- 調査結果の概要 - 1. 改正高年齢者雇用安定法への対応について a. 定年を迎えた人材の雇用確保措置として 再雇用制度 導入企業は9 割超 定年を迎えた人材の雇用確保措置としては 再雇用制度 と回答した企業が90.3% となっています それに対し 勤務延長制度 と回答した企業は2.0% となっ

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今回の改正によってこの規定が廃止され 労使協定の基準を設けることで対象者を選別することができなくなり 希望者全員を再雇用しなければならなくなりました ただし 今回の改正には 一定の期間の経過措置が設けられております つまり 平成 25 年 4 月 1 日以降であっても直ちに希望者全員を 歳まで再雇用

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自動的に反映させないのは133 社 ( 支払原資を社内で準備している189 社の70.4%) で そのうち算定基礎は賃金改定とは連動しないのが123 社 (133 社の92.5%) となっている 製造業では 改定結果を算定基礎に自動的に反映させるのは26 社 ( 支払原資を社内で準備している103

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5. 退職一時金に係る就業規則のとりまとめ 退職一時金に係る就業規則の提供があった企業について 退職一時金制度の状況をとりまとめた なお 提供された就業規則を分析し 単純に集計したものであり 母集団に復元するなどの統計的な処理は行っていない 退職一時金の支給要件における勤続年数 退職一時金を支給する

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問題の背景 高齢者を取り巻く状況の変化 少子高齢化の急速な進展 2015 年までの労働力人口の減少 厚生年金の支給開始年齢の段階的引き上げ 少なくとも 年金開始年齢までは働くことのできる 社会 制度づくり ( 企業への負担 ) 会社にとっての問題点 そしてベストな対策対策が必要に!! 2

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2. 繰上げ受給と繰下げ受給 65 歳から支給される老齢厚生年金と老齢基礎年金は 本人の選択により6~64 歳に受給を開始する 繰上げ受給 と 66 歳以降に受給を開始する 繰下げ受給 が可能である 繰上げ受給 を選択した場合には 繰上げ1カ月につき年金額が.5% 減額される 例えば 支給 開始年齢

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目次 問 1 労使合意による適用拡大とはどのようなものか 問 2 労使合意に必要となる働いている方々の 2 分の 1 以上の同意とは具体的にどのようなものか 問 3 事業主の合意は必要か 問 4 短時間労働者が 1 名でも社会保険の加入を希望した場合 合意に向けての労使の協議は必ず行う必要があるのか

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図 -33 退職金制度の有無 第 33 表退職金制度の有無とその根拠 ( 事業所数の割合 ) (%) 退職金退職金制度の根拠退職金区分合計制度有労働協約就業規則社内規定その他無回答制度無調査計 (100.0) (3.0) (

規定例 ( 育児 介護休業制度 ) 株式会社 と 労働組合は 育児 介護休業制度に関し 次 のとおり協定する ( 対象者 ) 育児休業の対象者は 生後満 歳に達しない子を養育するすべての従業員とする 2 介護休業の対象者は 介護を必要とする家族を持つすべての従業員とする 介護の対象となる家族の範囲は

調査結果のポイント 従業員採用状況について 平成 28 年度 (H28.4 ~ H29.3) は 計画どおり もしくは計画より多く採用した と回答した企業が69% 採用計画について 29 年度 (H29.4 ~ H30.3) は 28 年度実績と比較し 増やす と回答した企業と 減らす と回答した企

< その他 > 定年制度自体の廃止をするべき (30 代金融コンサルティング ) 若い人の給与が減少 高齢者の雇用を義務付けるのではなく雇用に機会を増やすべき (50 代メーカー研究開発 ) 7 割が 定年は 65 歳以上が適切 と回答 Q: 定年は何歳が適切だと考えますか? 75 歳 4% 70

東部-2

一元化後における退職共済年金および老齢厚生年金の在職支給停止 65 歳未満の場合の年金の支給停止計算方法 ( 低在老 ) 試算表 1 年金と賃金の合算額が 28 万を超えた場合に 年金額の支給停止 ( これを 低在老 といいます ) が行われます 年金と賃金の合算額 (c) が 28 万以下の場合は

3. 継続雇用制度の対象者基準の経過措置 Q3-1: Q3-2: Q3-3: Q3-4: Q3-5: Q3-6: Q3-7: すべての事業主が経過措置により継続雇用制度の対象者を限定する基準を定めることができますか 改正高年齢者雇用安定法が施行された時点で労使協定により継続雇用制度の対象者を限定する

