UBE Aromatic SF5 Compounds,

Similar documents
Microsoft PowerPoint - 有機元素化学特論11回配布用.pptx

Untitled

<4D F736F F F696E74202D C8B4089BB8D8795A882CC94BD899E A>


寄稿論文 規則性無機ナノ空間が創り出す新しい触媒能 | 東京化成工業

首都圏北部 4 大学発新技術説明会 平成 26 年 6 月 19 日 オレフィン類の高活性かつ立体選択的重合技術 埼玉大学大学院理工学研究科 助教中田憲男

Microsoft Word - 化学系演習 aG.docx

二酸化炭素を用いる触媒的炭素 炭素結合生成反応の開発 京都大学工学研究科物質エネルギー化学専攻辻康之 1. はじめに二酸化炭素は炭素の最も高酸化状態の化合物であり, 熱力学的にも速度論的にも反応性の乏しい物質である この二酸化炭素を炭素源として触媒的に有用物質の合成に利用することが出来れば, 次世代

研究成果報告書(基金分)

untitled

A4パンフ

CAS NC(CH 2 ) 4 CN 1,4- C 6 H 8 N c.c d = Pa

t 492 t mg/l 30 mg/l BOD 95 OH = cm 3 / sec 25 8 OH /cm 3 12 = ph ph

サイエンス<冬季>セミナー カルボニル・オレフィン化反応(1) | 東京化成工業

98-02.PDF

3, ,104 t mg/l 30 mg/l BOD mg 14 C 8, /kg 11 8, 1 11 OH = cm 3 / sec 11 OH /cm ppm


Chap. 1 NMR

上原記念生命科学財団研究報告集, 29 (2015)

Microsoft Word - 化学系演習 aG.docx

CAS H 3 C C CH 2 C 9 H tert d = hpa

New Color Chemosensors for Monosaccharides Based on Azo Dyes

2014 年度大学入試センター試験解説 化学 Ⅰ 第 1 問物質の構成 1 問 1 a 1 g に含まれる分子 ( 分子量 M) の数は, アボガドロ定数を N A /mol とすると M N A 個 と表すことができる よって, 分子量 M が最も小さい分子の分子数が最も多い 分 子量は, 1 H

医薬品創製化学特論_1.pptx

Activation and Control of Electron-Transfer Reactions by Noncovalent Bond

Gifu University Faculty of Engineering

寄稿論文 高い発ガン活性を示す鉄キレートお構造特性 | 東京化成工業

光学

2004 年度センター化学 ⅠB p1 第 1 問問 1 a 水素結合 X HLY X,Y= F,O,N ( ) この形をもつ分子は 5 NH 3 である 1 5 b 昇華性の物質 ドライアイス CO 2, ヨウ素 I 2, ナフタレン 2 3 c 総電子数 = ( 原子番号 ) d CH 4 :6

資料5:聖ウルスラ学院英智小・中学校 提出資料(1)

SPring8菅野印刷.PDF


橡アジポニトリル.PDF

セーレングループ環境データ集 2018

PowerPoint プレゼンテーション

2019 年度大学入試センター試験解説 化学 第 1 問問 1 a 塩化カリウムは, カリウムイオン K + と塩化物イオン Cl - のイオン結合のみを含む物質であり, 共有結合を含まない ( 答 ) 1 1 b 黒鉛の結晶中では, 各炭素原子の 4 つの価電子のうち 3 つが隣り合う他の原子との

Microsoft Word - 座談会「小泉政治」.doc

新技術説明会 様式例

1. 構造式ファイルの作成について 平成 31 年度からの少量新規化学物質の申出には電子データ ( ML ファイル形式 ) の提出が必要となります 本講演資料における 構造式ファイル は ML ファイルのことを指しています 経済産業省推奨構造式描画ソフトウェア以下のソフトウェアを用いて ML ファイ

Microsoft Word _abstract_kasai_ikeya2_tk.docx

14551 フェノール ( チアゾール誘導体法 ) 測定範囲 : 0.10~2.50 mg/l C 6H 5OH 結果は mmol/l 単位でも表示できます 1. 試料の ph が ph 2~11 であるかチェックします 必要な場合 水酸化ナトリウム水溶液または硫酸を 1 滴ずつ加えて ph を調整

寄稿論文 ナノスケールの孤独空間を有する包接化合物 ~カプセル分子~ | 東京化成工業


i ( 23 ) ) SPP Science Partnership Project ( (1) (2) 2010 SSH

水素移動型不斉還元触媒|関東化学株式会社

服用者向け_資料28_0623

温泉の化学 1

Microsoft Word - 第4章.doc

スライド 1

Microsoft Word - バイオマスプラ・ポジティブリスト作成基準(正)

