( Drug Information News )

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2 抗インフルエンザウイルス薬と異常行動の議論と今後の予定 平成 21 年に取りまとめられた報告書以降の知見を改めて報告書にまとめ 以下の議論がなされた 平成 21 年以降の非臨床研究及び 10 年に及ぶ疫学研究の科学的な知見を総括し 以下の事実から タミフル服用のみに異常行動と明確な因果関係がある

1)~ 2) 3) 近位筋脱力 CK(CPK) 高値 炎症を伴わない筋線維の壊死 抗 HMG-CoA 還元酵素 (HMGCR) 抗体陽性等を特徴とする免疫性壊死性ミオパチーがあらわれ 投与中止後も持続する例が報告されているので 患者の状態を十分に観察すること なお 免疫抑制剤投与により改善がみられた

Microsoft Word - 薬食安発1128第9号

Microsoft Word - 案1 (写).docx

Ⅰ. 改訂内容 ( 部変更 ) ペルサンチン 錠 12.5 改 訂 後 改 訂 前 (1) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本剤の作用が増強され, 副作用が発現するおそれがあるので, 併用しないこと ( 過量投与 の項参照) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本

Microsoft Word - 案9公益社団法人日本医師会長 .docx

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インフルエンザ定点以外の医療機関用 ( 別記様式 1) インフルエンザに伴う異常な行動に関する調査のお願い インフルエンザ定点以外の医療機関用 インフルエンザ様疾患罹患時及び抗インフルエンザ薬使用時に見られた異常な行動が 医学的にも社会的にも問題になっており 2007 年より調査をお願いしております

Press Release 平成 29 年 11 月 27 日 照会先 医薬 生活衛生局医薬安全対策課安全使用推進室長江野英夫 ( 内線 :2755) 課長補佐大井恒宏 ( 内線 :2748) ( 代表 )03(5253)1111 ( 直通 )03(3595)2435 報道関係者各位 小児 未成年者

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( 別添 ) インフルエンザに伴う異常な行動に関する報告基準 ( 報告基準 ) ( 重度調査 ) インフルエンザ様疾患と診断され かつ 重度の異常な行動を示した患者につき ご報告ください ( 軽度調査 ) インフルエンザ様疾患と診断され かつ 軽度の異常な行動を示した患者につき ご報告ください イン

タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg タペンタ 錠 100mg に係る 販売名 タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 有効成分 タペンタ 錠 100mg 製造販売業者 ヤンセンファーマ株式会社 薬効分類 821 提出年月 平成 30 年

葉酸とビタミンQ&A_201607改訂_ indd

5_使用上の注意(37薬効)Web作業用.indd

この薬は 細菌感染症には効果がありません この薬を予防に用いる場合は 原則としてインフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族または共同生活者である下記の人が対象となります 高齢の人 (65 歳以上 ) 慢性心疾患の人 代謝性疾患の人 ( 糖尿病等 ) 腎機能障害の人 この薬は 治療に用い

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改訂後 ⑴ 依存性連用により薬物依存を生じることがあるので 観察を十分に行い 用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること また 連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により 痙攣発作 せん妄 振戦 不眠 不安 幻覚 妄想等の離脱症状があらわれることがあるので 投与を中止する場合には 徐々に

食欲不振 全身倦怠感 皮膚や白目が黄色くなる [ 肝機能障害 黄疸 ] 尿量減少 全身のむくみ 倦怠感 [ 急性腎不全 ] 激しい上腹部の痛み 腰背部の痛み 吐き気 [ 急性膵炎 ] 発熱 から咳 呼吸困難 [ 間質性肺炎 ] 排便の停止 腹痛 腹部膨満感 [ 腸閉塞 ] 手足の筋肉の痛み こわばり

Microsoft Word - オーソ_201302_Final.docx

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4 耐性ウイルス添付文書によれば, タミフルを投与した患者の1.4%( 小児では4.5 %) に耐性ウイルス, つまりタミフルが効かないウイルスが出現しています ( 1) また, 後述のように, 乳幼児の場合は18~33% と報告されています ( 4) 2 タミフルの副作用はタミフルが承認されるまで

