1 首都直下地震の概要想定震度分布 (23 区を中心として震度 6 強の想定 ) 首都直下地震 想定震度分布 出典 : 中央防災会議首都直下地震対策検討ワーキンググループ 首都直下地震の被害想定と対策について ( 最終報告 ) ( 平成 25 年 12 月 ) 2

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東日本大震災 (H ) 地震時の情報収集や提供に関する課題 国 地方公共団体などが連携した被災者や物資輸送者への交通関係情報の提供 大震災直後は 各管理者から別々に通行止め情報等が提供されたため 被災地までの輸送ルートの選定が困難な状況 国が集約して提供を始めたのは10 日以上過ぎた3/

目 次 1 首都直下地震の被害想定 2 中央省庁のBCPの概要 3 職員の参集の必要性と留意点 2

アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

首都直下地震における道路啓開計画について また 生存率が極端に落ちるとされる災害発生後 72 時間を意識し 発災後 48 時間以内に各方向最低 1 ルート啓開することを目標としている 1.3 JICEの主な検討内容 ( 首都直下 ) 道路啓開計画は 計画の概要 事前の備え 発災後の対応 今後の課題よ

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第 2 項交通応急対策 災害時には 道路 橋梁等の道路施設が被災するとともに 倒壊建物 がれき等による障害物や 緊急車両 一般車両による交通渋滞が発生し 緊急輸送等に支障をきたすおそれがある 町民等の避難 災害応急対策員の輸送および救助 救護のための資材 物資の輸送を確実に行うため 迅速かつ適切に交

平成 28 年熊本地震における対応 平成 28 年熊本地震 ( 前震 :4/14 本震 :4/16) において 電力 ガス等の分野で供給支障等の被害が発生 関係事業者が広域的な資機材 人員の融通を実施するなど 迅速な復旧に努めた結果 当初の想定よりも 早期の復旧が実現 また 復旧見通しを早い段階で提

( ウ ) 交通管制被災区域への車両の流入抑制及び緊急交通路を確保するための信号制御等の交通管制を行う (3) 警察官 自衛官及び消防吏員による措置命令警察官は 通行禁止区域等において 車両その他の物件が緊急通行車両の通行の妨害となることにより災害応急対策の実施に著しい支障が生じるおそれがあると認め

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目次 はじめに P3 1 災害 緊急の範囲 P3 2 時間と場所を考慮した対応の必要性 P3 3 時間ごとの対応 P4 4 場所ごとの対応 P5 5 デジタルサイネージの提供コンテンツ P6 6 緊急時を意識したデジタルサイネージシステム P6 7 情報の切替 復帰の条件 P7 8 緊急運用体制 P

資料1 受援計画策定ガイドラインの構成イメージ

1 基本的な整備内容 道路標識 専用通行帯 (327 の 4) の設置 ( 架空標識の場合の例 ) 自 転 車 ピクトグラム ( 自転車マーク等 ) の設置 始点部および中間部 道路標示 専用通行帯 (109 の 6) の設置 ( 過度な表示は行わない ) 専 用 道路標示 車両通行帯 (109)


第 2 章横断面の構成 2-1 総則 道路の横断面の基本的な考え方 必要とされる交通機能や空間機能に応じて, 構成要素の組合せ と 総幅員 総幅員 双方の観点から検討 必要とされる道路の機能の設定 通行機能 交通機能アクセス機能 滞留機能 環境空間 防災空間 空間機能 収容空間 市街地形成 横断面構

2 被害量と対策効果 < 死者 負傷者 > 過去の地震を考慮した最大クラス あらゆる可能性を考慮した最大クラス 対策前 対策後 対策前 対策後 死者数約 1,400 人約 100 人約 6,700 人約 1,500 人 重傷者数約 600 人約 400 人約 3,000 人約 1,400 人 軽傷者

資料 2-3 超大規模防火対象物等における自衛消防活動に係る訓練の充実強化方策 ( 案 ) 平成 30 年 10 月 31 日 事務局

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各府省からの第 1 次回答 1. 災害対策は 災害対策基本法に規定されているとおり 基礎的な地方公共団体である市町村による第一義的な応急対応と 市町村を包括する広域的な地方公共団体である都道府県による関係機関間の総合調整を前提としている を活用してもなお対応できず 人命又は財産の保護のため必要がある

