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この試験情報は一般公開のみを目的に作成されたものです この試験情報はあくまで単一の試験から得られた結果であり この試験の医薬品から得られるすべての情報を基にした全体的なベネフィットとリスクを反映したものではない可能性があります 医療関係者の皆様は 武田薬品の医薬品のご使用にあたり 必ずそれぞれの国ま

症例報告書の記入における注意点 1 必須ではない項目 データ 斜線を引くこと 未取得 / 未測定の項目 2 血圧平均値 小数点以下は切り捨てとする 3 治験薬服薬状況 前回来院 今回来院までの服薬状況を記載する服薬無しの場合は 1 日投与量を 0 錠 とし 0 錠となった日付を特定すること < 演習

ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

この試験情報は一般公開のみを目的に作成されたものです この試験情報はあくまで単一の試験から得られた結果であり この試験の医薬品から得られるすべての情報を基にした全体的なベネフィットとリスクを反映したものではない可能性があります 医療関係者の皆様は 武田薬品の医薬品のご使用にあたり 必ずそれぞれの国ま

3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル

モニタリング計画書・報告書

あった AUCtはで ± ng hr/ml で ± ng hr/ml であった 2. バイオアベイラビリティの比較およびの薬物動態パラメータにおける分散分析の結果を Table 4 に示した また 得られた AUCtおよび Cmaxについてとの対数値

未承認の医薬品又は適応の承認要望に関する意見募集について

(3) 摂取する上での注意事項 ( 該当するものがあれば記載 ) 機能性関与成分と医薬品との相互作用に関する情報を国立健康 栄養研究所 健康食品 有効性 安全性データベース 城西大学食品 医薬品相互作用データベース CiNii Articles で検索しました その結果 検索した範囲内では 相互作用

シプロフロキサシン錠 100mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにシプロフロキサシン塩酸塩は グラム陽性菌 ( ブドウ球菌 レンサ球菌など ) や緑膿菌を含むグラム陰性菌 ( 大腸菌 肺炎球菌など ) に強い抗菌力を示すように広い抗菌スペクトルを

D961H は AstraZeneca R&D Mӧlndal( スウェーデン ) において開発された オメプラゾールの一方の光学異性体 (S- 体 ) のみを含有するプロトンポンプ阻害剤である ネキシウム (D961H の日本における販売名 ) 錠 20 mg 及び 40 mg は を対象として

恩賜第 42 回社会福祉法人財団済生会中央治験審査委員会 会議の記録の概要 開催日時 平成 28 年 1 月 13 日 ( 水 )15:30~17:17 開催場所 出席委員名 東京都港区三田 三田国際ビル 21 階 社会福祉法人 恩賜財団済生会本部事務局中会議室 豊島

試験デザイン :n=152 試験開始前に第 VIII 因子製剤による出血時止血療法を受けていた患者群を 以下のい ずれかの群に 2:2:1 でランダム化 A 群 (n=36) (n=35) C 群 (n=18) ヘムライブラ 3 mg/kg を週 1 回 4 週間定期投与し その後 1.5 mg/k

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ピルシカイニド塩酸塩カプセル 50mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにピルジカイニド塩酸塩水和物は Vaughan Williams らの分類のクラスⅠCに属し 心筋の Na チャンネル抑制作用により抗不整脈作用を示す また 消化管から速やかに

GCP 遵守の陳述本治験は, ヘルシンキ宣言 に基づく倫理的原則, 薬事法第 14 条第 3 項, 第 80 条の 2 に規定する基準, 並びに医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令 ( 平成 9 年 3 月 27 日付厚生省令第 28 号 ) を遵守して実施された すべての治験にかかわる文書,

試験実施者 ( 企業名 ) 商品名 試験結果の概要 武田薬品工業株式会社 インフルエンザワクチン ( 開発コード :TAK-850) 有効成分名 A/H1N1/California/07/ A/H3N2/Victoria/361/ 試験の名称 試験実施医療機関及び試験責任医師