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2. 改訂内容および改訂理由 2.1. その他の注意 [ 厚生労働省医薬食品局安全対策課事務連絡に基づく改訂 ] 改訂後 ( 下線部 : 改訂部分 ) 10. その他の注意 (1)~(3) 省略 (4) 主に 50 歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において 選択的セロトニン再取り込み阻害剤及び

日医発第437(法安23)

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アビガン錠 200mg に係る 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 販売名 アビガン錠 200mg 有効成分 ファビピラビル 製造販売業者 富士フイルム富山化学株式会社 薬効分類 提出年月 平成 30 年 10 月 1.1. 安全性検討事項 重要な特定されたリスク 頁 重要な潜在

スライド 1

より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

インフルエンザ院内感染対策

添付文書情報 の検索方法 1. 検索条件を設定の上 検索実行 ボタンをクリックすると検索します 検索結果として 右フレームに該当する医療用医薬品の販売名の一覧が 販売名の昇順で表示されます 2. 右のフレームで参照したい販売名をクリックすると 新しいタブで該当する医療用医薬品の添付文書情報が表示され

スライド 0

第169・218回関東支部-9indd.indd

201601

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使用上の注意改訂のお知らせ スピーゲル

DRAFT#9 2011

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審査結果 平成 25 年 9 月 27 日 [ 販売名 ] アナフラニール錠 10 mg 同錠 25 mg [ 一般名 ] クロミプラミン塩酸塩 [ 申請者名 ] アルフレッサファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 25 年 5 月 17 日 [ 審査結果 ] 平成 25 年 4 月 26 日開

モビコール 配合内用剤に係る 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 販売名 モビコール 配合内用剤 有効成分 マクロゴール4000 塩化ナトリウム 炭酸水素ナトリウム 塩化カリウム 製造販売業者 EA ファーマ株式会社 薬効分類 提出年月 平成 30 年 10 月 1.1. 安全

Microsoft Word - sa_niflec_ doc

から (3) までの具体的な予定については添付 2 の図のとおりですので申し添 えます

インフルエンザ(成人)

医薬品の添付文書等を調べる場合 最後に 検索 をクリック ( 下部の 検索 ボタンでも可 ) 特定の文書 ( 添付文書以外の文書 ) の記載内容から調べる場合 検索 をクリック ( 下部の 検索 ボタンでも可 ) 最後に 調べたい医薬品の名称を入力 ( 名称の一部のみの入力でも検索可能

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資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号

Microsoft Word - JAID_JSC 2014 正誤表_ 原稿

D961H は AstraZeneca R&D Mӧlndal( スウェーデン ) において開発された オメプラゾールの一方の光学異性体 (S- 体 ) のみを含有するプロトンポンプ阻害剤である ネキシウム (D961H の日本における販売名 ) 錠 20 mg 及び 40 mg は を対象として

別紙 平成 25 年 11 月 1 日 各医療機関御中 インフルエンザ様疾患罹患時の異常行動の情報収集に関する研究班 インフルエンザ様疾患罹患時の異常行動の情報収集に関する研究に対する協力のお願いについて 時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます さて 平成 25 年度厚生労働科学研究地球規模保健課

1. 医薬品リスク管理計画を策定の上 適切に実施すること 2. 国内での治験症例が極めて限られていることから 製造販売後 一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は 全 症例を対象に使用成績調査を実施することにより 本剤使用患者の背景情報を把握するとともに 本剤の安全性及び有効性に関するデータを

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日本医薬品安全性学会 COI 開示 筆頭発表者 : 加藤祐太 演題発表に関連し 開示すべき COI 関連の企業などはありません

相互作用DB

④資料2ー2

用法・用量DB

(事務連絡)公知申請に係る前倒し保険適用通知

改訂内容 ( 部追加 改訂 部削除 ) ビ シフロール 錠, ミラペックス LA 錠 共通 改 訂 後 改 訂 前 2. 重要な基本的注意 2. 重要な基本的注意 (5) レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により 病的賭博 ( 個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず 持続的に