大阪市防災 減災条例 目次第 1 章総則 ( 第 1 条 - 第 3 条 ) 第 2 章本市の責務 ( 第 4 条 - 第 7 条 ) 第 3 章市民の責務 ( 第 8 条 ) 第 4 章事業者の責務 ( 第 9 条 ) 第 5 章災害予防 応急対策 ( 第 10 条 - 第 25 条 ) 第 6

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緊急緊急消防援助隊について消防援助隊の概要 目的 地震等の大規模 特殊災害発生時における人命救助活動等を効果的かつ迅速に実施する消防の援助体制を国として確保 創設の経緯等 阪神 淡路大震災での教訓を踏まえ 平成 7 年に創設 平成 15 年 6 月消防組織法の改正により法制化 平成 16 年 4 月

資料 1 3 小規模附属物点検要領 ( 案 ) の制定について Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

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油漏洩 防油堤内 にて火災発生 9:17 火災発見 計器室に連絡 ( 発見 者 計器室 ) 発見後 速やかに計 器室に連絡してい る 出火箇所 火災の状況及び負傷者の発生状況等を確実に伝え 所内緊急通報の実施 火災発見の連絡を受 けて速やかに所内 緊急通報を実施し 水利の確保 ( 防災セ ンター 動

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第 5 部 南海トラフ地震防災対策推進計画

スマートICの事業費の基準について

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1 見出し1

2. 都市計画道路にかかる事業費の推移 本市の都市計画道路にかかる事業費 街路事業費 は 過去 10 年では平均約 27.5 億円となっ ています 百万 4,000 3,500 3,000 2,500 2,000 1,500 1, 街路事業費 決算額 の推移 H17 年度 ~H26 年

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スライド 1

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

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(第14回協議会100630)

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第 3 号様式 ( 第 3 条関係 ) 不燃化推進特定整備地区整備プログラム 品川区 豊町 丁目 二葉 3 4 丁目及び西大井 6 丁目地区 平成 25 年 11 月第 1 回変更認定平成 27 年 10 月第 2 回変更認定平成 29 年 3 月 品川区

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東京事務所版 BCP 実施要領目次応急頁 < 第 1グループ> 直ちに実施する業務 1 事務所における死傷者の救護や搬送 応急救護を行う一時的な救護スペースの設置 運営 備蓄の設置 医療機関への搬送 1 2 事務所に緊急避難してきた県民や旅行者等への対応 避難 一次避難スペースの運営 指定避難所への

序章 計画改定の背景 足立区では 昭和 57 年 3 月に 大地震による火災から区民の生命と財産を守る た め 足立区防災まちづくり基本計画 を策定し この計画に基づき各種事業を展開し てきました その後 平成 7 年 1 月 17 日に発生した阪神 淡路大震災では 密集市街地に被害が 集中し 改め

先行的評価の対象とするユースケース 整理中. 災害対応に関するユースケース. 健康に関するユースケース. 移動に関するユースケース. 教育に関するユースケース. 小売 物流に関するユースケース 6. 製造 ( 提供した製品の保守を含む ) に関するユースケース 7. 農業に関するユースケース 8.

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1 検査の背景 我が国の防災の基本法として災害対策基本法 ( 昭和 36 年法律第 223 号 ) が制定されている 同法によれば 内閣府に中央防災会議を置くとされ 同会議は 災害予防 災害応急対策及び災害復旧の基本となる防災基本計画の作成 その実施の推進 防災に関する重要事項の審議をそれぞれ行うな

建築物等震災対策事業について

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(3) 東京都が掲げている目標を確実に達成するには 延焼遮断帯の形成やその主要な要素である特定整備路線の整備 老朽木造建築物の除去等の施策をより強制力をもって展開することが必要であり 一定の私権の制限もやむを得ないと考える その際 移転や住替えを余儀なくされる住民へ移転先をしっかりと確保するなど き

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昨年9月、IOC総会において、東京が2020年のオリンピック・パラリンピック競技大会の開催都市に決定し、日本中が歓喜の渦に包まれた

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1 首都直下地震対策の具体的な推進 ( 提案要求先内閣官房 内閣府 国土交通省 ) ( 都所管局総務局 政策企画局 ) (1) 首都直下地震等の災害から住民の生命と財産を守るとともに 首都機能への打撃を最小限にとどめるため 財政上の措置を実 施するなど 首都直下地震対策を具体的に推進すること (2)

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地震発生後の九州地方整備局の活動 4 月 16 日の夜明け 本震の後に再度調査を実施しておりま す その際は 道路崩壊の調査 土砂崩壊の箇所の調査 被 災地に入るための安全ルートの確認等を実施しております 次に九州地方整備局の活動について紹介させていただき ます まず最初に地震発生後の初動体制につい

