固定資産税の課税のしくみ < 評価額と課税標準額と税額の推移 > ( 土地編 ) 課税標準額 評価額 税 額 なぜ, 地価が下落しているのに, 土地の固定資産税が上昇するの!? 2 なぜ, 平成 6 年評価額が急激に上昇したの!? 3 < 公的土地評価相互の均衡と適正化 > < 地価公示価格の一定割

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1. 固定資産税 都市計画税について 固定資産税は 毎年 1 月 1 日 ( 賦課期日 といいます ) 現在に土地 家屋 償却資産 ( こ れらを総称して 固定資産 といいます ) を所有している人が その固定資産の所在する 市町村に納める税金です 都市計画税は 下水道 街路 公園などの都市計画事業

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す ) 5 地区 地域内の各筆の評価 ( 一画地の宅地ごとに評価額を算出します < 土地に対する課税 > (1) 評価のしくみ固定資産評価基準によって 地目別に定められた評価方法により評価します 平成 6 年度の評価替えから 宅地の評価は 地価公示価格の 7 割を目途に均衡化 適正化が図られています

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野村資本市場研究所|顕著に現れた相続税制改正の影響-課税対象者は8割増、課税割合は過去最高の8%へ-(PDF)

等調整都市計画税額が 当該商業地等に係る当該年度分の都市計画税の課税標準となるべき価格に 10 分の 6 を乗じて得た額 ( 当該商業地等が当該年度分の固定資産税について法第 349 条の 3( 第 20 項を除く ) 又は法附則第 15 条から第 15 条の 3 までの規定の適用を受ける商業地等で

販売用不動産の時価評価の基準(案)と論点

目 次 最近における相続税の課税割合 負担割合及び税収の推移 1 地価公示価格指数と基礎控除(58 年 =100) の推移 2 最近における相続税の税率構造の推移 3 小規模宅地等の課税の特例の推移 4 相続税負担の推移( 東京都区部のケース ) 5 ( 補足資料 ) 相続税の概要 6 相続税の仕組

スライド 1

固定資産の価格は 国が示す基準で評価します 固定資産の評価は 国が示す 固定資産評価基準 によって行うこととされています ( 固定資産評価基準は 総務大臣が告示します ) これにより 評価した価格 ( 評価額 ) は 毎年 3 月 31 日までに市町村長が決定します 平成 30 年度の価格 ( 評価

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路線価図

第 1 基本的事項 1 業務内容についての順守事項本業務を行う不動産鑑定士又は不動産鑑定士補 ( 以下 不動産鑑定士等 という ) は 本業務が単に個別地点について行う鑑定評価と異なり 同一価格時点で大量に行う鑑定評価であり 特に面的な価格の均衡が求められる固定資産税評価のための基礎資料を作成するも

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

定にかかわらず 当該都市計画税額とする 5 住宅用地のうち当該住宅用地の当該年度の負担水準が 0.8 以上のものに係る平成 21 年度から平成 23 年度までの各年度分の都市計画税の額は 第 2 項の規定にかかわらず 当該住宅用地に係る当該年度分の都市計画税額が 当該住宅用地の当該年度分の都市計画税

固定資産税のあらまし2016

所得税確定申告セミナー

目 次 1 固定資産税と固定資産税評価 1 1 固定資産税とは 1 2 固定資産税の課税のしくみ 2 (1) 固定資産税を納める人 ( 納税義務者 ) 2 (2) 税額の計算 2 2 固定資産税評価のあらまし 1 固定資産税評価の意義 2 固定資産税評価によって求める価格とは 3 固定資産の価格を求

第25回税制調査会 総25-2

承認第03号-都市計画税条例の一部改正(専決処分)【確定】

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相続人の居住用または事業用の宅地については2 割または5 割評価にするという小規模宅地等の評価減の特例があるが 平成 22 年度税制改正により 原則として申告期限まで居住または事業を継続していなければ適用が認められなくなっている 今回 基礎控除額が引き下げられることと合わせ 都市部の独居老人が亡くな

73,800 円 / m2 幹線道路背後の住宅地域 については 77,600 円 / m2 という結論を得たものであり 幹線道路背後の住宅地域 の土地価格が 幹線道路沿線の商業地域 の土地価格よりも高いという内容であった 既述のとおり 土地価格の算定は 近傍類似の一般の取引事例をもとに算定しているこ

