第7期豊田市高齢者保健福祉計画 介護保険事業計画 素案 豊 田 市
目 次 第1章 計画の策定にあたって... 1 I 計画策定の背景... 1 1 進展する超高齢社会の中での新たな社会モデルの構築に向けて... 1 2 共生社会の実現 地域包括ケアシステムの深化に向けて... 3 3 計画の位置づけ... 4 4 計画の対象... 4 5 計画の期間... 4 II 計画の策定方法... 5 1 計画の策定体制... 5 2 ニーズ等の把握... 6 第2章 高齢者を取り巻く現状... 8 I 本市における高齢者の現状... 8 1 高齢者の現状... 8 2 要支援 要介護認定者の現状...12 II 日常生活圏域における高齢者の現状...14 1 日常生活圏域の設定...14 2 圏域別の高齢者 認定者の現状...15 III 将来推計...19 1 人口 高齢者数の将来推計...19 2 要支援 要介護認定者数の将来推計...22 IV 市民ニーズ等のまとめ...25 1 アンケート結果...25 2 意見交換会...27 V 計画改定のポイント...28 第3章 計画の基本的な考え方... 29 I 計画の目指す姿...29 II 計画の体系...30 III 重点施策...34 1 地域共生の推進...34 2 医療 福祉の連携強化...36 3 介護人材の確保 育成...38 i
第4章 具体的な事業の展開... 40 I 総合的な地域支援体制の強化と社会資源の効果的な活用...40 1 見守り 支え合いの充実...40 2 地域共生の推進...45 3 地域包括支援センターの機能強化...46 4 権利擁護...50 5 認知症施策の推進...52 6 事業ごとの実績...55 II 医療 介護サービスの提供体制の確保と人材の確保 育成...57 1 医療 福祉の連携強化...57 2 介護人材の確保 育成...57 3 事業ごとの実績...57 III 健康づくり 生きがいづくりの推進...58 1 身近な地域での健康づくりの推進...58 2 地域における居場所づくりの推進...60 3 高齢者の能力活用の充実と活力向上...62 4 事業ごとの実績...65 IV 地域における生活支援の推進...67 1 生活支援...67 2 家族介護支援...70 3 移動支援...72 4 住まいの支援...75 5 事業ごとの実績...78 第5章 介護保険事業... 80 I 介護保険制度の仕組み...80 II 介護保険サービスについて...82 1 居宅サービス...82 2 地域密着型サービス...86 3 施設サービス...90 4 特別給付 おむつ購入費の支給...92 5 地域支援事業...93 III 施設整備計画...96 1 基本方針...96 2 施設整備目標...97 IV 第1号被保険者の介護保険料...98 ii
1 介護保険料収納必要額の見込み...98 2 介護保険料の算定...104 V 的確な事業運営に向けて... 110 1 より利用しやすい制度の構築... 110 2 介護給付適正化... 112 第6章 計画の推進にあたって... 114 1 推進体制の整備... 114 iii
第1章 第1章 I 計画の策定にあたって 計画の策定にあたって 計画策定の背景 1 進展する超高齢社会の中での新たな社会モデルの構築に向けて 2015 平成27 年10月1日現在 我が国の65歳以上の高齢者人口は3,387万人 総人 口に占める割合 高齢化率 は約27 となっています 認定率 第1号被保険者数に占める要支援 要介護認定者数の割合 が高くなる75歳以 上の後期高齢者人口をみると 団塊の世代すべてが後期高齢者となる2025年には2,180万 人と現在より500万人以上増加する見込みです また 2040年にはいわゆる団塊ジュニア 世代が65歳以上になるなど 人口の高齢化は今後さらに進展することが見込まれています 生産年齢人口が減少していく一方で 高齢者世帯に占める単身 夫婦のみ世帯の割合の 上昇 認知症の人の増加などから 支援や介護に対するニーズは 一層 拡大 多様化し ていくものと考えられます 支援や介護を必要とする高齢者を社会全体でどのように支え ていくか 新たな社会モデルを構築することが求められています 図表1-1 全国の後期高齢者数等の推移 [千人] 77,282 80,000 [ ] 74,058 71,701 40.0 68,754 64,942 59,777 60,000 55,845 52,750 30.0 23.7 40,000 17.8 12.8 20,000 19.6 19.2 20.2 21.4 22,392 22,767 14.9 16,322 18,720 21,800 22,884 22,597 20.0 24,170 10.0 0 0.0 2015年 (平成27 年) 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年 75歳以上 後期 15 64歳 生産 高齢者 人口 年齢 人口 2045年 2050年 後期高齢化率 出典 国立社会保障 人口問題研究所 日本の将来推計人口 出生中位(死亡中位)推計 2017年推計 1
