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平成17年

表紙

4 年齢階級別の死因山形県の平成 28 年の死因順位は 20 歳から 34 歳までの各階級において自殺が1 位となっているほか 64 歳までの各階級においても死因順位の上位にあり おおむね全国と同様の傾向が見られます < 表 7> 年齢階級別の死因順位 死亡者数 ( 山形県 ) 年齢階級 総死亡者数

平成 2 9 年名古屋市民の平均余命 平成 30 年 12 月 25 日 名古屋市健康福祉局

平成27年版高齢社会白書(全体版)

まえがき 平成 24 年福島県簡易生命表 は 平成 24 年の福島県日本人人口 ( 推計 ) と平成 22~25 年の人口動態統計 ( 確定数 ) を基にして 本県の死亡状況が今後変化しないと仮定したとき 各年齢の者が1 年以内に死亡する確率や平均的にみて今後何年生きられるかという期待値などを 死亡

第1章評価にあたって

平成28年版高齢社会白書(概要版)

目 次 1 平成 29 年愛知県生命表について 1 2 主な年齢の平均余命 2 3 寿命中位数等生命表上の生存状況 5 4 死因分析 5 (1) 死因別死亡確率 5 (2) 特定死因を除去した場合の平均余命の延び 7 平成 29 年愛知県生命表 9

2017 年訪日外客数 ( 総数 ) 出典 : 日本政府観光局 (JNTO) 総数 2,295, ,035, ,205, ,578, ,294, ,346, ,681, ,477

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平成29年版高齢社会白書(全体版)

年齢調整死亡率 (-19 歳 ) の年次推移 ( :1999-1) 1 男性 女性 年齢調整死亡率 -19 年齢調整死亡率 年齢調整死亡率 -19 年齢調整死亡率

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資料 4 明石市の人口動向のポイント 平成 27 年中の人口の動きと近年の推移 参考資料 1: 人口の動き ( 平成 27 年中の人口動態 ) 参照 ⑴ 総人口 ( 参考資料 1:P.1 P.12~13) 明石市の総人口は平成 27 年 10 月 1 日現在で 293,509 人 POINT 総人口

平成26年 人口動態統計月報年計(概数)の概況 1

人口 世帯に関する項目 (1) 人口増加率 0.07% 指標の説明 人口増加率 とは ある期間の始めの時点の人口総数に対する 期間中の人口増加数 ( 自然増減 + 社会増減 ) の割合で 人口の変化量を総合的に表す指標として用いられる 指標の算出根拠 基礎データの資料 人口増加率 = 期間中の人口増

図表 02 の 01 の 1 世界人口 地域別 年 図表 2-1-1A 世界人口 地域別 年 ( 実数 1000 人 ) 地域 国 世界全体 2,532,229 3,038,413 3,69

JNTO

7 対 1 10 対 1 入院基本料の対応について 2(ⅲ) 7 対 1 10 対 1 入院基本料の課題 将来の入院医療ニーズは 人口構造の変化に伴う疾病構成の変化等により より高い医療資源の投入が必要となる医療ニーズは横ばいから減少 中程度の医療資源の投入が必要となる医療ニーズは増加から横ばいにな

H29人口動態統計(確定数)資料(大分県)

資料 7 1 人口動態と子どもの世帯 流山市人口統計資料 (1) 総人口と年少人口の推移流山市の人口は 平成 24 年 4 月 1 日現在 166,924 人で平成 19 年から増加傾向で推移しています 人口増加に伴い 年尐人口 (15 歳未満 ) 及び年尐人口割合も上昇傾向となっています ( 人

社会保障給付の規模 伸びと経済との関係 (2) 年金 平成 16 年年金制度改革において 少子化 高齢化の進展や平均寿命の伸び等に応じて給付水準を調整する マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びはの伸びとほぼ同程度に収まる ( ) マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びは 1.6


