解糖系 (1) 平成 24 年 4 月 24 日病態生化学分野 ( 生化学 2) 教授 山縣和也
本日の学習の目標 糖の多様性を知る 解糖系によるグルコース代謝を理解する 解糖系の律速酵素について理解する 解糖系の異常によりどのような病気がおきるか NAD NAD についてを理解する
グルコースは最も重要な糖質であるが 様々な糖質が存在する 単糖類トリオース ( 三炭糖 ) テトロース ( 四炭糖 ) ペントース ( 五炭糖 ) リボースやデオキシリボースヘキソース ( 六炭糖 ) グルコース ガラクトース マンノース フルクトースヘプソース ( 七炭糖 ) 二糖類 2 個の単糖が縮合したものマルトース ( 麦芽糖 ) ラクトース ( 乳糖 ) スクロース ( ショ糖 ) など オリゴ糖類 3-10 個の単糖が結合したもの ヒトではほとんど分解されない 多糖類単糖が 11 個以上縮合したもの デンプンやグリコーゲンなど
グルコース : 自然界に最も広く存在する グルコースには鏡像関係にある D 型と L 型が存在するが 哺乳類におけるグルコースは D 型 C2 と が反対方向のものを α 型とよぶ 水溶液中で非環状 ( 鎖状 ) はほとんど存在しない
フルクトースは溶解するとピラノース ( 六員環 ) フラノース ( 五員環 ) をとることができる 解糖系の中で生じるフルクトースリン酸は五員環である
エピマー
デンプンの基本構成単位二分子のグルコースからなるマルトース ( 麦芽糖 ) ガラクトースとグルコースからなり 乳汁中に存在するラクトース ( 乳糖 ) グルコースとフルクトースからなり サトウキビの糖分 シュークロース ( ショ糖 )
乳糖不耐症 ラクターゼ + 2 グルコース + ガラクトース 小腸のラクターゼの欠乏のために 牛乳中の乳糖が分解されずに未消化のまま腸管内に残存し 下痢 腹痛などをきたす
植物 : デンプン 動物は吸収した糖をグリコーゲンとして肝臓や筋肉に貯蔵する 動物 : グリコーゲン
α- グルコシダーゼ阻害薬 でんぷん アミラーゼ マルトース 糖尿病の治療薬 α- グルコシダーゼ阻害薬 α- グルコシダーゼ ( マルターゼ ) グルコース
エネルギー代謝経路 グリコーゲン グリコーゲン代謝 タンパク質 アミノ酸代謝 トリアシルグリセロール グルコース グルコース 6 リン酸 アミノ酸 脂肪酸 脂質代謝 解糖系 糖新生 β 酸化 乳酸 ピルビン酸 アセチル CoA ケト酸 ピルビン酸脱水素酵素 クエン酸回路電子伝達系 ATP
解糖 Glycolysis エムデン マイヤーホフ経路 Embden-Meyerhof pathway 細胞質でおきる反応 ATP ADP ATP ADP グルコース グルコース 6-リン酸 フルクトース 6-リン酸 フルクトース 1,6-ビスリン酸 ATP 3-ホスホグリセリン酸 ADP 1,3- ビスホスホグリセリン酸 グリセルアルデヒド 3- リン酸 ジヒドロキシアセトンリン酸 NAD NAD 2- ホスホグリセリン酸 ADP ATP NAD NAD ホスホエノールピルビン酸ピルビン酸乳酸 ミトコンドリア ( クエン酸回路, 酸化的リン酸化 )
アデノシン三リン酸 Adenosine triphosphate ATP 高エネルギー結合 N N 2 N - P - P P - - C 2 N N アデノシン Adenosine アデノシン一リン酸 Adenosine monophosphate AMP アデノシン二リン酸 Adenosine diphosphate ADP アデノシン三リン酸 Adenosine triphosphate ATP
アデノシン三リン酸 Adenosine triphosphate ATP 呼吸などの異化作用の過程で放出された遊離エネルギーを化学エネルギーとして蓄えた有機リン酸化合物 活性型は通常 Mg2+ との結合型 ATP は細胞のエネルギー通貨 ATP の消費と合成 1.ATP 消費量軽労働に従事する体重 65kg の成人男子 60 kg/ 日 2. 細胞中の ATP 量数分の必要量 3.ATP はエネルギー貯蔵型ではない備蓄できない, 必要に応じて合成される 4.ATP の寿命数秒 数分 ( 細胞の種類によって異なる ) 5.ATP の合成と分解 ( 消費 ) がつりあって一定濃度を保つ
ATP 消費系 1ATP/ グルコース 1ATP/ グルコース 計 2ATP/ グルコース 解糖 Glycolysis - ATP 消費系と合成系 ATP ADP グルコース ヘキソキナーゼ グルコース 6- リン酸 フルクトース 6- リン酸 ATP ADP グルコース6-リン酸イソメラーゼ フルクトース 1,6- ビスリン酸 2-3P 2-3P ホスホフルクトキナーゼ アルドラーゼ 2-3P C2 C2 C2 C2 C2 C2 P3 2- 炭素数 C6 C6 C6 C6 グリアセルアルデヒド 3- リン酸 2-3P C2 トリオースリン酸イソメラーゼ + ジヒドロキシアセトンリン酸 C2 P3 2- C3, C3
