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平成 30 年度救急業務のあり方に関する検討会報告書の概要 消防庁救急企画室 はじめに 消防庁救急企画室では 高齢化を背景として救急需要が増大する中 救急車の適正利用の推進や救急業務の円滑な実施と質の向上等 救急業務を安定的かつ持続的に提供し救命率の向上を図ることを目的に 平成 30 年度救急業務の

救急蘇生統計 (2008 年 ) ( ポイント ) 1. 心肺機能停止傷病者の1ヵ月後の生存率及び社会復帰率は年々上昇 2008 年中に救急搬送された心肺機能停止傷病者搬送人員のうち 心原性かつ一般市民により目撃のあった症例の1ヵ月後生存率は 10.4% と過去 4 か年のうち最も高く 2005 年

昼間 ( 月 ~ 土 9:00~18:30) 授業期間中 学内での救急対応連絡の流れ 急病人 けが人発生! 参考 タクシーで搬送する場合 1 発見者意識の確認 意識の確認 反応はあるか? 大阪第一交通 ( 富田林 ) 反応なし 2 通報 救急車の要請 (1

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ウツタイン様式を活用した救命効果の検証

高等学校「保健」補助教材「災害の発生と安全・健康~3.11を忘れない~」 第3章


7119 未実施団体に対するアンケート調査の結果 実施しない理由として 事業の費用対効果や 医療面に対するメリットが明確でないとの意見があったことから 医療機関の負担軽減効果や医療費の適正化の効果について定量的に分析を行いました また 利用率向上のためには 住民の認知度を高めることが重要であることか

消防救第 86 号 医政指発 0330 第 1 号 平成 22 年 3 月 30 日 各都道府県消防 防災主管部 ( 局 ) 長殿衛生主管部 ( 局 ) 長殿 消防庁救急企画室長 厚生労働省医政局指導課長 消防機関における自動体外式除細動器 (AED) の取扱いについて 今般 平成 21 年度厚生労

Microsoft PowerPoint - G2010AED(レジュメ)

Microsoft Word - ①救命講習テキスト表紙 家族編 済

傷病者の搬送及び受入れ に関する実施基準 平成 22 年 3 月策定平成 26 年 3 月改正平成 27 年 7 月改正平成 29 年 9 月改正

4 呼吸の確認 傷病者が 普段どおりの呼吸 をしているかどうかを確認します 傷病者のそばに座り 10 秒以内で傷病者の胸や腹部の上がり下がりを見て 普段どおりの呼吸 をしているか判断します ( 図 10) 反応はないが 普段どおりの呼吸 がある場合は 様子を見ながら応援や救急隊の到着を待ちます 次の

目次 1 目的 1 2 医療機関及び行政機関等との協力関係の確保 1 3 事業主体 1 (1) ドクターヘリ 1 (2) 防災消防ヘリ 1 4 定義 1 (1) ドクターヘリ基地病院 1 (2) 地域救急医療体制支援病院 1 (3) ヘリ救急搬送体制支援病院 2 (4) 出動区分 2 5 ドクターヘ

心肺機能停止傷病者の救命率等の状況 総務省消防庁救急企画室 1

目 次 心肺蘇生の必要性救命の連鎖一次救命処置 (Basic Life Support) の流れ周囲の安全確認 反応の確認 応援を呼ぶ呼吸の確認心肺蘇生 ( 胸骨圧迫 人工呼吸 中止 ) AEDの使用方法異物の除去止血法三角巾をつかった包帯法骨折の応急手当傷病者の管理搬送法首を痛めている場合突然死を

1 緊急時対応の心得 緊急事態はいつ どこで発生するか全く予想する事ができないため 慌てず適正な行動をとるためには 日ごろから対応方法を十分確認しておく事が必要である p.100 に対応フローを例示するが 緊急事態の発生時間帯や状況によりとるべき行動が異なるため 最終的には当事者 発見者の判断に委ね