3 成人保健

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1) 疾患別死亡数 死亡率 ( 七尾市 ) 死亡数 ( 総数 ) 資料 : 衛生統計報 死亡率 ( 総数 ) 人口 10 万対

用語の説明自然増減 : 出生数から死亡数を減じたもの乳児死亡 : 生後 1 年未満の死亡新生児死亡 : 生後 4 週未満の死亡早期新生児死亡 : 生後 1 週未満の死亡死産 : 妊娠満 12 週以後の死児の出産周産期死亡 : 妊娠満 22 週以後の死産に早期新生児死亡を加えたもの合計特殊出生率 :

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81 平均寿命 女 単位 : 年 全 国 長野県 島根県 沖縄県 熊本県 新潟県 三重県 岩手県 茨城県 和歌山県 栃木県

用語等の説明 1 生命表とは生命表とは ある人口集団の死亡状況が今後変化しないと仮定したときに 各年齢の者 が死亡する確率や平均してあと何年生きられるかという期待値などを死亡率や平均余命 などの指標 ( 生命関数 ) によって表したものである これらの関数は 男女別に各年齢の死亡件数と人口を基にして

平成 27 年度版 [ 人口の状況 ] の現状 人口静態 ( 平成 27 年 ) 人口動態 ( 平成 26 年 ) 総数 男 女 総数 男 女 人口 89,42 44,85 44,552 出生数 歳以上人口 22,17 1,36 11,864 死亡数

Taro-鳥取における自死の現状(平

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次に 母親の年齢別 出生順位別の出生数をみていきましょう 図 2-1は母親の年齢別に第 1 子出生数をみるグラフです 第 1 子の出生数は20 年間で1,951 人 (34.6%) 減少しています 特に平成 18 年から平成 28 年にかけて減少率が大きく 年齢別に見ると 20~24 歳で44.8%

平成30年版高齢社会白書(概要版)

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C. 研究結果 考察 1, 全国統計にみた自殺の次推移 ( 表 1 図 1) 1899~23 以降の全国人口動態統計からの推移をみてみると 第二次世界大戦前の自殺死亡率は 12~22 前後で大戦後よりも低値であった 一方 毎の全 人当たりのについても大戦前は 6~13 と大戦後に比較して低かった 全

目次はじめに 1. 中国の少子高齢化 人口ボーナス論と中国経済 中国の人口ボーナスの課題 人口ボーナスと地域間経済格差 はじめに , demographic dividend 15 6

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2013年7月3日

高齢社会は危機かチャンスか

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長野県の少子化の現状と課題

「健康寿命」の伸長には若い頃からの健康改善が重要~2012年「健康寿命」の公表について考える

3 成人高齢保健等 -(1) 主要疾患別死亡推移 2 心疾患 全国 ( 上段 : 人 下段 : 人口 10 万対 ) 平成 24 年平成 25 年平成 26 年平成 27 年平成 28 年 198, , , , ,

図表 1 人口と高齢化率の推移と見通し ( 億人 ) 歳以上人口 推計 高齢化率 ( 右目盛 ) ~64 歳人口 ~14 歳人口 212 年推計 217 年推計

2014人口学会発表資料2

はじめに第1章基本方針第2章岐阜市の現状第3章第4章第二次ぎふ市民健康基本計画の評価今後の取り組み第5章効果的な推進体制第6章参考資料7 第 3 章岐阜市の現状 1 岐阜市の人口統計 (1) 人口の推移 本市の人口は 昭和 60 年以降 減少傾向にあったものの 平成 18 年柳津町との合併により 一

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【H29年度概要へ掲載用】【更新中】H28年度版 概要巻末資料(人口動態編など)

人 ) 195 年 1955 年 196 年 1965 年 197 年 1975 年 198 年 1985 年 199 年 1995 年 2 年 25 年 21 年 215 年 22 年 225 年 23 年 235 年 24 年 第 1 人口の現状分析 過去から現在に至る人口の推移を把握し その背