平成19年度分から

相続対策としての土地有効活用

第 5 章 N

( 賦課期日 ) 第 4 条都市計画税の賦課期日は 当該年度の初日の属する年の1 月 1 日とする ( 納期 ) 第 5 条都市計画税の納期は 次のとおりとする 第 1 期 4 月 1 日から同月 30 日まで第 2 期 7 月 1 日から同月 31 日まで第 3 期 12 月 1 日から同月 25

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

課税標準の特例 住宅用地は 税負担を軽減するため課税標準の特例が設けられています 小規模住宅用地は 200 m2以下の住宅用 一般住宅用地は 200 m2を超える部分 ( ただし家屋の床面積の 10 倍を限度とします 商業地等の非住宅用地は 税負担の調整により 課税標準の額は評価額の 70% が限度

エ. 納税義務者数の推移 単位 : 人平成 納税義務者数土地 63,685 納 税 義 務 者 数 の 推 移 単位 : 人 土地 償却資産 6,582 61,53 61,587 62,552 63,69 63,685 償却資産 2,2 1,77 1,786 1,798 1,827 1,894 2,

税理士法人チェスター【紹介】

国民保護啓発パンフレット

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労災年金のスライド

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

(3) 評価替え土地と家屋については, 原則として, 基準年度 (3 年ごと ) に評価替えを行い, 賦課期日 (1 月 1 日 ) 現在の価格を固定資産課税台帳に登録します 第 2 年度と第 3 年度は, 新たな評価を行わないで, 基準年度の価格をそのまま据え置きます ( 平成 30 年度が基準年

(審42)参考 福島県内の宅地の調査

Q1 法人事業税の負担変動の軽減措置とは どのような制度ですか? A. 平成 27 年度税制改正により導入された 外形標準課税の拡大 ( 所得割の税率引き下げ及び付加価値割 資本割の税率引き上げ ) によって生じる税負担の変動の影響を緩和する措置で 付加価値額が一定以下の法人を対象に税負担の増加につ

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

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(審47)参考2 福島県内の宅地の調査

市税のしおり2016表紙再3

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11総法不審第120号

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平成19年度税制改正.xls

第 8 章地価の動向 1 地価公示及び地価調査のあらまし 目 的 地価公示は 地価公示法に基づき 都市及びその周辺地域等において標準地を選定し その正常な価格を公示することにより 一般の土地の取引価格に対して指標を与え 及び公共の利益となる事業の用に供する土地に対する適正な補償金の額の算定等に資し

<平成11年度>

平成 22 年 5 月 7 日 問い合わせ先 国土交通省土地 水資源局土地市場課課長補佐小酒井淑乃 係長塩野進代表 : ( 内線 :30-214, ) 直通 : 土地取引動向調査 (*) ( 平成 22 年 3 月調査 ) の結果について

(審44)参考2  福島県内の宅地の調査

平成25年4月から9月までの年金額は

◆JREI固定インフォ No24◆◆〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

ウ商業地等である 町の土地の平成 28 年度分の固定資産税の課税標準額は 法附則第 18 条第 5 項及び第 25 条第 5 項の規定により 課税標準となるべき価格に0.7を乗じた額となる なお 岐阜市税条例 ( 昭和 25 年岐阜市条例第 14 号 以下 条例 という ) においては これと異なる

富士見市都市計画税条例 ( 昭和 46 年条例第 40 号 ) 新旧対照表 ( 第 1 条による改正 )( 専決 ) 新 旧 附則 附則 ( 改修実演芸術公演施設に対する都市計画税の減額の規定の適用を受けようとする者がすべき申告 ) 6 法附則第 15 条の11 第 1 項の改修実演芸術公演施設につ

1 天神 5 丁目本件土地及び状況類似地域 天神 5 丁目 本件土地 1 状況類似地域 標準宅地

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税制改正を踏まえた生前贈与方法の検討<訂正版>

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

H28秋_24地方税財源

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固定資産評価審査申出とは

150130【物価2.7%版】プレス案(年金+0.9%)

にて提出していただく必要があります 統一フォーマットによる鑑定評価書データ等作成に当たっては 鑑定評価書作成支援ソフトをご用意ください また 土地鑑定委員会が回収した土地取引状況調査票等を基に必要な現地調査等を行い 取引事例カードとして整理する業務を行っていただきますので 国土交通省の指定するネット