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ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル

標準コード一覧 平成 26 年 6 月 20 日にレセプト電算処理システム医薬品マスターに追加された商品名コードを新設しました 医科 窓口処理情報 について品名欄に記載した窓口処理情報 処 15X-XXX:XXXXXX 薬剤 は 算定アシストソフトにおいて必要な情報です 算定アシストソフトをご利用の

DI-News 06-26

2017 年 2 月 1 日放送 ウイルス性肺炎の現状と治療戦略 国立病院機構沖縄病院統括診療部長比嘉太はじめに肺炎は実地臨床でよく遭遇するコモンディジーズの一つであると同時に 死亡率も高い重要な疾患です 肺炎の原因となる病原体は数多くあり 極めて多様な病態を呈します ウイルス感染症の診断法の進歩に


オクノベル錠 150 mg オクノベル錠 300 mg オクノベル内用懸濁液 6% 2.1 第 2 部目次 ノーベルファーマ株式会社

審査結果 平成 26 年 1 月 6 日 [ 販 売 名 ] ダラシン S 注射液 300mg 同注射液 600mg [ 一 般 名 ] クリンダマイシンリン酸エステル [ 申請者名 ] ファイザー株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 25 年 8 月 21 日 [ 審査結果 ] 平成 25 年 7

平成 30 年 8 月 10 日 リポバス錠 5, 10, 20 アトーゼット配合錠 LD, MSD 株式会社 HD 競合品目 1 クレストール錠 クレストールOD 錠 アストラゼネカ 競合品目 2 リピトール錠 アステラス製薬 競合品目 3 リバロ錠 リバロOD 錠 興和 自社製品を除いた同効品で


査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

スライド 1

3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

シプロフロキサシン錠 100mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにシプロフロキサシン塩酸塩は グラム陽性菌 ( ブドウ球菌 レンサ球菌など ) や緑膿菌を含むグラム陰性菌 ( 大腸菌 肺炎球菌など ) に強い抗菌力を示すように広い抗菌スペクトルを

の状態により適宜減量する 成人 A 法 : 他の抗悪性腫瘍剤との併用において ブスルファンとして 1 回 0.8 mg/kg を生理食塩液又は 5% ブドウ糖液に混和 調製して 2 時間かけて点滴静注する 本剤は 6 時間毎に 1 日 4 回 4 日間投与する なお 年齢 患者の状態により適宜減量す

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Epilepsy2015

ビタマル配合錠 PTP 1000 錠 扶桑薬品 14 ビタミン剤 14 ビタダン配合錠 PTP 1000 錠 沢井製薬 15 造血薬 抗アレルギー薬 副腎皮質ステロイド 17 フェロ グラデュメット錠 105 mg PTP 100 錠 アボットジャパン プランルカストカプセル

減量・コース投与期間短縮の基準

1 新規採用医薬品 薬事委員会の決定による医薬品採用の開始 一般名 薬効等 開始日 オキシコンチン TR 錠 5mg オキシコドン塩酸塩水和物持続性癌疼痛治療剤 平成 0 年 7 月 19 日 ( 木 ) 取扱い中止医薬品 取扱い中止予定薬品の詳細については 随時 医療情報端末に掲載しています 掲載

会長 日本製薬団体連合会会長 日本一般用医薬品連合会会長 米国研究製薬 工業協会会長 欧州製薬団体連合会会長及び一般社団法人日本医薬品卸業連合 会会長あてに発出することとしているので申し添えます

- 医薬品の適正使用に欠かせない情報です 必ずお読みください - 効能又は効果 用法及び用量の一部変更 使用上の注意改訂のお知らせ 平成 23 年 5 月 劇薬 処方せん医薬品 ( 注意 - 医師等の処方せんにより使用すること ) エタンブトール製剤 エタンブトール塩酸塩錠 このたび 標記製品の 効