( 県の責務 ) 第三条県は 地震防災に関する総合的な施策を策定し 及びこれを実施する責務を有する 2 県は 市町村 自主防災組織その他防災関係機関等と連携して 地震防災対策を推進しなければならない 3 県は 地震に関する調査及び研究を行い その成果を県民 事業者及び市町村に公表するとともに 地震防

目 次 Ⅰ はじめに... 1 Ⅱ 対策の前提とする外力 被害想定について... 3 Ⅲ 南海トラフ巨大地震対策の基本的方向 主な課題と課題への対応の考え方 対策を推進するための枠組の確立... 8 Ⅳ 具体的に実施すべき対策 事前防災

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大規模災害対策マニュアル

2 計画 ( 素案 ) からの主な変更点 1 はじめに頁主な変更点 1 これまでの経緯に 不燃化特区補助制度の指定 地区計画と都市防災不燃化促進事業の導入についての記載を追加 また 大和町中央通り沿道地区は 平成 26 年に不燃化特区補助制度 ( 平成 32 年度まで ) の対象区域に指定されるとと

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NITAS の基本機能 1. 経路探索条件の設定 (1) 交通モードの設定 交通モードの設定 とは どのような交通手段のネットワークを用いて経路探索を行うかを設定するものです NITASの交通モードは 大きく 人流 ( 旅客移動 ) 物流( 貨物移動 ) に分かれ それぞれのネットワークを用いた経路

7 制御不能な二次災害を発生させない 7-1) 市街地での大規模火災の発生 7-2) 海上 臨海部の広域複合災害の発生 7-3) 沿線 沿道の建物倒壊による直接的な被害及び交通麻痺 7-4) ため池 ダム 防災施設 天然ダム等の損壊 機能不全による二次災害の発生 7-5) 有害物質の大規模拡散 流出

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PowerPoint プレゼンテーション

8. ピンポイント渋滞対策について 資料 8

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1 首都直下地震の概要 資料 -2 中央防災会議は H25.12 月に 首都直下地震の被害想定と対策について 最終報告を公表 道路啓開については 少なくとも 1 日 ~2 日要すると想定 深刻な道路交通麻痺 ( 道路啓開と深刻な渋滞 ) 等の記載 首都直下地震の被害想定と対策について 最終報告の概要 出典 : 中央防災会議首都直下地震対策検討ワーキンググループ 首都直下地震の被害想定と対策について ( 最終報告 )( 平成 25 年 12 月 ) 1

1 首都直下地震の概要想定震度分布 (23 区を中心として震度 6 強の想定 ) 首都直下地震 想定震度分布 出典 : 中央防災会議首都直下地震対策検討ワーキンググループ 首都直下地震の被害想定と対策について ( 最終報告 ) ( 平成 25 年 12 月 ) 2

1 首都直下地震の概要 ~ 被害想定の概要 ( 道路に関する部分を抜粋 )~ 第 2 章被害想定 ( 人的 物的被害 ) の概要 4. 交通施設 (1) 道路 首都高速道路 直轄国道及び緊急輸送ルートとして想定されている道路の橋梁は 落橋や倒壊防止等の耐震化対策を概ね完了しており 甚大な被害の発生は限定的であると想定される 直轄国道の主要路線 首都高速 高速道路では 被災状況の把握 点検 通行車両の誘導 道路啓開に少なくとも 1~2 日程度を要し その後に緊急交通路 緊急輸送道路等として緊急通行車両等の通行が可能となる 都区部の一般道は 被災や液状化による沈下 倒壊建物の瓦礫により閉塞し 通行できない区間が大量に発生し 渋滞と相まって復旧には 1 か月以上を要することが見込まれる 出典 : 中央防災会議首都直下地震対策検討ワーキンググループ 首都直下地震の被害想定と対策について ( 最終報告 ) ( 平成 25 年 12 月 ) 3

