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ルコナック爪外用液 5% CTD 第 2 部 ( モジュール2): CTDの概要 ( サマリー ) 2.6.1 緒言 佐藤製薬株式会社

略号一覧表 略号 英語 日本語 本剤 - SKN-08 外用液剤

目 次 2.6.1 緒言... 1

2.6.1 緒言 ((-)-(E)-[(4R)-4-(2,4-dichlorophenyl)-1,3-dithiolan-2-ylidene] (1H-imidazol-1-yl) acetonitrile) の構造式を図 2.6.1-1 に示す Cl Cl S CN S N N 図 2.6.1-1 の構造式 本剤の有効成分であるは イミダゾール系の抗真菌薬であり エルゴステロール生合成阻害作用により広い抗真菌スペクトルを有し 特に白癬菌をはじめとする皮膚糸状菌に対し強力な抗真菌活性を示す 本邦では 皮膚真菌症の治療 ( 白癬 : 足白癬 体部白癬及び股部白癬 カンジダ症 : 指間びらん症及び間擦疹 癜風 ) の効能 効果で 2005 年にルリコン クリーム 1% 及びルリコン 液 1% 2013 年にルリコン 軟膏 1% が承認されている 爪白癬治療薬として開発するにあたり 爪中で抗真菌作用を発現させるために十分な薬物量を分布させることを目的として より高濃度の 5% を配合した本剤を開発した の非臨床的特性は ルリコン クリーム 1% 及びルリコン 液 1% 承認 ( 初回承認 ) 時に幅広く検討されていることから 本申請にあたり爪白癬治療薬として新たに追加実施した非臨床試験成績を 2.6.2~2.6.7 に記載する 本剤の効能 効果 ( 案 ) 及び用法 用量 ( 案 ) は表 2.6.1-1 の通りである 効能 効果 用法 用量 表 2.6.1-1 本剤の効能 効果 ( 案 ) 及び用法 用量 ( 案 ) 適応菌種 : 皮膚糸状菌 ( トリコフィトン属 ) 適応症 : 爪白癬 1 日 1 回罹患爪全体に塗布する 1

ルコナック爪外用液 5% CTD 第 2 部 ( モジュール2): CTDの概要 ( サマリー ) 2.6.2 薬理試験の概要文 2.6.3 薬理試験概要表 佐藤製薬株式会社

略号一覧表 略号 英語 日本語 ATP adenosine triphosphate アデノシン三リン酸 MCC minimum cidal concentration 最小殺真菌濃度 MCC 90 90% minimum cidal concentration 90% の菌株を殺菌する最小薬物濃度 MIC minimum inhibitory concentration 最小発育阻止濃度 MIC 90 90% minimum inhibitory concentration 90% の菌株の発育を阻止する最小薬物濃度 Penlac Penlac Nail Lacquer(ciclopirox) Topical Solution, 8% - T. mentagrophytes Trichophyton mentagrophytes - T. rubrum Trichophyton rubrum - 本剤 - SKN-08 外用液剤 製剤 - SKN-08 外用液剤の基剤成分に任意濃度 (w/w%) でを溶解した製剤

目 次 2.6.2 薬理試験の概要文... 1 2.6.2.1 まとめ... 1 2.6.2.2 効力を裏付ける試験... 3 2.6.2.2.1 ヒト爪白癬モデルを用いた in vitro 薬効試験... 3 2.6.2.2.2 ヒト爪スライスを用いた阻止円法による in vitro 薬効試験... 4 2.6.2.3 副次的薬理試験... 6 2.6.2.4 安全性薬理試験... 6 2.6.2.5 薬力学的薬物相互作用試験... 6 2.6.2.6 考察及び結論... 7 2.6.2.7 図表... 8 2.6.2.8 参考文献... 9 2.6.3 薬理試験概要表... 10 2.6.3.1 薬理試験 : 一覧表... 10 2.6.3.2 効力を裏付ける試験... 12 2.6.3.3 副次的薬理試験... 12 2.6.3.4 安全性薬理試験... 12 2.6.3.5 薬力学的薬物相互作用試験... 12

