平面のベクトル 例題 つなぐ, 伸ばす / 正多角形正 n 角形問題を解くとき注目すべき主な点 角 図形点について頂点, 辺の中点, 外接円の中心角について円周角, 中心角図形について頂点を結んでできる平行四辺形 ( ひし形 ) または三角形頂点, 外接円の中心, 辺の中点を頂点とする直角三角形別解頂点を結んでできる平行四辺形 ( ひし形 ) と三角形に注目して解く A B E F C D
図より, BA AE EC AB AE kab ( k ) AB ( k ) e AE ( AB//EC) したがって, k の値を求めれば, を と e を用いて表すことができる AB//EC,AE//BD,ABAE より, 四角形 AEFB はひし形である また, DEC と FCD について, 正多角形の性質より, DEC FCD, DCE FDC よって, DEC FCD ここで, 正五角形の一辺の長さを,FC の長さを x とおくと, より,DE:FCEC:CD より,EFAB \ECEFFC x よって,: x ( x) : \ x x \ x x 0 これと x > 0 より, x \ EC よって, EC AB \k \ e
例題 分点の公式 / 内心など 別解 ひし形の対角線はひし形の頂点の 等分線であることから, 等分線のベクトルは 次独立の関係にある つの単位ベクトルの和の実数倍で表せる したがって, p q AI k k k p q あるいは, AI AB BI BA p l BA p q p p l a より, k l l l p q a a l l \ k l l a a k l a \ l k a, より, k a a k a a k k \ k ak k \ k a これと より, p a q AI k
例題 位置ベクトル別解 位置ベクトル問題では, 扱うベクトルの数を少なくするのがコツ そこで, 点 A を始点とする位置ベクトルで考える PS の中点を点 M とすると, AM ( AP AS) AP p, AB, AC とおくと, 条件より, ( AR AS) AC \ AS AC AR ( AQ AR) AB \ AR AB AQ を に代入すると, ( AB AQ) AC AB AQ AS AC また, 条件より, AQ AP \ AS AC AB AP 4,4より, AM AC AB よって,PS の中点は A により決まる すなわち点 P の位置によらない 別解 中点連結定理を使って解いてみる PS の中点を点 M とすると, 中点連結定理より,AB//PR//MC,AM//QS// \AB//MC,AM// よって, 四角形 AM は平行四辺形である \ AM AC CM AC BA AC AB よって,PS の中点は A により決まる すなわち点 P の位置によらない 4
補足外心 O を始点とする位置ベクトルについて, OA a, OB, OC, OH h と定めると, h a 証明 A の外心を O, 垂心を H, 線分 CE を外接円の直径, O から線分 に下ろした垂線の足を D, 直線 AH と線分 の交点を F とする 線分 OD は線分 の垂直二等分線だから CDDB, E は直径 CE の円周角だから E90 よって, 中点連結定理より,EBOD また, AFC90 より,EB//AH 同様に,EA//BH,より, 四角形 AEBH は平行四辺形である よって,AHEB これとより,AHOD 4 A 外接円 E H O B F D C
外心 O を始点とする位置ベクトルについて, OA a, OB, OC, OH h と定めると, AH//OD と4より, AH OD これと OH OA AH より, h a A a H h O B D C 6
外心と垂心と重心の関係線分 OH と線分 AD の交点を G とすると, AH//OD より AG H DG O これと4より,AG :DG AH:OD: 一方, A の重心を G とすると,AD は辺 の中線だから, AG:DG: 6,6より,G と G は同一の点であることがわかる よって, 同一法により, A の外心, 垂心, 重心は一直線上にある A H G O B D C 7
例題 4 apa PB PC 0 である点 P 別解 () () xpa ypb zpc xap y ( AB AP) z( AC AP) ( x y z) AP yab zac これと xpa ypb zpc 0 より, AP x y z ( yab zac) y z yab zac x y z y z yab zac ここで, AF とすると, 点 F は を z : y に内分する点であり, y z y z 条件より, 点 P は AF の中点であるから, x y z よって, x y z () より, y, z, x y z よって, x : y : z :: 8
例題 直線の交点 / メネラウスの定理別解 () メネラウスの定理とチェバの定理を使って解く O P R Q A S B 直線 OR と辺 AB の交点を S とすると, OP AS BQ 三角形 OAB と点 P,S,Q について, チェバの定理より, PA SB QO AS PA \ SB OP QO BQ a a \AS:SB a : () OP AB SR 三角形 OAS と点 P,B,R についてメネラウスの定理より, PA BS RO OR OP \ RS PA AB a a BS a a より, OS ( OA aob) ( a a) これと より, a a OR a a a a a \ OR OS a a a ( a a) a a a a a 三角形の内角の二等分線の公式より,OA:OBAS:SB これと AS:SB a :,OA a,ob より, a : a : 9
メネラウスの定理とチェバの定理をまとめて覚える方法 三角形 A の辺を AB,,CA と表し, それぞれの辺の内分点 外分点を P,Q,R とすると, 比の取り方は下表となる 辺内分点 外分点比の取り方 AB P AP/PB Q BQ/QC CA R CR/RA すると, メネラウスの定理の式とチェバの定理の式は, と統一できる 後は, 外分点の数が偶数のときは, チェバの定理より ~ 外分点の数が奇数のときは, メネラウスの定理より ~ とすればよい A P R B C Q 0
