 3 年 4 月 12 日経済産業局 今月の管内経済動向 : 地域の経済は 緩やかに改善している 生産は横ばい傾向 輸出は 2 か月連続のマイナス 個人消費は持ち直している 雇用情勢は改善している 国内需要や海外経済の動向などを引き続き注視する必要が

< 判断の推移 > 前月今月期間 総括判断 一部に弱い動きがみられるものの 緩やかに改善 緩やかに改善 ( ) 1 か月 ( 上方修正は 7 か月ぶり ) 生産緩やかな上昇傾向 ( ) 2 か月 個人消費足踏み状態 緩やかな持ち直しの動き ( ) 1 か月 ( 上方修正は 18 か月ぶり ) 設備投

九経マンスリー ( 平成 29 年 11 月 ) 平成 3 年 1 月 16 日経済産業局 今月の管内経済動向 : 地域の経済は 緩やかに改善している 生産は横ばい傾向 輸出は13 か月連続のプラス 個人消費は持ち直している 雇用情勢は改善している 国内需要や海外経済の動向などを引き続き注視する必要

富山県金融経済クォータリー2011年春

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関西経済レポート (2019 年 9 月 ) 令和元年 (2019 年 )9 月 30 日 ~ 輸出減少が継続 インバウンド消費はプラスの伸びを維持 ~ 足元の経済情勢と当面の見通し 関西経済は輸出 生産が斑模様であるが 内需が下支えとなり底堅く推移している 企業部門では 輸出は中国経済の減速等によ

個人消費 ( やや良い ) スーパー 百貨店売高 スーパー売高は 全店ベースで前年同期を 年 月期の個人消費関連 は スーパー売高が 全店ベース ( 前年同期比.% 増 ) は 新規出 回り 既存店ベースは 前年同期を下回る 百貨店売高は前年同期を回る 店効果などにより 前年同期を回 りました 品目

< 判断の推移 > 前月今月期間 総括判断改善 2 か月 生産高水準で推移 11 か月 個人消費持ち直し 3 か月 設備投資増加 7 か月 公共投資堅調 一服感 ( ) 1 か月 ( 下方修正は 14 か月ぶり ) 住宅投資一進一退の動き 5 か月 貿 易 輸出は前年を下回り 輸入は前年を上回る 輸

関西の景気動向 2013 年 11 月株式会社日本総合研究所調査部関西経済研究センター 1. 景気の現状関西の景気は 持ち直しのペースがひところと比べて鈍化している 輸出 ( 円ベース )

< 判断の推移 > 前月今月期間 総括判断改善 22 か月 生産高水準で推移 13 か月 個人消費持ち直し 5 か月 設備投資増加 9 か月 公共投資一服感増加の動き ( ) 1 か月 住宅投資一進一退の動き 7 か月 貿易輸出 輸入とも前年を上回る - 雇 用 着実に改善しており 労働需給の引き締

各商品の動きについて 新規出店を含めた全店ベースの前年比でみると 衣料品の減少と飲食料品の増加がここ数年のトレンドとして定着しており 7 年も衣料品は減少し 飲食料品は増加した 衣料品が減少傾向にあるのは 販売形態の多様化により 購入先として衣料品専門店や通販 インターネットショッピングなどの選択肢

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1. 総論 総括判断 県内経済は 平成 7 月豪雨の影響を受けたものの 全体では緩やかに回復している 項目前回 ( 平成 7 月判断 ) 今回 ( 平成 1 月判断 ) 総括判断 平成 7 月豪雨前は 緩やかに回復していたが 現時点では まずは豪雨による地域への影響全体について十分に把握する必要があ

東京都の経済情勢報告 平成 31 年 1 月 30 日 財務省関東財務局 東京財務事務所 掲載した経済指標等については速報値を含む

管内経済概況判断の推移 ( 平成 年 月現在 ) 発表 月 月 月 月 月 月 月 前月との判断比較 総 括判断 持ち直している持ち直している持ち直している持ち直している持ち直している持ち直している 全 国 景気は 一部に改善の遅れ もみられるが 緩やかな回 復基調が続いている 景気は 緩やかな回復

第 3 節食料消費の動向と食育の推進 表 食料消費支出の対前年実質増減率の推移 平成 17 (2005) 年 18 (2006) 19 (2007) 20 (2008) 21 (2009) 22 (2010) 23 (2011) 24 (2012) 食料

