「2012年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査結果」の概要

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2018年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査結果

Microsoft Word - H29 結果概要

職場環境 回答者数 654 人員構成タイプ % タイプ % タイプ % タイプ % タイプ % % 質問 1_ 採用 回答 /654 中途採用 % 新卒採用 % タ

スライド 1

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スライド 1

4 子育てしやすいようにするための制度の導入 仕事内容への配慮子育て中の社員のため以下のような配慮がありますか? 短時間勤務ができる フレックスタイムによる勤務ができる 勤務時間等 始業 終業時刻の繰上げ 繰下げによる勤務ができる 残業などの所定外労働を制限することができる 育児サービスを受けるため

従業員に占める女性の割合 7 割弱の企業が 40% 未満 と回答 一方 60% 以上 と回答した企業も 1 割以上 ある 66.8% 19.1% 14.1% 40% 未満 40~60% 未満 60% 以上 女性管理職比率 7 割の企業が 5% 未満 と回答 一方 30% 以上 と回答した企業も 1

ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)  レベル診断チェックシート

2017年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査結果

規定例 ( 育児 介護休業制度 ) 株式会社 と 労働組合は 育児 介護休業制度に関し 次 のとおり協定する ( 対象者 ) 育児休業の対象者は 生後満 歳に達しない子を養育するすべての従業員とする 2 介護休業の対象者は 介護を必要とする家族を持つすべての従業員とする 介護の対象となる家族の範囲は


- 調査結果の概要 - 1. 改正高年齢者雇用安定法への対応について a. 定年を迎えた人材の雇用確保措置として 再雇用制度 導入企業は9 割超 定年を迎えた人材の雇用確保措置としては 再雇用制度 と回答した企業が90.3% となっています それに対し 勤務延長制度 と回答した企業は2.0% となっ

スライド 1

7 8 O KAYAKU spirit I O K T C % E C O M T O K T T M T I O O T C C C O I T O O M O O

平成 29 年度下期新潟市景況調査 ( 本報告 ) Ⅳ テーマ別調査結果 93

第 1 章調査の実施概要 1. 調査の目的 子ども 子育て支援事業計画策定に向けて 仕事と家庭の両立支援 に関し 民間事業者に対する意識啓発を含め 具体的施策の検討に資することを目的に 市内の事業所を対象とするアンケート調査を実施しました 2. 調査の方法 千歳商工会議所の協力を得て 4 月 21

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PowerPoint プレゼンテーション

Ⅱ.1 ワーク ライフ バランス施策の定義と類型 (1) ワーク ライフ バランス施策とは work-life balance 1 (2) ワーク ライフ バランス施策の類型

働き方の現状と今後の課題

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Microsoft Word - 4AFBAE70.doc

結果概要 Ⅰ 人手不足への対応について 1. 人員の過不足状況について 社 % 不足している 1, 過不足はない 1, 過剰である 合計 2, 全体では 半数以上の企業が 不足している と回答 n =2,

参考 男女の能力発揮とライフプランに対する意識に関する調査 について 1. 調査の目的これから結婚 子育てといったライフ イベントを経験する層及び現在経験している層として 若年 ~ 中年層を対象に それまでの就業状況や就業経験などが能力発揮やライフプランに関する意識に与える影響を把握するとともに 家

報酬改定(処遇改善加算・処遇改善特別加算)

2 継続雇用 の状況 (1) 定年制 の採用状況 定年制を採用している と回答している企業は 95.9% である 主要事業内容別では 飲食店 宿泊業 (75.8%) で 正社員数別では 29 人以下 (86.0%) 高年齢者比率別では 71% 以上 ( 85.6%) で定年制の採用率がやや低い また

1 教育研修費用総額と従業員 1 人当たりの教育研修費用 (1)1 社当たりの教育研修費用総額 1 社当たりの教育研修費用総額は 2014 年度は予算額 5,458 万円 ( 前回調査 5,410 万円 ) 同実績額 4,533 万円 ( 同 4,566 万円 ) であり 2015 年度は予算額 5

2016 年度の主な活動実績 2WAY マネジメント 2WAY コミュニケーションをより充実させ 効果的な面談を実施するための運用について 2016 年度も継続して 労使間で協議を重ねま した また One NEC Survey( 従業員意識調査 ) の結果もふまえ 各職場でのマネジメント向上施策を