望ましいであろう 本稿では 労働政策研究 研修機構 高年齢者の継続雇用の実態に関する調査 (2006) に回答した企業を 1 継続雇用の範囲 ( 原則希望者全員 基準を設ける ) 2 継続雇用者の処遇 ( 高 低 ) という2つの軸を用いて6つの類型にわけ それぞれの類型に属する企業の間で 継続雇用

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Transcription:

改正高年齢者雇用安定法対応状況に関する アンケート調査結果 について 平成 25 年 12 月 13 日住友生命保険相互会社 住友生命保険相互会社 ( 代表取締役社長佐藤義雄 ) は 改正高年齢者雇用安定法対応状況に関 するアンケート調査を実施し 調査結果についての冊子を作成いたしました 平成 25 年 4 月に高年齢者雇用安定法が改正され 継続雇用を希望した労働者については全員を 65 歳まで雇用することが原則となりました これを受け当社では改正法への対応状況や高年齢者 雇用に関する幅広いテーマについてアンケートを実施し 1,616 社の企業様からご回答をいた だき そのアンケート結果をまとめたものです 本冊子が 各企業様の高年齢者雇用に関する人事 福利厚生制度のご検討のお役に立てば幸いと 存じます 主な調査結果 ページ数は本ニュースリリースの詳細ページ 1. 改正高年齢者雇用安定法への対応について a. 定年を迎えた人材の雇用確保措置として 再雇用制度 導入企業は9 割超 P1 b.4 割の企業が継続雇用先としてグループ企業を活用 P1 c. 継続雇用制度における 経過措置 導入企業は6 割 P2 2.60 歳以上雇用者の雇用形態について a. 契約社員 としての雇用が 6 割 P3 b. 担当職務の変更については 6 割が 直前の職務を継続 P3 c. 月例給与水準は 定年時の 6 割以上 7 割未満 が 23.4% で最多次いで 5 割以上 6 割未満 が 21.6% P4 d. 賞与は 6 割の企業で支給あり P4 3.60 歳以上雇用者の賃金財源確保 モラルアップ対応策 考え方について a. 賃金財源確保のための人事制度の見直しを約 1/3の企業が 実施済 実施予定 具体的対応策としては 60 歳未満雇用者も含めた給与規定の改定 が最多 P5 b. モラルアップや職場の融和策を3 割の企業が 実施済 実施予定 具体的対応策として過半数を超えたのが 人事評価制度の新設 改定 P6 c.60 歳以上雇用者へは 高い技術や豊富な知識を持っている との考え方が最多 次いで 能力や体力に個人差が大きい P7 4.60 歳以上に導入している福利厚生制度について a. 福利厚生制度は 健康診断補助 が 7 割超で最多 P8 0

- 調査結果の概要 - 1. 改正高年齢者雇用安定法への対応について a. 定年を迎えた人材の雇用確保措置として 再雇用制度 導入企業は9 割超 定年を迎えた人材の雇用確保措置としては 再雇用制度 と回答した企業が90.3% となっています それに対し 勤務延長制度 と回答した企業は2.0% となっています 図表 1 高年齢者雇用確保措置で実施している制度 2.0% 2.2% 0.1% 2.2% 3.2% 1 再雇用制度 2 勤務延長制度 1 2 両制度定年年齢の引き上げ定年の定めの廃止 90.3% b.4 割の企業が継続雇用先としてグループ企業を活用 今後 対象とする予定 の企業も含めると 46.2% の企業がグループ企業も継続雇用の受け皿としています ( 図表 2) グループ企業の活用形態としては 一部の方を残留 一部の方をグループ企業への再雇用等 限定的な活用をする が 65.2% 希望者全員をグループ企業で再雇用する が 19. 9% となっています ( 図表 3) 図表 2 継続雇用先としてグループ企業を 対象としているか 図表 3 グループ企業の活用形態 1.8% 41.6% 対象としている 対象とする予定 12.2% 2.7% 19.9% 希望者全員 一部の方 51.9% 対象としない その他 65.2% 4.6% 1

c. 継続雇用制度における 経過措置 導入企業は 6 割 継続雇用制度における 経過措置 ( 1) の導入有無で 導入済 と回答した企業が最も多く65. 0% となっています 一方 未導入 と回答した企業が11.4% 導入しない予定 という企業が 6.4% となっています 1 老齢厚生年金の報酬比例部分の受給開始年齢に到達した以降の者を対象に継続雇用制度の対象者を限定する基準 を引き続き利用できる制度 図表 4 継続雇用制度における経過措置を実施しているか 6.3% 6.4% 11.4% 3.8% 7.1% 導入済 65.0% 導入する予定未導入導入しない予定未定 分からない 2