ATP 合成系 +2 ATP/ グルコース +2 ATP/ グルコース 計 +4 ATP/ グルコース 解糖 Glycolysis - ATP 消費系と合成系 グリアセルアルデヒド 3- リン酸 NAD + Pi NAD 1,3- ビスホスホグリセリン酸 ADP ATP 2-3P グリセルアルデヒド 3- リン酸デヒドロゲナーゼ ホスホグリセリン酸キナーゼ 2-3P C2 C2 2-3P C2 3-ホスホグリセリン酸 C 2-ホスホグリセリン酸 C2 C 2 ADP ATP ピルビン酸 ホスホグリセリン酸ムターゼ エノラーゼ ホスホエノールピルビン酸 ピルビン酸キナーゼ 2-3P 2-3P C2 C3 C C C - - - - P3 2- 炭素数 C3 C3 C3 C3 C3 C3
解糖 Glycolysis - ATP 消費系と合成系 ATP 消費系 : 2ATP/ グルコース ATP 合成系 :+ 4 ATP/ グルコース 解糖による ATP 消費 合成の収支グルコースあたり 2 ATP 合成 解糖系で得られる ATP の量は少ないけれども 酸素は必要としない
どうやって 100m 走るエネルギーを獲得するのか? (1) 最初は筋肉内の ATP を使用 (1 秒程度 ) (2) 次にクレアチンリン酸から ATP を作って利用 (3 秒程度 ) クレアチンはアミノ酸から合成される有機酸 (1- メチルグアニジノ酢酸 ) 筋肉中に存在する (3) 残りは筋肉のグリコーゲンから解糖により ATP 産生
解糖系の制御段階 ヘキソキナーゼ (K) グルコース + ATP グルコース 6- リン酸 + ADP + + ホスホフルクトキナーゼ (PFK) フルクトース 6- リン酸 + ATP フルクトース 1,6- ビスリン酸 + ADP + + ホスホエノールピルビン酸 + ADP ++ ピルビン酸キナーゼ (PK) ピルビン酸 + ATP
反応の自由エネルギー変化と活性化自由エネルギー ギブス自由エネルギー Gibbs free energy:g A + B G C + D 遷移状態 ( 活性化状態 ) A + B ΔG ΔG 遷移状態 ( 活性化状態 ) A B ΔG: 反応の自由エネルギー変化 ΔG : 活性化自由エネルギー C + D 反応の自発性をきめる 反応速度に関与する 反応軸 Reaction Coordinate ΔG < 0: 過程は自発的に進む ΔG = 0 : 系は平衡状態にある ( 過程は止まっている )
標準自由エネルギー変化 (DG0') と生理的条件での自由エネルギー変化 (DG) 単位,kJ/mol 反応酵素 DG 0 ' DG 反応 1 ヘキソキナーゼ -20.9-27.2 グルコースグルコース 6- リン酸 2 3 グルコースリン酸イソメラーゼホスホフルクトキナーゼ +2.2-1.4 フルクトース 6- リン酸 -17.2-25.9 4 アルドラーゼ +22.8-5.9 5 6 7 8 トリオースリン酸イソメラーゼ グリセルアルデヒド- 3-リン酸デヒドロゲナーゼホスホグリセリン酸キナーゼホスホグリセロムターゼ +7.9 +4.4-16.7-1.1 フルクトース 1,6-ビスリン酸ジヒドロキシアセトンリン酸 +グリセルアルデヒド 3-リン酸ジヒドロキシアセトンリン酸グリセルアルデヒド 3-リン酸 1,3- ビスホスホグリセリン酸 3- ホスホグリセリン酸 +4.7-0.6 2- ホスホグリセリン酸 9 エノラーゼ -3.2-2.4 ホスホエノールピルビン酸 10 ピルビン酸キナーゼ -23.0-13.9 ピルビン酸
ヘキソキナーゼ exokinase ATP 利用 / 消費 C 2 グルコース Glucose + ATP Mg 2+ + ADP + + C 2 P 3 2- グルコース 6- リン酸 Glucose 6-phosphate
肝臓と膵 β 細胞にはグルコキナーゼ ( ヘキソキナーゼ IV) が発現 肝臓 膵臓 β 細胞 インスリンを分泌する ( 膵 β 細胞 ) インスリンは血糖をさげる グルコースを取り込み グリコーゲン合成 インスリン分泌
ヘキソキナーゼとグルコキナーゼの違い 同じ活性 血糖に応じて活性が異なる グルコキナーゼは高い Km ( より低い親和性 ) をもつ その活性はグルコース濃度の上昇に伴って増加する 血糖レベル Km: 最大速度の 1/2 を与える基質濃度
食事 吸収 血糖 ( グルコース ) 上昇 膵臓 解糖系 TCA サイクル 電子伝達系で ATP が産生 グルコキナーゼ インスリン グルコース濃度に応じて ATP が産生され ATP に応じてインスリンが分泌される