救急蘇生ガイドライン改訂を受けて 救急蘇生のガイドラインが 2010 年に改訂されたことを受け 平成 22 年 3 月 1 日に日本歯科衛生士会から発行された 始めよう!! 救急蘇生トレーニング を一部修正加筆致しました ガイドラインの改訂は 5 年ごとに行われるもので 2005 年の改訂では 内容

平成 25 年版救急 救助の現況 ポイント 1. 救急業務実施体制 1) 平成 25 年 4 月現在 消防本部は 770 本部で 全ての消防本部において救急業務が実施されている 全国 1,720 市町村のうち 1,685 市町村 (790 市 735 町 160 村 ) において消防本部による救急業

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平成22年度厚生労働科学研究費補助金(特別研究事業)

平成18年8月  日

スポーツ紀要小峯・小粥・稲垣(校了).indd

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二複雑な検査を必要とすることなく 消防庁長官が別に定める装備資器材を用いて行う処置であること ( 平三消庁告四 一部改正 ) ( 観察等 ) 第五条救急隊員は 応急処置を行う前に 傷病者の症状に応じて 次の表の上欄に掲げる事項について下欄に掲げるところに従い傷病者の観察等を行うものとする 区分 方法

新年度スタート!正しい救急車の利用方法と応急手当を知ろう

薬剤師のための災害対策マニュアル

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1-1. 救急救命フローチャート チャート中の番号は 次ページからの各項の番号に対応しています 傷病者が発生! 救急車を要請する 他のオリターに知らせる AED を 用意する 9 出血部位の止血 YES 大出血はあるか? NO 声をかけ続け 意識を保たせる YES 1 意識はあるか? NO 2 呼吸

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1 情報通信基盤の整備

Ⅰ. 一次検証 1) 一次検証者 消防本部で任命された救急技術指導者または同等の指導能力を有する者 2) 検証範囲全搬送事例参考 ) 神奈川県におけるメディカルコントロール体制推進方針 消防機関による事後検証消防機関においては 検証医師による医学的観点からの事後検証を受ける前に 全ての事例について救

A 学校内での役割分担 各々の役割分担を確認し事前にシミュレーションを行う 管理 監督者 ( 校長 ) 現場に到着次第 リーダーとなるそれぞれの役割の確認および指示エピペン の使用または介助心肺蘇生やAEDの使用 発見者 観察 子どもから離れず観察助けを呼び 人を集める ( 大声または 他の子どもに

訂正研究表紙・目次 **

救急隊員等におけるBLSアルゴリズム

高松市消防局庁達 11 号 各 課 各消防署 高松市応急手当普及啓発活動実施要綱を次のとおり改める 平成 28 年 12 月 1 日 高松市消防局長河西洋一 高松市応急手当普及啓発活動実施要綱 目次第 1 章総則 ( 第 1 条 ) 第 2 章普及啓発活動 ( 第 2 条 - 第 10 条 ) 第

新規文書3

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1 外国人傷病者対応 資料 1

各都道府県消防防災主管部 ( 局 ) 長殿 事務連絡平成 23 年 2 月 18 日 消防庁救急企画室長 半自動除細動器の不具合事案について 平素より救急行政にご理解ご協力いただき お礼申し上げます 別添のとおり 滋賀県より半自動除細動器の不具合事案についての情報提供がありましたので 貴都道府県内の

別紙 主に市民が行う一次救命処置 大 成人 小児 乳児 項 ( 思春期以降 ( 年齢 :15 歳超が目 (1 歳から思春期以前 ( 年齢とし (1 歳未満とする ) 目 手技 安 )) の年齢層 ては 15 歳程度 中学生までが目 安 ) とする ) 発見 通報心肺蘇生法 発見時の対応手順救助者二人

目次 第 1 節救急業務の理解 1 1. 救急業務における通信指令員の役割 1 (1) 心停止の予防 1 (2) 心停止の認識と早期通報 3 (3) 口頭指導 3 2. 救急業務の現状 4 (1) 救急搬送件数と将来推計 4 ア救急 救助に関する通報の状況 4 イ救急件数 搬送人員の推移 5 ウ平成