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第 66 回厚生連病院共同治験審査委員会 会議の記録の概要 開催日時開催場所出席委員名 議題及び審議結果を含む主な議論の概要 2018 年 09 月 19 日 18 時 00 分 ~18 時 20 分日本文化厚生農業協同組合連合会 8 階中会議室高瀬浩造 西田博 板井勉 田中克巳 江口善美 山崎きよ

資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号


オクノベル錠 150 mg オクノベル錠 300 mg オクノベル内用懸濁液 6% 2.1 第 2 部目次 ノーベルファーマ株式会社

タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg タペンタ 錠 100mg に係る 販売名 タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 有効成分 タペンタ 錠 100mg 製造販売業者 ヤンセンファーマ株式会社 薬効分類 821 提出年月 平成 30 年

テイカ製薬株式会社 社内資料

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臨床試験結果

議題 3. ファイザー の依頼による白血病患者を対象とした SKI-606 の第 Ⅲ 相試験 ( 整理番号 :476) 議題 4. 武田バイオ開発センター の依頼による第 Ⅰ 相試験 ( 整理番号 : 487) 議題 5. ノバルティスファーマ の依頼による肺動脈性肺高血圧症患者を対象とした QTI

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モビコール 配合内用剤に係る 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 販売名 モビコール 配合内用剤 有効成分 マクロゴール4000 塩化ナトリウム 炭酸水素ナトリウム 塩化カリウム 製造販売業者 EA ファーマ株式会社 薬効分類 提出年月 平成 30 年 10 月 1.1. 安全

平成 29 年度第 1 回小児治験ネットワーク中央治験審査委員会 会議の記録の概要 開催日時 平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 )14:00~15:15 開催場所国立研究開発法人国立成育医療研究センター管理棟 2 階会議室 21 金子剛 石川洋一 鈴木康之 安達昌功 三浦大 掛江直子 廣部兼

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目次 1. はじめに P2 2. 本剤の特徴 作用機序 P3 3. 臨床成績 P4 4. 施設について P10 5. 投与対象となる患者 P11 6. 投与に際して留意すべき事項 P12 1

た 18 歳以上の AD/HD 患者を対象に 日本人を含むアジア人によるプラセボ対照二重盲検比較試験及びその長期継続投与試験が現在実施されており 本剤の製造販売者によれば これらの試験成績に基づき 本剤の成人期 AD/HD 患者への追加適応に関する承認事項一部変更承認申請が行われる予定とされている

治験総括報告書概要 Page 1 of 概要 治験情報 : 治験依頼者名 : Millennium Pharmaceuticals, Inc. 40 Landsdowne Street Cambridge, MA USA 電話番号 :+1 (617) 治験の

<4D F736F F D20838A838A815B83588E9197BF B ED0416E616D6F72656C696E815E4F4E4F BD82C88C8B89CA9

販売名 ベージニオ 錠に係る医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 ベージニオ錠 50mg ベージニオ錠 100mg ベージニオ錠 150mg 有効成分 アベマシクリブ 製造販売業者 日本イーライリリー株式会社 薬効分類 提出年月 平成 30 年 9 月 ( 別紙様式 ) 1.1

タケキャブ錠 10 mg 他に係る医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 ( 別紙様式 ) 販売名 タケキャブ錠 10 mg 同 20 mg 有効成分 ボノプラザンフマル酸塩 製造販売業者 武田薬品工業株式会社 薬効分類 提出年月 2018 年 4 月 1.1. 安全性検討事項 重要

9 中止基準 ( 研究対象者の中止 研究全体の中止について ) 10 研究対象者への研究実施後の医療提供に関する対応 通常の診療を超える医療行為 を伴う研究を実施した場合 研究実施後において 研究対象者が研究の結果より得られた利用可能な最善の予防 診断及び治療が受けられるように努めること 11 研究

シダキュアスギ舌下錠 2,000JAU 5,000JAU に係る医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 販売名 シダキュアスギ舌下錠 2,000JAU,5,000JAU 有効成分 スギ花粉エキス原末 承認取得者名 鳥居薬品株式会社 薬効分類 提出年月 平成 30 年 8 月 1.1.

