ISO の概要

プロジェクトマネジメント国際標準化フォーラム 2012 ISO 21500 WG2 総括報告 平成 24 年 11 月 28 日 PC236 国内対応委員会関口明彦 Copyright 2012 AKIHIKO SEKIGUCHI

WG2 概要 WG2: プロセスの検討グループ CONVENER:Reinhard Wagner(Germany) SECRETARY:Walter Bowman(USA) 検討メンバーは各国のプロマネ有識者だが 英語を母国語とし 国際標準にも見識を持つ専門家がリーダーシップを発揮 (USA 代表 UK 代表 ) 第 2 回ワシントン会議 第 3 回ミュンヘン会議 第 4 回東京会議 第 5 回リオ会議 第 6 回パリ会議 WD 議論 審議コメント : 811 件 審議コメント : 656 件 審議コメント : 678 件 審議コメント : 309 件 WD CD DIS FDIS 1 Copyright 2012 AKIHIKO SEKIGUCHI

ISO 21500 の概要 全 36 ページ内プロセス説明で約 20 ページ Primary Input と Primary Output でプロセスを表現 目次 まえがき ⅳ 序文 ⅴ 1. 適用範囲 1 2. 用語及び定義 1 3. プロジェクトマネジメントの概念 2 3.1 一般 2 3.12 プロジェクトマネジメントの概念とプロセスの関係 8 4. プロジェクトマネジメントのプロセス 9 4.1 プロジェクトマネジメントのプロセスの適用 9 4.2 プロセスグループ及びサブジェクトグループ 9 4.3 プロセス 13 附属書 A( 参考 ) サブジェクトグループに対応付けられるプロセスグループのプロセス 31 ISO 21500:2012 の目次より 2

ISO 21500 の概要 ISO 21500 の SCOPE 記述 ( 抜粋 ) 包括的なガイドライン This International Standard provides (overarching) guidance for project management This International Standard provides a high-level description of the concepts and processes that are considered to form good practice in project management. In the interest of brevity, this International Standard does not indicate the source of all primary inputs or where primary outputs go.. ハイレベルな記述 4.1 項 (Project management process application) の記述 ( 抜粋 ) 簡潔な記述 詳細には踏み込まず 大枠を提示 3

プロジェクトマネジメントプロセス 特徴 (PMBOK との比較を通じて ) 5 のプロセスグループと 10 のサブジェクトグループのマトリックス構成 ( 全 39 プロセス ) PMBOK は 5 のプロセスグループと 9 の知識エリアのマトリックス構成 ( 全 42 プロセス ) プロセスグループ名で以下の相違 ISO 21500 Initiating Planning Implementing Controlling Closing PMBOK Initiating Planning Executing Monitoring and Controlling Closing 4 Copyright 2012 AKIHIKO SEKIGUCHI

プロジェクトマネジメントプロセス 特徴 (PMBOK との比較を通じて ) サブジェクトグループに関する相違点 1 ステークホルダー サブジェクトグループを独立して定義 ステークホルダー関連のプロセスは PMBOK ではコミュニケーションマネジメントで定義 2Resource サブジェクトグループとして 人的資源に加え 施設 機器等の管理プロセスを定義 PMBOK では Human Resources として人的資源に焦点 PMBOK に見られるツールや技法の説明はなし 計画に関わる文書は Project plans と包括的に表記 5 Copyright 2012 AKIHIKO SEKIGUCHI

プロジェクトマネジメントのプロセス関連テーブル サブジェクトグループ プロセスグループ 立上げ計画実行コントロール終結 統合 4.3.2 プロジェクト憲章の作成 4.3.3 プロジェクト計画の作成 4.3.4 プロジェクト作業の指揮 4.3.5 プロジェクト作業のコントロール 4.3.6 変更のコントロール 4.3.7 プロジェクトフェーズ又はプロジェクトの終結 4.3.8 学んだ教訓の収集 ステークホルダー 4.3.9 ステークホルダーの特定 4.3.10 ステークホルダーの管理 スコープ 4.3.11 スコープの定義 4.3.12 WBS の作成 4.3.14 スコープのコントロール 4.3.13 アクティビティの定義 資源 4.3.15 プロジェクトチームの結成 4.3.16 資源の見積もり 4.3.17 プロジェクト組織の決定 4.3.18 プロジェクトチームの育成 4.3.19 資源のコントロール 4.3.20 プロジェクトチームの管理 4.3.21 アクティビティの順序付け 4.3.24 スケジュールのコントロール タイム 4.3.22 アクティビティ期間の見積もり 4.3.23 スケジュールの作成 コスト リスク 4.3.25 コストの見積もり 4.3.26 予算の編成 4.3.28 リスクの特定 4.3.29 リスクの評価 4.3.27 コストのコントロール 4.3.30 リスクへの対応 4.3.31 リスクのコントロール 品質 4.3.32 品質の計画 4.3.33 品質保証の実施 4.3.34 品質コントロールの実施 調達 4.3.35 調達の計画 4.3.36 サプライヤの選定 4.3.37 調達の管理 コミュニケーション 4.3.38 コミュニケーションの計画 ISO 21500:2012 の表 1 より 6 4.3.39 情報の配布 4.3.40 コミュニケーションの管理