日韓比較(10):非正規雇用-その4 なぜ雇用形態により人件費は異なるのか?―賃金水準や社会保険の適用率に差があるのが主な原因―

ESG データブック : 社会 更新日 社会パフォーマンス報告の指標を集約しています 社会データの集計期間は毎年 (1 ~ 12 月 ) です 各データの集計範囲 : ノーリツ単体 NR 国内グループ会社を含む国内 G 国内外グループ会社を含む NRG 海外グループ会社 海外

短時間 有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針 について ( 同一労働同一賃金ガイドライン ) 厚生労働省雇用環境 均等局有期 短時間労働課職業安定局需給調整事業課

あおもり働き方改革推進企業認証制度 Q&A 平成 29 年 12 月 14 日 Vol.1 目次 1 あおもり働き方改革推進企業認証制度全般関係 Q1 県外に本社がある場合はどのように申請できるのか P1 2 あおもり働き方改革宣言企業関係 Q2 次世代法に基づく一般事業主行動計画とはどういうものか

男女共同参画に関する意識調査

中小企業のための「育休復帰支援プラン」策定マニュアル

制度名 No. 1 ( 働 1) フレックスタイム制度 対象者: 営業職の正社員 労働時間の清算期間: 毎月 1 日から末日までの1か月 1 日の所定労働時間は 8 時間 清算期間内の総労働時間: 1 日あたり8 時間として 清算期間中の労働日数を乗じて得られた時間数 ただし 清算期間内を平均し1

3. 無期労働契約への転換後の労働条件無期労働契約に転換した後の職務 勤務地 賃金 労働時間等の労働条件は 労働協約 就業規則または個々の労働契約等に別段の定めがない限り 直前の有期労働契約と同一になるとされており 無期転換に当たって職務の内容などが変更されないにもかかわらず 無期転換後の労働条件を

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自動的に反映させないのは133 社 ( 支払原資を社内で準備している189 社の70.4%) で そのうち算定基礎は賃金改定とは連動しないのが123 社 (133 社の92.5%) となっている 製造業では 改定結果を算定基礎に自動的に反映させるのは26 社 ( 支払原資を社内で準備している103

図 1-a 貴社は 働き方改革に向けた取り組みを なっていますか? ( 企業規模別 ) 0% 20% 40% 60% 80% 100% 1 50 名 4 46% 6% 名 55% 36% 9% 名 63% 301 名以上 82% 9% 図 2 働き方改革に取り組んでいな

第41回雇用WG 資料

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23 歳までの育児のための短時間勤務制度の制度普及率について 2012 年度実績の 58.4% に対し 2013 年度は 57.7% と普及率は 0.7 ポイント低下し 目標の 65% を達成することができなかった 事業所規模別では 30 人以上規模では8 割を超える措置率となっているものの 5~2

1. はじめに 本格的な地方分権の時代を迎え 市民に最も身近な地方自治体は 市民ニーズに応じた政策を自ら意志決定し それを自己責任の下に実行することがこれまで以上に求められており 地方自治体の果たすべき役割や地方自治体に寄せられる期待は ますます大きくなっています このような市民からの期待に応えるた

Microsoft PowerPoint - 2の(別紙2)雇用形態に関わらない公正な待遇の確保【佐賀局版】

大牟田市と自治労大牟田市職員組合との交渉結果報告

4-1 育児関連 育児休業の対象者 ( 第 5 条 第 6 条第 1 項 ) 育児休業は 男女労働者とも事業主に申し出ることにより取得することができます 対象となる労働者から育児休業の申し出があったときには 事業主は これを拒むことはできません ただし 日々雇用される労働者 は対象から除外されます

平成18年度標準調査票

今回の改正によってこの規定が廃止され 労使協定の基準を設けることで対象者を選別することができなくなり 希望者全員を再雇用しなければならなくなりました ただし 今回の改正には 一定の期間の経過措置が設けられております つまり 平成 25 年 4 月 1 日以降であっても直ちに希望者全員を 歳まで再雇用

大牟田市と自治労大牟田市職員組合との交渉結果報告

共通事項 1 キャリアアップ 管理者情報 ( 氏名 ): 役職 ( 配置日 ): 年月日 2 キャリアアップ管理者 の業務内容 ( 事業所情報欄 ) 3 事業主名 印 4 事業所住所 ( - ) 5 電話番号 ( ) - 6 担当者 7 奨励金対象労働者数 ( 全労働者数 ) 9 企業規模 ( 該当