( 万人 ) 図 1 12 大都市の人口の推移 H 注 1) 各 10 月 1 日現在の推計人口

妊娠 出産 不妊に関する知識の普及啓発について 埼玉県参考資料 現状と課題 初婚の年齢は男女とも年々上昇している 第一子の出生時年齢も同時に上昇している 理想の子ども数を持たない理由として 欲しいけれどもできないから と回答する夫婦は年々上昇している 不妊を心配している夫婦の半数は病院へ行っていない

本章のまとめ 第 4 章当市の人口推移 本章のまとめ 現在までの人口推移は以下のとおりである 1. 人口の減少当市の人口は平成 23 年 7 月 (153,558 人 ) を頂点に減少へ転じた 平成 27 年 1 月 1 日時点の人口は 151,412 人である 2. 人口増減の傾向年齢 3 区分で

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統計トピックスNo.120 我が国のこどもの数―「こどもの日」にちなんで―

率 という 出生関連統計でメディアでの取り上げ機会が圧倒的に多いのもこちらの数値であり メディアでは 期間 を除いて 単に合計特殊出生率と記されている もう1つは 生まれ年別に当該世代の女性の15~49 歳の年齢別出生率を過去から積み重ねたもので これを コーホート合計特殊出生率 という この2つの

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平成 2 8 年 6 月 平成 27 年中における行方不明者の状況 警察庁生活安全局生活安全企画課

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健康寿命の指標

0. ポイント低いが, 宮城県では 歳代における出生率の低さが, 京都府では0 歳代の低さが影響しており, その要因が異なる. 次に, 平均出生年齢と合計特殊出生率との関係をみたものが図 である. 概して, 平均出生年齢と合計特殊出生率との間には負の相関関係がみられる. ただし, 各都道府県が直線上

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5. 死亡 (1) 死因順位の推移 ( 人口 10 万対 ) 順位年次 佐世保市長崎県全国 死因率死因率死因率 24 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 位 26 悪性新生物 350

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( 人口のピークは 225 年に ) 平成 27(215) 年国勢調査による東京の人口は 1,352 万人となり 前回の平成 22(21) 年国勢調査 (1,316 万人 ) と比べ 約 36 万人増加した 一方 全国の人口は1 億 2,79 万人となり 前回の1 億 2,86 万人から約 96 万

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1. がん重点パック の発売について < 開発の背景 > がん は日本人の死亡原因のトップ 表 1 であり 非常に怖い病気であることに今も変わりありません また がんによる死亡者数は40 代以降から急速に増加している 表 2 ことも考えると 若いうちから がんに対して備えておく必要があるといえます

質問 1 何歳から 長生き だと思いますか? 男性 女性ともに 80 歳 がトップ ( 合計 :42.3% 男性 :43.2% 女性 41.3%) 平均すると 男性が 81.7 歳 女性が 83.0 歳 と女性の方がより高年齢を 長生き と思うという 傾向があり 女性の 5 人に 1 人 (20.8

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人口構成の変化 ( 将来推計人口 ) 平成 22 年人口 平成 47 年将来推計人口 85 歳以上 2,173 5, 歳以上 13,628 21,106 80~84 3,655 5,800 80~84 8,714 11,067 75~79 6,516 8,184 75~79 9,800

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平成27年版自殺対策白書 本文(PDF形式)

日本における死因別死亡数の動向予測

親と同居の未婚者の最近の状況(2016 年)

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第 2 回 日本の人口動態 : 出生と死亡 日本の人口は 移動による変化がほとんどないので 基本的に出生と死亡によって変化してきた ( 戦前は 植民地への移動や植民地からの移動も見られたが 以下の統計は 植民地の人口を差し引いている ) 1. 日本の人口推移厚生労働省人口動態統計による人口推計 太平洋戦争末期に 人口が停滞ないし減少したが その後は 1980 年代まで増加 1990 年以降 伸びが止まり 2005 年には減少に 140,000,000 120,000,000 100,000,000 80,000,000 60,000,000 40,000,000 20,000,000 日本の推計人口推移 0 1944 出生数と死亡数人口の増減は 移動を度外視すると 出生数 - 死亡数できまる 3,000,000 2,500,000 日本の出生数 死亡数 2,000,000 1,500,000 1,000,000 出生数死亡数 500,000 0-1-