H27ヒヤリ・ハット年報本文.indb

Microsoft Word H26年度岡部研究班協力依頼通知

DRAFT#9 2011

審査結果 平成 23 年 4 月 11 日 [ 販 売 名 ] ミオ MIBG-I123 注射液 [ 一 般 名 ] 3-ヨードベンジルグアニジン ( 123 I) 注射液 [ 申請者名 ] 富士フイルム RI ファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 22 年 11 月 11 日 [ 審査結果

使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) 1 2X X 重要な基本的注意 1TNF 2TNF TNF 3 X - CT X 4TNFB HBsHBcHBs B B B B 5 6TNF 7 8dsDNA d

デベルザ錠20mg 適正使用のお願い

Microsoft Word _ソリリス点滴静注300mg 同意説明文書 aHUS-ICF-1712.docx

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標準コード一覧 平成 26 年 12 月 11 日にレセプト電算処理システム医薬品マスターに追加された商品名コードを新設しました 医科 窓口処理情報 について品名欄に記載した窓口処理情報処 15X-XXX:XXXXXX 薬剤 は 算定アシストソフトにおいて必要な情報です 当ソフトをご利用でないお客様

301128_課_薬生薬審発1128第1号_ニボルマブ(遺伝子組換え)製剤の最適使用推進ガイドラインの一部改正について

第1回肝炎診療ガイドライン作成委員会議事要旨(案)

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301226更新 (薬局)平成29 年度に実施した個別指導指摘事項(溶け込み)

日産婦誌58巻9号研修コーナー

ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

2010年4月16日、高血圧治療薬の「ユニシア配合錠」が製造承認を取得した

( 別添 ) 御意見 該当箇所 一般用医薬品のリスク区分 ( 案 ) のうち イブプロフェン ( 高用量 )(No.4) について 意見内容 <イブプロフェン ( 高用量 )> 本剤は 低用量製剤 ( 最大 400mg/ 日 ) と比べても製造販売後調査では重篤な副作用の報告等はない 一方で 今まで

Microsoft Word - 387号2017.3月.doc

Transcription:

(Drug Information News) NO.406 2018 年 10 月 徳山医師会病院薬局 TEL:0834-31-7716 FAX:0834-32-5349 e-mail:yaku2@tokuyamaishikai.com 薬局ウェフ サイト http://hospital.tokuyamaishikai.com/introduce_list/ より 薬局 をクリック 今回より DI ニュースの記載順等を変更することと致しました 今後もより見やすく わかりやすい内容となるよう改良できればと思っております ご意見などがありましたら徳山医師会病院薬局までご連絡頂ければ幸いです 宜しくお願い申し上げます 1. インフルエンザ治療薬について 徐々に気温も下がり インフルエンザが流行する季節になってきました インフルエンザウイルスに感染した場合 約 1~3 日の潜伏期間の後 インフルエンザを発症します 続く約 1~3 日では 突然の 38 以上の 高熱 や全身倦怠感 食欲不振などの 全身症状 が強く現れます やや遅れて 咳やのどの痛み 鼻水などの 呼吸器症状 が現れ 腰痛や悪心などの 消化器症状 を訴えることもあります 通常は 10 日前後で症状が落ち着き 治癒します 今回はインフルエンザ治療薬についてまとめてみたいと思います 図 1 抗インフルエンザ薬の使用状況 ( 年齢別 ) 406-1