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青焼 1章[15-52].indd

12_モニタリングの実施に関する手順書 

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

ペムブロリズマブ ( 遺伝子組換え ) 注射剤 2.7 臨床概要 臨床的有効性 ORR 海外 001 試験 パート D パート D では 治験担当医師がベースライン時点で測定可能病変ありとし 独立中央判定

451) 議題 3. ファイザー の依頼による白血病患者を対象とした SKI-606 の第 Ⅲ 相試験 ( 整理番号 :476) 議題 4. 武田バイオ開発センター の依頼による第 Ⅰ 相試験 ( 整理番号 : 487) 議題 5. ノバルティスファーマ の依頼による肺動脈性肺高血圧症患者を対象とし

糖尿病経口薬 QOL 研究会研究 1 症例報告書 新規 2 型糖尿病患者に対する経口糖尿病薬クラス別の治療効果と QOL の相関についての臨床試験 施設名医師氏名割付群記入年月日 症例登録番号 / 被験者識別コード / 1/12

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医療事故防止対策に関するワーキング・グループにおいて、下記の点につき協議検討する

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**** 臨床試験名 ***** 実施計画書 臨床試験代表者 ** 病院職名 ***** ***-**** ** 県 ** 区 ** 町 ** TEL: **-****-****

葉酸とビタミンQ&A_201607改訂_ indd

課題名

特定できるものではありませんでした そのため 個人の体質や体調による影響が大きく影響したものであると判断しました よって 当該製品が原因と考えられる健康被害の発生は 確認されませんでした ただし 届出の製品と喫食実績で調査対象とした製品でルテイン量に違いがありましたので 既存情報から喫食経験および安

                       三重大学医学部附属病院臨床研究開発センター

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Ⅰ. 試験実施方法 1. 目的 ブルーライトカットレンズを搭載した眼鏡の装着による VDT 症候群の症状改善効果を対 照群を用いて検証した 2. 方法 2.1. 試験デザイン 多施設共同による二重マスク並行群間比較試験 2.2. 対象 VDT 症候群と診断された患者 本試験では VDT 作業が原因と

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用法・用量DB

(別添様式)


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医師主導治験取扱要覧

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No.16-35

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別紙様式 (Ⅱ) 商品名 : 伝統にんにく卵黄 (31 粒入り 62 粒入り ) 食経験の評価 1 喫食実績による食経験の評価 安全性評価シート 喫食実績の有無 : あり なし ( あり の場合に実績に基づく安全性の評価を記載) 本製品 伝統にんにく卵黄 と同等の製品は 1993 年 11 月より日

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第 4 回生物統計情報学シンポジウム Estimand に関する議論の事例と今後の展望 1 Estimand が医薬品開発に 与えるインパクト 松岡伸篤ファイザー株式会社 2018 年 7 月 27 日 ( 金 )

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審査報告 (1) 別紙 平成 29 年 4 月 3 日 本申請において 申請者が提出した資料及び医薬品医療機器総合機構における審査の概略等は 以下 のとおりである 申請品目 [ 販売名 ] ジャドニュ顆粒分包 90 mg 同顆粒分包 360 mg [ 一般名 ] デフェラシロクス [ 申請者 ] ノ

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山形大学医学部附属病院医薬品等受託研究審査委員会議事録

3年次後期 専門科目群Ⅰ (必修科目) 2単位                  臨床薬理学          10回目

ダラツムマブってどんな薬? 初発の患者さん ( 初めて治療を受ける患者さん ) の治験募集についてー 米国で承認された ダラツムマブ という新薬について Q&A 形式でご紹介します Q&A の監修は 名古屋市立大学病院血液 腫瘍内科診療部長飯田真介先生です Q1 ダラツムマブという薬が米国で承認され

