Review The Laboratory and the New Oral Anticoagulants Armando Tripodi 1,2, * Author Affiliations 1 Angelo Bianchi Bonomi Hemophilia and Thrombosis Center, Department of Clinical Sciences and Community Health, Università degli Studi di Milano, Milan, Italy; 2 IRCCS Cà Granda Maggiore Hospital Foundation, Milan, Italy. * Address correspondence to the author at: Via Pace 9, 20122 Milan, Italy. Fax +39-02-50320723; e-mail armando.tripodi@unimi.it. Clinical Chemistry 2013;59:353-362 検査室と新規経口抗凝固薬の関係 概要 背景 : 新規経口抗凝固薬 (NOAs) のダビガトラン リバロキサバンそしてアピキサバンは 臨床試験で使用した際に 検査を基準に用量調節をしなくても有効かつ安全であることが証明された 有効性が証明されたことで 従来の抗凝固薬投与の管理の中軸と考えられる検査室が NOAs を使用する治療でもはや役割を果たさなくなったということを意味するわけでは無い 内容 : 検査室は抗凝固薬の管理に 二通りの形で関与する 一つ目はモニタリングであり これは薬の効果を評価し 用量調節を行って治療中の抗凝固効果を維持するための検査を指す これは従来の薬に対して当てはまる考え方である 二つ目は凝固系の検査であり これは患者が不十分もしくは過剰に抗凝固を起こしていないかなど 特殊な状況での判断に活用できる情報を得るために検査を指す 後者は NOAs にも当てはまる 要約 :NOAs の影響に対する測定は いくつかの状況で示されている (a) 有害事象 (i. e., 血栓症 / 出血 ) が起きている患者で 特に薬の過剰摂取やクリアランスの低下に起因して過剰服薬にある者 (b) 外科的処置がされる患者に対して 残った薬が循環していないことを確認するため (c) 生命を脅かす内出血のため逆転抗凝固を必要としている患者 (d) 薬が循環に蓄積しやすい腎不全の患者 ; (e) NOAs は肝臓で代謝されるため 肝不全の患者 (f) 薬物の相互作用によって NOAs の効果を増減させる可能性のある薬 1
を服用している患者 検査は利用のしやすさ 用量 - 反応曲線の直線性 標準化および用量を増やした 際の反応性などの特性に基づいて選択する 開業医は NOAs が 一般的な止血パラメーターの測定に干 渉する事を認識しておく必要がある まとめて 静脈血栓塞栓症 として知られる深部静脈血栓症や肺塞栓症は 年間発生率が 1000 人当たり約 2 人と頻繁に起きる疾病である (1) 急性静脈血栓塞栓症では 血栓の拡張を制限するためヘパリンやビタミン K 拮抗薬 (VKA)3 など 即効性のある薬を用いた迅速な処置が求められる ヘパリンは比較的大きな分子量を持つ未分画ヘパリン (UFH) や UFH の脱重合から得られる低分子ヘパリン (LMWH) を含む硫酸化されたムコ多糖の一つである (2) これらの薬は両方とも自然に発生する抗凝固性アンチトロンビンに結合し その抗凝固活性を増強することで抗血栓活動を機能させる (2) アンチトロンビンが UFH や LMWH と結合するには 独特な硫酸化オリゴ糖シーケンス (i.e., 五糖類 ) が必要であるという発見は 必要な五糖類シーケンスを模倣する合成抗血栓薬であるフォンダパリヌクスの開発につながった (3) UFH や LMWH フォンダパリヌクスは効果的かつ比較的安全だが問題もある UFH は通常連続的に注入して投与されるため 用量調節のために検査室でのモニタリングが必要となる (4) のに対し LMWH とフォンダパリヌクスは 検査室での頻繁なモニタリングは必要としないが 皮下に投与される VKA はビタミン K 依存性凝固因子のカルボキシル化を阻害するクマリンに類似した薬で そのためそれらの活動を制限する (5) 西洋諸国では一般人口のおよそ 2% が現在 VKA を使用しており 最も頻繁な使用理由は心房細動による脳卒中および全身性栓塞症の予防 ( 患者の約 50%) (6) 人工的な心臓弁を患者が有していること (7) そして静脈血栓塞栓症の治療 / 予防 (8) である 安全性 / 効能を認識されているにもかかわらず VKAs には世界中の多くの患者に対して 救命予防が行えない可能性となる欠点が複数ある VKAs は比較的狭い治療域を持ち 食事や他の薬と相互作用があるため 治療中の患者に対する血栓の再発予防のみではなく 適切に止血させられるように厳格な臨床および検査室でのコントロールが求められる 治療に費やした時間の割合は 有害事象リスクと反比例するため (9) 抗凝固専門のクリニックで最も実施しやすい臨床家と 