2011/2012 年シーズンにおいて迅速診断キットで A 型あるいは B 型と診断された登録症例は 1343 例でした 年齢層別に使われた抗インフルエンザ薬をみると 0-4 歳ではタミフルが 96% 5-9 歳ではタミフルが 58% リレンザが 31% 10-19 歳ではリレンザが 56% イナビルが 34% 20-59 歳ではタミフルが 42% イナビルが 33% 60 歳以上ではタミフルが 53% イナビルが 24% などとなっていました これらの症例のうち培養で診断が確定した症例について 抗インフルエンザ薬の投与から解熱までの時間を調べたところ A/H3N2 では タミフルが 27.7±14.3 時間 (80 例 ) リレンザが 27.5±18.8 時間 (71 例 ) イナビルが 28.1±16.0 時間 (101 例 ) ラピアクタが 27.7±30.1 時間 (9 例 ) でした また B 型については タミフルが 37.8±27.5 時間 (25 例 ) リレンザが 31.6±17.9 時間 (28 例 ) イナビルが 38.5±23.7 時間 (24 例 ) でした ( ラピアクタは症例が少なく B 型については解析外 ) 図 2 薬剤投与から解熱までに要した時間 新薬について 2018 年 3 月に販売開始された新薬である ゾフルーザ についても紹介したいと思います 効果効能 A 型又は B 型インフルエンザウイルス感染症 用法用量 通常, 成人及び 12 歳以上の小児には,20mg を 2 錠又は顆粒 4 包を単回経口投与 ただし, 体重 80kg 以上の患者には 20mg を 4 錠又は顆粒 8 包を単回経口投与 従来のインフルエンザ治療薬との違いこれまで使われてきた治療薬は ノイラミニダーゼ阻害剤 という種類で 細胞内で増えたウイルスが細胞から外に出るプロセスをはばむことで 周りの細胞に感染が広がっていくのを防ぎます 一方 ゾフルーザは キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害剤 と呼ばれる種類の薬で 細胞内でのウイルスそのものが増えないようにする働きがあります 406-2

効果は? 2016 年から 2017 年にかけ 12~64 歳のインフルエンザ患者約 1440 人を対象にした最終段階の臨床試験 ( 第三相試験 ) で 薬の効果や副作用を検証しました 1 発熱や関節痛 喉の痛みといったインフルエンザの症状が出ている期間 2ウイルスが体から消えるまでの期間 などを ゾフルーザを飲んだグループ プラセボ ( 偽薬 ) のグループ もしくはタミフルを飲んだグループと比べました 1の 症状が出ている期間 ( 中央値 ) はゾフルーザが 53.7 時間でタミフルと同じ程度の長さでしたが 2のウイルスが消えるまでの時間 ( 同 ) は ゾフルーザが 24.0 時間 タミフルが 72.0 時間と ゾフルーザの方が かなり早い時期に消えました 有害な副作用については プラセボと同じ程度の出現率で タミフルと比べても低いという結果が出ました ゾフルーザを飲んでも症状がなくなるまでの時間はタミフルと比べてそれほど変わらないかもしれませんが ウイルスが体から早く消えるのはゾフルーザの方がずっと早いので その分 他人に移してしまうことを減らすことができます 家族内や学校 職場でのウイルスの広がりを抑えられると考えられます しかし 薬価の問題があります ゾフルーザ 10 mg 1507.5 円 / 錠ゾフルーザ 20 mg 2394.5 円 / 錠これはリレンザやタミフルを 5 日間服用するよりも高い値段となってしまいます 値段は高いですがやはり 1 回だけの服用でいいというのは大きなポイントとなってきます インフルエンザ治療薬としてゾフルーザをメインに使用する日も近いかもしれません また 現在は錠剤 2 規格での発売となっていますが 顆粒も発売準備中となっています ( ただし 顆粒に関しては体重が 10kg~20kg の小児には現時点では適応が通っていません ) 最後に 現在発売されている抗インフルエンザウイルス薬について次頁にて表にまとめてみます 406-3