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2.7.6 個々の試験のまとめ Bayer Yakuhin, Ltd. Page 1 of 国外試験 外国人健康男性被験者を対象とした第 Ⅰ 相臨床試験 : ワルファリンからリバーロキサバンへの切り替え試験 ( 試験番号 10849)[ 報告書番号 PH ] 治験

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目次 C O N T E N T S 1 下痢等の胃腸障害 下痢について 3 下痢の副作用発現状況 3 最高用量別の下痢の副作用発現状況 3 下痢の程度 4 下痢の発現時期 4 下痢の回復時期 5 下痢による投与中止時期 下痢以外の胃腸障害について 6 下痢以外の胃腸障害の副

エンテカビル水和物 個々の試験のまとめ Page 成人 B 型慢性肝炎患者を対象としたエンテカビルとラミブジンの安全性及び抗ウイルス作用を比較する第 2 相無作為化二重盲検試験 (Study AI ) 治験実施医療 39 施設 ( オーストラリア ベルギー

2.7.3(5 群 ) 呼吸器感染症臨床的有効性グレースビット 錠 細粒 表 (5 群 )-3 疾患別陰性化率 疾患名 陰性化被験者数 / 陰性化率 (%) (95%CI)(%) a) 肺炎 全体 91/ (89.0, 98.6) 細菌性肺炎 73/ (86

臨床研究法対応研究計画書記載事項

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審査結果 平成 21 年 5 月 13 日 [ 販 売 名 ] セレコックス錠 100 mg 同 200 mg [ 一 般 名 ] セレコキシブ [ 申請者名 ] アステラス製薬株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 19 年 2 月 19 日 [ 審査結果 ] 提出された資料から 腰痛症 肩関節周囲炎

審査結果 平成 23 年 4 月 11 日 [ 販 売 名 ] ミオ MIBG-I123 注射液 [ 一 般 名 ] 3-ヨードベンジルグアニジン ( 123 I) 注射液 [ 申請者名 ] 富士フイルム RI ファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 22 年 11 月 11 日 [ 審査結果

中心傾向の解析 ΔΔQTcF は 投与開始後 1 時間で最も大きく 3.4 msec となり その後はより小さな値で推移し 投与開始 8 時間以降では群間の差がほとんどなかった カテゴリカル解析 QT 間隔の絶対値が 1 回以上 450 msec を超えた被験者数は

目次 1. はじめに P2 2. 本剤の特徴 作用機序 P3 3. 臨床成績 P4 4. 施設について P9 5. 投与対象となる患者 P11 6. 投与に際して留意すべき事項 P13 1

2.7.4 臨床的安全性 Pge 1 目次 臨床的安全性 医薬品への曝露 総括的安全性評価計画および安全性試験の記述 試験の概要 安全性情報の取り扱い方法... 7

1. 医薬品リスク管理計画を策定の上 適切に実施すること 2. 国内での治験症例が極めて限られていることから 製造販売後 一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は 全 症例を対象に使用成績調査を実施することにより 本剤使用患者の背景情報を把握するとともに 本剤の安全性及び有効性に関するデータを

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未承認薬 適応外薬の要望に対する企業見解 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 会社名要望された医薬品要望内容 CSL ベーリング株式会社要望番号 Ⅱ-175 成分名 (10%) 人免疫グロブリン G ( 一般名 ) プリビジェン (Privigen) 販売名 未承認薬 適応 外薬の分類

‡BUNITE_Studyƒv?ƒgƒR??−iFinal_Ver_−j _docx

Page 1 レベチラセタム 個々の試験のまとめ 個々の試験のまとめ Page 1 目次 頁 個々の試験のまとめ... 4 臨床試験一覧表 ( 表 ) バイオアベイラビリティ (BA) 試験報告書