検査室の熟練者による協力行動から治療効率を最大限にしなくてはならない しかしそのようなクリニックは世界的に多く存在しない これらの限界により 新規経口抗凝固薬 (NOAs) の開発に対する要望が高まっている 殆どの努力は ヘパリン / フォンダパリヌクスや VKAs で生じるような アンチトロンビンやカルボキシル化を媒介しない特定の凝固因子を標的にして 活動を抑制することに向けられている 現在 NOAs は活性因子 X(FXa)( リバロキサバンまたはアピキサバン ) およびトロンビン ( ダビガトロン )( 図 1) を標的に使用することに成功している 第 III 相臨床試験で安全性 / 効能の評価がされたこれらの薬は 固定用量で使用しても VKA と同様に有効もしくは安全である [ 詳細は (10) を参照 ] そのためこれらは定期的な検査室でのモニタリングをせずに 治療に使用することが現在推奨されている 本稿の目的は現状について調査し NOAs で治療 2
されている患者に対する管理に検査室がどのように またいつ臨床医を助けることができるのかについ て論じることとする 図 1 血液凝固カスケードと新規経口抗凝固薬の概略図 新規抗凝固薬 心疾患を患っている患者に対しては 3 種類の NOAs が使用の認可を受けている リバロキサバン (Xarelto ; バイエル ) およびアピキサバン (Eliquis ; ファイザー ) は直接の FXa 抑制薬であり ダビガトロン (Pradaxa ; ベーリンガー インゲルハイム ) は直接のトロンビン抑制薬である (10) これら NOAs は比較的短い抗凝固の発生 または相殺作用につながる比較的短い半減期 (8-15 h) を持ち 治療の開始や中断などの特殊な状況において VKAs より管理しやすい特性を持つ さらにこれらの薬は VKAs より優れた生物学的利用能を持ち 他の薬や食事との相互作用が殆ど もしくは全くない これらの特性は全て NOAs による抗凝固効果を VKAs よりも予期しやすくするため 検査値から用量調整を示す必要がなくなる しかし NOAs による管理に 検査室は必要ないと結論付けることは非常に短絡的であると認識しなくてはならない モニタリング対測定 検査室は抗血栓薬の管理に 二通りの形で関与している 一つ目 ( ここでは モニタリング を指す ) は薬 の抗凝固効果を調べ 予め決められた治療期間中に抗凝固効果を維持するための用量調節を行う特定の 検査の実施を意味する この概念は VKAs と UFH に対して当てはまる 二つ目 ( ここでは 測定 を指 3
す ) は 結果を必ずしも用量調節に用いるのではなく 単純に患者が不十分もしくは過剰に抗凝固を起こ していないかという 特殊な状況での判断に有益となる情報を得るための検査評価を指す この概念は NOAs に当てはまり 下記のセクションでは薬効の測定が必要となる最も重要な状況について考察する 誰を検査対象とするか? すでに述べたとおり NOAs はまだ広く使用されていないため 主に臨床試験に参加している患者の血漿サンプルや 薬力学的 / 薬物動態学的研究に参加している健常者からの血漿サンプル あるいは適切な薬を生体内に過剰に摂取した健常者から収集された血漿サンプルを用いて 測定された凝固系検査にどのように作用するかの情報が不足している このようなデータ不足でも情報が蓄積されはじめたため 下記のとおり報告する しかし出血の有無に違いのある患者における薬物血中濃度の範囲 および検査における薬の影響についてはまだ知られていないため 各検査と薬に対して流通後に適切な長期臨床試験が確立されるべきとの認識が大切である 順守確認 処方された治療指針に従うことは 抗血栓剤を使用する際に最も重要である VKAs の薬効と安全性を仮定することができるのは 主として患者が処方に従って服用しているかどうかを定期的に検査し 厳格に確認しているからである VKAs は長時間継続の作用を持つため 検査室で確認する数日前の定常時に一度服用されなかっただけでも 国際標準比 (INR) の減少の観察から判断できる 比較的短い半減の NOAs は 検査数日前に一度服用して検査直前に治療を再開した場合 恐らく検査室の注意をすり抜け この利点は適用することができない 有害事象 有害事象 ( 血栓 / 出血 ) のため救命救急病棟にいる患者に対しては 不十分もしくは過剰な抗凝固が起きて いないかを検査で評価すべきである 薬の過剰摂取もしくはクリアランスの低下は出血の危険が高まる ため このような考慮は過剰投与の場合に特に重要である ( 以下を参照 ) 外科的処置 外科的もしくは侵襲的な処置がされる患者は 深刻な出血を引き起こすかもしれないため 処置の直前に残余の薬が循環していないことを保証する確認が必要である NOAs は半減期が短いため 一般的な手法として 少なくとも処置が施される 2 日前に治療を中止する しかし慢性腎不全の患者 ( 下記を参照 ) では 循環から薬を完全に除去させるには 少なくとも処置が施される 4 日前にはダビガトロンを中止することが必要との報告がある (11) 逆転抗凝固 4