2.6.2 薬理試験の概要文 2.6.2.1 まとめの薬理試験は 初回承認時に幅広く検討されている 爪白癬の主要原因菌である T. rubrum 及び T. mentagrophytes 臨床新鮮分離株に対するの MIC 90 は それぞれ 0.0010 μg/ml(mic 範囲 0.00012~0.0040 μg/ml) 及び 0.0010 μg/ml(mic 範囲 0.00024~0.0020 μg/ml) であり 強い抗真菌活性が確認された ( 表 2.6.2-1 4.2.1.1.3) また T. rubrum 及び T. mentagrophytes 保存株に対するの MCC 90 は それぞれ 0.0050 μg/ml(mcc 範囲 0.00031~0.010 μg/ml) 及び 0.010 μg/ml(mcc 範囲 0.0025~0.010 μg/ml) であり 強い殺真菌活性が確認された ( 表 2.6.2-1 4.2.1.1.4) 本申請にあたり 本剤の適用部位が爪であることから ヒト爪白癬モデルを用いた in vitro 薬効試験及びヒト爪スライスを用いた阻止円法による in vitro 薬効試験を実施した ヒト爪白癬モデルを用いた in vitro 薬効試験では ヒト爪遊離縁に T. mentagrophytes を感染後 0% ( 本剤プラセボ ) 1% 3% 及び 5%( 本剤 ) 製剤を 1 日 1 回 7 日間反復塗布し ATP 量を指標に菌量の変化を確認したところ 濃度依存的に ATP 量が減少し 3% 及び 5%( 本剤 ) 製剤において有意な減少が確認された ヒト爪スライスを用いた阻止円法による in vitro 薬効試験では ヒト爪遊離縁に本剤及び Penlac を 1 日 1 回 14 日間反復塗布した後 爪甲側から連続して薄切し 得られた爪スライス中に貯留したの抗真菌活性を T. rubrum を被験菌とした阻止円法により評価した その結果 本剤は爪甲側から爪深部にかけて抗真菌活性が確認され Penlac は爪甲側のみで抗真菌活性が確認された 1

試験菌株 ( 菌株数 ) 1. 保存株 T. rubrum 表 2.6.2-1 in vitro 抗真菌活性 (4.2.1.1.5 4.2.1.1.3 及び 4.2.1.1.4) MIC 又は MCC(µg/mL) ラノコナゾールテルビナフィンビフォナゾール MIC 範囲 0.00024~0.0010 0.00050~0.0020 0.0040~0.016 0.060~>1.0 9 株 MIC 90 N.C. N.C. N.C. N.C. MCC 範囲 0.00031~0.010 0.0025~0.020 0.010~0.080 0.16~5.1 10 株 MCC 90 0.0050 0.010 0.040 2.6 T. mentagrophytes MIC 範囲 0.00050~0.0020 0.0010~0.0040 0.0040~0.060 0.13~>1.0 10 株 MIC 90 0.0020 0.0020 0.030 >1.0 MCC 範囲 0.0025~0.010 0.0050~0.020 0.020~0.080 0.64~2.6 10 株 MCC 90 0.010 0.020 0.080 2.6 2. 臨床新鮮分離株 T. rubrum MIC 範囲 0.00012~0.0040 0.00024~0.016 0.0020~>0.25 0.0080~>1.0 59 株 MIC 90 0.0010 0.0040 0.030 >1.0 T. mentagrophytes MIC 範囲 0.00024~0.0020 0.00050~0.0040 0.0010~0.060 0.016~1.0 26 株 MIC 90 0.0010 0.0040 0.030 1.0 MIC: 最小発育阻止濃度 MIC 90 :90% の菌株の発育を阻止する最小薬物濃度 MCC: 最小殺真菌濃度 MCC 90 :90% の菌株を殺菌する最小薬物濃度 N.C.: 算出せず 2