例題 6 領域の表現 / 三角形と領域 () 別解 : 直線 OA を x 軸, 直線 OB を y 軸とする座標系を使って解く 点 O を原点,OA の向きを x 軸,OB の向きを y 軸とする座標系とり, 点 A ( a,0), 点 B (,) a > 0, > 0 OP soa tob a 0 s t 0 sa t 0 とすると, よって, 動点 P を ( x, y) とすると, ( x y) ( sa, t) x y s, t ( a > 0, > 0 ) a s ³ 0, t ³ 0, s t より, x y a ( ³ 0 x, y ³ 0 ), ( a > 0, > 0 ) より, \ y x a y B y x y a ( x ³ 0, ³ 0) O a A a A x よって, 上図より, AOB: A OBOA:OA a : a : これと AOB より, A OB
例題 7 内積の計算別解 : ふつうに解いてみる AB, AC とおくと, ( ) AG, ( ) AB AG BG, ( ) AC AG CG より, ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) { } 4 4 4 9 AC 4 BD 4 9 9 AG CG CG BG BG AG
例題 9 内積による角度の計算 別解 直線 AP と辺 の交点を F とすると, AD BF CE 三角形 A と点 D,F,E について, チェバの定理より, DB FC EA BF \ \BF:FC: FC \ AF AB AC AD FP 三角形 ABF と点 D,C,E について, メネラウスの定理より, DB CF PA FP \ \AP:PF: PA \ AP AF 6,より, AP AB AC
例題 0 内積と直交性 / 垂線の足 別解 余弦定理より 7 ここで,BH t とおくと,HC 7 t ABH について, 三平方の定理より, AH AB 4 t BH ACH について, 三平方の定理より, AH AC 9 t CH ( 7 t ) 7t よって, 4 t t 7t \BH:HC : 7 :6 7 7 \t 7 6 \ AH AB 7 7 別解 AC xy 直交座標の原点を点 A, 点 B を (,0) \ また, 定数 k を用いると, AH AB BH AB k k 0 k k, 点 C を, としても一般性は失われない 4
AH 0 より, k k 0 \k 7 \ AH AB 7 6 \ AH AB 7 7 その の解説 AC の単位ベクトルは, と表せる BH よって, BH BH \ BH 一方, BA と のなす角 ( A) を q とすると,, より, BH BA osq BH BH BA osq BA osq BA osq BA
ここで, 余弦定理より 7 BA AB 4 ( AC AB) AB AC AB ( AC AB) \ BH 7 7 よって, \ AH AB BH 6 7 AB 7 AC 6
参考 : シュミットの正規直交化法 正規直交基底 ある空間を作り出す元となるベクトルをその空間の基底という とくに基底が互いに直交し合う単位ベクトルの場合, それを正規直交基底という つまり, 基底 { u u, u,, }, u n が正規直交基底ならば, 正規直交基底のとり方はいくらでもあり, たとえば, ìï ui u í ïî ui u j j 0 ( i j) ( i ¹ j) が成り立つ 0 0 xyz 直交座標系の各軸上の単位ベクトル 0,, 0 は正規直交基底の つである 0 0 シュミットの正規直交化法 正規直交基底でない基底 ( たとえば斜交座標系 ) を正規直交基底に変換する方法に シュミットの正規直交化法というものがある では, この方法を用いて, 正規直交基底でない基底, すなわち 大きさが でない または 互いに直交しない 基底 { a, a, a,, a n } 正規直交基底 { u u, u,, } 手順 : a を u に変換する u, u n に変換してみよう a とするだけでよい a を u a 手順 : a を u に変換する q u a u a q os u a a osq u a a osq a a a a a osq a a a a a a a a a a \ a a a よって, これを u に代入すればよい 7
手順 : a を u に変換 a q os u a u u u a q q os u q q u a a osq u a os よって, これを u に代入すればよい u n an an osq u an osq u an osq nu n n n n 8
9 例題 三角形の面積別解 () xy 直交座標の原点を A,B を ( ),0 とし, 条件より D ( ),,C ( ), としても一般性は失われない ( ) ( ) d d 9 4 DC AD AB AC AB AP また, ( ) ïþ ï ý ü ïî ï í ì 0 AC AB AP より, 7 AP () AP, AQ より, APQ の面積 8 7 A B ( ),0 C ( ), P, D ( ), Q, x y d
補足三角形 A の面積を S, AB p, r AC q s とすると, S ps qr S ps qr は, ベクトルや図形と式の問題で威力を発揮する重要公式である 公式の証明 AB AC sin A AB AC AB AB ( AB AC) ( p q )( r s ) ( pr qs) p s ( ps qr) ps qr AC AC os pqrs q A AB AC os A r 0 < A < pよりsin A > 0\ sin A os A 0
例題 内積の最大 最小 ( ロ ) 別解 x 4 x AP BP y y x x ( x 4) y( y ) y 4x y 4x y よって, AP BP k とおくと, 4x y k \ 4 x y k 0 P ( y) x, は x y も満たすから, 点 P は と の交点であり, の中心 (,0) k l 0 との距離を l とすると, k l 4 ( 0 < l ) ( 0 < l ) より, よって, k 0 \0 k 0 \ 0 k 0 別解 P ( osq, sin q ) とおくと, osq 4 q q os AP BP q sin sin 0 osq 0sinq 0 sin sin( q a ) より, ( q a ) 0 AP BP 0
例題 4 ベクトルと平面図形 / 証明問題 ( イ ) 別解 AB, AC と置くと, 条件より, ( ) ( ) ( ) \ \ より,ABAC より, \AB,より,ABCA よって, A は正三角形である ( ロ ) 別解 AB,,CA の中点をそれぞれ D,E,F とすると, ( OB OC) OD OA より,O,A,D は一直線上にありかつ AO:OD: 同様に,BO:OE:,CO:OF: よって, 点 O は A の重心でもある 点 O が A の外心かつ重心であることより, AD,BE,CF はそれぞれ辺, 辺 CA, 辺 AB の垂直二等分線である よって,ABCA ゆえに, A は正三角形である