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均衡待遇・正社員化推進奨励金 支給申請の手引き

女性の活躍促進や仕事と子育て等の両立支援に取り組む企業に対するインセンティブ付与等 役員 管理職等への女性の登用促進 М 字カーブ問題の解消には企業の取組が不可欠 このため 企業の自主的な取組について 経済的に支援する 経営上のメリットにつなぐ 外部から見えるようにし当該取組の市場評価を高めるよう政

厚生労働省発表

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[2] 研修の対象と予算比率 社員研修を実施している対象は 新入社員研修 が 95.9% で圧倒的に多く 次いで 若手社員研修 81.1% 管理職研修 62.1% と続く 新入社員を含む若手社員を対象とした研修を実施する企業は多いが 次世代経営層を入れても 経営者研修を実施している企業は少ない 年間

2 業務請負 1980 年代 ~

参考 1 男女の能力発揮とライフプランに対する意識に関する調査 について 1. 調査の目的これから結婚 子育てといったライフ イベントを経験する層及び現在経験している層として 若年 ~ 中年層を対象に それまでの就業状況や就業経験などが能力発揮やライフプランに関する意識に与える影響を把握するとともに

採用者数の記載にあたっては 機械的に採用日の属する年度とするのではなく 一括 採用を行っている場合等において 次年度新規採用者を一定期間前倒しして雇い入れた 場合は 次年度の採用者数に含めることとしてください 5 新卒者等以外 (35 歳未満 ) の採用実績及び定着状況採用者数は認定申請日の直近の3

ただし 日雇従業員 期間契約従業員 ( 法に定める一定の範囲の期間契約従業員を除く ) 労使協定で除外された次のいずれかに該当する従業員についてはこの限りではない (2) 週の所定労働日数が2 日以下の従業員 (3) 申出の日から93 日以内に雇用関係が終了することが明らかな従業員 2 要介護状態に

社内様式 2 育児 介護 休業取扱通知書 あなたが平成年月日にされた 育児 介護 休業の申出について 育児 介護休業等に関する規則 第 3 条 第 7 条 に基づき その取扱いを下のとおり通知します ( ただし 期間の変更の申出があった場合には下の事項の若干の変更があり得ます ) 1 休業の期間等

テレワーク制度等 とは〇 度テレワーク人口実態調査 において 勤務先にテレワーク制度等があると雇用者が回答した選択枝 1 社員全員を対象に 社内規定などにテレワーク等が規定されている 2 一部の社員を対象に 社内規定などにテレワーク等が規定されている 3 制度はないが会社や上司などがテレワーク等をす

2015年 「働き方や仕事と育児の両立」に関する意識(働き方と企業福祉に関する

改正労働基準法

2019 年 3 月 経営 Q&A 回答者 Be Ambitious 社会保険労務士法人代表社員飯野正明 働き方改革のポイントと助成金の活用 ~ 働き方改革における助成金の活用 ~ Question 相談者: 製造業 A 社代表取締役 I 氏 当社における人事上の課題は 人手不足 です 最近は 予定

農業法人等における雇用に関する調査結果

ただし 平成 22 年 6 月 30 日時点で 常時 100 人以下の労働者を雇用する事業主については 公布日から3 年後に当たる平成 24 年 6 月 30 日 ( 予定 ) までの間 < 短時間勤務制度の義務化 >< 所定外労働の免除の義務化 >< 介護休暇 >について 改正規定の適用が猶予され

育児 介護休業規程 第 1 章 目的 第 1 条 ( 目的 ) 本規程は社員の育児 介護休業 育児 介護のための時間外労働および深夜業の制限並びに育児 介護短 時間勤務等に関する取り扱いについて定めるものである 第 2 章 育児休業制度 第 2 条 ( 育児休業の対象者 ) 1. 育児のために休業す

育児短時間勤務

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特例子会社を設立しようとお考えの企業の皆様 特例子会社を運営している企業の皆様

社内様式 2 育児 介護 休業取扱通知書 平成年月日 会社名 あなたから平成年月日に 育児 介護 休業の 申出 期間変更の申出 申出の撤回 がありました 育児 介護休業等に関する規則 ( 第 3 条 第 4 条 第 5 条 第 7 条 第 8 条及び第 9 条 ) に基づき その取扱いを下のとおり通