概況2011年12月

1. 総論 総括判断 県内経済は 回復しつつある 項目前回 (29 年 1 月判断 ) 今回 (3 年 1 月判断 ) 前回比較 総括判断緩やかに回復しつつある 回復しつつある ( 注 )3 年 1 月判断は 前回 29 年 1 月判断以降 3 年 1 月に入ってからの足下の状況までを含めた期間で判

< 判断の推移 > 前月今月期間 総括判断改善 18 か月 生産高水準で推移 9 か月 個人消費緩やかに持ち直し 持ち直し ( ) 1 か月 ( 上方修正は 1 か月ぶり ) 設備投資増加 5 か月 公共投資持ち直しの動き 堅調 ( ) 1 か月 ( 上方修正は 7 か月ぶり ) 住宅投資一進一退の

PowerPoint プレゼンテーション

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1 概 況

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九経マンスリー ( 平成 3 年 8 月 ) 平成 3 年 1 月 1 日九州経済産業局 今月の管内経済動向 : 九州地域の経済は 緩やかに改善している 生産は横ばい傾向 輸出は 2 か月ぶりの増加 個人消費は持ち直している 雇用情勢は改善している 国内需要や海外経済の動向などを引き続き注視する必要

九経マンスリー ( 平成 3 年 9 月 ) 平成 3 年 11 月 12 日九州経済産業局 今月の管内経済動向 : 九州地域の経済は 緩やかに改善している 生産は横ばい傾向 輸出は 2 か月連続の増加 個人消費は持ち直している 雇用情勢は改善している 国内需要や海外経済の動向などを引き続き注視する

県内経済は 緩やかに持ち直している なお 足下では 自動車向けなどの受注の増加や消費者マインドの改善の声が聞かれるなど 引き続き緩やかに持ち直している 総括判断 前回 ( 7-9 月 ) 持ち直しつつある 今回 ( 1-12 月 ) 緩やかに持ち直している 前回比較 足下の動き自動車向けなどの受注の

令和元年 7 月 22 日 北陸地域の総合経済動向 ~ 一部に弱い動きがみられるものの 改善している ~ 経済概況 令和元年 5 月指標を中心として 鉱工業生産指数は 高水準で推移しているものの 一部に弱い動きがみられる 個人消費は 持ち直している 設備投資は 高水準で横ばいとなっている 住宅投資は

平成28年平均 山形市消費者物価指数

Monthly San-in Economy グラフでみる経済動向 1. 公共投資 2. 設備投資 持ち直しの動きが弱まる 公共工事請負額 ( 対前年比 ) 全産業で前年度を上回る計画 設備投資額 ( 対前年度比 ) 年度実績 18 年度計画 ( 単位 :%) 全国 18 年度計画 全

不動産経済 表紙OL

グラフで見る関西経済

北陸 短観(2019年6月調査)

北陸 短観(2016年12月調査)

北陸 短観(2019年3月調査)

高値となった後 下がり始めた 前述の通り CI 一致指数は 生産や雇用など様々な経済指標を統合し算出されている そのため CI 一致指数の上昇 下降にどの指標 が寄与しているのかについても 内閣府は詳細に発表している 表 1は 各指標がCI 一致指数に対してプラスに寄与したのか マイナスに寄与したの

< 判断の推移 > 前月今月期間 総括判断改善 16 か月 生産高水準で推移 7 か月 個人消費緩やかに持ち直し 9 か月 設備投資増加 3 か月 公共投資持ち直しの動き 6 か月 住宅投資弱含み 一進一退の動き ( ) 1 か月 ( 上方修正は 34 か月ぶり ) 貿易輸出 輸入ともに前年を上回る

< 判断の推移 > 前月今月期間 総括判断改善 17 か月 生産高水準で推移 8 か月 個人消費緩やかに持ち直し 1 か月 設備投資増加 4 か月 公共投資持ち直しの動き 7 か月 住宅投資一進一退の動き 2 か月 貿 易輸出 輸入ともに前年を上回る 輸出は前年を下回り 輸入は前年を上回 る - 雇