第 2 回 マニュアル プロトコール専門部会 席次表 仲村部会長 奈良班長 稲葉委員 亀山班長 篠崎委員 宗像班長 齋賀指導救命士 石田指導救命士 千葉市救急業務検討委員会 平澤委員長 反田係長 小林救急課長 佐藤警防部長 山口補佐 梅澤係長 坂本士長 植田士長 高山司令補 新濱司令補 入口

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平成 26 年 12 月 19 日 消防庁 平成 26 年版救急 救助の現況 消防庁では 全国の救急業務及び救助業務の実施状況等について 毎年調査を実施しております 今般 平成 26 年版救急 救助の現況 ( 救急蘇生統計を含む ) を取りまとめましたので 公表します 1 救急出動件数及び搬送人員と

化するような場合に 正規職員の増減による対応によることなく 効率的かつ機動的に対処するような場合が該当します 例えば 特定の地域において保育業務等の需要が急増するような場合 当該地域内における比較的余裕がある他の部門の組織や定数の改廃等と合わせて臨時的任用を弾力的に活用することにより 地域住民のニー

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地震防災ハンドブック 第2章

アレルギー疾患対策基本法 ( 平成二十六年六月二十七日法律第九十八号 ) 最終改正 : 平成二六年六月一三日法律第六七号 第一章総則 ( 第一条 第十条 ) 第二章アレルギー疾患対策基本指針等 ( 第十一条 第十三条 ) 第三章基本的施策第一節アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減 ( 第十四条

セントラル警備保障株式会社

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応急手当の重要性 大切な命を救うために 救急車は要請してから到着するまで 全国平均で現在約 8 分の時間がかかります もし心臓が止まると 血液中の酸素をたくさん必要としている脳は酸欠状態となり 3~4 分以上そのままの状態が続くと脳細胞が死んでしまい 回復が難しくなります 救急隊が到着するまで何もで

平成 28 年度診療報酬改定情報リハビリテーション ここでは全病理に直接関連する項目を記載します Ⅰ. 疾患別リハビリ料の点数改定及び 維持期リハビリテーション (13 単位 ) の見直し 脳血管疾患等リハビリテーション料 1. 脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅰ)(1 単位 ) 245 点 2

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付き合い方療との上手な夜1 日医間のすすめ救急診療利用の仕方救急車の知っておきたい医療保険制度知っておきたい介護保険制度役立つふろくかかりつけ医の休日 休日および平日の夜間 急な病気 ケガに対応 < 内科 小児科 > 柏崎休日 夜間急患センター < 歯科 > 柏崎総合医療セ

応急手当の重要性 大切な命を救うために 救急車は要請してから到着するまで 全国平均で現在約 8 分の時間がかかります もし心臓が止まると 血液中の酸素をたくさん必要としている脳は酸欠状態となり 3~4 分以上そのままの状態が続くと脳細胞が死んでしまい 回復が難しくなります 救急隊が到着するまで何もで


Microsoft Word _ソリリス点滴静注300mg 同意説明文書 aHUS-ICF-1712.docx

6 か月未満の乳児 意識障害 けいれんがあるとき 重症の心臓病 不整脈があるとき 吐かせる 吐かせない至急病院へ吐かせない病院へ病院へ何ものませない何ものませない何ものませない水や牛乳を飲ませる牛乳 卵白を飲ませる水を飲ませる

03.【資料2】今後の救急救命処置のあり方と運用について

私のリビングウィル 自分らしい最期を迎えるために あなたが病気や事故で意思表示できなくなっても最期まであなたの意思を尊重した治療を行います リビングウィル とは? リビングウィルとは 生前に発効される遺書 のことです 通常の遺書は 亡くなった後に発効されますが リビングウィルは 生きていても意思表示

第 4 章 スポーツ指導者に必要な医学的知識 Ⅰ 4 救急処置 ( 救急蘇生法 ) 救命処置を要する状況は 予期せぬ時と場所で突発的に起こることが多く 誰でもが動転してしまい適切な対応 処置ができないものである 救急蘇生法は 何もしない ことがあってはならず また今まで一度も経験していないから でき

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初版 血糖測定およびブドウ糖投与ガイドライン 2015 湘南地区メディカルコントロール協議会

