転写 1. タンパク合成における RNA の役割酵素誘導 2. RNA ポリメラーゼ鎖型への結合転写開始鎖延長転写終結真核生物の RNA ポリメラーゼ 3. 原核生物における転写制御プロモーターカタボライト ( 異化代謝産物 ) 抑制オペロン 4. 転写後修飾プロセシング
RNA ポリメラーゼ ( 鎖型への結合 ) プロモーターに特異的に結合 大腸菌の代表的なプロモーターのセンス鎖の配列
RNA ポリメラーゼ ( 転写開始 ) 上流 下流 -10 領域 Taq ホロ酵素に刺さった形のフォーク連結プロモーター DNA 配列の複合体
RNA ポリメラーゼ ( 転写開始 ) β サブユニットのはしご 閉鎖型複合体 (Rp c ) オープン複合体 (Rp o ) TaqRNA ポリメラーゼとプロモーターを含む DNA のモデル
RNA ポリメラーゼ ( 鎖延長 ) RNA ポリメラーゼによる RNA 鎖延長 (a) 第一の可能性 RNA ポリメラーゼが DNA の二重らせんのまわりを鋳型鎖に沿って動く (b) 第二の可能性 RNA ポリメラーゼはまっすぐに進み DNA がその下で回転する
RNA ポリメラーゼ ( 転写終結 ) 転写終結を引き起こす RNA ヘアピン構造とポリ (U) 尾部 大腸菌の効率のよい仮想的転写終結配列
RNA ポリメラーゼ ( 転写終結 ) RNA の第 1 の結合部位 (N 端ドメイン ) ρ 因子 6 量体 RNA RNA の第 2 の結合部位 (C 端ドメイン ) ρ 因子と RNA の複合体の X 線構造
真核生物の RNA ポリメラーゼ
真核生物の RNA ポリメラーゼ RNAP II の構造 下から見た転写複合体 RNA DNA 混成鎖中 転写複合体の断面図
真核生物の RNA ポリメラーゼ TATA ボックス 代表的な真核構造遺伝子のプロモーター配列
転写 1. タンパク合成における RNA の役割酵素誘導 2. RNA ポリメラーゼ鎖型への結合転写開始鎖延長転写終結真核生物の RNA ポリメラーゼ 3. 原核生物における転写制御プロモーターカタボライト ( 異化代謝産物 ) 抑制オペロン 4. 転写後修飾プロセシング
カタボライト ( 異化代謝産物 ) 抑制 大腸菌の増殖時に適切な量のグルコース存在していると 他の多くの代謝物質 ( ラクトース アラビノース ガラクトースなど ) が存在していても それらの代謝に関与するタンパクの遺伝子発現が抑制される グルコースと大腸菌内の camp 濃度の関係 グルコース存在下では camp レベルが低下 camp 結合タンパク質カタボライト遺伝子活性化タンパク (CAP) camp 受容体タンパク (CRP) lac リプレッサーがない CAP-cAMP 複合体が lac オペロンに結合 低効率プロモーターからの転写を促進 CAP は正の調節因子 ( 転写オン ) lac リプレッサーは負の調節因子 ( 転写オフ ) IPTG による誘導による lac オペロンの mrna の合成とグルコース添加後の mrna 分解の時間変化
カタボライト ( 異化代謝産物 ) 抑制 大腸菌の増殖時に適切な量のグルコース存在していると 他の多くの代謝物質 ( ラクトース アラビノース ガラクトースなど ) が存在していても それらの代謝に関与するタンパクの遺伝子発現が抑制される グルコースと大腸菌内の camp 濃度の関係 グルコース存在下では camp レベルが低下 camp 結合タンパク質カタボライト遺伝子活性化タンパク (CAP) camp 受容体タンパク (CRP) lac リプレッサーがない CAP-cAMP 複合体が lac オペロンに結合 低効率プロモーターからの転写を促進 CAP は正の調節因子 ( 転写オン ) lac リプレッサーは負の調節因子 ( 転写オフ ) DNA 配列 回文対称性はタンパクが結合する DNA によくみられる特徴 回文対称 大腸菌 lac プロモーター オペレーター領域の塩基配列
CAP-cAMP 複合体の X 線構造 CAP-cAMP と 30bp の回文配列をもつ dsdna の複合体 CAP-cAMP と 44bp の回文配列と DNA および αctd の複合体 二量体の二つのへリックス ターン へリックス (HTH) モチーフが DNA の隣接する主溝に結合する様子
lac リプレッサー DNA 結合ドメイン ( ヘッドピース ) は HTH モチーフを持つ lac リプレッサーサブユニットの X 線構造
ara オペロン : 同一タンパクによる正と負の制御 大腸菌 arabad および arabad オペロンの遺伝子地図