4月CPI~物価は横ばいの推移 耐久財の特殊要因を背景に、市場予想を上回る3 ヶ月連続の上昇

2017年夏のボーナス見通し

ニュースリリース 食品産業動向調査 : 景況 平成 3 1 年 3 月 2 6 日 株式会社日本政策金融公庫 食品産業景況 DI 4 半期連続でマイナス値 経常利益の悪化続く ~ 31 年上半期見通しはマイナス幅縮小 持ち直しの動き ~ < 食品産業動向調査 ( 平成 31 年 1 月調査 )> 日

九経マンスリー ( 平成 3 年 7 月 ) 平成 3 年 9 月 12 日九州経済産業局 今月の管内経済動向 : 九州地域の経済は 緩やかに改善している 生産は横ばい傾向 輸出は 2 か月ぶりの減少 個人消費は持ち直している 雇用情勢は改善している 国内需要や海外経済の動向などを引き続き注視する必

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2018年夏のボーナス見通し

Monthly San-in Economy グラフでみる経済動向 1. 公共投資 2. 設備投資 総じて弱い動き 公共工事請負額 ( 対前年比 ) 全産業 全産業で前年度を上回る計画 設備投資額 ( 対前年度比 ) ( 単位 :%) 16 年度 17 年度 18 年度 実績 実績 実績 計画 29

中小企業の動向

Monthly San-in Economy グラフでみる経済動向 1. 公共投資 2. 設備投資 持ち直しの動きが弱まる 公共工事請負額 ( 対前年比 ) 全産業で前年度を上回る計画 設備投資額 ( 対前年度比 ) 17 年度実績 18 年度計画 ( 単位 :%) 18 年度計画 全産業 3.9

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2 自動車登録台数 ( 台 ) 2,, 図 2 消費税導入 税率引き上げ時における自動車登録台数 ( 三重県 ) の推移 景気後退期, 6, 物品税の廃止による反動増 駆け込み需要 反動減 4, アジア通貨危機平成 9 年 5 月 ~ リーマンショック 2, 平成 9 年 月金融危機 ( 三洋 拓銀

平成10年7月8日

12月CPI

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2014~2016年度 東海経済見通し

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Economic Indicators   定例経済指標レポート

2 10 大費目指数の動き 平成 29 年の10 大費目指数の動きを寄与度でみると, 光熱 水道 は他の光熱( 灯油 ) や電気代の値上がりなどにより 0.26, 食料 は生鮮魚介, 酒類の値上がりなどにより0.23となり, この2 費目合計で0.49と, 総合指数ののび率 (0.6%) のうち約

管内経済概況判断の推移 ( 平成 年 月現在 ) 発表 月 平成 年 月 月 月 月 月 月 前月との判断比較 総 括判断 持ち直している 持ち直している 持ち直している 持ち直しているものの 足 下に北海道胆振東部地震の 影響がみられる 北海道胆振東部地震の影響により 一部に弱さがみられる 北海道

不動産経済 表紙OL

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けた この間 生産指数は 上昇傾向で推移した (2) リーマン ショックによる大きな落ち込みとその後の回復局面平成 20 年年初から年央にかけては 米国を中心とする金融不安 景気の減速 原油 原材料価格の高騰などから 景気改善の動きに足踏みが見られたが 生産指数は 高水準で推移していた しかし 平成

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労働市場分析レポート第 43 号平成 26 年 10 月 31 日 マッチング指標を用いたマッチング状況の分析 労働市場における労働力需給調整を評価するための指標として 就職率や充足率があるが 求人倍率が上昇する時には 就職率が上昇し充足率が低下するなどの動きがみられ それぞれ単独の利用には注意が必

1. 最近の札幌経済の概況 平成 26 年 7 月 - 平成 26 年 8 月の統計データをもとに 札幌経済の概況を総括しています (1) 札幌の経済概況 (3) 参考 ( 他機関の概況判断 ) 最近の札幌経済は 緩やかな持ち直し基調にあるものの 一部に弱い動きが全国の動向みられます 項目 内閣府

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Economic Indicators   定例経済指標レポート

Transcription:

日本銀行熊本支店熊本市中央区山崎町 15 番地 TEL 96-359-951 FAX 96-311-122 URL http://www3.boj.or.jp/kumamoto/index.html 日本銀行熊本支店は 本年 8 月 1 日に開設 1 周年を迎えました 熊本県の金融経済概観 (217 年 1 月 2 日 ) 1. 概況 熊本県内の景気は 地域や業種によって厳しさを残しつつも 力強い復興需要の波及を背景に 緩やかな拡大に転じつつある 先行きについては 熊本地震からの復旧 復興工事や再開発需要などが本格化していく下で 緩やかな拡大が続くと予想される 最終需要面をみると 個人消費は 生活再建需要が続く中 雇用 所得環境の改善などを背景に 堅調に推移している この間 観光はインフラ面の制約から 地域によっては厳しい状況がなお続いているが インバウンド需要をはじめ全体として 持ち直している 他方 住宅投資は 強い復旧需要を背景として 持家や貸家を中心に 目立って増加している また 公共投資も 幅広い主体で災害復旧工事が本格化する中 高水準の発注が続いている ただ 人手不足が 入札時の不調 不落をもたらしているほか 工事進捗の制約要因となっている点に変わりはない 設備投資については 被災した設備や建屋の復旧 復興計画工事が 解体の進捗や補助金交付の決定などにつれて はっきりと増加している 県内企業の直近の業況を9 月短観で確認すると 製造業を中心に一段と改善し 全産業ベースの 良い 超幅は更に拡大した ( 全産業ベース :6 月 +25 9 月 +26 12 月 < 予測 >+17) 生産面をみると 堅調なグローバル需要や復興関連需要を背景に 高水準での生産が続いている 雇用 所得面をみると 労働需給は 求職者が減少基調にある中 復旧需要に直面する企業や高操業を続ける企業からの旺盛な求人を受けて 引き続き逼迫している そうした下で 地域や職種によるミスマッチは残りつつも 雇用や所得面にも 引き続き好影響が及んでいる この間 8 月の消費者物価指数 ( 熊本市 生鮮食品を除く総合 前年比 ) は +.1% と 8か月連続で上昇した 1

2. 個人消費 個人消費は 生活再建需要が続く中 雇用 所得環境の改善などを背景に 堅調に推移している 8 月以降の百貨店 スーパー売上動向をみると 台風による客足への影響もみられたが 均してみれば 衣料品や食料品 化粧品などを中心に しっかりとした基調が続いている 8 月の乗用車の新車登録台数 ( 含む軽 ) は 雇用 所得環境の改善に新型車の発売効果が相まって 引き続き高水準となっている 家電販売の動向をみると 新居への入居に合わせた関連需要を中心に 基調はしっかりしている 他方 観光はインフラ面の制約から 地域によっては厳しい状況がなお続いているが インバウンド需要をはじめ全体として 持ち直している この間 当地発の旅行は 国内 海外ともに持ち直している 6 5 < 百貨店 スーパー売上高前年比 > 熊本 全国 < 乗用車新車登録 販売台数前年比寄与度 > 6 普通 小型乗用車軽乗用車前年比 5 4 3 4 3 215 年度 : 前年比 1.6% 216 年度 : 同 +6.5% 2 2 1 1 1 1 2 16/ 7 8 9 1 11 12 17/ 1 2 3 4 5 6 7 8 ( 注 ) 既存店ベース ( 出所 : 九州運輸局熊本支局 熊本県軽自動車協会 ) ( 出所 : 経済産業省 ) 2 16/7 8 9 1 11 12 17/1 2 3 4 5 6 7 8 8, 7, < 乗用車新車登録 販売台数 ( 年度ベース )> ( 台 ) 普通 小型乗用車軽乗用車軽乗用車比率 ( 右目盛 ) 6 55. 6, 5, 51.8 46. 5 45. 4, 41.4 4 3, 37.1 35. 2, 3 1, 25. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 11 12 13 14 15 16 ( 出所 : 九州運輸局熊本支局 熊本県軽自動車協会 ) 2 2