< 参考資料 > 海外の規制について 規制内容や化学物質の分類については各規制により立法背景が異なるため 便宜的に記載した 一部精査中の情報を含む

検討の結果 ジクロロジピリンニッケル錯体とベンジルアミンとの Buchwald Hartwig アミネーション反応を行うと 窒素が導入されたアザコロールとジアザポルフィリンが生成することを見いだした ( 図 3) 2 また 硫化ナトリウムとの反応により硫黄が導入されたチアコロールおよびジチアポルフィ

研究成果報告書



橡99-24_00 アリルアルコール.PDF

Microsoft Word - ランチョンプレゼンテーション詳細.doc

yakugaku-kot.ppt


平成 2 9 年 3 月 2 8 日 公立大学法人首都大学東京科学技術振興機構 (JST) 高機能な導電性ポリマーの精密合成法を開発 ~ 有機エレクトロニクスの発展に貢献する光機能材料の開発に期待 ~ ポイント π( パイ ) 共役ポリマーの特性制御には 末端に特定の官能基を導入することが重要だが

Fig. ph Si-O-Na H O Si- Na OH Si-O-Si OH Si-O Si-OH Si-O-Si Si-O Si-O Si-OH Si-OH Si-O-Si H O 6

1 1

1

有機化合物の磁気キラル二色性を初めて観測! - 生命のホモキラリティー起源の候補の一つを有機化合物で初めて実証 - 1 東京大学生産技術研究所第 4 部物質 環境系部門 2 東京大学先端科学技術センター 1 石井和之 1 北川裕一 2 瀬川浩司

ドコモP-01Hカタログ


参考 < これまでの合同会合における検討経緯 > 1 第 1 回合同会合 ( 平成 15 年 1 月 21 日 ) 了承事項 1 平成 14 年末に都道府県及びインターネットを通じて行った調査で情報提供のあった資材のうち 食酢 重曹 及び 天敵 ( 使用される場所の周辺で採取されたもの ) の 3

Microsoft PowerPoint - 多核NMRへの応用_提出版.pptx

PAH ; XAD-2 ( XAD-2) PAH - LH-20 (HPLC) (SE-54 SE-52) ; -C18 HPLC PAH 1.3 PAH PAH PAH ( ) ( ) (, ) ( ) PAH : - bitumen ; - ; - ; - ; - ; - environment

橡96-07.PDF


1/120 別表第 1(6 8 及び10 関係 ) 放射性物質の種類が明らかで かつ 一種類である場合の放射線業務従事者の呼吸する空気中の放射性物質の濃度限度等 添付 第一欄第二欄第三欄第四欄第五欄第六欄 放射性物質の種類 吸入摂取した 経口摂取した 放射線業 周辺監視 周辺監視 場合の実効線 場合

<4D F736F F F696E74202D B7B91E588C993A192718E F4390B32E B93C782DD8EE682E890EA97705D>

有機薄膜太陽電池用材料の新しい合成法を開発

微粒子合成化学・講義

pp * Yw; Mq 1. 1L 20 cc [1] Sonoluminescence: Light emission from acoustic cavitation bubble. Pak-Kon Choi (Departm



PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word - R22.1.doc

untitled


Amino Acid Analysys_v2.pptx

シンデレラ合宿


製品案内 価格表 2014/4/1

3.ごみの減量方法.PDF


橡フタル酸ブチルベンジル.PDF

1

研究成果報告書(基金分)

Untitled

RAA-05(201604)MRA対応製品ver6

3_MOPAC入門及び分子モデル作成

London -van der Waals Coulomb Fe, Mn

1P.PDF

2

01.PDF

<8EAD8CA48B B95B62E706466>

A B C

Transcription:

UBE Aromatic S5 Compounds, Contact: fluorine@ube.com Molecular Model of Ph UBE の S5 化合物は 多様な S5 化合物を低コストで供給できる画期的な手法で合成されています 現在 下記の S5 化合物の提供が可能です 医薬 農薬 高分子材料 エレクトロニクス材料等 お客様が求める機能材料のビルディングブロックとしてご活用ください お値段 数量等 ご不明な点はお気軽に e-mail (fluorine@ube.com) にてお問い合わせ下さい また お客様用の特殊な S5 化合物についても対応可能ですので ご遠慮なくお申し付けください H 3 C CAS# 2557-81-5 CAS# 203126-21-0 CAS# 672-30-0 CAS# 774-93-6 Cl CAS# 864230-02-4 CAS# 1422-41-9 CAS# 1063625-86-4 CAS# 5310-68-9 H 2 N NH 2 Cl(O)C NC 2 C CAS# 1246998-10-6 CAS# 2993-22-8 CAS# 197384-98-8 CAS# 401892-85-1 CAS# 832-32-6 OH CAS# 1126968-75-9 CAS# 672-31-1 CAS# 774-94-7 CAS# 864230-03-5. CAS# 1062610-12-1 5 S S 5 CAS# 432028-10-9 CAS# 1219501-58-2 CAS# 1219501-60-6 宇部興産株式会社医薬事業部 http://www.ube.com/fluorine.html Phone: 03(5419)6178 AX: 03(5419)6257 E-mail: fluorine@ube.com