蘇生をしない指示(DNR)に関する指針

資料 2 緊急度判定 ( トリアージ ) プロトコルの策定に関する基本方針 ( 素案 ) 1. 緊急度判定 ( トリアージ ) の導入について 今後 傷病者の救命率をさらに向上するために 質の高い救急搬送を安定的に実施することが求められている 増大する救急需要に対応するためには 供給面 需要面の両者

油漏洩 防油堤内 にて火災発生 9:17 火災発見 計器室に連絡 ( 発見 者 計器室 ) 発見後 速やかに計 器室に連絡してい る 出火箇所 火災の状況及び負傷者の発生状況等を確実に伝え 所内緊急通報の実施 火災発見の連絡を受 けて速やかに所内 緊急通報を実施し 水利の確保 ( 防災セ ンター 動

共通-1-イントロ/4.0

相談者の属性入力画面 受付番号 に基づいた受付業務に必要なデータが登録できること 相談者の属性 ( 本人 or 家族等 ) バイスタンダーの有無 性別 年齢が入力できること相談途中 CPAのキーワード ( 呼吸なし 脈なし 水没 体た冷たい ) が出た場合 管轄消防へ転送

心疾患患による死亡亡数等 平成 28 年において 全国国で約 20 万人が心疾疾患を原因として死亡しており 死死亡数全体の 15.2% を占占め 死亡順順位の第 2 位であります このうち本県の死亡死亡数は 1,324 人となっています 本県県の死亡率 ( 人口 10 万対 ) は 概概ね全国より高

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第 3 節心筋梗塞等の心血管疾患 , % % % %

医療に対するわたしの希望 思いが自分でうまく伝えられなくなった時に医療が必要になった場合 以下のことを希望 します お名前日付年月日 変更 更新日 1. わたしの医療について 以下の情報を参照してください かかりつけ医療機関 1 名称 : 担当医 : 電話番号 : かかりつけ医療機関 2 名称 :

速く : 少なくとも 100 回 / 分絶え間なく : 中断を最小限にする可能ならば硬いものの上で CPR を行う 脱気できるマットレスであれば CPR 中は脱気する 胸骨圧迫部位は胸骨の下半分 胸の真ん中 を目安とする 毎回の胸骨圧迫の後で完全に胸壁が元の位置に戻るように圧迫を解除する 複数の救助

2. 延命措置への対応 1) 終末期と判断した後の対応医療チームは患者および患者の意思を良く理解している家族や関係者 ( 以下 家族らという ) に対して 患者が上記 1)~4) に該当する状態で病状が絶対的に予後不良であり 治療を続けても救命の見込みが全くなく これ以上の措置は患者にとって最善の治

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( 社会福祉施設用作成例 ) (4) 施設管理者は, 緊急時連絡網により職員に連絡を取りましょう (5) 施設管理者は, 入所者の人数や, 避難に必要な車両や資機材等を確認し, 人員の派遣等が必要な場合は, 市 ( 町 ) 災害対策本部に要請してください (6) 避難先で使用する物資, 資機材等を準

エントリーが発生 真腔と偽腔に解離 図 2 急性大動脈解離 ( 動脈の壁が急にはがれる ) Stanford Classification Type A Type B 図 3 スタンフォード分類 (A 型,B 型 ) (Kouchoukos et al:n Engl J Med 1997) 液が血管

救急車の要請について

傷病者の管理法 1 安全の確認 傷病者に近寄る前には 周囲の安全を確認し 状況にあわせて自らの安全を確保してから近づきます 車が通る道路などに人が倒れている場合には 特に気をつけます 2 衣服の緩め方 周囲の安全の確認 傷病者にとって楽な姿勢をとらせ 衣服やベルトなどを緩めます 衣服は 傷病者に動揺

1 応急手当の基礎知識 しまった場合の救命処置も大事ですが 何よりも突然死を未然に防ぐことが一番効果的です 成人の突然死の主な原因は 急性心筋梗塞や脳卒中です これらは 生活習慣病とも呼ばれており 生活習慣の改善でその発症のリスクを低下させることも大切な予防の一つです しかし 救命の連鎖 における