Ⅰ 計画策定の背景 豊田市は 2017年10月1日現在 65歳以上の高齢者数は93,390人 高齢化率は21.9 また 後期高齢者数は40,110人 後期高齢化率は9.4 となっており 全国と比べて遅れ て推移しているものの ほぼ同様の傾向となっています 本計画では 2025年までの見通しを立てるため 中長期的なサービス量や給付費 介護 保険料の水準も推計しています 下図のとおり 本市の介護保険サービスの提供に必要な介護給付費は 高齢者やサービ ス量の増加に伴い 2018年で約223億円 2025年には約318億円に達することを見込んで います この介護給付費に応じて 第7期における介護保険料基準月額は5,200円を見込んでおり 2025年では7,200円まで上昇すると見込んでいます 今後の介護保険制度の持続可能性を高めるためには 各サービスの充実とともに 重点 化や効率化も非常に重要になっています 図表1-2 本市の介護保険料 介護給付費の実績と将来推計 [億円] 500 7,200円 400 300 3,838円 200 111.3 3,838円 135.5 4,280円 4,800円 5,200円 318.3 222.5 6,000 4,000 186.7 161.7 [円] 8,000 2,000 100 0 0 2006年 2009年 2012年 2015年 2018年 第3期 第4期 第5期 第6期 第7期 介護給付費 [億円] 2025年 介護保険料額 [円] 出典 豊田市資料 介護給付費は 標準給付費と地域支援事業費の合計値 2
第1章 計画の策定にあたって 2 共生社会の実現 地域包括ケアシステムの深化に向けて 超高齢者社会に対応するため 介護保険制度の持続可能性を維持しながら 自助 共 助 公助 それぞれの力を高め 連携していく上で 地域共生社会 と 地域包括ケア システム の実現が基盤です 地域共生社会とは あらゆる住民が役割を持ち 支え合いながら自分らしく活躍できる コミュニティ 地域 を育成し 公的な福祉サービスと共働して 助け合いながら暮らす ことのできる社会のことです 支援 サービスの担い手として 介護 医療の専門スタッ フ 近隣住民からNPO 民間企業などはもちろん 時には支えられる側が支える側にまわ る 支え合い が欠かせません 例えば 介護を受けている人でも 家事を手伝う 留守 番や見守りをする サロンやデイサービスで話し相手になったり 雰囲気を盛り上げるな ど 支え手としての様々な可能性を持っています 地域包括ケアシステムとは 重度な要介護状態となっても 可能な限り住み慣れた地域 で 自分らしい暮らしができるよう 心身の状態や生活環境の変化に応じて 住まい 医 療 介護 介護予防 生活支援 の5つの要素を 組み合わせて 切れ目なく 提供 していく体制のことです 本市においても 第6期計画 2015~17年度 において 介 護予防 生活支援サービスの充実 在宅医療 介護連携の推進 認知症に対する早期対 応の推進 介護人材の確保 を重点取組事業としてその充実を図るなど 地域包括ケアシ ステムの深化に取り組んでいるところです 豊田市内においても 団塊の世代が後期高齢者となる2025年に向け 地域共生社会の実 現 地域包括ケアシステムの深化が重要な意味を持つとの認識に基づき 各取組を展開し ます 地域包括ケアシステムの姿 介護 医療 病院 日常の医療 かかりつけ医 地域の連携病院 歯科医療 薬局 通所 入所 通院 入院 特別養護老人ホーム 老人保健施設 ヘルパー事業所 デイサービス事業所 等 住まい 訪問 訪問 自宅 サービス付き高齢者向け住宅 等 地域包括支援センター 参加 訪問 地域包括ケアシステムは おおむね 30 分以内に必要なサービスが提供 され る体制のことで 市では 団塊 自治区 ボランティア 高齢者クラブ NPO等 生活支援 介護予防 3 の世代が 75 歳に到達する 2025 年 までに構築することを目指しています