< 県内宿泊客数前年比 ( 四半期 )> < 県内宿泊客数 ( 暦年 )> 2 全体国内客海外客 1 9 ( 百万人 ) ( 国内 海外客別 水準 ) 海外客 国内客 15 8 1 7 6 5 5 4 3 5 2 1 1 8 7 6 5 4 3 2 13/2Q 3Q 4Q 14/1Q 2Q 3Q 4Q 15/1Q 2Q 3Q 4Q 16/1Q 2Q 3Q 4Q 17/1Q 2Q 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 11 12 13 14 15 < 県内観光客数 ( 暦年 )> < 県内日帰り客数 ( 暦年 )> ( 宿泊 日帰り客別 水準 ) ( 県内 県外客別 水準 ) ( 百万人 ) ( 百万人 ) 7 宿泊客日帰り客県外客県内客 6 5 4 3 2 1 1 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 11 12 13 14 15 7 8 9 1 11 12 13 14 15 ( 注 1) 県内宿泊客数について 四半期ベースと暦年ベースではサンプルが異なるため 計数は一致しない ( 注 2)27 年までの計数は合併前の市町村単位 28 年以降は合併後の市町村単位で集計しており 日帰り客については多少の段差が生じている ( 注 3) 宿泊客数 日帰り客数ともに外国人観光客を含む ( 出所 : 熊本県 ) 3

3. 住宅投資住宅投資は 強い復旧需要を背景として 持家や貸家を中心に 目立って増加している 8 月の新設住宅着工戸数は 持家や貸家の増加を主因に 前年をはっきりと上回った (8 月 : 前年比 +49.9% 4-8 月 : 同 +48.1%) この間 人手不足により工期の遅れが指摘されている点に変わりはないが 住宅の竣工もはっきりと増加してきている < 新設住宅着工戸数 利用関係別前年比寄与度 > 1 8 6 持家貸家分譲その他前年比 1 8 6 4 4 2 2 2 2 4 13/7-9 1-12 14/1-3 4-6 7-9 1-12 15/1-3 4-6 7-9 1-12 16/1-3 4-6 7-9 1-12 17/1-3 4-6 7-8 16/12 17/1 2 3 4 5 6 7 8 4 < 新設住宅着工戸数 ( 年度ベース )> 25, ( 戸 ) 6 215 年度 : 前年比 1.% 216 年度 : 同 +22.% 持家貸家分譲 5 2, その他 4 前年比 3 15, 2 1 1, 1 5, 89 9 91 92 93 94 95 96 97 98 99 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 11 12 13 14 15 16 ( 出所 : 国土交通省 ) 4 14 15 16 17/4 8 月 2

4. 公共投資公共投資をみると 幅広い主体で災害復旧工事が本格化する中 高水準の発注が続いている ただ 人手不足が 入札時の不調 不落をもたらしているほか 工事進捗の制約要因となっている点に変わりはない 8 月の公共工事請負金額の前年比は 県や熊本市が引き続き増加したものの 国や熊本市以外の市町村が減少したことから 全体でも減少に転じた (8 月 : 前年比 2.6% 4-8 月 : 同 +56.7%) < 公共工事請負金額 発注者別前年比寄与度 > 22 22 2 18 16 14 12 1 8 6 4 2 2 4 その他国市町村 ( 除熊本市 ) 熊本市県前年比 2 18 16 14 12 1 8 6 4 2 2 4 6 13/ 7-9 1-12 14/ 1-3 4-6 7-9 1-12 15/ 1-3 4-6 7-9 1-12 16/ 1-3 4-6 7-9 1-12 17/ 1-3 4-6 7-8 16/12 17/ 1 2 3 4 5 6 7 8 6 < 公共工事請負金額 ( 年度ベース )> 4,5 ( 億円 ) その他 ( 億円 ) 4,5 215 年度 : 前年比 8.8% 国 4, 4, 216 年度 : 同 +45.9% 市町村 ( 含熊本市 ) 県 3,5 3,5 3, 2,5 3, 2, 2,5 1,5 1, 2, 5 1,5 89 9 91 92 93 94 95 96 97 98 99 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 11 12 13 14 15 16 ( 出所 : 西日本建設業保証 ) 95 97 14 16 ( 年度平均 ) 5