NOAs の抗凝固効果を逆転させる処法は現在存在しない これらの薬は比較的短い半減期を持つため 逆転抗凝固はめったに必要とされないが 生命を脅かす出血 (i.e., 頭蓋内出血 ) など速やかに抗凝固を中和させなくてはならない事態が存在する 逆転が達成されたか あるいはそれを把握することは臨床的に有益である 我々の経験はまだ不十分だが 血漿よりもプロトロンビン複合体濃縮製剤や 遺伝子組換え活性型 FVII(rFVIIa) のほうが使いやすくまた有効かもしれない Eerenberg ら (12) はダビガトロン もしくはリバロキサバンを 2.5 日間投与された後 プロトロンビン複合体濃縮製剤もしくはプラセボの注入で逆転抗凝固を経験した健康な集団に対する研究を近年報告した 逆転効果は異常な結果を示した凝固検査の標本からモニターされ 逆転はリバロキサバンでは効果的だったがダビガトロンではそうではなかった もし 2 種類の薬と検査で得られたパターンが生体内で起きていることを本当に表している場合 逆転抗凝固に対して責任を持つ医師は 患者が服用している薬を把握しておく必要があるかもしれない それは意識が無い患者に対しては難しいが リバロキサバンやダビガトロンに対する凝固試験を実施することで検査室は手伝うことができる ( 下記を参照 ) 腎不全 腎臓は NOAs 特にダビガトロン ( 約 80%) だが リバロキサバン ( 約 30%) やアピキサバン ( 約 25%) を排泄する (10) そのため腎不全を患っている患者は薬が循環内で蓄積される傾向があり 結果として出血のリスクが高まる この問題は治療前および治療中のクレアチニンクリアランスだけではなく 薬の抗凝固効果に対する適切な検査で確認して注意することができる 腎機能は治療前に正常もしくは正常に近くとも 治療中に悪化する可能性を理解しておくことが重要である そのため患者 ( 特に高齢者 ) は 薬物蓄積の兆候について定期的に確認がされるべきである 肝障害 肝臓は NOAs 特にアピキサバン ( 約 75%) だが ダビガトロン ( 約 20%) やリバロキサバン ( 約 30%) を代謝する (10) これらの薬物が肝障害を患っている患者に対して与える影響については 彼らが第 III 相臨床試験から除外されるため限られた情報しか存在しない そのため注意が払われるべきであり 検査室での測定はそのような患者に対して行われるべきである 薬物相互作用 これまで報告されている NOAs と他の薬とによる相互作用はわずかだが 長期的な抗凝固治療を受ける患者は高齢者であることが非常に多いため NOAs の抗凝固効果を増加 / 減少させるかもしれない複数の薬を服用することになる病態を併発しているかもしれないことを理解しておく必要がある そのため もし患者が NOAs と相互作用しそうな薬を服用していることが疑われるもしくは把握できている場合 適切な検査から抗凝固系の状態を確認すべきである 5
どの試験を行うべきか? NOAs は 各々が標的としている特定の凝固因子の活動を抑制することができる したがって血漿中における抗 FIIa(i.e., トロンビン ) 活性の測定は ダビガトロン効果の判定のための信頼できる特定の手段である 同様に抗 FXa 活性の測定は リバロキサバンとアピキサバンに適していると思われる さらにプロトロンビン時間 (PT) 活性化部分トロンボプラスチン時間 (APTT) 希釈ラッセル蛇毒試験(dRVVT) およびトロンビン凝固時間 (TCT) のような 世界的に使われている検査の判定時間は NOA 投薬後に延長されるため リバロキサバン アピキサバンもしくはダビガトロンの効果を測るためには 別の選択肢を用いられるべきであろう 最適な検査の選択は 検査の特性および使用している薬に基づくべきである これまでの限られた経験を考慮して 次に示す検査特性を考慮すべきである ( 表 1 および 2) 表 1 ダビガトロンの抗凝固効果を評価する検査の主な特性 表 2 リバロキサバンの抗凝固効果の評価に対する検査の主な特性 6
利用のしやすさ 一度 NOAs が世界的な使用に導入されれば 我々は数百万人もの患者に対して対応することになると考えられる これらの患者は いつどのような場所でも出血するかもしれず 薬物の過剰摂取や蓄積による反転抗凝固などの緊急時に彼らの管理を支援するため 医者は簡便でいつでも利用できる検査が必要である もしこれらの検査が全ての病院で単純な設備と比較的未熟な人員で実施できなければ 精巧な検査を設置する意味はない 用量 - 反応曲線の直線性 検査反応 (i.e., 凝固時間もしくは吸光度の延長 ) は 薬の服用に対して直線的な関係を示さなくてはならな い 反応性 薬物血中濃度に対する検査の最良反応適合直線の傾きは 検査が類似しているが同一ではない濃度と 区別するのに適切な反応性をもつべきである 検査の反応を二倍にするために必要とする薬物濃度は 検査の反応性を示す単純かつ信頼できる指標である ( 濃度が低いほど反応が良い ) 標準化 同じ測定手法でも薬剤が異なる場合 どのような凝固分析物に対しても結果は相当ばらつくことが知られている この薬剤全般に対する標準化の欠如は VKAs による患者の管理において重大な問題であり INR の開発と使用によって示された この尺度は