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この試験情報は一般公開のみを目的に作成されたものです この試験情報はあくまで単一の試験から得られた結果であり この試験の医薬品から得られるすべての情報を基にした全体的なベネフィットとリスクを反映したものではない可能性があります 医療関係者の皆様は 武田薬品の医薬品のご使用にあたり 必ずそれぞれの国または地域の添付文書の情報を必ず確認してください

2.0 概要 治験情報 : 治験依頼者名 : 武田薬品工業株式会社 (TPC) 540-8645 大阪市中央区道修町四丁目 1 番 1 号 治験課題名 : びらん性食道炎の患者を対象にした TAK-438 の 20 mg を 1 日 1 回経口投与したときの有効性及び安全性を 1 日 1 回経口投与と比較する 第 3 相無作為化二重盲検多施設共同試験 治験課題名の短縮名称 : びらん性食道炎の治療における TAK-438(20 mg) の第 3 相二重盲検試験 有効成分名 :1-[5-(2-Fluorophenyl)-1-(pyridin-3-ylsulfonyl)-1H-pyrrol-3-yl]-N-methyl methanamine monofumarate 治験薬名 :TAK-438 治験責任医師等 : 治験責任医師として日本国内の 41 名 治験実施医療機関 : 二重盲検治療期への組入れがあった治験実施医療機関として日本国内の 39 施設 本治験に基づく公表 ( 引用 ): なし 治験期間 : 最初の被験者の同意取得日 :2011 年 10 月 18 日最後の被験者の最終来院 / 連絡日 ( 臨床試験のデータベースから ):2012 年 8 月 17 日最後の被験者の主要評価項目データ最終収集日 :2012 年 8 月 17 日 開発のフェーズ : 第 3 相 目的 : 主目的 : AG-1749 に対する TAK-438 の非劣性を検証することにより ロサンゼルス分類 (LA 分類 ) グレード A~D のびらん性食道炎 (EE) 患者における TAK-438 の有効性を確認する 副目的 : LA 分類グレード A~D のびらん性食道炎患者における TAK-438 の安全性を AG-1749 と比較する その他の目的 : 該当せず 治験方法 : 本治験は びらん性食道炎の患者において AG-1749(30 mg 1 日 1 回 8 週間まで ) に対する TAK- 438(20 mg 1 日 1 回 8 週間まで ) の非劣性を検証するための第 3 相無作為化二重盲検並行群多施設共同試験であった 観察期開始時における被験者の LA 分類グレードを層別化因子 ( グレード A/B 又はグレード C/D) として用いた 投与開始後 2 4 又は 8 週 ( 投与 2 4 又は 8 週後 ) の時点で 内視鏡にてびらん性食道炎の治癒が確認された被験者は 本治験を完了したとみなし 引き続き長期維持療法試験 (TAK-438/OCT-001) に組入れ可能とした ただし TAK-438/OCT-001 試験に被験者を組み入れる前に 別途 この試験についての同意を取得するものとした 投与 8 週後の時点でびらん性食道炎内視鏡治癒が確認できなかった被験者には さらに 8 週間まで 40 mg の TAK-438 を 1 日 1 回投与した