5. 設備投資 ( 建設投資 ) 企業の建設投資をみると 被災した建屋などの復旧 復興計画工事が 解体の進捗や補助金交付の決定などにつれて はっきりと増加している 8 月の建築着工床面積 ( 非居住用 民間 ) は 卸売業 小売業や農林水産業を中心に 前年を上回った (8 月 : 前年比 +9.2% 4-8 月 : 同 +26.2%) < 建築着工床面積 用途別前年比寄与度 ( 非居住用 民間 )> 1 8 6 4 農林水産業製造業教育 学習支援業卸売業 小売業医療 福祉その他非居住用 民間前年比非居住用計 ( 含む公共 ) 前年比 2 2 4 6 14/1-12 15/1-3 4-6 7-9 1-12 16/1-3 4-6 7-9 1-12 17/1-3 4-6 7-8 < 建築着工床面積 ( 非居住用 ( 含む公共 ) 年度ベース )> 1,8 (k m2 ) ( 億円 ) 3,5 5 1,6 床面積工事予定額 ( 右目盛 ) 3, 農林水産業製造業教育 学習支援業卸売業 小売業 4 1,4 2,5 医療 福祉その他非居住用計前年比 3 2 1,2 2, 1 1, 1,5 8 6 < 床面積 > 215 年度 : 前年比 21.4% 216 年度 : 同 +4.3% 1, 5 1 2 4 89 9 91 92 93 94 95 96 97 98 99 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 11 12 13 14 15 16 ( 注 )215 年度の民間部門と公的部門のウエイトは88:12 ( 出所 : 国土交通省 ) 13 14 15 16 17/4-8 3 6

6. 生産生産面をみると 堅調なグローバル需要や復興関連需要を背景に 高水準での生産が続いている 目先 生産活動は高水準が続くと見込まれる 7 月の鉱工業生産は 前月から減少したものの 高水準が続いている (7 月 : 前月比 3.1% 前年比 +14.6%) 7 月の業種別の動向をみると はん用機械等 などは引き続き押し上げに寄与している一方 電気機械 がなお減少している < 鉱工業生産指数 ( 季節調整済 )> (21 年 =1) 15 ( 前期比 %) 3 14 13 12 11 生産指数 在庫指数 電気機械はん用機械等食料品輸送機械化学素材 ( 除く化学 ) その他生産指数前期比 25. 2 15. 1 5. 1 9 5. 8 1 7 12/1 4 7 1 13/1 4 7 1 14/1 4 7 1 15/1 4 7 1 16/1 4 7 1 17/1 4 7 15/4 6 7 9 1 12 16/1 3 4 6 7 9 1 12 17/1 3 4 6 7 直近は7 月 15. 2,1 (21 年 =1) < 参考 : 景気動向指数 > 35 1,8 3 1,5 25 1,2 2 9 15 6 累積指数 DI( 一致指数 ) 一致指数 (CI 右目盛 ) 1 3 5 1/1 4 7 1 11/1 4 7 1 12/1 4 7 1 13/1 4 7 1 14/1 4 7 1 15/1 4 7 1 16/1 4 7 1 17/1 4 7 直近は7 月 ( 注 )CIは参考値 シャドー部分は景気後退期を示す ( 出所 : 熊本県 ) 7

7. 雇用 所得県内の労働需給は 求職者が減少基調にある中 復旧需要に直面する企業や高操業を続ける企業からの旺盛な求人を受けて 引き続き逼迫している そうした下で 地域や職種によるミスマッチは残りつつも 雇用や所得面にも 引き続き好影響が及んでいる 8 月の熊本県の有効求人倍率は 1.65 倍 ( 季調値 ) と前月から僅かに低下したものの 既往ピークに近い高水準が続いている また 全国 (1.52 倍 < 同 >) の水準も 昨年 9 月以降 連続して上回っている 1.8 1.6 ( 倍 ) < 有効求人倍率 ( 季節調整済 )> 熊本 全国 1.4 1.2 1..8.6.4.2 6 7 8 9 1 11 12 13 14 15 16 17 ( 出所 : 熊本労働局 厚生労働省 ) 直近は8 月 4. < 雇用者所得 前年比寄与度 > ( 事業所規模 5 人以上 ) ( 事業所規模 3 人以上 ) 4. 2. 2. 2. 2. 4. 常用労働者数 名目賃金 前年比 4. 6. 6. 8. 14/7 9 1 12 15/1 3 4 6 7 9 1 12 16/1 3 4 6 7 9 1 12 17/1 3 4 6 7 ( 注 )215 年基準 ( 出所 : 熊本県 ) 8. 14/7 9 1 12 15/1 3 4 6 7 9 1 12 16/1 3 4 6 7 9 1 12 17/1 3 4 6 7 8

