大学院博士課程共通科目ベーシックプログラム

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1-4. 免疫抗体染色 抗体とは何かリンパ球 (B 細胞 ) が作る物質 特定の ( タンパク質 ) 分子に結合する 体の中に侵入してきた病原菌や毒素に結合して 破壊したり 無毒化したりする作用を持っている 例 : 抗血清馬などに蛇毒を注射し 蛇毒に対する抗体を作らせたもの マムシなどの毒蛇にかまれ

イルスが存在しており このウイルスの存在を確認することが診断につながります ウ イルス性発疹症 についての詳細は他稿を参照していただき 今回は 局所感染疾患 と 腫瘍性疾患 のウイルス感染検査と読み方について解説します 皮膚病変におけるウイルス感染検査 ( 図 2, 表 ) 表 皮膚病変におけるウイ

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論文題目  腸管分化に関わるmiRNAの探索とその発現制御解析

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No. 1 Ⅰ. 緒言現在我国は超高齢社会を迎え それに伴い 高齢者の健康増進に関しては歯科医療も今後より重要な役割を担うことになる その中でも 部分欠損歯列の修復に伴う口腔内のメンテナンスがより一層必要となってきている しかし 高齢期は身体機能全般の変調を伴うことが多いため 口腔内環境の悪化を招く

記載例 : 大腸菌 ウイルス ( 培養細胞 ) ( 注 )Web システム上で承認された実験計画の変更申請については 様式 A 中央の これまでの変更 申請を選択し 承認番号を入力すると過去の申請内容が反映されます さきに内容を呼び出してから入力を始めてください 加齢医学研究所 分野東北太郎教授 ヒ

DVDを見た後で、次の問いに答えてください

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3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問


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(薬学科)D専門教育科目テーラーメイド薬物治療 薬学複合科目医療薬学複合科目 Ⅳ アドバンス科目学部学科必修選択第一年次第二年次第三年次第四年次第五年次第六年次薬学部授業科目 群衛生 Ⅲ( 環境衛生 ) 製剤設計 Ⅰ( 液状 分散系 )

多様なモノクロナル抗体分子を 迅速に作製するペプチドバーコード手法を確立 動物を使わずに試験管内で多様な抗体を調製することが可能に 概要 京都大学大学院農学研究科応用生命科学専攻 植田充美 教授 青木航 同助教 宮本佳奈 同修士課程学生 現 小野薬品工業株式会社 らの研究グループは ペプチドバーコー

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化学物質の分析 > 臨床で用いる分析技術 > 分析技術 > 免疫学的測定法 1 免疫学的測定法 免疫反応を利用して物質を分析する方法として 免疫学的測定法 ( イムノアッセイ ) がある イムノアッセイは 抗体に抗原を認識させる ( 抗原抗体反応を利用する ) ことにより 物質を定量する分析法であり

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るため RNA ウイルス遺伝子や mrna などの RNA を検出する場合には予め逆転写酵素 (RNA 依存性 DNA ポリメラーゼ ) により DNA に置換する逆転写反応を行う必要がある これを Reverse Transcription-PCR(RT-PCR) という PCR 法によれば 検査

グルコースは膵 β 細胞内に糖輸送担体を介して取り込まれて代謝され A T P が産生される その結果 A T P 感受性 K チャンネルの閉鎖 細胞膜の脱分極 電位依存性 Caチャンネルの開口 細胞内 Ca 2+ 濃度の上昇が起こり インスリンが分泌される これをインスリン分泌の惹起経路と呼ぶ イ


るが AML 細胞における Notch シグナルの正確な役割はまだわかっていない mtor シグナル伝達系も白血病細胞の増殖に関与しており Palomero らのグループが Notch と mtor のクロストークについて報告している その報告によると 活性型 Notch が HES1 の発現を誘導