35.0 3 25.0 15.0 1 5.0 資料 ) 厚生労働省人口動態統計 日本の出生率と死亡率 出生率死亡率 出生率: 人口千人あたりの出生数 死亡率: 人口千人あたりの死亡数 この指標は 年齢構成を無視しているが 計算がしやすいので 古くから用いられてきた 現在でも 国際比較ではよく使われる 年齢構成を考慮に入れた 合計特殊出生率 ( 後述 ) は 近年 日本でよく用いられている 2. 出生数および出生率の変化 1920 年代から出生率は減少傾向にあった 戦後のベビーブームは 年間 260 万人の子どもが生まれていた 日本史上 最も子どもがたくさん生まれた時代 その後 出生率は急速に低下した 1966 年は丙午の年で 迷信により出生率が一時的に減少した その後 ベビーブーム世代が出産期をむかえたために出生数は増加したが 出生率は横ばいであり 1970 年代後半からは 出生数 出生率ともに急速に減少した 1990 年代には 出生率は 1 を下回る水準で横ばいになった 少子化 2002 年の世界全体の出生率は約 22 アフリカは 38 ラテンアメリカ 23 アジア 20 ヨーロッパ 10 北アメリカ 14 合計特殊出生率 (TFR) 合計特殊出生率 女性の年齢別出生率を 15 ~ 49 歳にわたって合計した数値 5.00 4.50 その値は 女性がその年齢別出生率にしたがって子どもを生んだ場合 生涯に生む平均の子ど 4.00 3.50 3.00 2.50 も数となる ( 特定の年に出産が集中したり 忌避されたりした場合にはこの解釈は成り立た 2.00 1.50 1.00 0.50 ない ) 0 1947 1952 1957 1962 1967 1972 1977 1982 1987 1992 1997 2002 資料 ) 人口動態統計 -2-

1970 年代前半までは 合計特殊出生率 TFR は 約 2で ほぼ人口を維持できる水準 ( 人口置換水準 ) であったが 1970 年代後半から低下傾向にある 2005 年には 1.26 になった この傾向が続けば 日本の人口は減少にむかうことになる 少子化は 1970 年代に始まった 国際比較: 韓国 1.08(2005 年暫定値 ) シンガポール 1.24( 年 ) イタリア 1.30(2003 年 ) アメリカ合衆国 2.04(2003 年 ) 3. 死亡数および死亡率の変化 人間はみなやがては死んでいくので 人口が増加すれば やがて死亡数も増加する 疫病 戦争 大災害などの事件で 一時的に死亡数 死亡率が増加することがある 1918 年 スペイン風邪 と呼ばれたインフルエンザが世界的に流行 世界で 2500 万人 日本では 38 万人が死亡したと言われている 1944 ~ 45 年 戦争によって多くの死者が出たが 敗戦による混乱もあって 統計上は数値が出ていない しかし 人口推計では 1944 ~ 45 年にかけて 100 万人以上減少している ( この直前の時期の出生と死亡との差が 100 万人であることから推計すると 1 年間に少なくとも 200 万人以上が死亡している なお 太平洋戦争の日本人戦死者数は政府の発表では約 310 万人 ) 戦後は死亡率が急速に低下 1970 年代は6 台に ( これは乳児死亡率の低下が寄与している ) 近年になると 年齢構成の高齢化により 死亡数 死亡率が増加 死亡率は8 に 出生数と死亡数がほぼ同数になり 人口減少局面に 2002 年の世界全体の死亡率は9 アフリカ 14 ラテンアメリカ6 アジア7 ヨーロッパ 10 北アメリカ8 乳児死亡率ある年の 1 歳未満の死亡数 ( 乳児死亡数 ) をその年の出生数で割って千倍したもの 乳児死亡数 出生数 1000 乳児死亡率 ( 出生千対 ) 20 18 16 1 1 10 8 6 資料 ) 厚生労働省人口動態統計 -3-