第 2 章職階および等級 ( 職 階 ) 第 7 条 職階は 職務遂行に要求される能力の範囲と程度に基づき 一般職 監督職 管理職およ ( 等級 ) 第 8 条等級は 各々の職階における職務遂行能力の成熟度の差に応じ 次の9 等級に区分するものとする 2. 前項の職階および等級の職能資格基準は 別表

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必要とする家族 1 人につき のべ 93 日間までの範囲内で 3 回を上限として介護休業をすることができる ただし 有期契約従業員にあっては 申出時点において 次のいずれにも該当する者に限り 介護休業をすることができる 一入社 1 年以上であること二介護休業開始予定日から 93 日を経過する日から

2 賞与 3 手当 4 福利厚生 5 その他 第 4 派遣労働者 1 基本給 2 賞与 3 手当 4 福利厚生 5 その他 第 5 協定対象派遣労働者 1 賃金 2 福利厚生 3 その他 第 1 目的 この指針は 短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律 ( 平成 5 年法律 -

資料9

基発第 号

( 様式第 1 号 ( 共通 )) 共通事項 1 キャリアアップ管理者 情報 ( 氏名 ): 役職 ( 配置日 ): 年月日 2 キャリアアップ管理者 の業務内容 ( 事業所情報欄 ) 3 事業主名 印 4 事業所住所 ( - ) 5 電話番号 ( ) - 6 担当者 7 企業全体で常時雇用する労働

2 経口移行加算の充実 経口移行加算については 経管栄養により食事を摂取している入所者の摂食 嚥 下機能を踏まえた経口移行支援を充実させる 経口移行加算 (1 日につき ) 28 単位 (1 日につき ) 28 単位 算定要件等 ( 変更点のみ ) 経口移行計画に従い 医師の指示を受けた管理栄養士又

内閣府令本文

ビジネス・レーバー・トレンド2018年8・9月号「福利厚生のトレンド」JILPT調査|労働政策研究・研修機構(JILPT)

ダイバーシティ 年に向けた政策展開のポイント テレワークが当たり前になる社会 の実現に向け 多様な主体と連携した普及啓発や導入支援への取組を強化 地域での就労支援やマッチング強化により 女性や高齢者の就業を推進 働き方改革と併せて時差 Biz の定着に向けた取組を推進 強化した政策

4-1 育児関連 休業期間を有給にするか 無給にするかは 就業規則等の定めに従います また 雇用保険に加入している労働者には 国から給付金が支給されます (P106 参照 ) 産前産後休業期間中及び育児休業期間中は 労働者 使用者とも申請により社会保険料が免除になります 育児休業の対象者 ( 第 5

申出が遅れた場合は 会社は育児 介護休業法に基づき 休業開始日の指定ができる 第 2 条 ( 介護休業 ) 1 要介護状態にある対象家族を介護する従業員 ( 日雇従業員を除く ) 及び法定要件を全て満たした有期契約従業員は 申出により 介護を必要とする家族 1 人につき のべ 93 日間までの範囲で

Transcription:

Ⅰ. 調査実施要領 2012 年人事 労務に関するトップ マネジメント調査結果 の概要 2012 年 10 月 25 日 ( 一社 ) 日本経済団体連合会 調査目的 : 春季労使交渉 協議の結果や 人事 労務に関するトップ マネジメントの意見を取 りまとめ 今後の政策立案の際の貴重な資料として活用することを目的とし 1969 年 から毎年実施している 調査対象 : 経団連会員企業および東京経営者協会会員企業 ( 計 1,889 社 ) の労務担当役員以上 回答状況 : 調査対象企業 1,889 社のうち 有効回答社数は 578 社 ( 回答率 30.6%) 産業別 : 製造業 269 社 (46.5%) 非製造業 285 社 (49.3%) 無回答 24 社 (4.2%) 規模別 : 従業員 500 人以上 439 社 (76.0%) 500 人未満 128 社 (22.1%) 無回答 11 社 (1.9%) 調査時期 :2012 年 6 月 29 日 ~8 月 31 日 Ⅱ. 調査結果 ~ 調査結果のポイント~ 1. 定期昇給制度があると回答した企業 ( 全体の 76.9%) のうち 個々人が創出する付加価値と賃金水準との整合性を図るための対応として 年功的な昇給割合を減らし 貢献や能力を評価する査定昇給の割合を増やす必要がある とした企業は 58.0% 企業は厳しい経営環境のなか 個々人の貢献度や能力評価の結果を より一層重視しようとしている 2. 近年特に重視している中核人材について 新たな課題にチャレンジできる人材 と回答した企業が 61.3% 中核人材育成のために 優秀な従業員を早期に選抜し 次世代経営層として育成している (49.2%) だけではなく グローバルな視点を身に付けさせるために 海外の駐在やトレイニー等として海外派遣を経験させている (46.2%) と回答した企業が多く グローバルに活躍できる中核人材を求めている 3. 海外における事業拡大に向けた人材面での競争力強化のため 人材育成を目的とした 従業員の海外拠点への積極派遣 を実施していると回答した企業は 57.8% 今後実施を予定 検討している取り組みについては グローバルな戦略人材の早期選抜 育成施策の実施 (45.2%) と回答した企業が最も多く グローバル人材の早期育成に取り組もうとしている姿勢が目立つ 4. 高齢法の改正にともない必要となる対応について 高齢従業員の貢献度を定期的に評価し 処遇へ反映する と回答した企業は 44.2% 高齢従業員の業務内容や貢献度に応じて 処遇を決定しようとしている企業が多い 高年齢者雇用安定法の改正にともない 企業には 2013 年 4 月より希望者全員の 65 歳までの雇用確保措置が求められる - 1 -

1. 労使交渉 協議等について 図表 1. 労使交渉 協議における賃金改善要求の有無 要求はなかった 56.9% 要求があった 43.1% 図表 2. 賃金改善要求の項目 ( 複数回答 ) 図表 1 で 賃金改善要求があった と回答した企業が対象 基本給の定期昇給 ( 賃金体系の維持を含む ) 82.8 基本給のベースアップ 36.2 家族手当 ( 次世代支援手当 扶養手当など ) の増額 10.3 資格手当 ( 技能手当 技術手当など ) の増額 8.6 業績 成果手当の増額 7.8 住宅手当 ( 持家手当 家賃補助 ) の増額 6.0 単身赴任手当 ( 別居手当 単身赴任旅費など ) の増額 6.0 営業手当 ( 外勤手当など ) の増額 5.6 地域手当 ( 都市手当 寒冷地手当など ) の増額 3.9 食事手当 ( 食事補助など ) の増額 2.6 年齢 勤続手当の増額 2.2 0 20 40 60 80 100-2 -

図表 3. 労使交渉 協議の結果 賃金 賞与 一時金以外の項目について 議論あるいは実施を決めた項目 ( 複数回答 ) ワーク ライフ バランスに関連する施策の拡充 37.8 37.3 総実労働時間の短縮 19.0 32.0 高齢者の継続雇用の見直し ( 勤務日数 賃金などの労働条件や選定基準の範囲 ) 14.3 29.4 議論した項目 諸手当の見直し 23.8 28.0 人材育成施策 ( 自己啓発支援 研修費用の助成など ) の見直し 21.0 19.4 実施を決めた項目 法定外福利厚生 ( 総費用額 福利厚生施設など ) の見直し 13.3 11.9 退職一時金 年金制度の見直し ( またはその方向での継続協議 ) 9.5 13.3 時間外労働割増率の見直し 4.0 8.9 裁量労働制またはフレックスタイム制の導入 1.2 12 4.6 勤務間インターバル規制の導入 0.4 1.4 の主な回答 議論したこと メンタルヘルス施策の拡充 年次休暇の取得促進 実施を決めたこと 単身赴任手当条件の緩和 見直し ボランティア休暇の創設 21.8 25.6 0 10 20 30 40-3 -

図表 4. 今次春季労使交渉における 雇用の維持 安定に関する議論の有無 60 雇用の維持 安定について労使で議論した 企業の推移 56.2 論議しなかった 74.3% 論議した 25.7% 50 40 30 20 10 39.1 18.8 36.0 24.5 20.0 18.0 17.8 13.3 45.3 31.7 25.7 0 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 ( 年 ) 図表 5. 労使交渉の有無にかかわらず過去 1 年間で 雇用の維持 安定に向けて実施した取り組み ( 複数回答 ) 時間外労働の削減 抑制 70.1 配置転換 出向 転籍 38.0 管理職賃金 賞与の減額 24.3 役員報酬の減額 24.1 新卒 中途採用の削減 中止 19.5 一般社員の賃金 賞与の減額 17.8 雇用調整助成金の申請 10.5 一時休業の実施 7.1 7.5 0 10 20 30 40 50 60 70 80-4 -