グルコキナーゼ遺伝子異常 Exon V16-E70del Q26X L30P R36W Q38P K39fsdelG E40dup21 E40K R43 G44S G44D G44fsdelG 50R 50Y A53S V62A T65I E70K IVS3-1G>A IVS3-1G>T IVS3-2A>G L122P L122V Y125del C129Y I130T S131P 133dup L134P 137R S151fsdelCC Q138P V154fsdelTG L144P 156Y T149P E157K F150S K161N S150del IVS4+2del10 F150L IVS4+2del15 V203A T206M T206M T206R T209M M210K M210T C213R Y214C Y215X E216X E220X E221K G223S M224T I225M I225F G227C V226M IVS6+2T>A IVS7-1G>A IVS8+1G>A G294D G295fsdelG Y297X M298K G299R E300Q E300K L304P L309P V310fsdelGT L315 F316V G318R V266fsdelTinsAA G318A F334fsdel19 S336L IVS9-7del11 IVS9-1G>C S433-I436del C434X C434T I436N S441W S445fsdel11 G446R R447Q R447del29 C452X S453L S453X A454V A454E K459fsX61 V455M A460fsdel22 A456V 1a 1b 1c 2 3 4 5 6 7 8 9 10 M8I E9fsdelG IVS1A;1G>T インスリン分泌が悪くなり 糖尿病になる G72R D73G D78E D78 G80S G81A G81S L88fsdel10 E93del10 Q98X W99R W99X V101M T103N K104fsdel4 I110T Y108C P111L Y108F A119D Y108 IVS3+1G>A Y108X IVS3+1G>T G162fsdelG L164P T168P K169N F171L A173S G175E G175R G175V G178R G178E N180K V181A V182M R186X R186Q A188E G193R A188T G193D194ins R191W IVS5+1del33 R191Q T228M T228A T228R N231fsdelA M235T M238fsdelT Q239R E248K G263S E248X E265X R250C Q266X M251I Q258C M251V Q286X C252Y E268X C252R L271fsdel22 E256K R275C W257R D278E A259T E279Q G261R E279X G261E S281F S263P IVS6-2A>T R358X S360X V367M R369P 380Q 380D C382Y S383L S383fsdelC S383X A384T IVS9+1G>C G385V IVS9+1G>T A387V I404S A387T I404fsdelAT R392C G407S E395X S411F E395-R403del K414E E399X L415V V401fsdelG S426fsdelGC R403fsdelC F419L
グルコキナーゼ活性増強剤による血糖降下作用 Science 301: 370, 2003 新しい糖尿病の治療薬 グルコキナーゼ活性化薬でインスリン分泌が増える グルコキナーゼ活性化薬をマウスに投与すると血中のグルコース濃度が下がる
肝臓におけるグルコキナーゼ 食事 吸収 血糖上昇 GK 肝臓 糖取り込みグリコーゲン蓄積 血糖に応じて 肝臓でグルコースが取り込まれ グリコーゲンとして蓄積される
6- ホスホフルクト -1- キナーゼ Phosphofructokinase (PFK, PFK-1) ATP 利用 / 消費 解糖系の調節酵素 ( 解糖系調節の主役 ): 律速酵素 -2 3 PC 2 C 2-2 3 PC 2 C 2 P 2-3 + ATP フルクトース 6- リン酸 Fructose-6-phosphate (F6P) Mg 2+ + ADP + + フルクトース 1,6- ビスリン酸 Fructose-1,6-bisphosphate (FBP) -2 3 PC 2 C 2 - - P Mg 2+ - P - P Adenosine -2 3 PC 2 C 2 - フルクトース 1,6- ビスリン酸 P - フルクトース 6- リン酸 ATP + ADP + +
筋 PFK 欠損症 ( 垂井病 ) 症例 S.K. 20 才女性 主訴 : 運動時の筋肉の急速な疲労 小さいときから 鬼ごっこ で鬼になるとどうしても相手をつかまえることができなかった 小学校のランニングでは長距離が走れなかったが 安静にすると軽快した 遠足でも友達についていけなかった また長く教科書の朗読を続けると声がかすれた 最近でも地下鉄の階段をのぼるのに苦労することがある 筋肉の症状について精査希望にて受診 家族歴 : 両親は従兄妹結婚 兄弟 5 人中 3 人に同様の症状を認める 筋肉の PFK が欠損すると 筋肉運動に十分な ATP が産生されない 運動できない