ピルシカイニド塩酸塩カプセル 50mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにピルジカイニド塩酸塩水和物は Vaughan Williams らの分類のクラスⅠCに属し 心筋の Na チャンネル抑制作用により抗不整脈作用を示す また 消化管から速やかに

DNA 抽出条件かき取った花粉 1~3 粒程度を 3 μl の抽出液 (10 mm Tris/HCl [ph8.0] 10 mm EDTA 0.01% SDS 0.2 mg/ml Proteinase K) に懸濁し 37 C 60 min そして 95 C 10 min の処理を行うことで DNA

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ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

の感染が阻止されるという いわゆる 二度なし現象 の原理であり 予防接種 ( ワクチン ) を行う根拠でもあります 特定の抗原を認識する記憶 B 細胞は体内を循環していますがその数は非常に少なく その中で抗原に遭遇した僅かな記憶 B 細胞が著しく増殖し 効率良く形質細胞に分化することが 大量の抗体産

抗菌薬の殺菌作用抗菌薬の殺菌作用には濃度依存性と時間依存性の 2 種類があり 抗菌薬の効果および用法 用量の設定に大きな影響を与えます 濃度依存性タイプでは 濃度を高めると濃度依存的に殺菌作用を示します 濃度依存性タイプの抗菌薬としては キノロン系薬やアミノ配糖体系薬が挙げられます 一方 時間依存性

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「組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査の手続」の一部改正について

あった AUCtはで ± ng hr/ml で ± ng hr/ml であった 2. バイオアベイラビリティの比較およびの薬物動態パラメータにおける分散分析の結果を Table 4 に示した また 得られた AUCtおよび Cmaxについてとの対数値

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記載例 : ウイルス マウス ( 感染実験 ) ( 注 )Web システム上で承認された実験計画の変更申請については 様式 A 中央の これまでの変更 申請を選択し 承認番号を入力すると過去の申請内容が反映されます さきに内容を呼び出してから入力を始めてください 加齢医学研究所 分野東北太郎教授 組

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検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( ピンク ) 血液 6 ml 血清 I 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 茶色 )

シプロフロキサシン錠 100mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにシプロフロキサシン塩酸塩は グラム陽性菌 ( ブドウ球菌 レンサ球菌など ) や緑膿菌を含むグラム陰性菌 ( 大腸菌 肺炎球菌など ) に強い抗菌力を示すように広い抗菌スペクトルを

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平成14年度研究報告

PRESS RELEASE (2012/9/27) 北海道大学総務企画部広報課 札幌市北区北 8 条西 5 丁目 TEL FAX URL:

植物機能改変技術実用化開発 ( 事後評価 ) 分科会資料 植物機能改変技術実用化開発 ( 事後評価 ) 分科会資料 個別テーマ詳細説明資料 ( 公開 ) 植物で機能する有用フ ロモーターの単離と活用 奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科新名惇彦 山川清栄 1/29 背景 目的

今後の展開現在でも 自己免疫疾患の発症機構については不明な点が多くあります 今回の発見により 今後自己免疫疾患の発症機構の理解が大きく前進すると共に 今まで見過ごされてきたイントロン残存の重要性が 生体反応の様々な局面で明らかにされることが期待されます 図 1 Jmjd6 欠損型の胸腺をヌードマウス

プロトコール集 ( 研究用試薬 ) < 目次 > 免疫組織染色手順 ( 前処理なし ) p2 免疫組織染色手順 ( マイクロウェーブ前処理 ) p3 免疫組織染色手順 ( オートクレーブ前処理 ) p4 免疫組織染色手順 ( トリプシン前処理 ) p5 免疫組織染色手順 ( ギ酸処理 ) p6 免疫

検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 5. 免疫学的検査 >> 5G. 自己免疫関連検査 >> 5G010. 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( ピンク