沿道建物から道路への瓦礫の散乱 電柱の倒壊 道路施設の損傷 停電に伴う信号の滅灯 延焼火災の発生 放置車両の発生 鉄道の運行停止に伴う道路交通需要の増大等により 発災直後から 特に環状八号線の内側を中心として 深刻な道路交通麻痺が発生し 消火活動 救命 救助活動 ライフライン等の応急復旧 物資輸送等に著しい支障等が生じる可能性がある 深刻な道路渋滞により 道路の損傷個所の点検のための移動は ヘリコプターのほか 自動車による移動が困難な場合は 徒歩や自転車による移動に限られる ライフライン 交通インフラの点検 復旧のための作業車の移動や 交通機能確保のための車両による道路啓開が困難な状況が長く継続する 全く動かない交通渋滞の発生に伴うガス欠や延焼火災の切迫に伴う車両の放置が発生し 放置車両撤去のためのレッカー車の不足 道路渋滞によりレッカー車が現場までたどりつけない状況が生じるなど 渋滞悪化の悪循環が発生する 圧倒的な被災箇所数における道路管理者をはじめ関係機関による瓦礫処理等の道路啓開作業に対し 建設業者や資機材が少ないこと 瓦礫処理をするための空間が少ないこと等から 啓開作業が迅速に進捗しない可能性がある 瓦礫や放置車両の撤去など道路啓開に相当の時間がかかる場合 早期に緊急交通路を確保することが困難となることから 物資輸送やライフライン等の復旧作業に着手することも困難となり 緊急対応のみならず 復旧が遅延することが想定される 交通整理を行う警察官の人員には限りがあるため 緊急交通路以外の道路については深刻な渋滞が発生するおそれがあり 消防車両や救命 救急車両の現場への到達が困難となる可能性がある 外出者が一斉に帰宅を始めると 膨大な歩行者が歩道から車道に溢れ 混乱がさらに激しくなる可能性がある 火災による交通遮断が発生し 特に延焼火災となっている地域では 1~2 日程度 通行できない可能性がある ライフラインの復旧段階では 道路幅員が十分に取れない箇所が多数に及ぶことから 新たな渋滞の発生要因となるこ とが想定される 1 首都直下地震の概要 ~ 社会 経済への影響と課題 ( 道路に関する部分を抜粋 )~ 第 3 章社会 経済への影響と課題第 2 節巨大過密都市を襲う被害の様相と課題 1. 深刻な道路交通麻痺 ( 道路啓開と深刻な渋滞 ) 出典 : 中央防災会議首都直下地震対策検討ワーキンググループ 首都直下地震の被害想定と対策について ( 最終報告 ) ( 平成 25 年 12 月 ) 4

1 首都直下地震の概要 ~ 対策の方向性 ( 道路に関する部分を抜粋 )~ 第 4 章対策の方向性と各人の取組 2. 発災時の対応への備え (1) 発災直後の対応 ( 概ね10 時間 )- 国の存亡に係る初動 1 災害緊急事態の布告一般車両の利用制限 道路啓開等における放置自動車及び瓦礫撤去の措置 ( 私有財産処理の事後承諾等 ) 応急対策要員の確保 民間への協力要請等 現行制度の速やかな実施を図るとともに 現行制度の特例措置及び新たに必要な制限等につき事前に検討しておくべきである 4 道路啓開緊急交通路 緊急輸送道路等について 被災後速やかに一体的かつ状況にあわせた最適な道路啓開を実施するため 各機関が結んでいる建設会社等との災害協定の運用に当たって 優先順位や資機材投入等 発災時に円滑な調整を行う枠組等を構築すべきである 5 交通制御災害応急対策活動等を迅速に行えるようにするため 走行中の一般車両に対する規制とともに 発災後の一般車両の利用を制限する具体的手法を検討すべきである 内閣府 警察 道路管理者において 放置車両の現実的な処理方策について検討すべきである 路上を走行中又は停車中の車両に対する交通誘導において 警備業者等の活用について検討すべきである 6 首都高速道路の活用首都直下地震発生時においては 交通制御が比較的容易で 都区部を中心に広域的に張り巡らされた首都高速道路は 緊急通行車両等の移動を図る上で 特に重要な交通インフラである このことから 以下の点についての取組を進めるべきである 被災地域内の交通負荷を可能な限り軽減するため 発災時に高速道路上を走っている車両を遠方の出口へ誘導することがある旨等について あらかじめ利用者に理解と協力を求め 発災後は適切にこれらの誘導等を促すなど 被災地全体の交通制御を見据えた的確な誘導方策等について検討すべきである 発災直後における救命救助活動 消火活動 復旧初期における作業車両 物資の輸送車両等 首都高速道路の時系列の最大活用策について検討すべきである 高速道路出口から避難所 物資の集積場所等の目的地への輸送手段の確保方策 ( 防災対策上のラストワンマイル問題 ) について検討すべきである 出典 : 中央防災会議首都直下地震対策検討ワーキンググループ 首都直下地震の被害想定と対策について ( 最終報告 ) ( 平成 25 年 12 月 ) 5