現在発売中の抗インフルエンザウイルス薬一覧 一般名 オセルタミビル リン酸塩 ラニナミビル オクタン酸エステル ザナミビル 水和物 ペラミビル 水和物 バロキサビル マルボキシル 商品名タミフルイナビルリレンザラピアクタゾフルーザ 剤形カプセル DS 吸入点滴錠剤 含有量 ( 規格 ) 薬価 治療に要する薬価 ( 成人 ) 作用機序 インフルエンザ型 用法用量 備考 成人 小児 75mg/ カプセル 30mg/g 272 円 / カプセル 200.2 円 /g 20mg/ キット 5mg/ フ リスター 2139.9 円 / キット 147.1 円 / フ リスター 300mg/ 袋 150mg/V 6216 円 / 袋 3338 円 /V 10mg/ 錠 20mg/ 錠 10mg:1507.5 円 20mg:2394.5 円 2,720 円 4,279.8 円 2,942 円 6,216 円 4,789 円 ( 成人及び体重 37.5kg 以上の小 児 )1 回 75mg を 1 日 2 回 5 日間 ( 体重 37.5 kg以 下の小児 ) ト ライシ ロッフ :1 日 2 回 1 回 2 mg /kg(max75 mg / 回 ) を 5 日間 腎機能障害患者 は減量が必要 ノイラミニダーゼ阻害 40 mgを単回吸入 10 歳未満の場合 20mg を単回吸入 10 歳以上の場合 40mg を単回吸入 1 回の吸入でタ ミフル 5 日間投 与に相当 A 型 B 型 1 回 10 mgを 1 日 2 回 5 日間吸入 本剤投与後に気 管支攣縮や呼吸 機能の低下がみ られたという報 告がある 300 mgを 15 分以上かけて 単回点滴静注 1 日 1 回 10 mg /kg を 15 分以上かけ て単回点滴静注 (max600 mg / 回 ) 腎機能障害患者 は減量が必要 1 回の点滴でタ ミフル 5 日間投 与に相当 キャップ依存性 エンドヌクレア ーゼ阻害 成人及び 12 歳以 上の小児 20mg2 錠を単回 経口投与 12 歳未満で 体重 40kg 以上は 20mg2 錠 20kg 以上 40kg 未 満は 20mg1 錠 10kg 以上 20kg 未 満は 10mg1 錠を それぞれ単回経 口投与 タミフル 5 日間 投与と比べ 単 回服用で症状消 失までの期間は 同程度 ウイルス消失ま での期間は 1/3 参考文献 : ハフポスト日本版ニュース 日経メディカル PMDA 406-4

2. 薬事委員会結果報告 9 月開催分 先発品から後発品への切り替え予定医薬品 内服薬 外用薬 品名 ( 後発品 ) 薬価薬効同一成分薬品 ( 先発品 ) 薬価 イルアミクス配合錠 LD 46.30 長時間作用型 ARB+ 持続性 Ca 拮抗薬 アイミクス配合錠 LD 115.80 テラムロ配合錠 AP 47.50 胆汁排泄型持続性 AT1 受容体フ ミカムロ配合錠 AP 107.60 テラムロ配合錠 BP 72.00 ロッカー + 持続性 Ca 拮抗薬ミカムロ配合錠 BP 162.80 カデチア配合錠 HD 54.10 持続性 ARB+ 利尿薬エカード配合錠 HD 118.80 ゲンタマイシン硫酸塩軟膏 0.1% ヘパリン類似物質油性クリーム 0.3% 7.1 アミノク リコシト 系抗生物質ゲンタシン軟膏 11.30 5.3 血行促進 皮膚保湿 ヒルドイドソフト軟膏 0.3% 内服薬 4 剤はそれぞれ AG( オーソライズドジェネリック ) となります ランソプラゾール OD 錠は トーワ より AG である 武田テバ へ採用変更となりました 22.20 常備中止医薬品 在庫数は 9 月末時点の数です 品 名 在庫数 薬効 理由 同種同効薬 ツムラ 28 越婢加朮湯エキス顆粒 0 ツムラ 88 二朮湯エキス顆粒 0 内服薬ツムラ 114 柴苓湯エキス漢方製剤使用が少ないため 0 顆粒 ツムラ 137 加味帰脾湯エキス顆粒 0 外用薬フラヒ タン眼軟膏 0.1% 0 補酵素型 VB2 製剤使用が少ないため フラヒ タン点眼液 0.005% ネオダルムゾル 0 X 線造影剤 使用していない バムスター S100 リゾビスト注 0 MRI 用造影剤使用していない注射薬エルシトニン注 20S 後発品採用してい 10 本骨粗鬆症治療剤ラスカルトン注 20 ディスポるため 3.Q&A コーナー 9 月分 ソル コーテフの溶解後の安定性は? 24 時間 それ以上経過するとヒドロコルチゾンコハク酸エステルがヒドロコルチゾンとコハク酸に分解し 水に不溶な沈殿を生じる アボルブは簡易懸濁可能か? 粘膜刺激性がある また 内容物も油性なので勧められない ノルスパンテープで異常行動が生じることはあるか? ある 406-5

