患者さんへ 自主臨床研究 全自動遺伝子解析装置におけるインフルエンザ試薬の性 能評価 についてのご説明 札幌医科大学附属病院 作成年月日 :2019 年 1 月 25 日 第 3 版 1
1. はじめに 臨床研究により新しい治療法を確立することは大学病院の使命であり 患者さんのご協力により成し遂げることができるものです 今回参加をお願いする臨床研究は 自主臨床研究 と呼ばれるもので 実際の診療に携わる医師が医学的必要性 重要性に鑑みて 立案 計画して行うものです 製薬会社などが行う新薬の安全性 有効性を得るための臨床試験 いわゆる 治験 ではありません この研究については 当院の臨床研究審査委員会の審議に基づく病院長の許可を得ています この研究の説明を実施研究者から受けて下さい あなたの自由な意思で この研究に参加するかどうかを決めて下さい この研究に同意頂けない場合 また参加途中でやめたいと思われた場合でも気まずくなるなどの不利益を受けることはありません この研究の目的や方法についての説明を十分お聞きになり 理解した上で参加についてご検討下さい 参加しても良いと判断された場合には この説明文書の最後にあります同意文書に署名し 写しの保管をお願いいたします 内容についてわからないこと 聞きたい事がありましたら担当医師に遠慮なくお聞き下さい 2
2. 病気についてインフルエンザウイルス ( 以下 Flu) は感染力が非常に強いため早期診断は 2 次感染防止や不要な抗菌薬投与を防ぎ さらに適切な治療を実施するうえで重要です Fluの検出には 現在 イムノクロマト法 ( 抗原抗体反応を利用した迅速検査法 ) を原理とするFlu 抗原キットが多くの施設で利用されています しかし Flu 抗原キットは 操作が簡便かつ迅速性に優れている反面 感度についてはRT-PCR 法 ( 遺伝子検査法 ) と比べ劣ることが報告されています そこで 近年 これらの問題点を克服するため新たに全自動で遺伝子解析が可能である Xpert Xpress Flu/RSV( エキスパートエキスプレスフル / アールエスブイ ) Cepheid, Sunnyvale, CA( セフィエドサニーベールシーエー ) cobas Liat Influenza A/B & RSV( コバスリアットインフルエンザエー / ビーアンドアールエスブイ )Roche Diagnostics, Tokyo, Japan( ロシュダイアグノスティックストーキョージャパン ) が開発されました 3. 研究の目的 Flu 検出における Flu 抗原キットおよび Xpert Xpress Flu/RSV, cobas Liat Influenza A/B & RSV の性能評価を行い Flu の検出において新たな検査法が有用か否かを検討することです 4. 研究の方法本院で インフルエンザウイルス感染疑いの患者さんのうち 本研究に参加同意を得られた方を被験者とします あなたが同意された場合 通常のインフルエンザウイルス検査用として採取する鼻腔粘液の他に 別に綿棒にて1 本鼻腔粘液を採取させていただきます ( 問診 ) 1) 生年月日 性別 年齢 2) 発熱症状が出現してから受診までの時間 3) 受診から発熱症状消失までの期間 3
( 身体所見 ) 身長 体重 ( 検査所見 ) 1)Flu 抗原キット 2) 全自動遺伝子解析装置 3) リアルタイム RT-PCR 法 ( 目標予定症例数 ) 300 症例 5. この研究の予定参加期間 この研究では病院長承認日より 2021 年 3 月 31 日まで登録を行います 6. この研究の研究予定期間 病院長承認日より 2021 年 8 月 31 日まで行います 7. あなたにもたらされる利益と不利益についてこの研究に参加することで対象者は 確立される新たな知見が 未来の患者さんの利益となる または恩恵となるかも知れません しかし 個人情報の流出 プライバシーの侵害などの不利益が生じる可能性があります 私たちは そのような問題が発生しないように努めます 8. 健康被害について今回の研究で行われるインフルエンザ抗原 核酸検査は 日常臨床で行われている外来検査手技であり危険性を伴う確率は極めて低いものです ごくまれに 鼻腔の違和感が施行後発生することもありますが ごく一時的なものであり検査により耳鼻咽喉科的な専門的治療を必要とした例はきわめて少ない状況です しかし 十分に注意しながら実施いたします 万が一 何らかの有害事象が発現した場合には 担当医師等は直ちに必要かつ適切な処置を行い 患者さんの十分な安全性確保に努めます また 試験の継続 中止に関わらず 担当医師等は安 4
全を確認するまで可能な限り臨床検査等の追跡調査を実施します なお 本研究 のテーマである細菌検査での検体採取で有害事象が発生することはありません 9. 個人情報の保護についてあなたの個人情報は 札幌医科大学の 個人情報保護に関するガイドライン に従って守られます この研究結果は 個人名が特定できない形で集計され 今回の研究の目的のみに使用されます また調査結果は 医学雑誌などに公表されることがありますが あなたの名前などの個人情報は一切分からないようにいたしますので 個人情報は守られます 札幌医科大学附属病院臨床研究審査委員会の委員が調査のために個人情報に触れる可能性がありますが 法律上の守秘義務があり その職を辞した後も同様であるため個人情報は守られます 10. 研究計画書等の開示について あなたが希望される場合 この研究の研究計画の内容を見ることができます 11. 費用についてこの臨床試験における通常臨床と同様の方法で行う検査 治療については すべて通常の健康保険の範囲内で行われます 検査費用 ( 血液検査 画像診断 気管支鏡検査など ) も 普段の診療と同様に通常の保険診療と同じ負担となります 12. 健康被害が発生した場合の補償についてこの臨床試験はこれまでの報告に基づいて計画され慎重に行われますが もし 試験期間中や期間後になんらかの健康被害が生じた場合には担当医が適切な診療と治療を行い 通常の健康保険と同じ負担となります その他の金銭的等の補償はありません 13. 研究資金および利益相反 本研究に際し 開示すべき利益相反関係にある企業はありません 5
14. 同意撤回の場合のデータの取扱いについてこの研究への参加に同意した場合でも あなたが不利益を受けることなく いつでも同意を撤回することができ その場合 研究は中止いたします またそれまでのデータの破棄を希望される時は実施研究者に申し出てください あなたの研究結果は破棄いたします ただし 同意を取り消した時すでに研究結果が論文などで公表されていた場合などのように 調査結果などを廃棄することができない場合があります その他 わからないことがあれば外来担当医師に何でも質問してください 研究責任者連絡先 ( 平日 夜間 休日 ) 感染制御 臨床検査医学講座教授髙橋聡 連絡先 平日日中感染制御 臨床検査医学講座電話 011-611-2111( 内線 36400) 夜間 休日附属病院検査部電話 011-611-2111( 内線 36360) 15. 付記この研究の実施に際しては 当院の臨床研究審査委員会において この研究が科学的及び倫理的に妥当であることや 当院において行うことが適当であるが審議を受け承認を得ております 臨床研究審査委員会がどのように運営されているかを示した手順書 委員名簿および会議の記録の概要については公開されていますので 次にお問い合わせください 名称 : 札幌医科大学附属病院臨床研究審査委員会設置者 : 札幌医科大学附属病院長所在地 : 札幌市中央区南 1 条西 16 丁目お問い合わせ先 : 札幌医科大学事務局研究支援課臨床研究係電話 :011-611-2111 ( 内線 31460 31470) 6