2.6.2.2 効力を裏付ける試験 2.6.2.2.1 ヒト爪白癬モデルを用いた in vitro 薬効試験 ( 記載箇所 4.2.1.1.1) 切り取ったヒト爪遊離縁に白癬菌を感染させ ATP 量を指標とした製剤の薬効を検討した 直径 2 mm(0.0314 cm 2 ) のヒト爪遊離縁の爪床側に T. mentagrophytes 分生子懸濁液 (1 10 4 conidia/ml) を 10 μl 接種し 爪床側の乾燥を防ぐためレセプター側に注射用水を入れたフランツセルに固定後 28 で 9 日間静置して感染させた 爪甲側に 0%( 本剤プラセボ ) 1% 3% 及び 5%( 本剤 ) 製剤 0.5 μl を 1 日 1 回 7 日間反復塗布した 最終塗布翌日に爪甲側の薬剤を除去後 爪サンプル中の ATP 量を確認したところ 濃度依存的に ATP 量が減少し 3% 及び 5%( 本剤 ) 製剤で本剤プラセボに対し有意な ATP 量の減少が確認された ( 表 2.6.2-2 図 2.6.2-1) 表 2.6.2-2 製剤を 7 日間反復塗布した時の ATP 量 (4.2.1.1.1 表 1 及び Appendix 2 を改変 ) 試験群 ATP 量 ( 10-8 mol/l) a 本剤プラセボに対する ATP 量の減少率 (%) b 非感染 0.0139 ± 0.0186 N.C. 無処置 4.01 ± 1.90 N.C. 0% 製剤 ( 本剤プラセボ ) 2.87 ± 1.70-1% 製剤 1.71 ± 1.01 40.5 3% 製剤 1.27 ± 0.946* 55.7 5% 製剤 ( 本剤 ) 0.669 ± 0.379*** 76.7 N.C.: 算出せず -: 該当なし a: 平均値 ± 標準偏差 b: 平均値 * ***:P<0.05 P<0.001( 本剤プラセボに対する有意差 Dunnett 検定 ) 3

ATP 量 ( 10-8 mol/l) 7.0 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 * *** 0.0 非感染無処置 0 1 3 5 製剤 (%) 図 2.6.2-1 製剤を 7 日間反復塗布した時の ATP 量 (4.2.1.1.1 図 1 を改変 ) 平均値 ± 標準偏差 n=12( 非感染群は n=6) * ***:P<0.05 P<0.001( 本剤プラセボに対する有意差 Dunnett 検定 ) 2.6.2.2.2 ヒト爪スライスを用いた阻止円法による in vitro 薬効試験 ( 記載箇所 4.2.1.1.2) ヒト爪スライス中に貯留したの抗真菌活性を検討した フランツセルに固定した直径 2 mm(0.0314 cm 2 ) のヒト爪遊離縁の爪甲側に 本剤及び Penlac 0.5 μl を 1 日 1 回 14 日間反復塗布した後 爪甲側から 25 µm の厚さで薄切し 各爪サンプルあたり 9 枚 ~13 枚の連続爪スライスを得た T. rubrum NBRC 9185 を被験菌とした含菌寒天平板培地に爪スライスを乗せ 低温で 3 日間静置した後 28 で 2 日間培養し 阻止円形成の有無を確認した ( 表 2.6.2-3) 本剤塗布群の平均阻止円形成率 ( 爪甲側より連続的に阻止円を形成した爪スライス数の割合 ) は 50%(18%~100%) であり 爪甲側から爪深部にかけて阻止円が確認された 一方 Penlac の平均阻止円形成率は 4%(0%~17%) であることから 本剤は爪深部においても抗真菌活性を有することが確認された 4

表 2.6.2-3 本剤を 14 日間反復塗布した時のヒト爪スライスの阻止円形成率 群 爪サンプル番号 各爪サンプルから作製した爪スライス数 ( 枚 ) 爪甲側より連続的に阻止円を形成した爪スライス数 ( 枚 ) 阻止円形成率 (%) 平均阻止円形成率 (%) a 1 12 5 42 2 11 11 100 3 13 6 46 4 12 3 25 本剤 5 13 6 46 6 9 7 78 7 11 2 18 8 9 4 44 1 10 0 0 2 13 0 0 3 11 0 0 Penlac 4 11 1 9 5 11 0 0 6 11 1 9 7 12 0 0 8 12 2 17 a: 平均 ± 標準偏差 50±26.8 4±6.5 5