UBE Aromatic S5 derivatives, prepared in high yield via highly versatile & cost competitive methods. はじめに : 現在 S5 化合物の合成技術の進歩に伴い 医薬 農薬 エレクトロニクス等のさまざまな分野で S5 化合物の持つユニークな特性を生かしたアプリケーションが開発中です UBE の芳香族 S5 化合物は これらの多様なアプリケーションに対応するビルディングブロックとしての適用を目指しています Molecular Model of Ph S5 化合物のユニークな特性は 分子中の S5 基より発現します S5 基のよく知られた特徴は 1) 非常に強い電子吸引性 2) 高い脂溶性 3) 高い熱安定性と耐化学薬品性 が知られております 特に 医農薬分野においては S5 化合物の脂溶性が 同様の特性を持つフルオロ化合物やトリフルオロメチル化合物よりも高いと想定されており S5 基を有する化合物が続々と発表されております 1) また 電子材料分野では 例えば液晶分子として S5 基の電子吸引特性を活かし 分子の双極子モーメントを高度にデザインした材料が既に提案されています 1),2) S5 化合物の特徴 : S5 基は スーパートリフルオロメチル基 と呼ばれています 2) その特性は 一般のフッ素化合物と似通っていますが S5 基中のフッ素原子の数が他のフッ素含有置換基に比べて多いために その特性がより顕著に発揮される傾向にあります S5 基において確認されている優れた特性を下記に示します A) 電子吸引性効果 3) S5 基は非常に強い電子吸引特性を示すことが知られております ig.1 に安息香酸誘導体において その置換基を変化させた場合の電子吸引性効果 (pka 値 ) 変化についての評価結果を示します ig.1 において S5 基は ニトロ基に次ぐ 強い電子吸引特性を示す結果が得られております B) 脂溶性 2) フッ素を含有する化合物は 一般に高い脂溶性を示すことが知られております Table 1 は 置換基を変化させた場合の脂溶性の変化を調査した結果を示します Table 1 において S5 は SC3 基に次ぐ 高い脂溶性を示しております C3 化合物は その高い脂溶性から 医薬用途への応用が研究されておりますが S5 基に変換することで 更に高い脂溶性が発揮されることが期待されます Table 1 Lipophilicity(π) of substituent X Substituent X SC 3 OC 3 C 3 H NO 2 π p 1.44 1.23 1.04 0.88 0.14 0-0.28 C) 熱安定性と耐薬品安定性 芳香族 S5 化合物は 非常に優れた熱安定性と耐化学薬品性を持つことが知られております 熱安定性

に関する事例としては PhS5 化合物を密閉容器中で 400 の条件で 7 時間加熱したところ その分解は 20% 以下であることが報告されています 3a) また 強酸および強塩基の条件においても S5 化合物は 対応するトリフルオロメチル (C3) 化合物よりも高い安定性を持つことが報告されています 3a, 4a) このため S5 化合物の誘導体の合成には これまでに他の化合物において適用されてきた多くの化学反応が同じように適用可能です 芳香族 S5 化合物を使用した 代表的な反応例を下記に示します 芳香族 S5 化合物の誘導体の合成の際の知見としてご参照ください 4) D) 毒性 芳香族 S5 化合物の毒性についての知見を Table2 にまとめました 評価した 4 種の芳香族 S5 化合物の Ames 検査の結果は 陰性でした (4BPS は評価中 ) 経口毒性については その実験値も併せて示します 芳香族 S5 化合物について 顕著な毒性は確認されておりません Table 2 Safety testing of Aromatic compounds NAME PS 4MPS 4PS 4CPS 4BPS Structure Ames Test Negative Negative Negative Negative Negative ACUTE OAL TOXICITY (at): LD 50 >2000mg/Kg 50-300mg/Kg >2000mg/Kg 300-2000mg/Kg 300-2000mg/Kg 芳香族 S5 の合成技術 : UBE の S5 化合物の合成法を Scheme1 に示します 弊社が採用している合成法は IM&T 社にて開発された革新的な K/Cl2 法を経由する手法です K/Cl2 法とは ダイサルファイドあるいはチオール化合物を出発原料として K( フッ化カリウム ) の存在下で 硫黄化合物を塩素と反応させる手法です この反応により ダイサルファイド等の硫黄化合物に対応した Aryl-S4Cl 化合物を高収率で合成することができます ( 収率 :70-90%) ここで得られた Aryl-S4Cl 化合物は 次ステップの反応にて ah( 無水フッ酸 ) や Zn2( フッ化亜鉛 ) 等と反応