2.60 歳以上雇用者の雇用形態について a. 契約社員 としての雇用が6 割 契約社員 という回答が63.4% と最も多く 次いで パートタイム が18.5% その他 が17.9% と多様な雇用形態がうかがえます 一方 正社員として雇用を行うという回答は16.8% となっています 平成 20 年に実施した 高年齢者の継続雇用 パートタイム労働者に関するアンケート にある同一設問でのデータでは 正社員 との回答が15.2% 契約社員 が66.1% パートタイム が1 5.8% という結果でした 今回のデータと比較すると 契約社員 との回答が減少した一方 正社員 と パートタイム の回答が増加しています 図表 5 60 歳以上の雇用形態 ( 複数回答 ) 正社員契約社員パートタイム派遣社員その他 1.3% 4.2% 16.8% 18.5% 17.9% 63.4% 図表 6 平成 20 年実施分 60 歳以上の雇用形態 ( 複数回答 ) 正社員契約社員 15.2% 66.1% パートタイム 15.8% 関連企業への派遣社員 2.0% その他 12.8% b. 担当職務の変更については 6 割が 直前の職務を継続 直前の職務を継続 と回答した企業が61. 3% であった一方 対象者や担当の職務によって変更 と答えた企業が31.0% となっています 雇用形態は変わっても 今までの職務を続けるというスタイルが多く 変更する場合も対象者やその状況などによるということが分かります 原則として他の職務へ変更 と回答した企業は3.3% にとどまっています 図表 7 担当職務の 変更の有無 61.3% 4.4% 3.3% 原則として他の職務 対象者や担当の職務 31.0% 直前の職務を継続 3

c. 月例給与水準は 定年時の 6 割以上 7 割未満 が23.4% で最多次いで 5 割以上 6 割未満 が21.6% 定年時の 6 割以上 7 割未満 との回答が23.4% と最も多く 次いで 5 割以上 6 割未満 が2 1.6% 4 割以上 5 割未満 が16.1% となり 4 割以上 8 割未満を合計すると71.5% となっています 図表 8 月例給与は 定年時と比較しどの水準か 12.0% 1.1% 8.5% 0.0% 3.8% 3.2% 10.4% 定年到達時より多い 9 割以上から同水準 8 割以上 9 割未満 7 割以上 8 割未満 6 割以上 7 割未満 5 割以上 6 割未満 4 割以上 5 割未満 16.1% 23.4% 3 割以上 4 割未満 3 割未満 21.6% d. 賞与は 6 割の企業で支給あり 支給は無い と回答した企業は36.1% でした 支給がある企業では 人事考課に応じた額を支給 (30.6%) や 担当職務に応じて支給 (17.4%) といった成果や仕事内容によって評価する企業の割合が すべての60 歳以上雇用者に一律の定額を支給 (7.8%) や すべての60 歳以上雇用者に定率で支給 (14.5%) を上回っています 図表 9 賞与の支給はあるか ( 複数回答 ) すべての 60 歳以上に一律の定額 すべての 60 歳以上に定率 担当職務に応じて 7.8% 14.5% 17.4% 人事考課に応じた額 支給は無い 30.6% 36.1% 6.3% 4

3.60 歳以上雇用者の賃金財源確保 モラルアップ対応策 考え方について a. 賃金財源確保のための人事制度の見直しを約 1/3の企業が 実施済 実施予定 具体的対応策としては 60 歳未満雇用者も含めた給与規定の改定 が最多 60 歳以降の賃金財源確保のための人事制度の見直し有無について 実施済 実施予定 と答えた約 500の企業に具体的対応策を質問したところ 60 歳未満雇用者も含めた給与規定の改定 が最も多く44.0% となっています 次いで 給与 賞与 一時金の支給水準の減額 が40.8% 退職金の制度や水準の改定 が18.3% となっています 図表 10 60 歳以降の賃金財源確保のための人事制度の見直し有無 4.5% 15.7% 実施済 63.1% 実施予定 16.8% 実施予定なし 図表 11 60 歳以降の賃金財源確保のための具体的対応策 ( 複数回答 ) 給与 賞与 一時金の支給水準の減額退職金の制度や水準の改定新入社員採用の抑制 60 歳未満も含めた給与規定の改定 5.7% 18.3% 40.8% 44.0% その他 13.7% 4.0% 5

b. モラルアップや職場の融和策の実施有無を3 割の企業が 実施済 実施予定 具体的対応策として過半数を超えたのが 人事評価制度の新設 改定 60 歳以上雇用者のためのモラルアップや職場での融和策を実施している約 450の企業に具体的対応策を質問したところ 人事評価制度を新設 改定 が最も多く50.6% でした 次いで 60 歳未満雇用者へのアドバイザー的役割の付与 が34.0% 職務における後輩世代との棲み分け が2 1.4% となっています 図表 12 モラルアップや職場の融和策の実施有無 6.6% 13.7% 実施済 15.3% 実施予定 64.5% 実施予定なし 図表 13 60 歳以上のモラルアップや 60 歳未満との職場での融和のための具体的対応策 ( 複数回答 ) 人事評価制度を新設 改定 職務 職種 部署の新設 新たなポストの新設 12.4% 9.4% 50.6% 60 歳未満へのアドバイザー的役割職務における後輩世代との棲み分け その他 13.0% 21.4% 34.0% 1.9% 6