PT の結果を検査で用いるトロンボプラスチンの影響から比較的独立させることができるため 処置を受けた患者に 普遍的な 治療時間を適用することができる (13) NOAs は検査による用量調節を必要としないため 標準化は必要としない しかしある種の標準化は NOAs にとっても価値があるといえる 例えば市販されているトロンボプラスチンの一つに対する PT に基準値 ( この値を超えた場合出血のリスクが極めて高い ) が設けられた場合 この情報はその他のトロンボプラスチンに対しても容易に一般化させることができるため 標準化システムが存在することとなる 以下のセクションでは 既存の薬剤それぞれに使用すべき最も適切な検査について議論する これらの 検査は上記で議論した問題点 ( 表 1 および表 2 参照 ) と 文献から得られる数少ないデータを基にしている ダビガトロン 抗 FIIa 活性 7
FIIa( トロンビン ) がダビガトロンの標的のため この薬に対しては抗 FIIa 測定が選択すべき検査である この検査は患者の血漿サンプルに過剰なトロンビンを追加した際の 合成発色性ペプチドによるトロンビン残量の測定に基づいている 原則としてこの手法は 一般的な凝固系での実施が比較的簡単である 現在は殆どの病院で実施不可能であり 異なる試薬による結果に対する標準化が問題である ダビガトロンを投与されている患者での直線性や反応性などの検査特性についての情報は 現在存在していない ( 表 1) プロトロンビン時間 PT も臨床検査室で容易に実施でき 経験が少ない者でも簡単に行うことができるため 素晴らしい検査である PT の延長は血漿ダビガトロン濃度の直線性と投与量依存性に関連があるが 反応性は高くない 報告によると 200μg/L(i.e., 一日二回の 150mg のダビガトロン服用後に期待される血漿濃度 ) で PT が基礎値の約 1.2 倍延長する (14) この問題はまだ徹底的に調査がされていないが 異なるトロンボプラスチンからの結果に対する標準化は 懸念事項である ( 表 1) 部分的活性化トロンボプラスチン時間 この検査は容易に利用可能かつ簡単に実施ができる この時間の延長はダビガトロン濃度の投薬量に依 存して関連があるが 直線的ではない (14) 200μg/L の血漿ダビガトロン濃度は APTT を基礎値の 2.5 倍 延長させるため 反応性は適切である (14) 試薬間における標準化が問題になると思われる ( 表 1) エカリン凝固時間 エカリン凝固時間 (ECT) は FII からの血液凝固カスケードの活動を反映させる 現在世界的に用いられている検査である (15) 凝血形成は Echis carinatus という蛇から抽出される毒物 ( エカリン ) によって生じる エカリンは FII をメイゾトロンビンに変換し その後特定の合成発色性基質によって測定される 臨床検査室ではまだ広く使用されていないがエカリンは市販されており 検査も恐らく一般的な凝固計で簡単に実施することができる 基礎値を超える ECT の延長は ダビガトロン濃度に直線的かつ投与量依存的に関連しており 反応性も適切である (i.e., 200μg/L のダビガトロンは ECT を基礎値の約 3 倍延長させる )(14) これらの特性全てが ECT をダビガトロン測定の候補にする ( 表 1) トロンビン凝固時間 TCT は 凝固カスケードの最終段階を利用している (i.e., フィブリノーゲンからフィブリンへの変換 ) この検査はテストする血漿サンプルに 最適な量の精製したトロンビンを加えて行われる TCT はフィブリノーゲン濃度が低い もしくはヘパリンやダビガトロンなどのトロンビン抑制物質が存在していることで 延長される TCT 試験は臨床検査室で容易に利用することができ 比較的簡単に実施することが 8
できる TCT の延長はダビガトロン濃度に対して直線的また投与量依存的に関連があるが 薬に対する反応性は過剰で 200 - μg/l のダビガトロン濃度は血漿 TCT を基礎値の約 15 倍まで延長させることがある (14) 試験前に血漿サンプルの希釈を含む試験の変更を加えると TCT 試験が適切に反応するようになる (i.e., 200μg/L のダビガトロンで TCT が基礎値の 3 倍延長する )(16, 17) これらの特性により TCT はダビガトロン測定に対する候補となる ( 表 1) 選択 上記の検査特性から 変更を加えた TCT と ECT がダビガトロンの抗凝固効果の測定に最良の検査であ る リバロキサバン 抗 FXa 測定 FXa がリバロキサバンの標的であれば この薬に対しては抗 FXa 測定が選ぶべき検査である この検査は患者の血漿サンプルに過剰に加えられた FXa に対する FXa 残量と 合成発色性ペプチドの測定に基づいている (18) 基本的にこの検査は一般的な凝固計での実施が比較的容易であるが 殆どの病院において 24 時間体制でいつでも利用できるわけでは無い また異なる試薬から得られた結果に対する標準化も問題点である (19)( 表 2) プロトロンビン時間 臨床検査室ですぐに利用でき また専門知識が無くても簡単に実施できるため