被験者数 : 計画被験者数 : 無作為化被験者数として 400 例 ( 各群 200 例 ) 同意取得被験者数 :508 例治療期への組入れ被験者数 :409 例 延長治療期への組入れ被験者数 :8 例解析対象被験者数 : 最大の解析対象集団として 409 例 治験実施計画書に適合した対象集団として 397 例 安全性データの解析対象集団として 409 例 診断及び主要な選択基準 : 1. 観察期開始日 (Visit 1) の時点で 内視鏡検査にて LA 分類グレード A~D であることが確認された者 グレード C 又は D の確定診断が下された被験者の目標数は 最低 120 例 すなわち総被験者数の 30% 以上とした 一方 グレード A 又は B の被験者の組み入れは グレード A 又は B の被験者数が 280 例を超えた時点 すなわち総計画被験者数の 70% を超えた時点で終了とした 2. 外来 ( ただし 検査目的での入院は可 ) 性別不問 同意取得時の年齢が 20 歳以上である者投与期間 : 観察期 3~7 日間治療期 2 4 又は 8 週間延長治療期 4 又は 8 週間 被験薬 用量及び投与方法 ロット番号 : 治験薬含量及び剤型用量投与方法ロット番号 治療期 1 x 錠 及び 1 x AG-1749 プラセボカプセル 20 mg 1 日 1 回経口 Z658H015 延長治療期 TAK-438 40 mg 1 TAK-438 40mg 錠 40 mg 1 日 1 回 経口 Z658J013 対照薬 用量及び投与方法 ロット番号 : 治験薬含量及び剤型用量投与方法ロット番号 治療期 1 x TAK-438 プラセボ錠 及び 1 x カプセル 30 mg 1 日 1 回経口 Z658E015 評価基準 : 有効性 : 主要評価項目は 8 週間の治療期中におけるびらん性食道炎治癒率であった 副次評価項目は 投与開始後 2 及び 4 週時点でのびらん性食道炎治癒率であった 安全性 : 有害事象 (Treatment emergent adverse event:teae) 臨床検査値 心電図(ECG) 所見 バイタルサ

イン 血清ガストリン値及びペプシノゲン I/II 値 統計手法 : 有効性 : 主要評価項目 8 週間の治療期中におけるびらん性食道炎治癒率は 各投与群における 最大の解析対象集団 の被験者を分母として算出した 点推定値及び両側 95% 信頼区間 (CI) を投与群別に算出した さらに 許容限界値を 10% とした Farrington and Manning による非劣性検定により 群に対する 群の非劣性を評価した 群と 群の間における内視鏡治癒率の差 ( 群 - 群 ) の点推定値及び両側 95% 信頼区間も算出した 副次評価項目 副次評価項目は 投与開始後 2 及び 4 週時点でのびらん性食道炎治癒率であった 副次評価項目についても 最大の解析対象集団 を対象に 主要評価項目と同様の解析を実施した 安全性 : Medical Dictionary for Regulatory Activities(MedDRA) 第 15.1 版を用いて treatment-emergent adverse event(teae) をコード化した 記述統計を用いてすべての有害事象を要約した 各投与群における TEAE の発現頻度を器官別大分類 (SOC) 別及び基本語 (PT) 別に要約した また 重症度 発現時期 及び治験薬との関連性に応じて TEAE の発現頻度を要約した さらに 中止に至った TEAE 及び重篤な TEAE を投与群別に要約した 結果の要約 : 人口統計学的及び他の関連基準値の特性 : ベースライン時点で 人口統計学的特性に明らかな群間差は認められなかった ベースライン時点で 治験責任医師によって評価されたびらん性食道炎の各 LA 分類グレードの割合は 各群で同程度であった グレード A は 群で 26.6% 群で 35.1% グレード B は 群で 37.2% 群で 28.7% グレード C は 群で 31.4% 群で 28.7% グレード D は 群で 4.8% 群で 7.4% であった