1920 年代から乳児死亡率は低下しはじめ 1920 年の 165.7 から 2005 年には 2.8 になった ちなみに 2002 年の世界の乳児死亡率は 55 アフリカが 88 アジアが 54 ヨーロッパでは8 北アメリカでは7 日本の乳児死亡率は 世界最低水準に達している( シンガポール 2.0[] スウェーデン 3.1[2003] イタリア 4.6[2003] アメリカ合衆国 6.9[2003]) 乳児死亡率の低下は 平均寿命 (0 歳児の平均余命 ) を増加させる 平均寿命平均寿命は 年齢別死亡率から算出した 0 歳児の平均余命である 90 80 70 60 50 平均寿命 ( 日本 ) 男 male 女 female 0 30 2002 年 1997 年 1992 年 1987 年 1982 年 1977 年 1972 年 1967 年 1962 年 1957 年 1952 年 1947 年 * 資料 ) 厚生労働省平成 17 年簡易生命表 1950 年に男性 58 歳 女性 61.5 歳だった平均寿命は 2005 年には 男性 78.5 歳 女性 85.5 歳に 女性は世界一 男性は香港 アイスランド スイスに次いで世界第 4 位と思われる アイスランドは 男性 78.9 歳 女性 82.8 歳 (2001-2005) スイスは 男性 78.6 歳 女性 83.7 歳 () 香港は 男性 79.0 歳 女性 84.7 歳 () イタリアは 男性 77.1 歳 女性 83.0 歳 (2002) 米国は 男性 74.8 歳 女性 80.1 歳 (2003) 英国は 男性 76.3 歳 女性 80.7 歳 (2002-) 韓国は 男性 73.9 歳 女性 80.8 歳 (2003) 中国は 男性 69.6 歳 女性 73.3 歳 (2000) ブラジルは 男性 67.9 歳 女性 75.5 歳 () インドは 男性 61.6 歳 女性 63.3 歳 (1998-2002) ナイジェリアは 男性 52.0 歳 女性 52.2 歳 (2000-2005) -4-

疾病構造の変化 三大死因が死亡総数に占める割合 (-2005) 10 9 8 7 6 5 3 1 脳血管疾患心疾患悪性新生物 資料 ) 人口動態統計 感染症による死亡が減少し 悪性新生物 ( ガン ) 心疾患( 心臓病 ) 脳血管疾患( 脳溢血 ) による死亡が増えている (6 割の人は ガンか心臓病か脳溢血で死ぬ ) これらは死亡原因の 3 位までを占めている生活習慣病である 1990 年以降 心疾患 が減少しているように見えるが これは死亡診断書に 死亡の原因欄には 疾患の終末期の状態としての心不全 呼吸不全等は書かないでください という注意書きが付け加えられたためと考えられる 4. まとめ 日本の人口は 増加局面から減少局面に転換し始めている 1920 年代から出生率は減少傾向にあった しかし 1970 年代までは死亡率も減少傾向にあり 出生数が死亡数を上回っていたために 人口は増加した 1947-50 年 ベビーブームは 日本で最も出生数の多い時代であった 1970 年代 第二次ベビーブームが過ぎてから 出生数 出生率は 急速に低下した 1970 年代以降 合計特殊出生率も 減少傾向にあり 少子化が顕著である 死亡率は 1970 年代まで減少傾向にあった その大きな要因は 乳児死亡率の減少にある また 感染症による死亡が減少し 悪性新生物 心疾患 脳血管疾患による死亡が増えている 平均寿命は 1950 年以降 増加傾向にある しかし 人口構成の高齢化によって 1980 年代から徐々に死亡数 死亡率は増加傾向にある 出生数の減少と 高齢化による死亡数の増大によって 日本の人口は減少局面に転換した -5-