PT も優れた検査と思われる PT の延長はリバロキサバン濃度に対して直線的また投与量依存的に関連しており 反応性も適切である 200μg/L の濃度 (i.e., 一日 10mg の服用後に想定される血漿濃度 ) は PT を基礎値の 1.5 倍に延長する (20) しかし異なるトロンボプラスチンからの結果の標準化が問題である 市販のトロンボプラスチンは リバロキサバンに対する反応が大きく異なり RecombiPlasTin (Instrumentation Laboratory) および Neoplastin Plus (Diagnostica Stago) で最も反応が良く Innovin (Siemens Healthcare Diagnostics) で最も反応が悪い ( 表 3)(20, 21) 9
表 3 リバロキサバン濃度を上昇させるために PT 試験もしくは APTT 試験で使用される市販試薬の反応 性 部分的活性化トロンボプラスチン時間 APTT テストはすぐに利用でき 簡単に実行できる 対照的な結果が報告されているが その延長はリバロキサバン濃度に対して投与量に依存的かつ直線的に関係する (20) 200μg/L が基礎値の約 1.5 倍に APTT を延長するため反応性は適切である (20) が 試薬間の標準化が問題と予想される ( 表 2) リバロキサバン濃度増加の検出に対して 市販試薬によって重大なばらつきが存在し それぞれ最も反応するものと反応しないものとして Actin FS (Siemens Healthcare Diagnostics) と PTT-A (Diagnostica Stago) がある (20)( 表 3) Heptest と drvvt 原則としてこれらの検査は臨床検査室でいつでも利用可能であり 比較的簡単に実施できる 服用量の増加に対する反応性 ( 直線性ではないが ) は適切である Heptest と drvvt で測定すると 200μg/L のリバロキサバン濃度は それぞれ基準値を約 3 倍および 2.5 倍に延長させる (20) しかしその他の検査と比べてこれらの検査の優位性を証明する必要があり 標準化についての情報は存在しない ( 表 2) 選択 これまでに蓄積された経験に基づくと 抗 FXa 測定と PT が血漿中のリバロキサバンの抗凝固効果を測 定する最良の検査である 10
アピキサバン アピキサバンについて またこの薬に対する検査室での凝固試験についてはデータが少ない アピキサバン濃度と PT や APTT の延長との関係については 対照的な結果が報告されている (22, 23) アピキサバンで治療された患者に対する二次的な研究で 抗 FXa 測定が評価され (24) 血漿アピキサバン濃度に対して高い相関と十分な反応性を持つことが確認された リバロキサバンに対して既に挙げたこの分析手法の利用のしやすさと標準化の問題が アピキサバンに対しても当てはまる いつ検査を行うべきか? NOAs 活性の開始 / 停止は比較的早いため 検査を実施するタイミングはとても重要である そのため生体内における NOAs の抗凝固効果が生体外での凝固検査で本当に表されていると仮定した場合 検査室での結果を判断する際には服用から血液サンプルの摂取までの時間について慎重に考慮しなくてはならない 一般的に NOAs は摂取 2 時間後に血漿内でピーク値を示し (Cmax) その後数値は減少して摂取後約 12 時間で最低値に達する (Ctrough) 文献によると特に Ctrough で薬物間に違いがある可能性があり リバロキサバンでは 10mg を摂取して 12 時間後には PT ではめったにもしくは全く検知することができないのに対し 200-mg のダビガトロンによる抗凝固効果は摂取してから 12 時間経っても まだ検知することができる ( ピーク活動の約 50%)(14) 採血が行えるタイミングについて判断する際に Cmax もしくは Ctrough 値を考慮すべきかについてはまだ討論がされている (26) この考え方は 例えば薬の蓄積や処方指導への順守 また薬物相互作用などの確認に薬の測定が必要な長期治療中の患者に適用できる しかし患者は有害事象 ( 出血または血栓症 ) が起きている状況下で診断を必要とするため 殆どの状況において採血と薬の血中濃度測定のタイミングに 選択肢がない事を理解する必要がある まとめとしてここまで考察した概念は 検査結果を解釈する場合に注意すべきであると強調している 結果の表現の標準化 VKA と違い結果を用量調節に使用しない NOA 検査では 結果の表現を標準化することは義務ではない しかし 異なる手法や試薬を使用する抗凝固検査センター間で患者に対する管理情報の一般化が行えるため 検査や試薬の間である種の調整がなされていることは喜ばれる そのような標準化は集約された通常の血漿に適切な薬を多く加えて 準備した管理血漿を用いることで達成できるかもしれない これらの管理血漿は適切な検査に対して地元で検査することができ その反応 (i.e., 凝固時間の延長もしくは吸光度の値 ) を各手法 / 試薬や薬に対する特定の管理曲線の作成に用いることができる (16, 19, 27) 検査反応は薬物濃度と直線的に相関していると仮定すると もし手法や試薬毎の管理曲線が存在していた場合 検査で使用した手法 / 試薬が異なっていても患者の血漿サンプルから同じ結果が得られるこのような標準化システムは期待されるだろう 実施された検査の全体的な反応はどれも 薬物濃度によって引き起こ 11