人口統計学的及び他の基準値の特性 無作為化された全例 (N=207) (N=202) 計 (N=409) 年齢 ( 歳 ) 平均値 (SD) 58.3 (13.75) 57.4 (13.24) 57.9 (13.49) 性別 [ 例数 (%)] 男性 137 (66.2) 154 (76.2) 291 (71.1) 女性 70 (33.8) 48 (23.8) 118 (28.9) 身長 (cm) 平均値 (SD) 163.3 (10.92) 165.0 (10.12) 164.1 (10.55) ベースライン時の体重 (kg) 平均値 (SD) 64.73 (12.676) 68.27 (13.115) 66.48 (13.000) ベースライン時の BMI(kg/m 2 ) 平均値 (SD) 24.13 (3.436) 24.94 (3.412) 24.53 (3.444) 治験責任医師によって判定されたベースライン時の LA グレード [ 例数 (%)] A/B 132 (63.8) 129 (63.9) 261 (63.8) C/D 75 (36.2) 73 (36.1) 148 (36.2) BMI: ボディ マス インデックス LA: ロサンゼルス PI: 治験責任医師 SD: 標準偏差 被験者の内訳 : 日本国内の 39 施設において 合計 508 例の被験者から同意を取得し 409 例を無作為に治療期に割り付けた 無作為化されなかった主な理由は 選択基準を満たさない又は除外基準に抵触 78 例であった 群に割り付けられた被験者が 207 例 群に割り付けられた被験者が 202 例であった 無作為割付されたすべての被験者が治験薬の投与を受けた 合計 401 例の被験者が治験薬投与を完了し 各群 4 例が治療期において投与未完了であった 主な投与未完了理由は Pretreatment Event 又は有害事象 であり 各群 3 例がこの理由により中止に至った 被験者の適格性 同意取得した全例 例数 (%) 同意取得した被験者数 508 無作為化された被験者数 409 (80.5) 無作為化されなかった被験者数 99 (19.5) 無作為化されなかった理由 Pretreatment Event 又は有害事象 2 (2.0) 自発的な中止 18 (18.2) 選択基準を満たさない又は除外基準に抵触 78 (78.8) その他 1 (1.0)

被験者の内訳 無作為化された全例 (N=207) 被験者数 (%) (N=202) 計 (N=409) 無作為化されたが治験薬を投与されなかった被験者数 0 (0.0) 0 (0.0) 0 (0.0) 完了 203 (98.1) 198 (98.0) 401 (98.0) 未完了 4 (1.9) 4 (2.0) 8 (2.0) 治験薬の投与未完了理由 Pretreatment Event 又は有害事象 3 (75.0) 3 (75.0) 6 (75.0) 自発的な中止 1 (25.0) 1 (25.0) 2 (25.0) 注 : 治験薬の投与未完了理由の割合は 治験薬の投与終了状態が未完了の被験者数を分母として算出した 有効性の結果 : 主要評価項目である 8 週間の治療期中におけるびらん性食道炎治癒率に関して 投与に対する 投与の非劣性が立証された 8 週間の治療期中におけるびらん性食道炎治癒率の群間差 ( 群 - 群 ) は 3.5%(95% CI:0.362~6.732) であった 群間差の 95% 信頼区間の下側限界が 0 を上回ったことから 投与に対する TAK-438 20 mg 投与の優越性が示された 投与開始後 2 及び 4 週時点におけるびらん性食道炎治癒率に関して 投与に対する 投与の非劣性が示された ( 両検定とも p < 0.0001) 投与開始後 2 週時点における群間差の 95% 信頼区間の下側限界が 0 を上回ったことから 投与に対する TAK-438 20 mg 投与の優越性が示された びらん性食道炎治癒率に関して の 4 週間投与は の 8 週間投与に対しても非劣性であった の 4 週間投与と G-1749 30 mg の 8 週間投与との群間差 ( 群 - 群 ) は 1.1%(95% CI:-2.702~ 4.918) であった 8 週間の治療期中におけるびらん性食道炎治癒率 - 最大の解析対象集団 投与群 投与群間差 ( ) 例数 205 199 - 治癒 [ 例数 (%)] 203 (99.0) 190 (95.5) 3.5 95% 信頼区間 ( 下限 上限 ) 96.520, 99.882 91.589, 97.911 0.362, 6.732 (a) 非劣性 p 値 - - <0.0001 (a) 許容限界値を 10% とした Farrington and Manning 検定