図表 6. 定期昇給制度の有無 この調査で 定期昇給とは 査定による個人差があったとしても 毎年 誰もが自動的に昇給する仕組みの総称を指すものとする 具体的には 年齢 勤続によって自動的に昇給する場合や 職務遂行能力の向上 習熟で昇給する賃金 ( 職能給 ) のうち 年功運用によって毎年 概ね誰もが昇給する場合も定期昇給に含む ない 23.1% ある 76.9% 図表 7. 従業員が創出する付加価値と賃金水準との整合性を図るために必要と考える対応 ( 複数回答 ) 図表 6 で 定期昇給制度がある と回答した企業が対象 年功的な昇給割合を減らし 貢献や能力を評価する査定昇給の割合を増やす 58.0 若年層などの一定の年齢層や 一定の職位 職階の従業員を除き 年功的な昇給を廃止し 査定昇給とする 28.5 現行制度は維持するが 業績が著しくない場合には 昇給の延期 凍結について組合と柔軟に協議し対応していく 27.1 利益の変動や競争力の変化に応じて 昇給原資を変動させる 22.6 全従業員を対象に年功的な昇給を廃止し 査定昇給とする 14.7 特段の対応はしない ( 既に必要な対応を講じている場合を含む ) 12.9 労働協約等に基づき自動的に昇給する仕組みから 毎年の労使交渉 協議を踏まえて昇給額を決定する仕組みに見直す 3.8 3.2 0 10 20 30 40 50 60-5 -

図表 8. 法定福利費の増加 ( 厚生年金保険料や健康保険料などの引上げ ) の負担感 あまり重くない 全く重くない 0.3% 8.2% 非常に重い 30.9% やや重い 60.6% 図表 9. 法定福利費の増加による人件費の調整 図表 8 で法定福利費の負担感が 非常に重い やや重い と回答した企業が対象 法定外福利費を含めた福利厚生内での調整を検討する 7.5% 9.6% 12.1% 賃金制度の見直しなど 抜本的な対応を検討する 特段の対応はしない 45.9% 24.9% 定期昇給を維持しつつ 制度見直しをともなわない運用による人件費抑制策 ( 時間外労働の削減や昇給ペースの調整など ) を検討する - 6 -

図表 10. 団体交渉とは別の 労使による課題解決型の話し合いの場の設置状況 設けていない 31.4% 設けている 68.6% 図表 11. 労使間で課題解決型の話し合いの場がある場合 会社の競争力強化に向けて話し合いを実施している項目 ( 複数回答 ) 図表 10 で 話し合いの場を設けている と回答した企業が対象 今後の事業戦略 44.6 従業員の教育訓練計画 32.3 人員計画 採用計画 23.9 の主な回答 人事制度の見直し 福利厚生制度の拡充 見直し ワーク ライフ バランス施策の推進 時間外労働の削減 0 10 20 30 40 50 47.8-7 -

2. 経営強化に向けた人材の活用促進について 図表 12. 経営環境の変化等を踏まえ 近年 特に重視している中核人材 ( 複数回答 ) 新たな課題にチャレンジできる 61.3 部下や後継者を育成できる 39.8 海外拠点において適切にマネジメントできる事業戦略を大局的に策定できる革新性 先進性 独自性の高い製品 サービスを創り出す心身ともに強く 職場環境等の変化への適応力が高い 32.0 28.3 26.8 25.2 専門的知識や技術を有する顧客ニーズを正確に把握できる情報収集力を有する外国人とコミュニケーションする語学力や異文化理解力を有する国内組織において適切にマネジメントできる 19.7 18.0 15.0 13.4 さまざまな部署で幅広い業務を経験した 6.5 チーム内のメンバーの調和を図れる 3.3 1.6 0 10 20 30 40 50 60 70 図表 13. 中核人材を育成するために 近年 特に重点的に実施している事項 ( 複数回答 ) 優秀な従業員を早期に選抜し 次世代経営層として育成している 49.2 グローバルな視点を身につけさせるために 海外の駐在やトレイニー等として海外派遣を経験させている 46.2 視野を広げるために グループ内外の企業等への出向を積極的に行っている 30.3 地域や現場への理解を深めるために 支社や支店への配置を重点的に行っている 25.1 企画力 調整力を高めるために 本社組織への配置を重点的に行っている 19.3 11.0 0 10 20 30 40 50-8 -