8. 消費者物価 8 月の消費者物価指数 ( 熊本市 生鮮食品を除く総合 前年比 ) は+.1% と 8か月連続で上昇した 内訳 ( 前年比 ) をみると 交通 通信 ( 通信 < 携帯電話機 >) や 家具 家事用品 などが下落したものの 光熱 水道 ( 灯油 ) や 住居 ( 家賃 ) などが上昇した 8 月の前年比プラス幅 (+.1%) は 交通 通信 や 家具 家事用品 を中心に 7 月 (+.2%) から僅かに縮小した < 消費者物価指数 ( 熊本市 生鮮食品を除く総合 ) 前年比 > 4. 熊本市 3. 全国 2. 1. 1. 2. 3. 8 9 1 11 12 13 14 15 16 17 直近は8 月 ( 注 )21 年 12 月までは 25 年基準 211 年 1 月 ~215 年 12 月は 21 年基準 216 年 1 月以降は 215 年基準 < 消費者物価指数 ( 熊本市 生鮮食品を除く総合 ) 前年比寄与度 > 3.5 3.5 生鮮食品を除く食料 住居 1.2 3. 3. 光熱 水道被服及び履物 家具 家事用品保健医療 1. 交通 通信 教育 2.5 2.5 教養娯楽生鮮食品を除く総合 諸雑費.8 2. 2..6 1.5 1.5.4 1. 1..2.5.5.2.5.5.4 1. 13/7 9 1 12 14/1 3 4 6 7 9 1 12 15/1 3 4 6 7 9 1 12 16/1 3 4 6 7 9 1 12 17/1 3 4 6 7 8 ( 注 )215 年 12 月までは 21 年基準 216 年 1 月以降は 215 年基準 ( 出所 : 熊本県 総務省 ) 9 1. 17/3 4 5 6 7 8.6

9. 預金 貸出 貸出約定平均金利 8 月の預金 ( 実質預金 + 譲渡性預金 ) 動向をみると 法人や個人預金を中心に しっかりと伸びているものの 前年比増加率は全国を下回っている ( 前年比 : 熊本県 +2.3% 全国 +4.4%) 他方 貸出は 全国の動きと比べても引き続き大きく伸びている ( 同 : 熊本県 +5.1% 全国 +3.2%) 内訳をみると 個人向けは住宅ローンや消費者ローンの双方が押し上げに寄与している 法人向けは 設備資金が徐々に増えてきている この間 貸出約定平均金利 ( 総合 ストックベース ) は 前月 (1.215%) から僅かに低下し 6 月の既往ボトムに並んだ (8 月 :1.21%) 1 8. 預金 < 預金 ( 実質預金 + 譲渡性預金 ) 貸出 前年比 > 貸出 6. 4. 2. 2. 7 8 9 1 11 12 13 14 15 16 17 直近は8 月 ( 注 1) 預金 貸出ともに末残ベース ( 注 2) 実質預金 = 表面預金 - 切手手形 2.6 < 貸出約定平均金利 ( 総合 ストックベース )> 2.6 2.4 2.4 2.2 2.2 2. 2. 1.8 1.8 1.6 1.6 1.4 1.4 1.2 1.2 1. 7 8 9 1 11 12 13 14 15 16 17 ( 出所 : 当店 ) 1. 16/7 1 17/1 4 7 直近は8 月 1

1. 企業倒産 8 月の企業倒産 ( 負債金額 1 百万円以上 ) は 引き続き件数 負債総額 ともに落ち着いた動きとなっている 1 8 6 4 2 ( 億円 ) < 企業倒産 ( 負債金額 1 百万円以上 )> ( 件 ) 2 負債総額倒産件数 ( 右目盛 ) 18 16 14 12 1 8 6 4 2 12/1 4 7 1 13/1 4 7 1 14/1 4 7 1 15/1 4 7 1 16/1 4 7 1 17/1 4 7 直近は8 月 < 企業倒産 ( 負債金額 1 百万円以上 暦年半期ベース )> 3,5 ( 億円 ) ( 件 ) 14 負債総額件数 ( 右目盛 ) 3, 12 2,5 1 2, 8 1,5 6 1, 4 5 2 89/ 上 92/ 上 95/ 上 98/ 上 1/ 上 4/ 上 7/ 上 1/ 上 13/ 上 16/ 上 直近は17/ 上期 ( 出所 : 東京商工リサーチ ) 以上 11