Ⅰ 計画策定の背景 3 計画の位置づけ 本計画は 老人福祉法第20条の8の規定に基づく 市町村老人福祉計画 と 介護保険 法第117条の規定に基づく 市町村介護保険事業計画 とを一体化したものです 第7期計画は 上位計画である 第8次豊田市総合計画 や市の関連計画 国 愛知県と の整合性を図るとともに 第6期計画の成果等を十分検討した上で策定しました 図表1-3 計画の位置づけ 国 愛 知 県 豊 田 市 第8次 豊田市 総合計画 老人福祉法 介護保険法 等 第7期愛知県高齢者健康福祉計画 愛知県医療計画 第7期 豊田市高齢者保健福祉計画 介護保険事業計画 豊田市地域福祉計画 健康づくり豊田21計画 豊田市障がい者計画 豊田市 障がい福祉計画 4 計画の対象 第7期計画の対象者は 豊田市民及び介護保険の被保険者であり 主に65歳以上の高齢 者が対象です 5 計画の期間 介護保険事業計画は介護保険法第117条第1項により3年を1期として定められていま す 従って 第7期計画については2018 平成30 年度から2020年度までの3か年を計 画期間とします なお 第7期計画は 第6期計画までの取組を踏まえるとともに 団塊の世代 が後期 高齢者となる2025年を見据え 人口 要支援 要介護認定者 以下 認定者 という の数 介護保険料等については2025年度までの推計を行い 中期的な視点を持った計画と します 4
第1章 計画の策定にあたって II 計画の策定方法 1 計画の策定体制 1 豊田市社会福祉審議会高齢者専門分科会 介護保険事業をはじめ高齢者保健福祉事業の運営については 幅広い関係者の協力を得 て 豊田市の実情に応じたものとすることが求められます このため 学識経験者 医療 関係者 介護保険事業関係者 公募市民等による 豊田市社会福祉審議会高齢者専門分科 会 において 計画策定にかかる審議を行いました 2 庁内体制 庁内における高齢者保健福祉施策全体の調整を図るため 福祉部長を議長とする 豊田 市高齢者保健福祉計画 介護保険事業計画策定会議 を設置し 保健 福祉 生きがい等 計画の具体的な事項に関して各部門の意見や情報の集約を行いました また 計画原案の作成にあたって関係各課と検討を重ねました 図表1-4 計画の策定体制 豊田市社会福祉審議会 高齢者専門分科会 学識経験者 介護保険事業関係者 地域関係団体 諮 医療関係者 福祉団体 公募市民 問 豊田市長 答 申 検 討 豊田市 豊田市高齢者保健福祉計画 介護保険事業計画 策定会議 市 福祉部長 福祉部副部長 地域包括ケア企画課長 総務監査課長 福祉総合相談課長 生活福祉課長 障がい福祉課長 高齢福祉課長 市民活躍支援課長 保 総務課長 地域保健課長 意 事務局 介護保険課 検 意見収集 討 ワーキンググループ 介護保険課 関係課 5 見 民 関係団体等
Ⅱ 計画の策定方法 2 ニーズ等の把握 1 高齢者等実態調査 計画の策定にあたって 在宅介護支援のニーズ 医療 介護 住まい 生活支援 介護 予防に関する支援 サービスの実態 そのあり方に関する意見等を把握するために 2016 年9月から10月に 介護保険の認定者と それ以外の40歳以上の市民 高齢者を対象にア ンケートを実施しました また 関係機関 団体の施策に対するニーズを調査するため 2016年9月から12月にか けて 介護サービス事業所 ケアマネジャー 地域包括支援センター 自治区長 民生委 員 単位高齢者クラブ会長 認知症介護家族会を対象にアンケートを実施しました 結果については P25 26を参照してください 図表1-5 市民 認定者調査の回収結果 配布数 人 回収数 人 回収率 市民 1,500 746 49.7% 高齢者 3,000 2,124 70.8% 認定者 3,000 1,894 63.1% 調査の種類 市民 40 64歳の 要支援 要介護と認定されていない 人 高齢者 65歳以上の 要支援 要介護と認定されていない 人 認定者 要支援 要介護と認定されている人 図表1-6 事業所 関係機関 団体調査の回収結果 配布数 人 回収数 人 回収率 145 117 78.6% 107 26 26 100.0% 自治区長 315 265 84.1% 民生委員 591 487 82.4% 高齢者クラブ 227 161 70.9% 8 調査の種類 事業所 ケアマネジャー 地域包括支援センター 認知症介護家族会 70事業所に 依頼 家族会に 依頼 6
第1章 計画の策定にあたって 2 意見交換会 計画の策定にあたって 共助について市民と議論を深めるため 地域での助け合い活動 に向け動き出している市民福祉大学OB会と 地域共生社会の実現を目指して身近な総合 相談窓口を展開している高岡地区 竜神地区地域ケア会議 において意見交換会を開催し ました 結果については P27を参照してください 図表1-7 意見交換会の開催状況 調査の種類 市民福祉大学OB会 地域ケア会議 竜神地区 開催日 2017年 9月9日 2017年 9月29日 参加者 18人 30人 7 テーマ より多くの人が助け合い活動に参加するた めに より多くの人が助け合い活動に参加するた めに