豊川市民病院 バースセンターのご案内 バースセンターとは 豊川市民病院にあるバースセンターとは 医療設備のある病院内でのお産と 助産所のような自然なお産という 両方の良さを兼ね備えたお産のシステムです 部屋は バストイレ付きの畳敷きの部屋で 産後はご家族で過ごすことができます 正常経過の妊婦さんを対

03-01【局長通知・特例】施術管理者の要件に係る取扱の特例について

11亀岡・中川

はじめに

できない場合は 代表消防機関代行の倉敷市消防局又は津山圏域消防組合消防本部の職員をもって充てるものとする 4 岡山県大隊に 消火 救助 救急等の任務単位毎に中隊を設けることとし 各中隊を 消火中隊等 と呼称するものとする なお 中隊長は 岡山県大隊長が指定するものとする 5 各中隊に 各車両又は付加

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1 火災から尊い生命を守ろう  平成13年春の火災予防運動

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問 32-2 うちエコ診断 を受けない理由 ( 問 32 で うちエコ診断は知っている ( 聞いたことがある ) が 受けたことはない と答えた方に ) あなたが うちエコ診断 を受けない理由として 次の中からいくつでも選んで番号を で囲んでください ( 回答者数 =73 人 )( 複数回答 ) (

個人情報保護規程

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Transcription:

口頭指導に関する実施基準 別紙 平成 11 年 7 月 6 日消防救第 176 号都道府県知事あて消防庁次長 改正経過 平成 25 年 5 月 9 日消防救第 42 号 1 目的この実施基準は 消防機関が行う救急現場付近にある者に対する応急手当の口頭指導について その実施方法等必要な事項を定め もって救命効果の向上に資することを目的とする 2 定義この実施基準において 口頭指導 口頭指導員及び応急手当実施者の定義は次のとおりとする 口頭指導救急要請受信時に 消防機関が救急現場付近にある者に 電話等により応急手当の協力を要請し 口頭で応急手当の指導を行うこと 口頭指導員 119 番通報を受ける等の指令業務に従事している者の中で 別に定める口頭指導を行うための要件を満たす消防職員 応急手当実施者口頭指導員により口頭指導を受け傷病者に対し応急手当を施行する者 ( 口頭指導員の口頭指導を施行者に伝える者も含む ) 3 口頭指導の指導項目消防機関が口頭指導を行う際の指導項目は次のとおりとし 各消防機関で定めたプロトコルに基づき実施すること ただし 消防機関の実情に応じて 中毒の処置等その他の手当の指導項目を設けることは差し支えない (1) 心肺蘇生法 (2) 気道異物除去法 (3) 止血法 (4) 熱傷手当 (5) 指趾切断手当 4 口頭指導の実施要領 (1) 口頭指導実施及び中止の判断口頭指導は 口頭指導員が聴取した内容から応急手当が必要であると判断した場合に実施する また 応急手当実施者が極度に焦燥し 冷静さを失っていること等により対応できない場合及び指導により症状の悪化を生じると判断される場合は中止する (2) 各口頭指導に繋げるための導入要領通報者から必要な事項を迅速かつ的確に聴取し 傷病者の状態に応じた医学的に適切な口頭指導が行えるよう 各口頭指導につなげるための導入要領の策定に努めるものとする (3) 口頭指導員の要件口頭指導員は 次のいずれに該当する者をもって充てるものとする