○H30条例19-1

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Monthly 2009/09/01(14:45) 2 ノイズ 1989 年末から2000 年 3 月あたりまで日経平均株価は上昇しています (ITバブルと言われた頃)[ グラフ1] 続いて [ グラフ2] は1985 年 1 月から2009 年 8 月までの日経平均株価の推移を表しています このグ

平成 22 年 12 月 7 日 資料 ( 資産課税 )

固定資産税等の概要及び税収動向等 3-1

平成29年 住宅リフォーム税制の手引き 本編_概要

(Microsoft Word - fiÁ‰L”dŠl‘‚‡g33.doc)

◆JREI固定インフォ No17◆◆〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

2. 年金額改定の仕組み 年金額はその実質的な価値を維持するため 毎年度 物価や賃金の変動率に応じて改定される 具体的には 既に年金を受給している 既裁定者 は物価変動率に応じて改定され 年金を受給し始める 新規裁定者 は名目手取り賃金変動率に応じて改定される ( 図表 2 上 ) また 現在は 少

対象資産 企業主導型保育事業の用に供する固定 資産 地方税法に規定する特例割合の基準価格の2 分の1を参酌して3 分の1 以上 3 分の2 以下 ( 最初の補助から5 年間 ) 特例割合 3 分の 1 (2) 関係規定の整理第 1 条の規定による呉市税条例の一部改正による条項の移動に伴い, 次の条例

目 次 調査結果について 1 1. 調査実施の概要 3 2. 回答者の属性 3 (1) 主な事業地域 3 (2) 主な事業内容 3 3. 回答内容 4 (1) 地価動向の集計 4 1 岐阜県全域の集計 4 2 地域毎の集計 5 (2) 不動産取引 ( 取引件数 ) の動向 8 1 岐阜県全域の集計

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承認第03号-都市計画税条例の一部改正(専決処分)【確定】

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

12. 地価公示は 土地鑑定委員会が 毎年 1 回 2 人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求め その結果を審 査し 必要な調整を行って 標準地の正常な価格を判定し これを公示するものである 13. 不動産鑑定士は 土地鑑定委員会の求めに応じて標準地の鑑定評価を行うに当たっては 近傍類地の取 引価格から

『知っておきたい 不動産所有コストの中身と抑えるコツ』

記者発表資料

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給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

2.配偶者控除の特例の適用を受ける場合(暦年課税)編

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

新座市税条例の一部を改正する条例

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~ 都市計画道路予定地の評価 ~ 今回の豆知識では 我々不動産鑑定士が日常の評価業務において良く目にする 都市計画 道路予定地 の評価について取り上げてみたいと思います 1. 都市計画道路とは? 都市計画法では 道路 公園 下水道処理施設等の施設 ( 都市施設 ) のうち必要なものを都市計画に定める

公益法人の寄附金税制について

一の2 について一の1 について贈与税の基礎控除額の水準は 少額不追求の観点 相続税の補完税である贈与税の機能の維持の観点等から設定されているものであり 現在の六十万円という水準は このような観点にかんがみ 妥当な水準であると考えている 所得税における各種所得控除については 基礎的な人的控除のほか

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長野県観光地の概要

第7回DIレポート

例えば毎年 子供 2 人に対し110 万円づつ贈与し続けるのであれば 10 年間で2,200 万円の財産を無税で子供に移すことができます 贈与税の基礎控除額を上手く活用する方法だけでも 計画的に行うことがどれだけ大切なのかご理解いただけると思います とにかく財産を所有している人が高齢になればなるほど

RETIO NO.104 地価の地域間の格差 ばらつき について 都道府県地価調査の結果を基に 姫野 和弘 総括研究理事 毎年 3月には地価公示 9月には都道府 ここでは 都道府県地価調査の結果を活用し 県地価調査の結果が公表され 新聞紙面を賑 て その地価の水準から 地域間の 価

第 6 回令和元年度固定資産評価実務者勉強会 第 3 部 税理士による最近の各種課税評価に関するお話 講師 : 税理士 不動産鑑定士 赤川明彦 ( 株式会社土地評価センター取締役 ) copyright 2019 KOTOBUKI PROPERTY ASSESSMENT all rights res

02_(案の2①)概要資料(不均一)