された反応と 集められた正常な血漿 (i.e., 凝固活性の基礎値 ) からの反応の両方からなる 異なる健常者からの正常な血漿 ( また異なる個人のセットから準備されまとめられた正常な血漿でも ) では 凝固活性の基礎値に関して同じというわけではない そのため適切な薬を添加した異なる正常血漿から観察された管理曲線が 異なる検査反応と薬物濃度との関係において同じ傾斜を示すと仮定するのは短絡的過ぎる したがってこの手順を用いた標準化は 現在考えられているほど安易に達成することはできない さらにこの標準化のシステムでは 各 NOA と手法のための特定の管理血漿のセットを準備することが必要であり求められている 少なくとも凝固分析に対するもう一つの適切な結果の標準化システムは 患者の凝固時間と正常な凝固時間を比率として 結果を示すことである 正常な血漿の凝固時間は 適切な NOA で治療されている患者の血漿に比例すると仮定すると これら 2つの値の比率は信頼しうる標準化のシステムかもしれない このシステムは理論的には問題無く 結果の比較状況を改善するかもしれないが 問題を全て解決するわけでは無い ( 下記を参照 ) そのようなアプローチは INR の校正についての原理を利用することで改善できるかもしれない INR は VKAs で治療を受けている患者に対して PT の結果を表現するための効果的な標準化システムとして考案された (13) 診断薬メーカーはトロンボプラスチンに対して国際感受性指標 (ISIVKA) 値を提供しており これは健常者と VKAs が投薬されている患者の血漿を検査するため 標準的なトロンボプラスチンと活動中のトロンボプラスチンから得られた PT の対数変換値 ( 秒 ) の関係を示す直交回帰直線の傾きから計算できる ISIVKA はその後に方程式に従い PT から INRVKA への換算に使用される もし全てのトロンボプラスチンが WHO から提供されている基準値に伝承された場合 検査に使用され たトロンボプラスチンに関わらず どの患者から得られた INR 値も類似する (13) この標準化システム適切な変更を加えることで リバロキサバンの測定における PT の標準化に採用される可能性がある (21) 修正したシステムでは VKAs を服用している患者の PT の結果は リバロキサバンを多く添加した正常な血漿から得られた PT 値と差し替える その後ペアのデータ ( 標準 vs 活動中のトロンボプラスチン ) は ISI として妥当なリバロキサバン (ISI リバロキサバン ) の推定に用いられる (21) この作業はこのような標準化システムが実現可能であり リバロキサバンを服用している患者に対する PT 結果において トロンボプラスチンによるばらつきを最小限に抑えることができる事を証明している (21) このシステムに対してはリバロキサバンおよび ISI リバロキサバン値を求めるため 事前に共通基準に対して値が伝承された 6 つの商業用トロンボプラスチンを加えた血漿に対する検査から妥当性が確認された (21) これらの血漿の結果は適切な値の伝承により 次のように表現される 12
結果を PT 比 INRVKA INR リバロキサバンとして表した際 異なるトロンボプラスチンからの不正確度 (CV として評価 ) は それぞれ 14% 29% そして 2% であった (21) これらの結果は この標準化システムは実現可能であり トロンボプラスチン間における不正確度を縮小させるのに効果的であることを示している さらにリバロキサバンを服用している患者に対しては トロンボプラスチン間の不正確度を劇的に拡大してしまうため INRVKA として表してある結果は使用すべきでない事を示している この標準化システムが 他の凝固検査や NOAs に対しても用いることができるかについては 今後の調査が必要である 共通の止血パラメーターに対する NOAs の干渉効果 NOAs を服用している患者は アンチトロンビン プロテイン C プロテイン S 活性化プロテイン C (APC) 抵抗性 (APC-R) フィブリノーゲン ループスアンチコアグラント (LA) の検出など共通している止血パラメーターについて 時折検査が行われることがある 医師や検査室で働く者は これらのパラメーターが検査手法によっては 使用されている薬に大きく影響を受け変動する場合があることを必ず認識しているはずである ( 表 4) 下にいくつかの例を示す 表 4 共通の止血パラメーターの測定に対する新規経口抗凝固薬による干渉 アンチトロンビン もしリバロキサバンやダビガトロンが使用されており アンチトロンビン抑制活動が FXa もしくはトロンビンで測定された場合 アンチトロンビン活動は過大評価される (25, 28-30) このような結果が生じるのは アンチトロンビン抑制活動は通常適切な酵素を大量に入れた検査対象の血漿の FXa 残量 もしくはトロンビン活性を測定するためである 従ってこれらの分析ではアンチトロンビンのみではなく リバロキサバンやダビガトロンによっても FXa またはトロンビンが抑制されて アンチトロンビン抑制活動が過大評価されると説明できる 患者がダビガトロンもしくはリバロキサバンで治療を受けている際は FXa もしくはトロンビンを標的酵素とする手法をそれぞれ使うことで過大評価を防ぐことができる ( 表 4) 13