c.60 歳以上雇用者へは 高い技術や豊富な知識を持っている との考え方が最多次いで 能力や体力に個人差が大きい 高い技術や豊富な知識を持っている が最も多く34.0% でした ( 図表 14) また どちらかといえばそう思う と答えた企業も54.9% あり両方で88.9% となっています 平成 20 年に実施した調査と比較すると 高い技術や豊富な知識を持っている 技術 ノウハウの継承のために不可欠 勤務形態 仕事振りがまじめである の3 項目で そう思う が5% 以上減少しています 一方 能力や体力に個人差が大きい では4. 0% 増加しています 図表 14 60 歳以上雇用者に対する考え方について 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0% 90.0%100.0% 高い技術や豊富な知識を持っている 34.0% 54.9% 4.9% 5.9% 0.3% 技術 ノウハウの継承のために不可欠 23.4% 52.7% 15.7% 1.5% 6.7% そう思う 勤務形態 仕事振りがまじめである 13.2% 64.2% 14.8% 0.8% 7.0% 比較的安い賃金で雇用できる 19.6% 49.1% 20.7% 3.5% 7.1% どちらかといえばそう思う 作業能力や効率が悪い 1.5% 22.6% 56.5% 12.7% 6.7% どちらかといえばそう思わない 能力や体力に個人差が大きい 32.6% 46.5% 11.5% 2.9% 6.5% そう思わない 健康管理に特別の配慮が必要である 他の労働力が確保できても継続雇用者を積極的に活用していきたい 15.5% 9.0% 51.1% 50.6% 24.8% 29.3% 6.2% 3.0% 7.5% 3.0% 図表 15 平成 20 年度実施分 60 歳以上雇用者に対する考え方について 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0% 90.0%100.0% 高い技術や豊富な知識を持っている 40.6% 52.4% 3.9% 2.5% 0.6% そう思う 技術 ノウハウの継承のために不可欠 勤務形態 仕事振りがまじめである 28.9% 19.8% 51.5% 64.2% 14.9% 1.8% 2.9% 11.8% 1.3% 2.9% どちらかといえばそう思う 比較的安い賃金で雇用できる 作業能力や効率が悪い 能力や体力に個人差が大きい 23.4% 1.6% 20.0% 28.6% 49.9% 52.9% 50.7% 18.4% 5.1% 3.2% 21.9% 3.5% 13.7% 4.0% 3.0% どちらかといえばそう思わない そう思わない 健康管理に特別の配慮が必要である 14.7% 50.0% 27.1% 5.1% 3.2% 他の労働力が確保できても継続雇用者を積極的に活用していきたい 9.5% 56.3% 27.1% 3.3% 3.8% 7

4.60 歳以上に導入している福利厚生制度について a. 福利厚生制度は 健康診断補助 が7 割超で最多 60 歳以上を対象とした福利厚生制度の導入状況は 健康診断補助 が79.0% の企業で導入されており最も多くなっています 次いで 看護 介護休暇 育児休暇制度 が67.5% メンタルヘルス対策 が61.8% の企業で導入されています 図表 16 60 歳以上に導入している福利厚生制度 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0% 90.0%100.0% 社宅制度 24.7% 34.8% 40.5% 住宅手当 家賃補助 持家支援の社内融資制度 5.0% 15.3% 32.1% 44.7% 63.0% 40.0% 60 歳以上を含んだ全職員 メンタルヘルス対策 61.8% 5.7% 32.5% 60 歳未満のみ 健康診断補助 79.0% 4.7% 16.3% 長期所得補償 6.2% 15.8% 78.0% 看護 介護休暇 育児休暇制度 67.5% 17.9% 14.5% 公的資格取得支援 通信教育支援 38.9% 23.6% 37.5% 調査概要 調査概要 1. 調査対象 業種 企業規模等を問わず全国の企業 団体を対象としています 2. 調査時期 平成 25 年 7 月 26 日 平成 25 年 10 月 25 日 3. 調査方法 当社職員によるアンケートの配布 回収 4. 回収結果 有効回答数 :1616 5. その他 当社では平成 20 年にも企業の高年齢者継続雇用の状況に関するアンケートを 実施しており 項目によっては 調査結果の比較をおこなっています 8