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固定資産税の課税のしくみ < 評価とと税の推移 > ( 土地編 ) 評価 税 なぜ, 地価が下落しているのに, 土地の固定資産税が上昇するの!? 2 なぜ, 平成 6 年評価が急激に上昇したの!? 3 < 公的土地評価相互の均衡と適正化 > < 地価公示価格の一定割合 (7 割 ) を目標 > < 評価の上昇 > 固定資産税 都市計画税の税はどう計算するの!? 5 < 本則課税 > < 負担調整による課税 > < 現在の計算方法と計算例 > 1 ヘ ーシ

なぜ, 地価が下落しているのに, 土地の固定資産税が上昇するの!? 現在の固定資産税は, バブル崩壊後さまざまな制度の改正により, 非常にわかりづらい状況になっています 特に, 地価が下落しているにもかかわらず土地の固定資産税が上昇する という現象に戸惑うことと思います この原因について要約しますと, 以下のようになります 平成 6 年の評価替えにおいて 固定資産税の土地 ( 宅地 ) の評価は, 地価公示価格の7 割程度とする こととなり, 平成 6 年度の評価は平成 5 年度に比べ, 全国平均で約 4 倍と急激に上昇しました この上昇をそのまま税に反映しますと, 固定資産税が一度に約 4 倍になる ということになります このような急激な税負担の増加をできる限り抑えるため, 長期間をかけ少しずつこの差をうめていく調整措置が講じられました この結果, 毎年の税の上昇は緩やかなものに抑えられましたが, 十数年間固定資産税が上昇していくことになり, いわゆる 地価が下落しても, 土地の固定資産税が上昇する という現象が生じることとなったものです 4 倍 ( 全国平均 ) まだ開きが この差がなくなるまでは なだらかに 4 5 6 7 8 9 25 26 27 28 29 30 31 ( 平成 ) ( 令和元年 ) 2 ヘ ーシ

なぜ, 平成 6 年評価が急激に上昇したの!? < 公的土地評価相互の均衡と適正化 > 土地の価格には, 公的土地評価といわれるものだけでも, 1 地価公示価格 ( 国土交通省 )2 地価調査価格 ( 都道府県 ) 3 相続税評価 ( 国税局 ) 4 固定資産税評価 ( 市町村 ) があり,1 物 4 価と言われています 値市段町が村バ間ラでバもラ! バブルの影響によってこれらの価格差が大きくなり, 公的土地評価に対する国民の不信を招いていました そこで, 平成元年に成立した 土地基本法 においては, 公的土地評価相互の均衡と適正化を図ることがはっきりと 定められました ( 土地基本法第 16 条 ) < 地価公示価格の一定割合 (7 割 ) を目標 > 固定資産税の土地 ( 宅地 ) の評価は, 土地基本法の 趣旨を踏まえ, 地価公示価格等の 7 割程度とすることに なりました 3 ヘ ーシ

< 評価の上昇 > 土地基本法に基づき, 公的土地評価は, 地価公示価格を基本に相続税評価はその8 割 固定資産税評価はその7 割と, 評価の均衡化 適正化が図られ, また地価公示価格 地価調査価格及び不動産鑑定士による鑑定価格を活用することにより, 地域及び市町村間の均衡 適正化が図られました この改正により, 全国の固定資産評価水準が統一され公平さが保たれましたが, 今までの評価が低い水準であったため, 平成 6 年度の評価が急激に上昇することとなりました 当市においては, 特に勝田地区の評価水準が低く, 平成 6 年度評価が平均 7 倍弱上昇しました これは, 全国平均の約 4 倍と比べても非常に高い上昇率であり, 見方を変えると 平成 5 年以前の固定資産税評価が全国及び近隣市町村より著しく低い水準に抑えられていた ということになります 平成 9 年から地価下落に対応するため,3 年に一度の 評価替え 以外の年でも, 地価の下落している地区について評価を修正できることとなり, より適正な固定資産評価ができるようになりました 地価公示 調査価格 8 割 相続税評価 7 割 固定資評産価税 < 公的評価の均衡 > どの市町村も同じ基準! 地価公示価格の 7 割 A 市 B 市 B 町 C 市 地価公示価格の 7 割地価公示価格の 7 割地価公示価格の 7 割 4 ヘ ーシ