ア救急救命士イ救急隊員の資格を有する者ウ応急手当の普及啓発活動の推進に関する実施要綱 ( 平成 5 年 3 月 30 日付け消防救第 41 号 ) に基づく応急手当指導員また 口頭指導員が 119 番の通報内容から心停止を的確に識別し 又は CPR 指導の実効性及び迅速性を高めるためには 救急に係る医学的な知識の習得が不可欠であることから 指令業務に携わる職員の資格 ( 救急救命士資格 救急隊員資格 ) 実務経験 教育体制等を考慮して それぞれの消防本部で資格に応じた講習時間や講習内容等を設定することが望ましい (4) 口頭指導内容口頭指導員は 口頭指導を行うに際し 既に救急隊が向かっている旨を伝える等応急手当実施者に安心感を持たせるとともに 原則として各項目のプロトコルの内容に従って指導するものとする ただし 口頭指導員のうち 上記 (3) のア又はイの要件を満たす者は 症状の改善が期待できると判断した場合は 各項目のプロトコルの項目以外の中毒等の処置についても口頭指導を実施できるものとする (5) その他ア口頭指導を実施すべき事案であると判断した場合は 各プロトコルに従って 速やかに指導を行うものとする イ口頭指導を実施する場合 感染防止上の留意事項についても配意した指導を行うものとする ウ口頭指導を実施した場合 出場中の救急隊に対してその内容について適切な方法により伝達するものとする 5 口頭指導に係わる記録等口頭指導員は 口頭指導を行った場合は 口頭指導を行った年月日 時刻 口頭指導員名 応急手当実施者 指導項目及び指導内容並びにその口頭指導による応急手当の実施又は不実施の現場状況 傷病者の予後等について 該当救急隊等に確認し記録しておくこととする また 一層の救命率の向上を図ることを目的に 通信指令業務のうち救急に係る内容について 地域メディカルコントロール協議会において事後検証を行う体制を検討するとともに 口頭指導 コールトリアージ ( 通報内容から緊急度及び重症度を判断し 出動隊の選別 事前の医療機関選定等を行うこと ) 及び指令員に対する救急に係る指令員教育に関して 地域メディカルコントロール協議会がサポートしていく体制を構築し 口頭指導及びバイスタンダー CPR の実施率向上に努めること

参考 1-1 心肺蘇生法 ( 全年齢対象 ) 反応 ( 意識 ) がなく 正常な呼吸でない通報 通報者が極度に焦燥し冷静さを失っていること等により対応できない場合は口頭指導を中止する 救急車が要請場所へ向かっていることを伝え 落ち着かせる傷病者の救命のためには応急手当が必要であることを伝え協力を依頼する あなたは近くに手伝ってもらえる人がいる場合は集めさせる 1 人きりですか? 近くの人に手伝ってもらえますか? 知らない忘れた等 心肺蘇生のやり方を知っていますか AEDが近くにあれば取り寄せることも指示する 1 知っている 胸骨圧迫 2 を指導 心臓マッサージのやり方を伝えるので その通り行ってください 傷病者を仰向けにし 胸の横に位置してください 胸の真ん中 3 に手のひらの付け根を当ててください その上にもう一方の手を重ねて置いてください 両肘をまっすぐに伸ばして真上から5cm 以上 ( 中学生までは胸の厚みの1/3( 両手 片手 2 本指は任意 )) 沈むように胸を強く圧迫してください 圧迫のテンポは イチ ニイ サン くらいの速さで連続して行ってください ( 胸骨圧迫のみの口頭指導 ) 心肺蘇生を指導 心肺蘇生( 心臓マッサージ30 回 : 人工呼吸 2 回 ) を実施してください ( 人工呼吸ができなければ胸骨圧迫のみを指導 ) 協力者がいる場合は1~2 分を目安に交代する救急隊と交代するまで または 傷病者に正常な呼吸や目的のある仕草 4 ( 胸骨圧迫している手を払いのけるなど ) が認められるまで継続 1 AEDが現場に届けば直ちに使用させる 2 心肺蘇生の 胸骨圧迫 という文言が普及しきれていないため 心臓マッサージ を用いてもよい 3 胸骨圧迫部位の指導で 胸の真ん中 で部位が伝わらない場合 乳頭を結ぶ線の真ん中 胸骨の下半分 などを用いてもよい 4 効果がみえなくても継続するよう指導する 出典 : 平成 24 年度救急業務のあり方に関する検討会報告書 163 頁