2.6.2.3 副次的薬理試験 新たな試験は実施していない 2.6.2.4 安全性薬理試験 新たな試験は実施していない 2.6.2.5 薬力学的薬物相互作用試験 新たな試験は実施していない 6

2.6.2.6 考察及び結論ヒト爪白癬モデルを用いた in vitro 薬効試験において ヒト爪遊離縁に T. mentagrophytes を感染後 0%( 本剤プラセボ ) 1% 3% 及び 5%( 本剤 ) 製剤を 1 日 1 回 7 日間反復塗布し ATP 量を指標に菌量の変化を確認した その結果 は濃度依存的に ATP 量を減少させ 3% 及び 5%( 本剤 ) 製剤では本剤プラセボに対して有意な ATP 量の減少が確認された また ヒト爪スライスを用いた阻止円法による in vitro 薬効試験において ヒト爪遊離縁に本剤を 1 日 1 回 14 日間反復塗布した後 爪甲側から連続して薄切し 得られた爪スライス中に貯留したの抗真菌活性を T. rubrum を被験菌とした阻止円法により評価したところ 本剤は爪甲側から爪深部にかけて抗真菌活性が確認された 薬物動態試験のヒト爪を用いた in vitro 爪中分布試験 (2.6.4.4.1) において 本剤を切り取ったヒト爪遊離縁に 1 日 1 回 14 日間反復塗布したところ 爪中は 爪甲側から爪深部にかけて濃度勾配を伴いながら爪全層に分布した 爪最深部の濃度は 5.462 μg/cm 3 であり 爪白癬の主要原因菌である T. rubrum 及び T. mentagrophytes 臨床新鮮分離株に対するの MIC 90 ( いずれも 0.0010 μg/ml=0.0010 μg/cm 3 ) を約 5000 倍上回ったことから 爪中濃度においても抗真菌活性が裏付けられた なお のヒト血漿たん白結合率は 99% 以上と高く (4.2.2.3.2) 爪中においても同様にたん白結合による抗真菌活性の低下が予想されるが 活性の低下を考慮した場合でも十分な量であると考えられた 以上の結果から 製剤の 1 日 1 回塗布により濃度依存的な薬効が認められ さらに 本剤を塗布した爪中では爪深部の白癬菌に対しても抗真菌活性を発現することが確認された 7

2.6.2.7 図表 表は 本文中の適切な場所に記載した 8

2.6.2.8 参考文献 該当資料なし 9

2.6.3 薬理試験概要表 2.6.3.1 薬理試験 : 一覧表本申請で実施した試験 被験物質 : a 試験の種類試験系投与方法実施施設 報告書番号 記載箇所 効力を裏付ける試験ヒト爪白癬モデルを用いた in vitro 薬効試験 フランツセル ATP 量測定 in vitro( 塗布 ) /// // 4.2.1.1.1 ヒト爪スライスを用いた阻止円法による in vitro 薬効試験 フランツセル 阻止円法 in vitro( 塗布 ) /// / 4.2.1.1.2 a 施設名名称 // 10

2.6.3.1 薬理試験 : 一覧表 ( 続き ) 初回承認時に実施した試験 被験物質 : 試験の種類報告書番号記載箇所 効力を裏付ける試験 NND-502 の臨床新鮮分離株に対する in vitro 抗真菌活性 // 4.2.1.1.3 NND-502 の白癬菌保存株に対する in vitro 殺菌活性 -Neutral red 法を用いた評価 - // 4.2.1.1.4 NND-502 の白癬菌保存株に対する in vitro 抗真菌活性 -ミクロ液体希釈法での検討- // 4.2.1.1.5 11

2.6.3.2 効力を裏付ける試験 概要文中に記載した 2.6.3.3 副次的薬理試験 新たな試験は実施していない 2.6.3.4 安全性薬理試験 新たな試験は実施していない 2.6.3.5 薬力学的薬物相互作用試験 新たな試験は実施していない 12