ISO21500 及び PMBOK のプロセス関連テーブル ISO21500 立上 統合 4.3. 2 ステ 計画 終結 PMBOK 立上 4. 統合 4.1 計画 5. スコ 5.1 終結 スコ 4.3. 11 6. タイ コミュ 4.3. 40 4.3.2 項よりサブジェクトグループの順にプロセスを解説 12. 調達 12.4 第 2 部でプロセスグループ毎にプロセスを解説 第 3 部で知識エリア毎にプロセスを解説 上記表は第 3 部の項番をつけプロセスを分類 7 Copyright 2012 AKIHIKO SEKIGUCHI

プロセスレベルでの PMBOK との相違点 サブジェクトグループ 統合 ステークホルダー スコープ 資源 タイム コスト リスク 立上げ計画実行コントロール終結 4.3.2 プロジェクト憲章の作成 4.3.9 ステークホルダーの特定 4.3.15 プロジェクトチームの結成 リスクマネジメント計画 削除 定性的リスク分析 定量的リスク分析 を プロセスグループ タイムマネージメントより 要求事項収集 はスコープの定 4.3.3 プロジェクト計画の作 4.3.4 プロジェクト作業の義 スコープ検証 はスコープの成指揮コントロールにマージ 4.3.11 スコープの定義 4.3.12 WBS の作成 4.3.13 アクティビティの定義 4.3.16 資源の見積もり 4.3.17 プロジェクト組織の決定 4.3.21 アクティビティの順序付け 4.3.22 アクティビティ期間の見積もり 4.3.23 スケジュールの作成 4.3.25 コストの見積もり 4.3.26 予算の編成 4.3.28 リスクの特定 4.3.29 リスクの評価 4.3.5 プロジェクト作業のコントロール 4.3.6 変更のコントロール 4.3.7 プロジェクトフェーズ又はプロジェクトの終結 4.3.8 学んだ教訓の収集 増減 +1 4.3.10 ステークホルダーの管理 0 4.3.18 プロジェクトチームの育成 4.3.14 スコープのコントロール 4.3.20 プロジェクトチームの管理 4.3.24 スケジュールのコントロール -1 +2-2 4.3.27 コストのコントロール 0 4.3.30 リスクへの対応 4.3.31 リスクのコントロール -2 品質 4.3.32 品質の計画 4.3.33 品質保証の実施 4.3.34 品質コントロールの実施 0 マージ 調達 4.3.35 調達の計画 4.3.36 サプライヤの選定 4.3.37 調達の管理 追加 4.3.19 資源のコント 資源見積もり はロール資源サブジェクトグループへ移行 リスク対応計画 と同等 PMBOK は計画プロセス 調達終結 は削除 -1 コミュニケーション ISO 21500:2012 の表 1 より 4.3.38 コミュニケーションの計画 4.3.39 情報の配布 4.3.40 コミュニケーションの管理 0 8

プロセス関連図とプロセスフロー 4 章及び附属書で簡潔なプロセス関連図やプロセスフローを提示プロセス理解や活用の促進 プロセスグループ関連図各プロセスの相互作用 ( 計画フェーズの例 ) ISO 21500:2012 の図 6 より ISO 21500:2012 の Annex より 9

ご清聴 ありがとうございました 関口明彦 (aseki@jp.fujitsu.com) 10 Copyright 2012 AKIHIKO SEKIGUCHI

ISO 21500 発行の影響 ISO 21500 の発行 ガイドラインとして発行 世界統一標準の発行 ( デファクトスタンダードではない ) 組織認証は実施されない 急激にワークスタイルの変更を求められる事はないが ISO 21500 の存在を踏まえた動きが徐々に浸透 用語 定義が統一されプロジェクト毎 国毎の方言がなくなる 各 PM 関連団体が持つ各種標準は ISO を踏まえて改版される 等 今後の ISO の動向を注視し PM ワークの改善を! 11 Copyright 2012 AKIHIKO SEKIGUCHI

ISO 21500 活用の考え方 例えば... 1ISO 21500 準拠への対応 Overarching High-levelなガイドライン 認証無し準拠の基準は自ら決める プロジェクト計画書 進捗管理 品質管理 リスク管理などを ISOの観点で見直し PMプロセスを改善する ( 社内標準との差異を見極め 必要に応じ改善 ) 12 Copyright 2012 AKIHIKO SEKIGUCHI

ISO 21500 活用の考え方 例えば... 2 海外協力会社連携時の活用 オフショア会社に対する PM 啓蒙に活用 啓蒙に止まらず PM 教育 指導 支援にも活用 以上 13 Copyright 2012 AKIHIKO SEKIGUCHI