参考 1-2 気道異物除去法 気道異物に関する内容の聴取 近隣の協力者や AED の要請を指示する なし 反応の確認 通報者が極度に焦燥し冷静さを失っていること等により対応できない場合は口頭指導を中止するあり 出せない 発声の確認 出せる 咳をすることが可能ならできるだけ続けさせる 背部叩打法手のひらの基部で左右の肩甲骨の中間を強く5 回たたく繰り返す意識 ( 反応 ) 確認 意識 ( 反応 ) がなくなった場合はすぐに知らせるよう指示する 気道異物除去法のやり方を知っている場合 腹部突き上げ法 ( ハイムリック ) を行ってもよい 声が出せなくなった場合はすぐに知らせるよう指示する 声が出せなくなった場合 傷病者の意識 ( 反応 ) がなくなった場合 心肺蘇生法 の口頭指導へ ( 途中で異物が見えた場合は取り除く ) 出典 : 平成 24 年度救急業務のあり方に関する検討会報告書 164 頁

参考 1-3 止血法 出血 ( 外傷 ) に関する内容の聴取 通報者が極度に焦燥し冷静さを失っていること等により対応できない場合は口頭指導を中止する いいえ 出血状態の確認 出血は止まっていますか? はい 感染防止直接血液に触れないように可能であればゴム手袋やビニール袋を着用させる 傷病者が楽な姿勢で待機させる 意識 ( 反応 ) がなくなった場合はすぐに知らせるよう指示する できるだけ 血液に触れないよう注意喚起 直接圧迫止血ガーゼ ハンカチ タオルなどを重ね出血部位に当てて 強く押さえる ガーゼ等から血液が染み出てくる場合は 圧迫位置が出血部位から外れている または 圧迫する力が弱いなどが考えられる 細いひもや針金で出血している手足を縛る方法は 血管や神経を痛める危険性があるので指導しない 意識 ( 反応 ) がなくなった場合はすぐに知らせるよう指示する 意識 出血状態の継続観察 出典 : 平成 24 年度救急業務のあり方に関する検討会報告書 165 頁

参考 1-4 熱傷手当 熱傷に関する内容の聴取 通報者が極度に焦燥し冷静さを失っていること等により対応できない場合は口頭指導を中止する 体幹若しくは広範囲の場合 熱傷部位の確認 四肢若しくは局所の場合 冷却 すみやかに水道の流水で痛みが和らぐまで局所を冷やす 衣服を着ている場合は 衣服ごと冷やす 氷や氷水により長時間冷やすことは勧めない 水疱( 水ぶくれ ) は破らないようにする 広範囲が冷えてしまう場合 低体温を防ぐため10 分以上の冷却は避ける そのままの状態で待機させる すでに冷却している場合 低体温を防ぐため10 分以上の冷却は避ける 出典 : 平成 24 年度救急業務のあり方に関する検討会報告書 166 頁

参考 1-5 指趾切断手当 指趾切断に関する内容の聴取 通報者が極度に焦燥し冷静さを失っていること等により対応できない場合は口頭指導を中止する 負傷部位の確認 はい 指は切れて離れていますか? いいえ 感染防止直接血液に触れないように可能であればゴム手袋やビニール袋を着用させる 止血法の口頭指導へ できるだけ 血液に触れないよう注意喚起 直接圧迫止血ガーゼ ハンカチ タオルなどを重ね 出血部位に当てて 強く押さえる 離れた指はありますか? いいえ 可能な範囲で検索観察 処置を継続指示 はい 切断した指趾を医療機関へ持っていくことを説明するできるだけ清潔に保つことと 救助者がいる場合で可能であれば氷の調達を指示する 出典 : 平成 24 年度救急業務のあり方に関する検討会報告書 167 頁

