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東京都新宿区四谷本塩町 14-3 TEL: 03-5919-9341 URL:http://www.tdb.co.jp 第 4 回 : 新電力会社 ( ) の実態調査 電力小売り全面自由化から倍増 はじめに 東日本大震災以降 新規参入が相次いでいた新電力事業 2016 年 4 月 1 日からは 電力小売り の全面自由化が実現するとともに 小売電気事業者 の登録が義務化された 特定規模電気事業 者 (PPS) と比べ 登録に際しては電力供給量の確保など様々な要件を満たす必要があるが 既に電力販売実績のある大手企業や 電力事業への意欲の高いベンチャー企業が参入するなど 競争は過熱している そうしたなかで 8 月 8 日には 新電力会社の福島電力 ( 株 ) が債権者から の申し立ての後に破産開始決定を受けており 新電力会社 ( ) の経営状況が 注目されている 帝国データバンクでは 経済産業省 資源エネルギー庁の に登録され た全国 508 社 (2018 年 8 月 9 日時点 ) について 自社データベースである企業概要ファイル C OSMOS2 (147 万社収録 ) などを基に 都道府県別 設立時期 業種別 年売上高別 上場 区分別等に集計 分析した 同様の調査は 2016 年 3 月 31 日に続き 4 回目となる 調査結果 ( 要旨 ) 1. は全国に 508 社 電力小売り全面自由化が始まった 2016 年 4 月から 約 2 倍に増加 本社所在地を都道府県別に見ると 東京都 (188 社 構成比 37.0%) が最 多 2. 設立時期を見ると 2015 年 (64 社 構成比 12.6%) が最多となった 3. 業種別では 電気事業所 を含む その他 (171 社 構成比 33.7%) が最多 サービス 業 (71 社 同 14.0%) 卸売業 (58 社 同 11.4%) が続いた 4. 年売上高別では 10 億円以上 100 億円未満 (127 社 構成比 25.0%) が最多 ~ 電気事業所 が大幅増加 ~ 5. 上場区分を見ると 未上場企業が 463 社 ( 構成 比 91.1%) となり 全体の 9 割を超えた 6. 電力販売実績があるのは 374 社 ( 構成比 73.6%) で 特定規模電気事業者 ( 構成比 14.8%) と比べ 大幅に増えている 電力販売実績 (2016 年 4 月 ~2018 年 5 月 ) なし 26.4% あり 73.6% 経済産業省 資源エネルギー庁発表の 電力需要実績 を基に TDB が作成 1

第 4 回 : 新電力会社 ( ) の実態調査 1. 都道府県別 ~ 東京都 が 188 社で最多 ~ 2018 年 8 月 9 日時点で経済産業省に届け出がある は全国に 508 社 特 定規模電気事業者から枠組みの変更が行われた 2016 年 4 月 1 日直前の調査では 266 社であった ことから この期間で登録者数は約 2 倍に増加している 本社所在地を都道府県別に見ると 東京都 (188 社 構成比 37.0%) が最多 以下 大阪府 福岡県 北海道 神奈川県 が続いた また 地域別で見ると 関東 (250 社 構成比 49.2%) が最多で以下 近畿 九州 の順 社数上位の都道府県 地域 社数 構成比構成比構成比順位都道府県社数順位都道府県社数 北海道 18 3.5 1 東京都 188 37.0 1 東京都 264 33.0 東北 29 5.7 2 大阪府 39 7.7 2 大阪府 56 7.0 関東 250 49.2 3 福岡県 26 5.1 3 愛知県 46 5.8 北陸 8 1.6 4 北海道 18 3.5 4 福岡県 44 5.5 中部 44 8.7 4 神奈川県 18 3.5 5 北海道 35 4.4 近畿 69 13.6 6 埼玉県 17 3.3 6 神奈川県 23 2.9 中国 24 4.7 7 愛知県 16 3.1 7 兵庫県 22 2.8 四国 9 1.8 8 千葉県 13 2.6 8 千葉県 21 2.6 九州 57 11.2 9 兵庫県 12 2.4 8 鹿児島県 21 2.6 合計 508 100.0 9 鹿児島県 12 2.4 10 岡山県 16 2.0 10 広島県 16 2.0 2. 