グリセルアルデヒド -3- リン酸デヒドロゲナーゼ Glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase (GAPD) 解糖系中の唯一の酸化過程 (NAD を NAD へ ) C C P3 2- C + NAD + + Pi C + NAD C2P3 2- グリセルアルデヒド 3- リン酸 Glyceraldehyde 3-phosphate (GAP) C2P3 2-1,3- ビスホスホグリセリン酸 1,3-Bisphosphoglycerate (1,3-BPG) 高エネルギーリン酸化合物
NAD +, NAD - アデノシン P C 2 N N N 2 N N アデニン NAD はニコチン酸を材料として生成される補酵素 NAD は様々な酵素と協同して酸化反応における水素の回収を行う - (2e-, +) C N2 - P C 2 + N C N2 ニコチン酸 : ビタミン B 群の一つ - (2e -, + ) N R 還元型 (NAD) 酸化型 (NAD, NAD + ) NAD は再利用される ( リサイクル ) 一度 還元されたら 別の酵素反応によって酸化されなければならない
解糖 Glycolysis(NAD をどのように再利用するか?) ATP ADP ATP ADP グルコース グルコース 6-リン酸 フルクトース 6-リン酸 フルクトース 1,6-ビスリン酸 ATP 3-ホスホグリセリン酸 ADP 1,3- ビスホスホグリセリン酸 グリセルアルデヒド 3- リン酸 ジヒドロキシアセトンリン酸 2- ホスホグリセリン酸 NAD NAD ADP ATP NAD NAD ホスホエノールピルビン酸ピルビン酸乳酸 酸素がある場合には NAD はミトコンドリアで NAD にもどされるが 酸素が十分に利用できない時はピルビン酸を乳酸に変換し その時 NAD を NAD にもどす ミトコンドリア ( クエン酸回路, 酸化的リン酸化 )
ピルビン酸の嫌気的代謝 乳酸発酵 乳酸デヒドロゲナーゼ Lactate dehydrogenase (LD) NAD の再生 : 解糖系における嫌気的 ATP 産生 R S C C N 2 C + + N + C 3 R C C + C 3 ピルビン酸 NAD 乳酸 NAD + + N R C N 2
酵母では NAD を再生するためにエタノールをつくる アルコール発酵
ホスホグリセリン酸キナーゼ Phosphoglycerate kinase (PGK) 解糖系の ATP 産生 : 基質レベルリン酸化 C C P C 2 P 3 2-1,3- ビスホスホグリセリン酸 (1,3-BPG) 高エネルギーリン酸化合物 P Mg 2+ P Mg 2+ -ADP P C C C2P3 2- Mg 2 + P 3- ホスホグリセリン酸 (3PG) P Mg 2+ -ATP
エノラーゼについて フッ素入りのスピッツ フッ素はエノラーゼを阻害する 血糖測定用のスピッツにはフッ素化合物をいれておかないと 赤血球でグルコースが消費 ( 解糖 ) され 徐々に血糖値が下がっていく
ピルビン酸キナーゼ Pyruvate kinase (PK) K + Mg 2+ C C C 2 解糖系の ATP 産生 : 基質レベルリン酸化 P Mg 2+ P P アデノシン Mg 2+ Mg 2+ -ATP P P P アデノシン ホスホエノールピルビン酸 (PEP) Mg 2+ -ADP Mg 2+ K + C C C2 C C C3 ピルビン酸
ピルビン酸キナーゼ (PK) 欠損症 赤血球はミトコンドリアをもたないためにエネルギー産生を解糖系によっている PK 欠損により 赤血球内で解糖がすすまず ATP 産生低下がおこり エネルギー不足で赤血球がこわれ貧血がおきる ( 溶血性貧血 ) 正常 PK 欠損症
理解の確認のために 1. ガラクトースは自然界に最も広く存在する糖である 2. マルトースはグルコースとフルクトースからなる 3. 膵臓 β 細胞はグルコースに応答してインスリンを分泌する 4. へキソキナーゼはグルコースをグルコース1リン酸に変換する 5. 解糖系はミトコンドリアでおきる 6. ヘキソキナーゼのKm 値はグルコキナーゼのKm 値より小さい 7. グルコキナーゼの遺伝子異常により糖尿病が発症する 8. PFKは解糖系の律速酵素である 9. GAPDによりNADが産生される 10. 解糖系で差し引き4 分子のATPが産生される 11. PK 欠損により溶血性貧血がおこる 12. 酸素が不十分な場合には乳酸を産生してNADを再生する 13. アルコール発酵ではエタノールを産生してNADを再生する 14. NADはニコチン酸を原料に構成される補酵素である