②緊急輸送道路網の状況と首都直下地震における道路啓開 資料 3 緊急輸送路は1次だけでも約970km 首都高全線 約300km 東国管内直轄国道 約160km 都道 23区内の緊急輸送道路1次 約510km 限られた人員 資機材で 全ての緊急輸送路を早期に啓開することは困難 外環道 外環道 環8 環8 1次 3次 外環内側エリアの緊急輸送道路網図 1次のみ 緊急輸送道路 1次 高速 緊急輸送道路 1次 高速以外 緊急輸送道路 2次 緊急輸送道路 3次 1

2

2. 道路啓開作業 ( ガレキ 車両の撤去 ) 都心へ向かう 1 車線及び都心から郊外に向かう 1 車線 ( 合計 2 車線 ) の確保を優先 倒壊樹木やガレキ 電柱などは歩道上に移動し集積 沿道側の 1 車線には 車両を集積 中央側の 1 車線は カラーコーンなどで区分し 道路啓開等に従事する車両の通行のため確保 歩道 植樹帯 細街路 1 歩道 植樹帯 細街路 1 ガレキ ガレキ 3.5m 3.5m 1.0m ガレキ中央分離帯 2 ガレキ 作業車 中央分離帯 事故車両 事故車両 道路ハ トロール 2 緊急路幅 (1 車線以上 ) 2.5m 5.5m 凡例 大型車 道路啓開前小型車 道路啓開後 凡例 カラーコーン 2.5m 1.7m テープなど 12.0m 4.5m 図道路啓開実施イメージ 3

4

3 7 3STEP 24 25 5 5

3STEP 2012. 6 6

3 首都直下地震における道路啓開の課題 重大被災箇所の特定が難しいこと 過密な都市における災害であること 資料 -4 東日本大震災では 沿岸部へのアプローチとすることが明確であった 一方 首都直下地震の場合 23 区内の多くで震度 6 強が想定されるが 震源断層域が少し異なるだけで被災量に大きな違いが生じることから 局所的な重大被災エリア 被災箇所の特定が難しいと想定 首都中枢機能を担う巨大過密都市であり 深刻な道路交通麻痺が懸念されており 消火活動 救命救急活動 ライフライン等の応急復旧 物資輸送等に著しい支障が生じる可能性がある 啓開に必要な資機材が主に郊外に配置されていること 道路啓開に必要となる資材 機材 支援要員は主に 23 区外に配置されていることから 迅速な啓開活動には工夫が必要となる また 各機関と建設会社等の協定の運用にあたっての調整が必要である これらを考慮し 限られた救援 救助リソースを効率よく活用することが重要となる 1

3 道路啓開計画検討にあたっての視点 視点 1: 道路啓開にあたり考慮すべきリスクと対応の考え方 首都直下地震の発生に伴い想定される災害リスクは何があるか 災害リスクのうち 道路啓開計画を検討する際に考慮すべきリスクは何か 考慮すべきリスクの程度をどのように評価するか 視点 2: 道路啓開の対象道路及び啓開手順の考え方 主要な活動拠点及び啓開対象道路をどのように設定するか 被災状況や応援部隊の配備状況を踏まえ どのような想定のもと啓開手順を設定していくか 視点 3: 資機材及び人員調達の方法 手段の考え方 啓開に必要な資機材の確保状況はどのようになっているか 啓開に必要な人員調達は十分か 視点 4: 啓開にあたっての各機関の連携方策等の考え方 上記の視点を踏まえて 各関係機関でどのように連携を図るか 各関係機関の連携が効率的 効果的に機能するには 役割分担をどのように図るか 2

3 課題の整理 大多数の資機材 人員等が郊外に配置 資機材及び人員調達の方法 手段の考え方の検討が必要 各機関と建設会社の協定の運用にあたって優先順位等の枠組構築が必要 大量の路上車両への対応 移動 ( 撤去 ) が必要な車両台数及び移動方法について検討が必要 交通麻痺への対応 関係機関等と連携した啓開活動が必要 高速道路と一般道路を連携させた緊急輸送ルートの確保のあり方 各道路管理者間の連携 広域支援活動を支え 被災地への進出 展開活動の基本となるための 啓開対象道路 啓開手順 道路管理者間及び関係機関の連携方策について検討が必要 3