オキシコンチンを透析患者へ使用する場合の注意点は? 透析除去率は 22% 通常の 1/3~1/2 量で投与開始すること 短期間での急激な用量調節は行わないようにする ネオフィリンからテオフィリンへ変更する際の対比量は? アミノフィリン中にテオフィリンは 84~86% 含有されている よって ネオフィリンの約 8 割の量でテオフィリンを投与することで同等の結果が得られると 思われる アリセプトからイクセロンパッチへ変更する場合の投与量はどうすれば良いか? 基本的に 切り替えの場合でも初期投与量からの開始となる イクセロンパッチは 4.5mg から開始する方法と 9mg から開始する方法の 2 種あるので どちらでも良いが 消化器症状等が気になるのであれば 4.5mg から開始すると良い SGLT-2 阻害剤の効果比較について 薬剤名 用量 (mg) 体重 (kg) HbA1c(NGSP)(%)52 週間ベースライン変化量 スーグラ 50~100-3.52 7.93-0.51 フォシーガ 5~10-2.58 7.53-0.66 ルセフィ 2.5~5-2.68 7.67-0.50 アプルウェイテベルザ 20-3.06 7.83-0.67 カナグル 100-4.42 7.84-0.80 ジャディアンス 25-3.12 7.92-0.86 4. 添付文書の改訂について トラマール OD 錠 ( 日本新薬 ) トラムセット配合錠 ( ヤンセンファーマ ) 及びレクサプロ錠 ( 持田製薬 ) の 併用禁忌 に追記がありました ( 下線部追記箇所 ) 併用禁忌 薬剤名等臨床症状 措置方法機序 危険因子 モノアミン酸化酵素阻害剤セレギリン塩酸塩エフピーラサギリンメシル酸塩アジレクト 省略 省略 406-6

5. 医薬品安全対策情報 Drug Safety Update No.273(2018.10) 添付文書の改訂 最重要と 重要のうち 当院採用薬 ( 臨時採用も含む ) のみを記載 アマンタジン塩酸塩 ( アマンタジン塩酸塩錠 細粒 サワイ / 沢井 ) [ 重大な基本的注意 ] A 型インフルエンザウイルス感染症 に本剤を用いる場合抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無又は種類に関わらず インフルエンザ罹患時には 異常行動を発現した例が報告されている 異常行動による転落等の万が一の事故を防止するための予防的な対応として 1 異常行動の発現のおそれがあること 2 自宅において療養を行う場合 少なくとも発熱から 2 日間 保護者等は転落等の事故に対する防止対策を講じること について患者 家族に対し説明を行うこと なお 転落等の事故に至るおそれのある重度の異常行動については 就学以降の小児 未成年者の男性で報告が多いこと 発熱から 2 日間以内に発現することが多いこと が知られている 意識障害 ( 昏睡を含む ) 精神症状 ( 幻覚 妄想 せん妄 錯乱等 ) 痙攣 ミオクロヌス 異常行動 : 意識障害 ( 昏睡を含む ) 精神症状 ( 幻覚 妄想 せん妄 錯乱等 ) 痙攣 ミオクロヌスがみられることがある このような場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと 特に腎機能が低下している患者においてあらわれやすいので注意すること 因果関係は不明であるものの インフルエンザ罹患時には 転落等に至るおそれのある異常行動 ( 急に走り出す 徘徊する等 ) があらわれることがある スルタミシリントシル酸塩水和物 ( ユナシン錠 / ファイザー ) オセルタミビルリン酸塩 ( タミフルカプセル / 中外製薬 ) 中毒性表皮壊死融解症 (Toxic Epidermal Necrolysis:TEN) 皮膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson 症候群 ) 急性汎発性発疹性膿疱症 剥脱性皮膚炎 : 中毒性表皮壊死融解症 皮膚粘膜眼症候群 急性汎発性発疹性膿疱症 剥脱性皮膚炎があらわれることがあるので 観察を十分に行い このような症状があらわれた場合には投与を中止し 適切な処置を行うこと [ 警告 ] 削除 10 歳以上の未成年の患者においては 因果関係は不明であるものの 本剤の服用後に異常行動を発現し 転落等の事故に至った例が報告されている このため この年代の患者には 合併症 既往歴等からハイリスク患者と判断される場合を除いては 原則として本剤の使用を差し控えること また 小児 未成年者については 万が一の事故を防止するための予防的な対応として 本剤による治療が開始された後は 1 異常行動の発現のおそれがあること 2 自宅において療養を行う場合 少なくとも 2 日間 保護者等は小児 未成年者が一人にならないよう配慮することについて患者 家族に対し説明を行うこと なお インフルエンザ脳症等によっても 同様の症状が現れるとの報告があるので 上記と同様の説明を行うこと 406-7