投与開始後 2 週時点でのびらん性食道炎治癒率 最大の解析対象集団 投与群 投与群間差 ( ) 例数 204 199 - 治癒 [ 例数 (%)] 185 (90.7) 163 (81.9) 8.8 95% 信頼区間 ( 下限 上限 ) 85.838, 94.299 75.846, 86.996 2.105, 15.448 (a) 非劣性 p 値 - - <0.0001 (a) 許容限界値を 10% とした Farrington and Manning 検定 投与開始後 4 週時点でのびらん性食道炎治癒率 最大の解析対象集団 投与群 投与群間差 ( ) 例数 205 199 - 治癒 [ 例数 (%)] 198 (96.6) 184 (92.5) 4.1 95% 信頼区間 ( 下限 上限 ) 93.091, 98.616 87.872, 95.720 0.308, 8.554 (a) 非劣性 p 値 - - <0.0001 (a) 許容限界値を 10% とした Farrington and Manning 検定 びらん性食道炎治癒率の比較 ( 4 週間投与と AG-1749 30 mg 8 週間投与の比較 ) 最大の解析対象集団 4 週間 8 週間 投与群間差 ( ) 治癒 (%) 96.6 95.5 1.1 95% 信頼区間 ( 下限 上限 ) 93.091, 98.616 91.589, 97.911-2.702,4.918 安全性の結果 : TEAE の発現頻度は投与群間で同程度であり 群で 22.2% 群で 22.3% であった 最も多く見られた TEAE は鼻咽頭炎であった 治験薬との因果関係が 関連あり と判定された TEAE の発現頻度は投与群間で同程度であり 群で 6.8% 群で 5.9% であった TEAE の程度はほとんどが軽度であった 群において 1 件の高度 TEAE が報告された 本治験中に死亡の報告はなかった 群の 3 例において 重篤な有害事象 (SAE) が見られ すべて治験薬との因果関係が 関連なし と判定された 群では SAE の報告はなかった 群の 2 例及び 群の 3 例において 投与中止に至った TEAE が見られた 各群 1 例において特定有害事象 (SIAE) が見られた 臨床検査値 バイタルサイン 及び ECG 所見について 本治験中に臨床的に意味のある変化は見られなかった

以上の結果から TAK-438 の安全性プロファイルは AG-1749 と同様であり びらん性食道炎患者における TAK-438 投与は安全であり 忍容性も良好であることが示される SAE を含めた TEAE の概要 安全性データの解析対象集団 (N=207) (N=202) 件数 被験者 (%) 件数 被験者 (%) TEAE 59 46 (22.2) 64 45 (22.3) 関連あり 18 14 (6.8) 17 12 (5.9) 関連なし 41 32 (15.5) 47 33 (16.3) 軽度 57 44 (21.3) 57 40 (19.8) 中等度 2 2 (1.0) 6 4 (2.0) 高度 0 0 (0.0) 1 1 (0.5) 投与中止に至った TEAE 4 2 (1.0) 4 3 (1.5) SAE 0 0 (0.0) 4 3 (1.5) 関連あり 0 0 (0.0) 0 0 (0.0) 関連なし 0 0 (0.0) 4 3 (1.5) 投与中止に至った TEAE 0 0 (0.0) 3 2 (1.0) 死亡 0 0 (0.0) 0 0 (0.0) 結論 : 主要評価項目である 8 週間の治療期中におけるびらん性食道炎治癒率に関して 投与に対する 投与の非劣性が立証され LA 分類グレード A~D のびらん性食道炎患者における TAK-438 の有効性が確認された さらに 主要評価項目の結果から 投与に対する 投与の優越性が示された TAK-438 の安全性プロファイルは AG-1749 と同様であり LA 分類グレード A~D のびらん性食道炎患者における TAK-438 投与は安全であり 忍容性も良好であった 報告書の作成日 :2013 年 5 月 22 日