本日の内容 HbA1c 測定方法別原理と特徴 HPLC 法 免疫法 酵素法 原理差による測定値の乖離要因

生物科学専攻後期 共通科目 科目番号 02AU001 科目名 先端生物科学特別セミナー 授業方法 単位数 標準履修年次 実施学期曜時限教室担当教員授業概要備考 秋 ABC 水 6 中田和人 生物学研究の面白さを実感できるよう 毎回各分野におけるホットな研究内容を取りあげて 生物学

東京医科歯科大学医歯学研究支援センター illumina Genome Analyzer IIx 利用基準 平成 23 年 10 月 1 日医歯学研究支援センター長制定 ( 趣旨 ) 第 1 条次世代型シークエンサーはヒトを含むあらゆる生物種の全ゲノム配列の決定 全エキソンの変異解析 トランスクリプ

脳組織傷害時におけるミクログリア形態変化および機能 Title変化に関する培養脳組織切片を用いた研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 岡村, 敏行 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date URL http

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報道発表資料 2001 年 12 月 29 日 独立行政法人理化学研究所 生きた細胞を詳細に観察できる新しい蛍光タンパク質を開発 - とらえられなかった細胞内現象を可視化 - 理化学研究所 ( 小林俊一理事長 ) は 生きた細胞内における現象を詳細に観察することができる新しい蛍光タンパク質の開発に成

解禁日時 :2019 年 2 月 4 日 ( 月 ) 午後 7 時 ( 日本時間 ) プレス通知資料 ( 研究成果 ) 報道関係各位 2019 年 2 月 1 日 国立大学法人東京医科歯科大学 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 IL13Rα2 が血管新生を介して悪性黒色腫 ( メラノーマ ) を

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1. 背景血小板上の受容体 CLEC-2 と ある種のがん細胞の表面に発現するタンパク質 ポドプラニン やマムシ毒 ロドサイチン が結合すると 血小板が活性化され 血液が凝固します ( 図 1) ポドプラニンは O- 結合型糖鎖が結合した糖タンパク質であり CLEC-2 受容体との結合にはその糖鎖が

本日の講演内容 1. PMDA コンパニオン診断薬 WG 2. 本邦におけるコンパニオン診断薬の規制 3. 遺伝子パネルを用いた NGS コンパニオン診断システム 1 2 規制上の取扱い 評価の考え方 2

大学院委員会について

15K14554 研究成果報告書

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京都府中小企業技術センター技報 37(2009) 新規有用微生物の探索に関する研究 浅田 *1 聡 *2 上野義栄 [ 要旨 ] 産業的に有用な微生物を得ることを目的に 発酵食品である漬物と酢から微生物の分離を行った 漬物から分離した菌については 乳酸菌 酵母 その他のグループに分類ができた また

論文の内容の要旨

60 秒でわかるプレスリリース 2007 年 1 月 18 日 独立行政法人理化学研究所 植物の形を自由に小さくする新しい酵素を発見 - 植物生長ホルモンの作用を止め ミニ植物を作る - 種無しブドウ と聞いて植物成長ホルモンの ジベレリン を思い浮かべるあなたは知識人といって良いでしょう このジベ

実習科目回 テーマ 授業内容および学習課題 担当者 酸塩基反応及び抽出法による薬毒物混合物の系統 グループ 薬毒物の系統分離と確認 分離法を実施できる 薬毒物の化学構造や反応性を理解し 薄層クロマ 森本 敦司 トグラフィーや各種確認試験を利用して 含有成分 を同定できる C2-(3) A

日本標準商品分類番号 カリジノゲナーゼの血管新生抑制作用 カリジノゲナーゼは強力な血管拡張物質であるキニンを遊離することにより 高血圧や末梢循環障害の治療に広く用いられてきた 最近では 糖尿病モデルラットにおいて増加する眼内液中 VEGF 濃度を低下させることにより 血管透過性を抑制す

2015入試問題 indd

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ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル

2. 看護に必要な栄養と代謝について説明できる 栄養素としての糖質 脂質 蛋白質 核酸 ビタミンなどの性質と役割 およびこれらの栄養素に関連する生命活動について具体例を挙げて説明できる 生体内では常に物質が交代していることを説明できる 代謝とは エネルギーを生み出し 生体成分を作り出す反応であること

BKL Kit (Blunting Kination Ligation Kit)

検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( ピンク ) 血液 6 ml 血清 I 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 茶色 )

Hi-level 生物 II( 国公立二次私大対応 ) DNA 1.DNA の構造, 半保存的複製 1.DNA の構造, 半保存的複製 1.DNA の構造 ア.DNA の二重らせんモデル ( ワトソンとクリック,1953 年 ) 塩基 A: アデニン T: チミン G: グアニン C: シトシン U

2. 手法まず Cre 組換え酵素 ( ファージ 2 由来の遺伝子組換え酵素 ) を Emx1 という大脳皮質特異的な遺伝子のプロモーター 3 の制御下に発現させることのできる遺伝子操作マウス (Cre マウス ) を作製しました 詳細な解析により このマウスは 大脳皮質の興奮性神経特異的に 2 個

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く 細胞傷害活性の無い CD4 + ヘルパー T 細胞が必須と判明した 吉田らは 1988 年 C57BL/6 マウスが腹腔内に移植した BALB/c マウス由来の Meth A 腫瘍細胞 (CTL 耐性細胞株 ) を拒絶すること 1991 年 同種異系移植によって誘導されるマクロファージ (AIM


スギ花粉の捕捉Ys ver7.00

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報道発表資料 2006 年 4 月 13 日 独立行政法人理化学研究所 抗ウイルス免疫発動機構の解明 - 免疫 アレルギー制御のための新たな標的分子を発見 - ポイント 異物センサー TLR のシグナル伝達機構を解析 インターフェロン産生に必須な分子 IKK アルファ を発見 免疫 アレルギーの有効

■リアルタイムPCR実践編

豚丹毒 ( アジュバント加 ) 不活化ワクチン ( シード ) 平成 23 年 2 月 8 日 ( 告示第 358 号 ) 新規追加 1 定義シードロット規格に適合した豚丹毒菌の培養菌液を不活化し アルミニウムゲルアジュバントを添加したワクチンである 2 製法 2.1 製造用株 名称豚丹

ヒト脂肪組織由来幹細胞における外因性脂肪酸結合タンパク (FABP)4 FABP 5 の影響 糖尿病 肥満の病態解明と脂肪幹細胞再生治療への可能性 ポイント 脂肪幹細胞の脂肪分化誘導に伴い FABP4( 脂肪細胞型 ) FABP5( 表皮型 ) が発現亢進し 分泌されることを確認しました トランスク

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抑制することが知られている 今回はヒト子宮内膜におけるコレステロール硫酸のプロテ アーゼ活性に対する効果を検討することとした コレステロール硫酸の着床期特異的な発現の機序を解明するために 合成酵素であるコ レステロール硫酸基転移酵素 (SULT2B1b) に着目した ヒト子宮内膜は排卵後 脱落膜 化

ASC は 8 週齢 ICR メスマウスの皮下脂肪組織をコラゲナーゼ処理後 遠心分離で得たペレットとして単離し BMSC は同じマウスの大腿骨からフラッシュアウトにより獲得した 10%FBS 1% 抗生剤を含む DMEM にて それぞれ培養を行った FACS Passage 2 (P2) の ASC

生物学に関する実験例 - 生化学 / 医療に関する実験例 ラジオアッセイ法によるホルモン測定 [ 目的 ] 本実習では, 放射免疫測定 (Radioimmunoassay,RIA) 法による血中インスリンとイムノラジオメトリックアッセイ ( 免疫放射定測定 Immunoradiometric ass