ara オペロン : 同一タンパクによる正と負の制御 arabad の転写は L- アラビノースと CAP-cAMP のレベルによって制御される arabad 調節の仕組み
trp オペロン : アテニュエーション ( 転写減衰 ) 大腸菌 trp オペロンの遺伝子地図と各遺伝子がコードする酵素およびそれらが関与する反応
trp オペロン : アテニュエーション ( 転写減衰 ) アテニュエーション : オペロンの発現を調節する制御エレメント 3 4 ヘアピン構造 ( 転写終結構造 ) 2 3 ヘアピン構造 ( 抗転写終結構造 ) trp L mrna の二通りの二次構造 trp オペロンのアテニュエーション
trp オペロン
転写 1. タンパク合成における RNA の役割酵素誘導 2. RNA ポリメラーゼ鎖型への結合転写開始鎖延長転写終結真核生物の RNA ポリメラーゼ 3. 原核生物における転写制御プロモーターカタボライト ( 異化代謝産物 ) 抑制オペロン 4. 転写後修飾プロセシング
転写後修飾 mrna のプロセシング 真核 mrna には 5 末端にキャップが付加される ポリ (A) 尾部が付加される 発現配列 ( エキソン ) と介在配列 ( イントロン ) がある mrna の一次転写物のイントロンは投げ縄中間体を解して切り取られ エキソンがつなげられる 真核 mrna の 5 キャップ構造
エキソンとイントロン ニワトリ卵アルブミン遺伝子のアンチセンス鎖と対応する mrna のハイブリッドの電子顕微鏡写真と解釈図 ニワトリ卵アルブミン遺伝子を例とする真核成熟 mrna の生成過程
スプライシング
イントロン 核の mrna 前駆体のスプライシングはスプライソソーム ( リボヌクレオタンパク粒子 ) によって行われる 自己スプライシングを行う RNA 自身が RNA 酵素 ( リボザイム ) として働く Tetrahymena グループ I イントロンの自己スプライシング
リボザイム ハンマーヘッドリボザイムの X 線構造 ハンマーヘッドリボザイムにおけるインライン求核攻撃に必要なコンホメーション
mrna 前駆体スプライシング snrna( 核内低分子 RNA) mrna 前駆体 U に富む snrna のサブファミリー 枝分かれ点結合タンパク mrna 前駆体スプライシングの最初のエステル交換反応に伴うスプライソソームの 6 つの編成替えの模式図 (1) U1 がイントロンの 5 スプライス部位と塩基対をつくって U6 と交換 (2) BBP がイントロン枝分かれ点に結合して U2 と交換 (3) U2 における分子内編成替え (4) U4 と U6 の塩基対ステムが壊れて U6 にステムループを形成 (5) U4 と U6 の間の二番目のステムが壊れて U2 と U6 でステムを形成 (6) U2 のステムループが壊れて U2 と U6 で二番目のステムループを形成 編成替えの順序は不明
スプライソソーム スプライソソームは snrnp( 核内低分子リボヌクレオタンパク ) から構成され snrnp コアタンパクは 7 つの Sm タンパク (B/B, D 1, D 2, D 3, E, F, G) から構成される Sm タンパクの構造 D 3 B 二量体 D 3 タンパクの構造 snrnp コアタンパクのモデル D 3 B 複合体 D 1 D 2 複合体 EFG 複合体
選択的スプライシング ラット α トロポミオシン遺伝子の編成と細胞特異的な α トロポミオシンを生じる 7 通りの選択的スプライシング経路
mrna の RNA 編集 特定の塩基の置換 挿入 欠失ガイド RNA(gRNA) の指令 末端ウリジルトランスフェラーゼ (TUT アーゼ ) による U の挿入 3 -U- エキソヌクレアーゼによる U の除去シチジンデアミナーゼやアデニンデアミナーゼの塩基の脱アミノ化による置換編集 grna がトリパノソーマの編集前 mrna の編集を指令する仕組み トリパノソーマ RNA の編集経路
RNA 干渉 (RNAi) RNA が遺伝子発現に干渉する現象 ダイサー (RN アーゼ ) が dsrna を多数の低分子干渉 RNA(siRNA) に分解する 生じた sirna が RNA 誘導サイレンシング複合体 (RISC) を sirna に相補的な mrna に導く mrna を加水分解により切断し mrna の転写を阻害する RNA 干渉 (RNAi) のモデル
リボソーム RNA のプロセシング 塩基数 : 5 RN アーゼ : RN アーゼ : 塩基数 : 大腸菌 rrna の転写後プロセシング
酵母 trna Tyr の転写後のプロセシング trna のクローバー葉二次構造の模式図 酵母 trna Tyr の転写後のプロセシング