設立時期 ~2015 年が 64 社で最多 ~ 設立時期を見ると 2010 年までに設立された企業が 269 社 ( 構成比 53.0%) となり半数以上を 占めた 前回調査時の特定規模電気事業者においては 2011 年の東日本大震災以降 再生可能エ ネルギーの導入機運が高まり 新規参入が増加 電力小売り全面自由化直前の 2015 年までその傾 向が続いた 一方で今回のでは 事業者としての登録が必要になる事を受け て 2015 年以降に新設する動きが増加 単年での設立社数は 2015 年の 64 社 ( 構成比 12.6%) が 最多となっている 設立時期 設立時期 社数 構成比構成比設立時期社数 ~2010 年 269 53.0 ~2010 年 515 64.8 2011 年以降 239 47.0 2011 年以降 280 35.2 2011 年 8 1.6 2011 年 35 4.4 2012 年 15 3.0 2012 年 62 7.8 2013 年 14 2.8 2013 年 47 5.9 2014 年 23 4.5 2014 年 65 8.2 2015 年 64 12.6 2015 年 70 8.8 2016 年 55 10.8 2016 年 1 0.1 2017 年 49 9.6 合計 795 100.0 2018 年 11 2.2 設立時期未詳の4 社除く 合計 508 100.0 2

第 4 回 : 新電力会社 ( ) の実態調査 3. 業種別 ~ 電気事業を主業とするのは 24%~ 508 社の主業を帝国データバンクの分類する業種別に見ると 電気事業所 ガス事業所 発 電所 を含む その他 (171 社 構成比 33.7%) が最多 以下 サービス業 (71 社 同 14.0%) 卸売業 (58 社 同 11.4%) 小売業 (44 社 同 8.7%) と続いた また 業種の詳細を見る と 最多は 電気事業所 ( 123 社 同 24.2%) で 4 社に 1 社が主業としていることが判明 次 いで 有線テレビ放送 (27 社 同 5.3%) 石油卸 (23 社 同 4.5%) 燃料小売 ( 23 社 同 4.5%) ガス事業所 ( 20 社 同 3.9%) などが上位を占めた 前回調査時の特定規模電気事業者においては 44 社 構成比 16.5% であった 電気事業所 が 大幅に増加しており 従来は主業が別にあり 新規事業として電力事業に取り組んでいた先が多 かったのに対し 近時は新電力事業を目的に設立された場合や 電力事業を主業としている企業 が増加している状況が分かる 社数上位の業種細分類 業種 社数 構成比構成比構成比業種社数業種細分類社数 建設業 19 3.7 建設業 121 15.1 電気事業所 123 24.2 製造業 13 2.6 製造業 33 4.1 有線テレビ放送 27 5.3 卸売業 58 11.4 卸売業 162 20.3 石油卸 23 4.5 小売業 44 8.7 小売業 95 11.9 燃料小売 23 4.5 運輸 通信業 13 2.6 運輸 通信業 11 1.4 ガス事業所 20 3.9 サービス業 71 14.0 サービス業 97 12.1 不動産業 2 0.4 不動産業 21 2.6 その他 171 33.7 その他 102 12.8 未詳 117 23.0 未詳 157 19.6 4. 