図表 14. 中核人材を対象とした OJT として 近年 特に重点的に実施している事項 ( 複数回答 ) 意図的に困難な課題を与え チャレンジする姿勢を身に付けさせている 45.4 組織管理や意思決定をする機会を与えている 45.2 部下の指導機会を増やしている 37.4 経営全体を俯瞰する機会を与えている 34.0 未経験の業務分野を中心的に割り当て 業務を幅広く経験させている 27.8 2.9 0 10 20 30 40 50 図表 15. 中核人材を対象とした社内 社外研修として 近年 特に重点的に実施している事項 ( 複数回答 ) 現在 自社が直面している重要な課題に関する解決策を考える機会を用意している 59.6 将来の経営課題を想定させ その解決策を考える機会を用意している 48.0 研修の効果がより高まるよう 研修前の事前準備と研修後のフォローを充実している 41.4 研修中に自らの働き方を振り返るプロセスを重視している 32.7 過去に実際に発生した事例について考えさせる機会を用意している 14.9 競争やゲームの要素を盛り込み 研修に対する興味を湧かせる等 積極的な受講を促進している 8.8 5.0 0 10 20 30 40 50 60-9 -

図表 16. 従業員全体のモチベーションを向上させる工夫として 近年 特に重視している事項 ( 複数回答 ) 経営トップ層による従業員に向けたメッセージの発信および傾聴の場の設置 56.2 評価結果や処遇に関する丁寧な説明の実施 51.5 面談等を通じた従業員の価値観やキャリアプランに関するヒアリング 50.1 従業員のキャリアアップを後押しする教育訓練の実施 45.6 従業員の成果や貢献などを称える表彰制度の導入 運用 39.1 企業理念の浸透を通じた求心力の強化 33.4 従業員調査を通じた仕事に対する満足度 不満足度の適切な把握 29.6 職場の一体感の醸成を目的とした社内交流イベントの実施 25.0 従業員の希望を勘案した人事異動の実施 21.4 評価結果や処遇に関する疑問に対応する問い合わせ窓口の設置 7.5 福利厚生施策の充実 7.5 1.7 0 10 20 30 40 50 60-10 -

図表 17. 海外における事業展開に向けた人材面での競争力強化への取り組み ( 複数回答 ) 人材育成を目的とした 従業員の海外拠点への積極派遣 38.5 57.8 外国人および海外留学経験者の積極的採用グローバルな戦略人材 ( 海外派遣要員 ) の早期選抜 育成施策の実施海外拠点現地従業員の積極的登用 活用 28.7 26.7 44.2 現在実施している取り組み 43.3 45.2 今後実施を予定 検討している取り組み 35.3 国内拠点 海外拠点間での人材交流 24.9 30.3 企業理念等の多言語での明文化 配布昇格要件等への語学資格 (TOEIC TOEFL など ) の追加 14.4 16.5 24.4 22.0 海外業務を展開していない または縮小中のため いずれの項目にも該当しない 10.0 6.7 駐在員としてのあるべき行動基準 ( コンピテンシー ) を策定 6.7 10.6 全世界共通フォーマットによる職務記述書 (Job Description) の策定 英語の社内公用語化 1.8 1.6 3.9 5.1 5.7 8.5 0 10 20 30 40 50 60-11 -

3. ワーク ライフ バランス施策等について 図表 18. ワーク ライフ バランスを 経営戦略の一環 として推進しているか 推進していない 23.6% 推進している 76.4% 図表 19. ワーク ライフ バランスを実現するための施策 ( 複数回答 ) 育児介護休業制度の充実所定外労働時間の削減 メンタルヘルスケアの充実介護のための短時間勤務制度 所定外労働時間の免除社員の自己啓発 ( 能力開発 ) 支援策の実施仕事の進め方の見直し 効率化の推進労働時間等の課題について労働組合との話し合う機会の設定計画的年次有給休暇制度フレックスタイム制度変形労働時間制度社員の家庭の事情等を考慮した配置転換の運用等始業 終業時刻の繰り上げ 繰り下げ復帰支援 能力開発支援の充実裁量労働制年次有給休暇の完全消化の奨励保育等の子育てサービスの提供短時間正社員制度の設置テレワーク 75.6 11.1 75.0 9.8 72.8 24.8 71.4 5.4 65.7 17.5 55.8 26.7 51.4 7.3 49.4 11.1 49.2 7.9 37.1 6.3 35.4 7.9 33.8 3.8 実施している施策 30.5 25.1 21.3 新たに導入を検討 予定している施策 13.3 20.9 8.9 20.7 7.0 15.6 4.8 10.6 21.6 4.2 1.0 0 10 20 30 40 50 60 70 80-12 -