させることで 高収率で目的とする芳香族 S5 化合物に変換されます ( 収率 :70-80%) 従来の手法では 出発原料の硫黄化合物 ( ダイサルファイド ) がニトロ基誘導体に限定されていました 5) K/Cl2 法では ニトロ基誘導体に限定されない様々なダイサルファイド ( あるいはチオール化合物 ) に適用可能です これにより ビルディングブロックとして有用な種々の置換基を持つ芳香族 S5 化合物を 短工程で合成することが可能です 6) また K/Cl2 法に使用する主原料の K 塩素 そして 2 段目のフッ素化に使用する ah は いずれも工業用の基礎原料として比較的安価に大量に入手可能な原料です これまで大変高価な材料として認知されていた芳香族 S5 化合物の低コスト化が可能となりました S S or SH K/Cl 2 S 4 Cl Zn 2 or ah Aryl-S 4 Cl Aryl- Scheme 1 製品リスト : 先述の技術に基づき ig.2 に示す種々の芳香族 S5 化合物をご提供しております 採用している K/Cl2 法は 非常に応用範囲が広く 例えば S5 基を 2 個有した poly-s5 化合物等も合成可能です H 2 N H 3 C CAS# 2557-81-5 CAS# 203126-21-0 CAS# 2993-22-8 CAS# 672-30-0 CAS# 864230-02-4 CAS# 1063625-86-4 25g, 100g, 500g, 1Kg 25g, 100g, 500g, 1Kg 25g, 100g, 500g 25g, 100g, 500g, 1Kg 5g, 25g, 100g 25g, 100g, 500g, 1Kg Cl CAS# 5310-68-9 25g, 100g, 500g, 1Kg CAS# 774-93-6 5g, 25g, 100g 5 S 5 S CAS# 1062610-12-1 CAS# 432028-10-9 CAS# 1219501-58-2 CAS# 1219501-60-6 1g, 5g, 10g 1g, 5g, 10g 1g, 5g, 10g 1g, 5g, 10g ig. 2 New! S5 Cl(O)C CAS# 1422-41-9 CAS# 864230-03-5 CAS# 197384-98-8 NC 2 C CAS# 401892-85-1 CAS# 832-32-6 NH 2 CAS# 1246998-10-6 OH CAS# 774-94-7 CAS# 1126968-75-9 ig. 3 CAS# 672-31-1

ご連絡先 : 芳香族 S5 化合物のお見積り 技術的なお問い合わせ等 お気軽に下記の宛先にご連絡下さい 宇部興産株式会社医薬事業部 東京都港区芝浦 1-2-1 シーバンス N 館 電話 :03(5419)6178 Email: fluorine@ube.com AX:03(5419)6257 参考文献 : 1).W. Winter,.A. Dodean, and G.L.Gard, luorine-containing Synthons, V.A. Soloshonok edited; American Chemical Society, Washington, 911, p.87, 2005 2) P. Kirsch, Modern luoroorganic Chemistry; WILEY-VCH, Weinheim, p.146, 2004 3) a) W. A. Sheppard, J. Am. Chem. Soc. 1962, 84, 3072-76. b) C. J. Byrne, et al., J. Chem. Soc. Perkin Trans. 2 1987, 1649-53. c) J. Shorter, Pure Appl. Chem. 1997, 69, 2497-2510. 4) a). D. Bowden et al., Tetrahedron 2000, 56, 3399-3408. b) P. Kirsch et al., Angew. Chem. Int. Ed. 1999, 38, 1989-1992. c) S. Nishino et al., JP Patent 2009-96740. d) A. M. Sipyagin et al., J. luorine Chem. 2004, 125, 1305-1316. e) T. Mo et al., Tetrahedron Lett., 2010, 51, 5137-5140. 5).D. Bowden et al., WO 97/05106, 1997 6) T. Umemoto et al., US 7592491, 2009