年売上高別 ~100 億円未満の比率低下 ~ 508 社を年売上高別に見ると 10 億円以上 100 億円未満 (127 社 構成比 25.0%) が最多 以下 100 億円以上 1000 億円未満 (83 社 同 16.3%) 1 億円以上 10 億円未満 (61 社 同 12.0%) と続いた 未詳 は 164 社 ( 構成比 32.3%) となった 特定規模電気事業者と比較すると 年売上高 100 億円以上の企業数はほとんど変化がないのに 対し 100 億円未満の企業数は半数以下に減少しており 売上規模の大きい企業の占める比重が増 している状況が分かる 年売上高 社数 構成比構成比年売上高社数 1 億円未満 20 3.9 1 億円未満 63 7.9 1 億 ~10 億円未満 61 12.0 1 億 ~10 億円未満 157 19.6 10 億 ~100 億円未満 127 25.0 10 億 ~100 億円未満 202 25.3 100 億 ~1000 億円未満 83 16.3 100 億 ~1000 億円未満 82 10.3 1000 億円以上 53 10.4 1000 億円以上 53 6.6 未詳 164 32.3 未詳 242 30.3 3

第 4 回 : 新電力会社 ( ) の実態調査 5. 上場区分別 ~ 未上場企業が 9 割超 ~ 508 社の上場区分を見ると 未上場企業が 463 社 ( 構成比 91.1%) にのぼり 90% を超えた これに対し 上場企業は 45 社 ( 同 8.9%) と 1 割未満にとどまった 上場区分 社数 構成比構成比上場区分社数 未上場 463 91.1 未上場 747 93.5 上場 45 8.9 上場 52 6.5 6. 電力販売実績 小売電気事業者登録状況 ~ 販売実績 あり が大幅増加 ~ 経済産業省 資源エネルギー庁発表資料を基に集計したところ 508 社のうち 2018 年 5 月までの時点で電力販売実績があるのは 374 社 ( 構成比 73.6%) 前回調査の特定規模電気事業者では 販売実績があったのは全体の 14.8% であったことと比較すると 大幅に増加している また 前回調査時の特定規模電気事業者 (799 社 ) のうち 8 月 9 日時点で小売電気事業者への登録を済ませているのは 217 社 ( 構成比 27.2%) にとどまった 電力小売り全面自由化後 特定規模電気事業者の 7 割以上が事実上電力事業から撤退している可能性がある 電力販売実績 (2016 年 4 月 ~2018 年 5 月 ) 特定規模電気事業者 (799 社 ) 小売電気事業者への登録状況 なし 26.4% 登録あり 27.2% あり 73.6% 登録なし 72.8% 経済産業省 資源エネルギー庁発表の 電力需要実績 を基に TDB が作成 4

第 4 回 : 新電力会社 ( ) の実態調査 7. 今後の見通し東日本大震災以降 注目度の高まった新電力事業 従前の枠組みである特定規模電気事業者 (P PS) から 2016 年 4 月より小売電気事業者への登録が必要になり 業界環境は変化している 今回の調査でも 電力小売り全面自由化直前の 2015 年に新電力会社の設立が集中 以降もベンチャー企業が多数設立されていることが判明した また PPS 時代と違い 副業としての電力事業ではなく 電力事業を主業に据える企業が 3 倍近くにのぼっており 電力販売実績のある企業も大幅に増加するなど 文字通り 新電力会社 が市場に浸透してきていることが分かった 半面 売上高が 100 億円を超えるような大手企業の比率は高く 価格面での競争も激しくなる一方だ また 新興の新電力会社にとって一番の課題となるのが電力の安定供給であり 現状各社はバランシンググループなどを組織してリスク低減に努めているが 不足した場合に発生するインバランス料金は大きな負担となっている 破産した福島電力のように 急激な事業拡大に内部体制 資金面が追いつかずに破綻するケースは今後も発生する可能性が高い スタートして間もなく実績に乏しい企業が多いだけに 新興電力会社を中心に慎重な信用判断が求められ 引き続き動向に注目する必要があるだろう 内容に関する問い合わせ先 ( 株 ) 帝国データバンク東京支社情報部瓦田真人 TEL 03-5919-9341 FAX 03-5919-9348 e-mail:masato.kawarada@mail.tdb.co.jp 当レポートの著作権は株式会社帝国データバンクに帰属します 当レポートはプレスリリース用資料として作成しております 報道目的以外の利用につきましては 著作権法 の範囲内でご利用いただき 私的利用を超えた複製および転載を固く禁じます 5