図表 20. ワーク ライフ バランス施策を進めるうえで 現在抱えている問題 ( 複数回答 ) 休業者等のいる職場の上司 同僚の負担が大きい 48.9 休職取得者の代替要員の確保が困難である 40.3 ワーク ライフ バランス施策に対する職場の理解が不足している 36.7 管理職が多忙であるため ワーク ライフ バランス施策に配慮する余裕がない 33.0 公的保育所などワーク ライフ バランス推進に向けた環境の整備が遅れている 30.9 賃金 評価をはじめとする処遇の公正性の確保が難しくなっている 15.5 私生活の充実が先行し 本来必要な生産性の更なる向上が十分ではない 13.1 各種休職者から復帰後にモチベーションが低くなる キャリアアップをあきらめる社員がいる 11.8 コストアップに繋がっている ( 費用対効果を感じられない ) 10.5 3.6 0 10 20 30 40 50-13 -

4. 高齢従業員の雇用確保について 図表 21. 高年齢者雇用安定法の改正にともない必要となる対応 ( 複数回答 ) 高齢従業員の貢献度を定期的に評価し 処遇へ反映する 44.2 スキル 経験を活用できる業務には限りがあるため 提供可能な社内業務に従事させる 43.6 半日勤務や週 2~3 日勤務などによる高齢従業員のワークシェアリングを実施する 41.0 高齢従業員の処遇 ( 賃金など ) を引き下げる 30.0 若手とペアを組んで仕事をさせ 後進の育成 技能伝承の機会を設ける 25.8 60 歳到達前 到達時に社外への再就職を支援する 24.1 60 歳到達前 到達時のグループ企業への出向 転籍機会を増やす 22.7 新規採用数を抑制する 16.9 60 歳到達前の従業員の処遇を引き下げる 13.3 社内には高齢従業員に提示する業務がないため 従来アウトソーシシンク していた業務を内製化したうえで従事させる 11.7 特段の対応はしない 9.4 高齢従業員の勤務地エリアを拡大する 8.9 7.2 0 10 20 30 40 50-14 -

5. 女性従業員の活躍促進 支援について 図表 22. 女性従業員 ( 主に正社員 ) の活躍支援のために取り組んでいる事項 ( 複数回答 ) 柔軟な労働時間の設定 仕事と家庭とのバランスを保つことができる環境の整備女性従業員の管理職登用の拡大幅広い仕事上の経験を与えるなどの職域の拡大 55.8 54.0 50.5 女性従業員の採用の拡大 45.8 各種研修など 女性従業員の教育機会の拡大 38.4 メンター制度の導入 19.6 社内 SNS など 女性従業員間で気軽に情報交換できる場の提供 9.8 5.6 0 10 20 30 40 50 60 図表 23. 女性従業員の活躍状況 女性従業員の活躍機会があまりない 4.2% 1.4% 性別を意識することなく 優秀な人材が活躍する状況が実現している 36.2% 58.2% 性別を意識することなく 優秀な人材が活躍する状況には至っていないものの 女性従業員の活躍機会は着実に増えている 図表 24. 女性従業員の活躍支援を進めるにあたり 特に強化すべきこと ( 複数回答 ) 図表 23 で 女性従業員の活躍の機会が実現している 着実に増えている と回答した企業が対象 女性従業員自身が キャリアアップに向けて一層の取り組みを行う 58.9 これまで女性従業員に経験させたことの少ない ( またはない ) 業務 部署に積極的に配置する 53.8 経営者や上司等から女性従業員に対し 期待する役割 成果を効果的に伝える 45.6 女性従業員の活躍支援に向けた取り組みについて 男性従業員の理解を深める 26.8 4.8 0 10 20 30 40 50 60-15 -