[ 重要な基本的注意 ] 追記 抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無又は種類にかかわらず インフルエンザ罹患時には 異常行動を発現した例が報告されている 異常行動による転落等の万が一の事故を防止するための予防的な対策として 1 異常行動の発現のおそれがあること 2 自宅において療養を行う場合 少なくとも発熱から 2 日間 保護者等は転落等の事故に対する防止対策を講じること について患者 家族に対し説明を行うこと なお 転落等の事故に至るおそれのある重度の異常行動については 就学以降の小児 未成年者の男性で報告が多いこと 発熱から 2 日間以内に発現することが多いこと が知られている 精神 神経症状 異常行動 : 精神 神経症状 ( 意識障害 譫妄 幻覚 妄想 痙攣等 ) があらわれることがあるので 観察を十分に行い 異常が認められた場合には投与を中止し 症状に応じて適切な処置を行うこと 因果関係は不明であるものの インフルエンザ罹患時には 転落等に至るおそれのある異常行動 ( 急に走り出す 徘徊する等 ) があらわれることがある ペラミビル水和物 ( ラピアクタ点滴静注液バッグ / 塩野義製薬 ) [ 重大な基本的注意 ] [ 重大な副作用 ( 類薬 )] 削除 抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無又は種類に関わらず インフルエンザ罹患時には 異常行動を発現した例が報告されている 異常行動による転落等の万が一の事故を防止するための予防的な対応として 1 異常行動の発現のおそれがあること 2 自宅において療養を行う場合 少なくとも発熱から 2 日間 保護者等は転落等の事故に対する防止対策を講じること について患者 家族に対し説明を行うこと なお 転落等の事故に至るおそれのある重度の異常行動については 就学以降の小児 未成年者の男性で報告が多いこと 発熱から 2 日間以内に発現することが多いこと が知られている 異常行動 : 因果関係は不明であるものの インフルエンザ罹患時には 転落等に至るおそれのある異常行動 ( 急に走り出す 徘徊する等 ) があらわれることがある 異常行動 ラニナミビルオクタン酸エステル水和物 ( イナビル吸入粉末剤 / 第一三共 ) [ 重大な基本的注意 ] 追記 抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無又は種類に関わらず インフルエンザ罹患時には 異常行動を発現した例が報告されている 異常行動による転落等の万が一の事故を防止するための予防的な対応として 1) 異常行動の発現のおそれがあること 2) 自宅において療養を行う場合 少なくとも発熱から 2 日間 保護者等は転落等の事故に対する防止対策を講じること について患者 家族に対し説明を行うこと なお 転落等の事故に至るおそれのある重度の異常行動については 就学以降の小児 未成年者の男性で報告が多いこと 発熱から 2 日間以内に発現することが多いこと が知られている 異常行動 : 因果関係は不明であるものの インフルエンザ罹患時には 転落等に至るおそれのある異常行動 ( 急に走り出す 徘徊する等 ) があらわれることがある 406-8