トランスジェニック動物を用いた遺伝子突然変異試験の開発 改良 ( ) トランスジェニック動物遺伝子突然変異試験は, 突然変異検出用のレポーター遺伝子をゲノム中に導入した遺伝子組換えマウスやラットを使用する in vivo 遺伝子突然変異試験である. 小核試験が染色体異常誘発性を検出

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平成 30 年度医科学専攻共通科目 共通基礎科目実習 ( 旧コア実習 ) 概要 1 ). 大学院生が所属する教育研究分野における実習により単位認定可能な実習項目 ( コア実習項目 ) 1. 組換え DNA 技術実習 2. 生体物質の調製と解析実習 3. 薬理学実習 4. ウイルス学実習 5. 免疫学実習 6. 顕微鏡試料作成法実習 7. ゲノム医学実習 8. 共焦点レーザー顕微鏡実習 2 ). 実習を担当する教育研究分野においてのみ単位認定可能な実習項目 ( コア実習項目 ) ( 実習担当分野 ) 9. 分析化学実習 法医学 10. 臨床研究の研究計画書作成実習 生物統計学 3) 実習の実施時期実施時期については 所属する教育研究分野にて任意に決定ください なお 実習担当分野が担当する実習 ( 実習項目 9 10) のみ 次の期間に実施させていただきます 平成 30 年 7 月 2 日 ( 月 )~ 平成 30 年 8 月 31 日 ( 金 ) 1

1. 組換え DNA 技術実習 医科学研究における遺伝子操作の基礎となる組換え DNA 技術の基本的な技術について, ポリメラーゼ連鎖反応 (PCR) 法, 大腸菌を用いた DNA のクローン化と解析と利用, 種々のブロット法, 培養哺乳動物細胞への遺伝子導入とその解析等を, 実習あるいは一部見学することにより習得する 1. 組換え DNA 実験に用いられる基本的な酵素 ( 制限酵素,DNA ポリメラーゼ, リガーゼ等 ) について, その使用法と性質が説明できる 2.PCR 法による遺伝子断片の増幅の原理と方法が説明できる 3. プラスミド DNA による大腸菌の形質転換と形質転換体の選抜ができる 4. プラスミド DNA を大腸菌から単離できる 5. プラスミド DNA の利用法が説明できる 6. 単離したプラスミド DNA や PCR 産物の制限酵素地図が作成できる 履修の条件 : 遺伝子組換え実験の従事者登録がある者 2. 生体物質の調整と解析実習 生体物質の調製と解析に関する基本的知識と手技を身につける 1. 種々の組織から生体物質を抽出する際の基本的注意事項を説明できる 2. タンパク質を抽出する際の基本的事項を説明できる 3. 脂質を抽出する際の基本的事項を説明できる 4. 細胞分画法の基本的事項を説明できる 3. 薬理学実習 薬物の性質と取扱い, 薬理実験の計画, 実行, 解釈, さらに薬理学における遺伝子組換え実験の意義を, 実習あるいは一部見学することにより習得する 1. 薬物の作用分類, 特異性, 親和性を説明できる 2. 薬理実験の用量反応曲線を説明できる 3. 薬物の溶解と保存法を説明できる 4. 薬物の薬物動態と投与方法を説明できる 5. 薬理実験の対照群を説明できる 6. 薬理実験を正しく計画, 実行, 解釈することができる 履修の条件 : 動物実験と遺伝子組換え実験の従事者登録がある者 2