フィブリノーゲン もし凝固活動を Clauss 法で測定し 使用している薬がダビガトロンであった場合 フィブリノーゲンは非常に過小評価される場合がある これは Clauss 法が外因性のトロンビンによるフィブリノーゲンから フィブリンへの変換を基にしているためであり 驚くことではない そのためダビガトロンによる外因性トロンビンの抑制は フィブリノーゲン濃度の過小評価につながる (28, 30) 過小評価の度合いは検査に用いる手法により (28) 濃度 (30) や / もしくは検査に用いるトロンビンの種類が 重要な役割を果たすことを示唆している ( 表 4) APC 抵抗性 APC-R は APTT を用いた手法で 外因性 APC の有無に違いがある検査用の血漿から得られた凝固時間を比率として評価する (31) 定義として小さな比率ほど 大きな APC-R 値を示す (31) 高い濃度のダビガトロン (28) もしくはリバロキサバン (29) を投与された FV の野生型を持つ個人 または FV の Leiden 突然変異型を持つ者からの血漿サンプルから高い比率が観察される プロトロンビナーゼのレベルにおける凝固活性を基にした手法は影響しない ( 表 4)(28, 29) ループスアンチコアグラント NOAs のループスアンチコアグラント検査に対する干渉についての経験はまだとても少ないが LA 検出に推奨されている (32)dRVVT と APTT を用いた検査からの凝固時間は ダビガトロンもしくはリバロキサバンの投与量に依存して延長されるため それらの治療を受けている患者における LA 検出を難しくしている ( 表 4) 一般的に NOAs は プロテイン C とプロテイン S の機能検定を含む凝固検査に基づく 全ての止血パラメーターの測定に影響すると思われる そのためこれらのパラメーターに対する検査は 治療中止後 (1 週間 ) が推奨される もし中止することが不可能であれば 結果は注意して評価されるべきであり 誤診や誤分類を回避するため 医師は干渉の可能性について伝えられるべきである 結語 NOAs を投与されている患者に対しては 検査室でのモニタリングが必要ないとする供述を 総論の冒頭や NOAs に関する学会で耳にしているかもしれない 事実ではあるが 臨床医が NOAs を扱う際に検査はもう必要ないと誤って安心しているかもしれず この概念は誤解や危険の可能性を高めるほどに強調されている その反対に この供述が短絡過ぎであることがこれまでの証拠から示されている 近年発表された興味深く模範的な病例報告 (11) は この状況の実例である 慢性腎不全を患い 150mg のダビガトロンを日に二回服用している 79 歳の男性が 心臓手術を必要としていた そのため手術 2 日前にダ 14
ビガトロンによる治療を中止し 術前にトラネキサム酸と標準的なヘパリン抗凝固薬が投与され 術後にヘパリン逆転に加えて硫酸プロタミンが彼に与えられた トラネキサム酸 プロタミン クリオプレシピテートを追加で与えられ また血漿と血小板が注入されたにも関わらず 患者は術後に深刻な出血を発生させた 患者はその後 心臓に考慮した服用量 の rfiia を 3 回与えられたが 出血をコントロールすることはできなかった この時点で TCT を測定し その値は 129 s ( 基準値は <30 s) であった 血友病を考慮した服用量 の rfiia を二度追加することで 出血を解決することができた この病例報告から 我々は手術 2 日前にダビガトロンを摂取していなくても 治療中のダビガトロン濃度を維持していることで (TCT の延長によって示された ) 規模の大きな術後の出血を生じることを学ぶ 患者の腎不全によってダビガトロンがまだ循環に残っていたことを 術前に TCT を測定していれば明らかにできた この過度な短絡的思考による危険のもう一つの例が ダビガトロンの利用についての Harper ら (33) による最近の報告にある ダビガトロンで治療を受けていた 研究に参加した患者のかなりの割合が出血していた 彼らの既往歴についての調査は 出血のリスク因子 (i.e., 処方に関する誤り 腎不全など ) を確認したが これらの患者は出血の最中に検査を行わなかったようであった もしかしたら TCT や ECT などの簡単な検査を行うことで 出血傾向に全体的な異常が生じていたかを明らかにする助けができたかもしれない 一つ示唆できることとして 一度治療が定常状態に達した全ての患者に対して 検査を行うことが挙げられる この基礎値は出血時に得られた値と比較することができ 検査が治療前に出血のリスク要因が明白でなかった患者を見分けるのに 