固定資産税 都市計画税の税はどう計算するの!? < 本則課税 > 通常, 税金は税決定の算定基準であるに税率を乗じて税を求めます 固定資産税 ( 都市計画税 ) では, 原則として評価がとなっており, これに税率 ( 固定 1.4/100, 都計 0.3/100) を乗じて税を算出します ( この算定方法を 本則課税 といいます ) 固定資産税評価 = 税率 ( 固定 1.4/100, 都計 0.3/100) = 税 この算出法で計算しますと, 平成 6 年度の税は, 同年の評価と同じように上昇するため, 急激な 税負担が強いられます しかし, その後は, 評価と同様に推移するため税は下落することになります 税 7 ( 当市最大 ) 評 価 4 5 6 7 8 9 25 26 27 28 29 30 31 ( 平成 ) ( 令和元年 ) 5 ヘ ーシ

< 負担調整による課税 > 本則課税の場合, 評価がとなっておりますが, 平成 6 年度以降, 評価が数倍になったこと により, 評価をそのままにするのではなく, 前年度のから負担水準等 ( 負担調整率 ) を算出して, それにより翌年度のを算出する調整措置がとられております 固定資産税評価 前年度の 計算式により算出 計算式は, 評価替え時 (3 年ごと ) に若干変更となっております 税率 ( 固定 1.4/100, 都計 0.3/100) = 税 この算出法で計算しますと, 平成 6 年度の税は, 同年の評価と同じように上昇しないため, 急激な 税負担はありません しかし, その後評価に追いつくまで長期間かけて税が上昇することになります 7 ( 当市最大 ) 評 価 税 4 5 6 7 8 9 25 26 27 28 29 30 31 ( 平成 ) ( 令和元年 ) 6 ヘ ーシ

< 現在の計算方法と計算例 > 平成 30 年度 ~ 令和 2 年度 1. まず, 負担水準を求め, その負担水準に応じて, 計算区分 ( 据え置き等 ) が決定します 前年度 負担水準 = 100 (%) 新評価 負担水準とは 個々の土地のが評価に対してどの程度まで達しているかを示すものです 2. 負担水準が一定の割合未満の場合, が上昇することになります 下記の計算式で算出した [A] のが, 新しいとなります [A] = 前年度 + 新評価 5% [A] が一定の割合を超えた場合, または一定の割合を下回った場合は除きます 区分表の一例 商業地等の宅地の区分表 ( 新評価 ) 地価公示 0.7 100 負担水準 % 90 80 70 60 50 40 30 引き下げ部分 (70% に引き下げ ) 据え置き部分引き上げ部分 [A] が新評価 60% を上回る場合は新評価 60%= 新 前年度 + 新評価 5% = 新 20 10 [A] が新評価 20% を下回る場合は新評価 20%= 新 7 ヘ ーシ

< 計算例 1> 平成 30 年度評価 450 万円 ( 200 万円 税 28,000 円 ) の土地で, 令和元年度評価が 400 万円になった 1 負担水準の計算 2,000,000 円 4,000,000 円 ( 平成 30 年度 ) ( 令和元年度評価 ) 50.0% 2 の計算 負担水準が 60% 未満であるため, 平成 30 年度に令和元年度評価の 5% を加えてを算出する ( そのが評価の 55.0% となり,60% を下回るので, となる ) 2,000,000 円 ( 平成 30 年度 ) 200,000 円 ( 令和元年度評価 5%) 2,200,000 円 ( 令和元年度 ) 3 固定資産税の計算 2,200,000 円 ( 令和元年度 ) 1.4/100 ( 税率 ) 30,800 円 ( 令和元年度税 ) < 計算例 2> 平成 30 年度評価 450 万円 ( 230 万円 税 32,200 円 ) の土地で, 令和元年度評価が 400 万円になった 1 負担水準の計算 2,300,000 円 4,000,000 円 ( 平成 30 年度 ) ( 令和元年度評価 ) 57.5% 2 の計算 負担水準が 60% 未満であるため, 平成 30 年度に令和元年度評価の 5% を加えると負担水準 62.5% となり,60% を上回るのでは 60% 相当となる 2,300,000 円 ( 平成 30 年度 ) 200,000 円 ( 令和元年度評価 5%) 2,500,000 円 ( 負担水準 62.5%) 3 固定資産税の計算 4,000,000 円 60% = ( 令和元年度評価 ) 2,400,000 円 ( 令和元年度 ) 2,400,000 円 ( 令和元年度 ) 1.4/100 ( 税率 ) 33,600 円 ( 令和元年度税 ) 8 ヘ ーシ