4. ウイルス学実習 ウイルスの培養, 定量, 性状解析及びウイルスに対する免疫応答ならびにウイルスの医科学研究への応用の仕方について実習する 1. 細胞培養が適切に行える 2. ウイルスの増殖と力価の測定ができる 3. ウイルスの同定ができる 4. ウイルス遺伝子の解析ができる 履修の条件 : 遺伝子組換え実験の従事者登録がある者 5. 免疫学実習 免疫学的手法による抗原 ( 蛋白質 ) の定性的 定量的解析法および細胞周期 アポトーシス解析法について実習する 1. 細胞培養と遺伝子導入ができる 2. 免疫沈降法 SDS-PAGE 法による抗原 ( 蛋白質 ) の分離ができる 3. ウェスタンブロット法による抗原 ( 蛋白質 ) の検出ができる 4.ELISA 法による抗原 ( 蛋白質 ) の定量が説明できる 6. 顕微鏡試料作成法実習 医科学研究における形態学的解析の基本となる光学および電子顕微鏡用試料の作成過程を実習あるいは一部見学することにより習得する 1. 光学顕微鏡用永久標本作成のための試料を適切に固定できる 2. 固定された試料からの切り出し, パラフィン包埋, 薄切過程を説明できる 3. パラフィン切片のヘマトキシリン エオジン染色法ができる 7. ゲノム医学実習 先端のゲノムテクノロジーを用いた, 体系的多型解析, 体系的遺伝子発現解析などを, 実習あるいは一部見学することにより習得する 1. 塩基配列決定法の原理と方法を説明できる 3

8. 共焦点レーザー顕微鏡実習 共焦点レーザー顕微鏡の試料作成, 使用法を習得し, それを応用したイメージング法, データ処理法を実習する 1. 共焦点レーザー顕微鏡観察に使用する培養細胞 組織を適切に固定できる 2. 免疫蛍光組織染色法が適切に実施できる 3. その他の蛍光組織染色法が説明できる 4. 共焦点レーザー顕微鏡の使用法が説明できる 4

9. 分析化学実習 担当分野 : 法医学 ヒト組織から薬物を抽出 精製し, 液体クロマトグラフ 質量分析装置 (LC-MS/MS) によりその薬物を同定および定量する 1. 血液 臓器その他のヒト試料から薬物を抽出する 2. 薬物を固相抽出法により精製 分取する 3.LC-MS/MS を用いて, 薬物の同定と定量を行う <アドバンスト> 生体組織から薬物を抽出できる LC-MS/MS の原理および使用法を理解する LC-MS/MS により, 薬物の同定および定量ができる 実習実施場所 : 法医学分野 ( 研究棟 C 2 階 ) 実習に関する連絡先担当者 : 上野易弘電話 : 内線 5582 電子メール : uenoya@med.kobe-u.ac.jp 実習に要する期間 :1 日 13 時 00 分 17 時 00 分 (4 時間 ) 1 回当たりの受入可能人数 : 3 名 ( ) 実習の実施は期間内 1 回のみ ( 予備日なし ) 受講申請は, 電子メールに限る 受講申請が多数の場合は, 電子メールへの先着順とする 履修の条件 : 特になし 5

10. 臨床研究の研究計画書作成実習 担当分野 : 生物統計学 ランダム化比較試験を学ぶための実習用カードを用いて アウトカムが連続値の場合の 2 群の比較を例に ランダム化の必要性 ランダム割り付け サンプルサイズの設計 統計的推測の考え方 データ解析の方法を学ぶ 統計ソフト EZR を用いて実際にデータ解析を行い 得られた結果に基づく報告書を作成する <アドバンスト> 臨床研究に関して以下のことを理解することができる 1. サンプルサイズの設計 2. 統計的推測の考え方 3.EZR を用いた統計解析 4. 研究実施計画書 5. 報告書 実習実施場所 : 情報センター情報第 1 端末室 ( 研究棟 B 1 階 ) 実習に関する連絡先担当者 : 大森崇電話 : 078-382-6271 電子メール : tomori@med.kobe-u.ac.jp 実習に要する期間 : 3 日間 8 月 7 日 ( 火 ) 18:30-21:30 8 月 8 日 ( 水 ) 18:30-21:30 8 月 9 日 ( 木 ) 18:30-21:30 1 回あたりの受入可能人数 : 12 名 ( 超過した場合は要相談 ) 履修の条件 : 特になし 6