役に立つかを調べる機会を得ることができる まとめとして NOAs で治療を受けている患者に対して 検査を必要ないとする供述は過度に短絡的で あり たとえ ( 検査を基にした ) 用量調節が必要ないかもしれないとはいえ 多くの状況で抗凝固系に対す る何らかの検査が有益と思われる ( 訳者 : 香川雅春 ) 脚注 3 一般的ではない略語 : VKA, ビタミン K 拮抗薬 ; UFH, 未分画ヘパリン ; LMWH, 低分子ヘパリン ; NOA, 新規経口抗凝固薬 ; FXa, 活性因子 X; INR, 国際標準比 ; rfviia, 遺伝子組換え活性型 FVII; PT, プロトロンビン時間 ; APTT, 活性化部分トロンボプラスチン時間 ; drvvt, 希釈ラッセル蛇毒試験 ; TCT, トロンビン凝固時間 ; ECT, エカリン凝固時間 ; Cmax, 血漿中ピーク NOA 濃度 ; Ctrough, 血漿中天底 NOA 濃度 ; ISIVKA, VKA の国際感受性指標 ; APC, 活性化プロテイン C; APC-R, APC 抵抗性 ; LA, ルーパスアンチコアグラント. 15
著者の貢献 : 全ての著者は本稿の知的内容に対して貢献し 次の 3 つの条件を満たしていることを確認 した : (a) 考え方や試験デザイン データ収集もしくはデータ解析と評価に対する重要な貢献 ; (b) 論 文の知的内容に対する下書きと見直し ; そして (c) 論文掲載前の最終確認 Authors' Disclosures or Potential Conflicts of Interest: No authors declared any potential conflicts of interest. Received for publication May 31, 2012. Accepted for publication August 3, 2012. 2012 The American Association for Clinical Chemistry References 1. Cushman M, Tsai AW, White RH, Heckbert SR, Rosamond WD, Enright P, Folsom AR. Deep vein thrombosis and pulmonary embolism in two cohorts: the longitudinal investigation of thromboembolism etiology. Am J Med 2004;117:19 25. 2. Gray E, Mulloy B, Barrowcliffe TW. Heparin and low-molecular-weight heparin. Thromb Haemost 2008;99: 807 18. 3. Petitou M, Casu B, Lindahl U. 1976 1983, a critical period in the history of heparin: the discovery of the antithrombin binding site. Biochimie 2003;85:83 9. 4. Basu D, Gallus A, Hirsh J, Cade J. A prospective study of the value of monitoring heparin treatment with the activated partial thromboplastin time. N Engl J Med 1972;287:324 7. 5. Wittkowsky AK. Warfarin and other coumarin derivatives: pharmacokinetics, pharmacodynamics, and drug interactions. Semin Vasc Med 2003;3:221 30. 6. Singer DE, Albers GW, Dalen JE, Fang MC, Go AS, Halperin JL, et al. Antithrombotic therapy in atrial fibrillation: American College of Chest Physicians Evidence-Based Clinical Practice Guidelines (8th Edition). Chest 2008;133(6 Suppl):546S 92S. 7. Salem DN, O'Gara PT, Madias C, Madias C, Pauker SG. Valvular and structural heart disease: American College of Chest Physicians Evidence-Based Clinical Practice Guidelines (8th Edition). Chest 2008;133(6 Suppl):593S 629S. 16
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