119 番通報からの導入要領 ( 心停止等の識別 ) 質問の質問質問応答選択肢プロトコル目的番号内容 ( 移動先 ) 留意事項 導入 1 火事ですか 救急ですか? a 救急 ( 質問 2) b 火事 その他 ( 対象外 ) 出動先確認 2 ( 救急車が出動する先の住所の確認 ) ( 質問 3) 概況の把握 3 どなたが どうしましたか? 通報者自らが提供する傷病者情報の表現に傾聴 a <キーワード> 出動指令 + 呼吸なし 脈なし 水没 首心肺蘇生法の口頭指導をつっている PA 連携や医師要請等も考慮 反応の確認 4 b ( キーワードなしで ) 目の前で人が倒れた ( 目撃 ) 人が倒れているけいれんしている具合が悪そう様子がおかしい ( 質問 4) c ( キーワードなしで ) 出動指令 + 喉にものをつめた ( 窒息 ) 気道異物除去の口頭指導 ( キーワードなしで ) d 反応 ( 意識 ) があることが明らかな通報 ( 質問 6) 大きな声で呼びかけて反応はありますか? a はい ( 質問 6) b 反応がない ( 質問 5) c 不明 ( 質問 5) 胸や腹部が上下する普段通りの ( 正常な ) 呼 吸ですか? 成人が通報者の目の前で突然倒れた場合は特に心停止の可能性が高い けいれんしている けいれんが治まった後 呼吸の確認を指示するけいれん ( てんかん ) の既往の有無も可能であれば確認する具合が悪そう 様子がおかしいなど不明確 不定愁訴な通報内容には心停止が潜んでいるので 可能な限り より積極的に意識 ( 反応 ) と呼吸の状態を確認させる 通報者を落ち着かせ可能な限り観察するよう依頼する協力者の要請指示も考慮する 呼吸の確認 5 普段通りの正常な呼吸でないと疑われる表現には要注意 a はい ( 質問 6) b 正常な呼吸でない 出動指令 + 心肺蘇生法の口頭指導 c 不明 ( 質問 6) ( ここまで不明な場合 ) 年齢性別の確認 6 年齢はいくつぐらいですか ( 質問 7) 傷病者は男性ですか 女性ですか? 救急車はすでに出動していますので 詳し出動指令 + 聴取内容に応詳細な概況の確認 7 い概況を教えてくださいじた口頭指導 各質問項目から総合的に判断し 心停止を識別すること 質問に対し確実な応答でなければ 繰り返し確認させることも考慮する 通報者を落ち着かせ可能な限り観察するよう依頼する協力者の要請指示も考慮する 救急隊への情報伝達 参考 2 出典 : 平成 24 年度救急業務のあり方に関する検討会報告書 162 頁

分類具体的項目到達目標 ( 具体的内容 ) 救急指令管制実務教育救急車同乗実習 ( 任意 ) 医学基礎教育通信指令員に対する救急に関する講習項目 参考 3 救急業務における指令員の役割 通報から救急隊の到着までの対応の重要性 救命の連鎖 救急業務の現状 救急搬送件数の推移と将来推計 ウツタイン統計 救急現場活動 指令から医療機関到着までの救急現場活動 救急救命士が行う処置の範囲 ( 特定行為 ) 救急隊員が行う処置の範囲 メディカルコントロール体制 オンラインMCとオフラインMC 救急医療体制 救命救急センター その他の救急医療機関 改正消防法 ( 搬送と受入れの実施基準 ) に係る地域での運用状況 緊急度 重症度識別 ドクターカー ドクターヘリの要請 PA 連携の早期要請ための識別 救急隊への情報伝達 救急隊への適切な情報伝達要領 口頭指導要領 模擬トレーニング ( 実例を基にしたシミュレーション訓練 ) 慌てている通報者への対応要領を含む 解剖 生理 生命維持のメカニズム 心停止に至る病態 ( 心停止に移行しやすい病態 ) 心筋梗塞 脳血管障害 呼吸器疾患 高エネルギー外傷 アレルギー 窒息 ( 死戦期呼吸 心停止直後のけいれん ) 心肺蘇生法 胸骨圧迫の重要性 人工呼吸の意義など AED 電気ショック適応 不適応の心電図 ( 心室細動 / 無脈性心室頻拍とその他 ) AEDの性能 電気ショック後の対応要領含む その他の口頭指導対象病態 気道異物 出血 熱傷 指趾切断など 講習時間については 指令業務に携わる職員の資格 ( 救急救命士資格 救急隊員資格等 ) 実務経験 教育体制等を考慮して それぞれの消防本部で到達目標を満たすよう設定すること 出典 : 平成 24 年度救急業務のあり方に関する検討会報告書 168 頁